帝塚山学院小学校の過去問には、どんな傾向があるのでしょうか。
ペーパーで見られる力
ペーパーは約20分で行われます。話の理解や、数、図形、常識など、幅広い分野の基礎的な力が見られると考えられます。
特定の難問より、基本を着実に理解できているかが問われます。過去の傾向にとらわれすぎず、幅広い分野をバランスよく準備しておくことが大切です。
話をよく聞いて理解する力は、多くの分野の土台になります。日ごろから、絵本の読み聞かせや会話を通じて育てておきましょう。
行動観察・運動・個別の課題
行動観察は約10分で行われ、集団のなかでの関わり方が見られます。友だちと協力できるか、指示を聞いて動けるかといった点が土台になります。
運動は個別の口頭試問に含まれる形で行われます。個別は約8分で、質問に自分の言葉で答えられるかが見られます。
初めての場でも落ち着いて取り組めるよう、いろいろな集団に触れる経験や、体を動かす遊びを積み重ねておくと安心です。
「給食テスト」への備え
同校の考査には、実際に給食を食べる給食テストがあります。約25分をかけて、食事の様子が見られます。
食事のマナーや、時間内に食べる力、好き嫌いなく食べられるかなど、日常の生活習慣がそのまま表れます。
家庭でも、食事の姿勢や、あいさつ、片付けの習慣を日ごろから整えておくことが、何よりの対策になります。
保護者面接の傾向
面接は保護者を対象に、考査日の前に15分程度で行われます。家庭の教育方針や、学校への理解が問われます。
同校の「力の教育」や「自学主義」といった建学の精神への共感を、家庭の言葉で語れるようにしておきましょう。
願書に書いた内容と、面接で話す内容が食い違わないよう、家庭で共有しておくことも大切です。
家庭でできる対策
まずは、食事のマナーや生活習慣を整えることを、日々の暮らしのなかで大切にしましょう。給食テストのある同校ならではの準備です。
あわせて、話を聞いて理解する力や、幅広い分野の経験をバランスよく積んでおくことが、考査全体への準備になります。
ご家庭だけで判断に迷うときは、プロによる個別相談を承っております。あわせて個別家庭学習サポートもご活用ください。
公式サイトが公表している範囲と、公表していない範囲
過去問の傾向を考えるときは、まず学校が何を公表しているかを確かめておくと、対策の土台がぶれません。
帝塚山学院小学校の公式サイトの募集要項のページには、入学試験の内容として「ペーパーテスト・口頭試問・給食・行動観察」と示されています。「2024年4月25日現在」としての掲載です。学校の言葉で公表されているのは、この4つの項目名までです。
一方で、次のことは公式サイトには掲載されていません。
- ペーパーテストの出題分野・問題数・配点
- それぞれの課題にかかる時間
- 行動観察の具体的な課題内容
- 口頭試問で実際に出された質問
- 過去の入試問題そのもの(過去問題集の頒布についての記載もありません)
つまり、同校は過去問そのものを公開していない学校です。ただ、受験されたご家庭の話から、出題のおおよその形は見えてきています。学校が認めた内容ではありませんので、数字や分野の細かな断定は避けつつ、次の章で紹介する傾向を、対策の手がかりとして使うのが健全な向き合い方です。
そのうえで、学校が公表している4つの項目名は、それ自体が大きなヒントになります。とくに「給食」が試験項目に入っている学校は多くありません。ペーパーの力だけでなく、食事の場面まで含めた生活の様子が見られる考査だということが、項目名から読み取れます。
実際にどんな問題が出ているか
学校が出題そのものを公表していない一方で、受験されたご家庭の話から、考査のおおよその形は見えてきています。ここでは、問題の中身がわかる程度に整理しておきます。細かな設定は年度で変わりますので、こういう形の課題に慣れておく、という視点でお読みください。
まずペーパーです。分野は、お話の記憶、言語、数量、図形、常識と幅広く、どれも基礎的な内容が中心です。なかでもお話の記憶は毎年出されている分野ですので、読み聞かせのあとに内容をたずねる習慣が、そのまま対策になります。一方、図形と数量は年度ごとに出される内容が入れ替わっていますので、直近の1年分だけでなく、2年分以上の傾向を見ておくと安心です。
具体的には、次のような形の問題が出ています。
- 数量では、何種類かの果物がたくさん散らばった絵を見て、いちばん数が多い種類を下の候補から選ぶ問題
- 図形では、時計の絵の一部が欠けていて、その欠けた部分にぴったり当てはまる形を4つの候補から選ぶ問題
いずれも、数える・見比べるという基本の力を、落ち着いて正確に発揮できるかを見る問題です。難問を解く力より、年齢相応の常識や、暮らしのなかで身につく知識を、ていねいに使えるかが問われていると考えられます。
行動観察は、例年、集団遊びやゲームの形で行われています。過去には、グループで空き缶をできるだけ高く積み上げる課題や、グループで布の上にボールを載せ、指定された場所まで落とさずに運ぶ課題が出ています。どちらも一人では成り立たない課題で、友だちと声をかけ合い、力の加減を合わせる姿が見られます。
