「魔法の箱」とは、箱に入ったものと箱から出たものの変化の関係を推理して、他のものに適用するタイプの問題です。規則性を発見する力が求められるため「閃き」が大切だと思われがちですが、ほとんどの問題は「経験」で解くことができます。そのため、「魔法の箱」の問題を解くためには、様々なパターンの問題演習をしておくことが大切です。
【小学校受験】魔法の箱の出題意図は?
「魔法の箱」は、入ったものと出たものの変化の関係を推理するため、数量感覚や言語感覚、論理的思考力などが問われます。
観察力があるか
「魔法の箱」では、入ったものと出たものを観察して、その違いを見極めることが大切です。例えば、入ったものと出たものではクッキーの数が変わっていたり、三角の向きが変わっていたりするはずです。入ったものと出てきたものの違いを見つける観察力があるかどうかが重要です。
数量・図形・言語などの感覚があるか
入ったものと出てきたものの違いを見つけて変化の関係を推理するためには、数量感覚・図形感覚・言語感覚などの基本的な感覚を持っていることが必要です。例えば、「イカ→貝」と変化しているのならば、「言葉が逆さまになった」と直感的に判断できるのが望ましいです。感覚が豊かなお子さまであればこのような変化の関係を直感的に捉えることができますが、そうでなければ経験を積んで知識を増やすことが大切です。
論理的思考力があるか
規則性を見つけて、それを他の問題に応用する論理的思考力も必要です。「お手本では言葉が逆さになっているから、この言葉も逆さまにしてみよう」など論理的に考えられるようになると、正答率を上げることができます。
発想力があるか
どのような規則性があるかを発想する力も大切です。例えば、数の変化において「2→4」と変化した時に「2増えた」と考える場合と、「2倍になった」と考える場合があります。1つの考えに固執していては問題が解けないことがあるので、柔軟に発想して問題を解くようにしましょう。
【小学校受験】魔法の箱の出題方法は?
「魔法の箱」の出題方法には、大きく2つの方法があります。
個別テスト・口頭試問
個別テスト・口頭試問による出題では、先生が例を説明してくれた後に、口頭で問題に答えます。例えば、「この箱に積み木を2個入れると3個になって出てきます。3個入れると4個になって出てきます。では、5個入れたらいくつの積み木が出てきますか。出てくる積み木の数を教えてください。」のように、口頭で問題が出されます。実物を使ったり、変化の関係が描かれた用紙を見せられたりすることもあります。
ペーパーテスト
ペーパーテストでは、変化の関係が「お手本」として示されていて、それをヒントに解答するパターンがほとんどです。解答の仕方は、選択肢が示されている問題や、答えの数だけ丸を描く問題などがあります。
【小学校受験】魔法の箱の出題内容は?
「魔法の箱」の主な出題内容には、数量・図形・常識・言語があります。
数量
数や量が増減するタイプの問題です。数や量が増減するタイプの問題です。「1→2」や「1→3」、「2→1」や「3→1」のように、数量が増えたり減ったりします。また、「2→4」や「3→6」、「4→2」や「6→3」のように、数が倍になったり、半分になったりする問題が出されることもあります。「数量」の分野に関連した問題は、「魔法の箱」で頻出の問題になっています。
図形
形が、反転したり、回転したり、切られたり、増えたり、色が変わったりするタイプの問題です。「数量」と同様に、「図形」に関連する問題も、「魔法の箱」で頻出の問題です。このタイプの問題を解くためには、図形の基礎を理解していることが必要です。小学校受験では、「図形が苦手」というお子さまも多いので、図形の理解が不十分な場合は、「魔法の箱」に取り組む前に「反転図形」「回転図形」「重ね図形」などの問題集で、図形の基礎をきちんと理解しておきましょう。
常識
季節の変化や生き物の関係など、「常識」の分野タイプの問題です。「数量」や「図形」に比べて出題の頻度は低いものの、このタイプの問題に慣れていないと、「問題の意味がわからない」という事態になりかねません。問題の種類や解き方を確認して、しっかりと解答できるようにしておきましょう。
言語
言葉を逆さまにしたり、言葉を入れ替えたりするタイプの問題です。「常識」の問題よりもさらに出題頻度が低い問題ですが、どのような種類の問題が出されるのかを知っておくだけでも有用です。
【小学校受験】魔法の箱の解き方は?