口頭試問は、例年、給食(食事テスト)と続けて行われています。個別で質問に答えたあと、そのまま集団で食事をする流れです。食事のマナーやしつけの様子が見られますので、机の上の練習とは別に、日ごろの食卓での姿がそのまま表れる場面だと考えておくと安心です。なお、給食(集団での食事)は2021年度には実施されていません。年度によって形が変わる可能性はありますが、近年は行われている課題です。
保護者面接は、考査日より前に別の日程で行われます。話題としては、志望理由、家庭でのしつけの考え方、お子さまが最近だれかにほめられたこと、親が手本として日ごろ実践していること、といったことが尋ねられています。あわせて保護者向けのアンケートも用意されており、志望理由を選択式で答える項目のほか、お子さまの長所を3つ挙げる項目、6年後にどのように成長してほしいかを書く項目、専願か併願かを答える項目が含まれています。面接で話す内容とアンケートに書いた内容がずれないよう、家庭の考えをあらかじめ言葉にしておくことが準備になります。
入学後の学びから読み取れる、学校が大切にしている力
過去問が公開されていない学校では、入学後にどんな力を伸ばそうとしているかを見ると、入試で見たい力の輪郭がつかめます。公式サイトの記載から整理してみましょう。
まず、朝の基礎学習です。公式サイトの「学力保証」のページによると、月曜・火曜・水曜・金曜の朝10分間、既習単元の復習が行われています。月曜は読書、火曜は国語、水曜は計算、金曜は漢字と決まっています。毎日の短い積み重ねを大切にしている学校だということが分かります。
次に、検定です。漢字検定は1年生と2年生が学校独自の検定、3年生から6年生は日本漢字能力検定協会が主催する検定を年2回受検すると書かれています。計算検定も年2回、学校独自の問題で行われ、合格すると級ごとの合格証が授与されます。読み書きと計算を、目に見える形で積み上げていく方針です。
そして「学び合い」です。公式サイトには、「答えを述べるだけではなく、どのように導きだしたのかを説明するなかで、学習を定着させ深めていく」と書かれています。答えが合っているかどうかより、その道筋を自分の言葉で説明できるかを重んじているということです。
この姿勢は、よくあるご質問にある口頭試問の説明とも重なります。学校は、見ているポイントとして「言語能力・身体能力・一般常識・家庭での教育力・家族とのふれあい」を挙げたうえで、「聞かれた事がきちんと理解できているか、集中力があるかも、重要です」と説明しています。知識の量を試すというより、聞いて、考えて、言葉にできるかを見ているのだと考えられます。
英語についても、公式サイトによるとネイティブ教員5名と日本人教員4名の計9名体制で、月曜から木曜までの週4日、モジュールの時間が設けられています。ただし、入学試験に英語の課題があるという記載はありません。入試の準備として英語を先取りする必要はないと考えてよいでしょう。
帝塚山学院小学校の過去問についてよくある質問
学校が過去問題集を配っていますか
公式サイトには、過去問題集の頒布や、過去の入試問題の公開についての記載はありません。学校説明会や入試イベントで案内される可能性はありますので、参加される際に確認しておくとよいでしょう。公式サイトには、デジタルパンフレットと「まなぶっく」デジタルパンフレットが用意されています。
市販の問題集だけで対策できますか
ペーパーの分野を学校自身は公表していませんが、受験されたご家庭の話から、お話の記憶・言語・数量・図形・常識といった分野が出ていることは見えています。市販の問題集でこれらの基礎を偏りなく固めておくのが基本になります。ただし同校は、給食と行動観察が試験項目に含まれています。机の上の学習だけでは足りない部分がありますので、生活面の準備を並行して進めてください。
いちばん力を入れるべきなのはどこですか
学校が公表している4つの項目のうち、家庭でしか準備できないのが給食と行動観察に関わる部分です。時間内に食べ終える、箸を年齢相応に使う、片付けまで自分でする、初めての場所でも落ち着いて指示を聞く。こうした力は、直前に詰め込むことができません。ペーパーの演習と並行して、日々の生活のなかで少しずつ積み上げていきましょう。
月齢が低いと不利になりますか
公式サイトのよくあるご質問には、月齢は「考慮していません」と書かれたうえで、「本校の入学試験では、月齢による差はほとんどみられません」と説明されています。生まれ月を理由に対策を変える必要はありません。
体験イベントは対策になりますか
公式サイトの入試イベントのページには、2026年の予定として5月28日の第2回学校見学会、6月7日の第3回学校説明会・体験授業、6月14日のエコチャームづくり&ミニ説明会が掲載されていました。体験授業や制作の場に参加すると、初めての場所で指示を聞いて取り組む経験そのものが練習になります。参加が合否に関わるという記載はありませんが、お子さまが会場の雰囲気に慣れるという意味では役に立ちます。
あわせて読みたい 関連記事
志望校対策に、うみ塾長制作の教材があります
元お受験幼稚園面接官のうみ塾長が、願書・面接・学校選びを教材にまとめています。
ニュースを見逃さないように登録する
Google ニュースでフォローする1.jpg)


