「魔法の箱」の問題を解く時には、「数」「形」「色」「物」「時間」「言葉」に着目するのがポイントです。この中でも「数」と「形」は出題頻度が高いので、まずはこの2つの変化に着目するとよいです。
また、各問題には、それぞれ解き方のポイントがあります。例えば、図形の変化に関する問題では、主に「向き」「表裏」「色」「形」が変化します。よく出題される問題に慣れておくことは、正答率を高めたり、解答速度を速めたりするのに効果的です。
こちらの教材では、数量・図形・常識・言語の出題内容を網羅し、解く時のポイントを丁寧に解説しています。
【思考】魔法の箱(教材サンプル)

【小学校受験】魔法の箱|まとめ
「魔法の箱」は発想力が必要な問題ですが、発想力は経験を通して育むことができます。いろいろな問題に慣れておくことで、発展的な問題も解けるようになりますので、幅広い対策を心がけるようにしてください。本記事でご紹介した教材をご活用いただき、ぜひ効果的な対策をしていただけたらと思います。
「魔法の箱」は、この順番で教えます
この分野は、箱の中で何が起きたかを見つける問題です。答えを当てる練習ではなく、きまりを言葉にする練習だと考えてください。
ステップ1 本物の箱で遊ぶ
空き箱を一つ用意し、片側から入れて反対側から出す形にします。おはじきを三つ入れて、四つ出てくる。お母様が箱の中でこっそり一つ足すだけで、遊びになります。何度か見せたあと、「この箱は何をする箱」と聞きます。「一つ増える箱」と言えたら大成功です。
ステップ2 きまりを言ってから、答える
次に、紙の上でも同じことをします。入る前と出たあとを見比べて、まず何が変わったかを言わせます。数が増えたのか、形が変わったのか、色が変わったのか。きまりを口に出してから、次の答えを考える。この順番を必ず守らせてください。
ステップ3 箱を二つ通す
最後に、箱を二つ続けて通す問題に進みます。ここでも、一つ目の箱を通ったところで必ず止まり、途中の様子を紙に描かせるか、声に出させるかします。二つ分をいっぺんに進めようとすると、必ず崩れます。
つまずきやすいところと、その原因
きまりを見つけずに、答えだけを当てようとする
いちばん多いつまずきです。原因は、当てるゲームだと思っていることにあります。「この箱は何をする箱だと思う」と、必ず先に聞いてください。きまりが言えれば、答えはほとんど出ます。
一つの例だけで決めてしまう
お手本が二つ以上あるのに、一つ目だけを見て決める誤りです。二つ目のお手本でも同じきまりが成り立つかを、指でさして確かめさせてください。
箱を二つ通すと、手が止まる
途中の様子を残していないことが原因です。一つ目を通ったあとの姿を、必ず紙に描くか、おはじきで並べるかさせてください。頭の中だけで二段階を進めるのは、幼児には重い作業です。
数以外のきまりに気づけない
数が変わる箱ばかり練習していると、形や向きが変わる箱で止まります。増える減るだけでなく、回る、裏返る、音が変わる、といった箱もあると知っておくだけで、見方が広がります。形が変わる箱は回転図形、音が変わる箱は音の数の力が土台になります。
家庭でできる練習と、年中・年長の目安
家にあるもので、すぐできる練習
用意するのは、ティッシュの空き箱と、おはじき、それに折り紙です。箱の両側に穴をあけ、通り道にします。お母様が箱の向こう側で数を変えたり、折り紙の向きを変えたりして、出してみせます。お子さまは、その箱が何をする箱かを当てます。当てられたら、今度はお子さまが箱の役をして、お母様が当てる側にまわってください。きまりを作る側に立つと、理解がぐっと深まります。おはじきの数を変える箱、色を変える箱、と日ごとに種類を決めると、混乱しません。
年中と年長で、どこまで求めるか
年中では、実物の箱を使って、数が一つ増える、一つ減るといった簡単なきまりが分かれば十分です。年長では、紙の上できまりを言葉にできること、二つの箱を続けて通す問題を、途中を残しながら進められることを目指します。数の変化を扱う問題は数量の系列と土台が同じですので、あわせて進めてください。
「魔法の箱」についてよくある質問
きまりが言えませんが、答えは合っています
今は構いませんが、言葉にできるよう促してください。言えないまま当たっている場合、箱の種類が変わったとたんに崩れます。「どうしてそうなると思ったの」と、毎回たずねるだけで変わります。
どんな箱を練習させればよいですか
まずは数が増える箱と減る箱です。それが確実になってから、形が変わる箱、向きが変わる箱に広げてください。一度にいろいろな種類を混ぜないことが大切です。
二つの箱を通す問題は、いつから始めますか
一つの箱で、きまりを言葉にできるようになってからです。時期ではなく、状態で判断してください。早く始めても、途中を残す手順ができていなければ意味がありません。
間違えたとき、どう声をかければよいですか
答えではなく、「一つ目のお手本を、もう一度見てみようか」と、見る場所を示してください。きまりを自分で見つけ直せたときに、はじめて次につながります。考え方の道すじは推理の教え方にもまとめています。
📚 あわせて読みたい
※記事内でご紹介している分野別の問題集は、教材リニューアルのため販売を終了しました(2026年8月)。現在、新しい教材を制作中です。完成しだい、あらためてご案内します。
ニュースを見逃さないように登録する
Google ニュースでフォローする1.jpg)
























