推理で問われる力
推理には、系列(規則の並び)・シーソー(重さ比べ)・関係推理・位置の移動などがあります。共通するのは、「目の前の情報から規則やきまりを見つける」力です。知識ではなく考える過程が問われるため、急がず取り組むことが大切です。
系列の教え方
系列は、「○△○△…」の繰り返しを声に出して読むことから始めます。実際におはじきやカードを並べ、「次は何が来る?」と予想させると規則を体で覚えられます。隠れた部分を当てる問題も、まず規則を見つけてから考える順序を習慣にしましょう。
シーソー(重さ比べ)の教え方
シーソーは、実際にてんびんや具体物で「重い方が下がる」を体験させるのが一番です。「AよりB、BよりCが重いなら、いちばん重いのは?」と順序立てて考える練習を、具体物で繰り返しましょう。頭の中だけで考えさせる前に体験が必要です。
つまずいたときの関わり方
推理は「正解より考える過程」をほめると伸びます。すぐ答えを言わず、「どうしてそう思った?」と聞くことで、自分で規則を見つける力が育ちます。お子さんに合った進め方は家庭学習サポートでも伴走しています。
まとめ
推理は規則を見つける力が中心で、具体物での体験と「予想→確認」の積み重ねが効きます。正解より考える過程をほめ、考える楽しさを育てましょう。
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Q. 推理は何から始めればいいですか?
A. 系列の繰り返しを声に出す、シーソーを具体物で体験する、など「手と体で規則を見つける」ことから始めましょう。
Q. 答えを教えてもいいですか?
A. すぐ教えず「どうしてそう思った?」と過程を聞きましょう。自分で規則を見つける経験が考える力を育てます。
推理は、この順番で進めます
推理の問題は、覚えて解くことができません。だからこそ、考える手順を先に決めてしまうことが、いちばんの近道になります。
ステップ1 実物を動かして、結果を見る
紐を切る、箱を通す、コップに水を入れる。どの題材でも、まず実物で結果を見せます。この段階では予想させません。こうすると、こうなる。その事実を目で見て、手で確かめる時間をたっぷり取ってください。
ステップ2 予想してから、確かめる
同じ道具を使って、今度は動かす前に「どうなると思う」と聞きます。当たった、外れたを繰り返すことが、頭の中で先を読む力を育てます。当たり外れは問いません。予想する習慣そのものが目的です。
ステップ3 きまりを言葉にしてから答える
ペーパーに入ったら、答えを言う前に、どういうきまりなのかを言葉にさせます。「一つずつ増えている」「重なっているところは二か所分」。言葉にできたきまりは、問い方が変わっても使えます。言えないまま当たっている場合は、少し形が変わると崩れますので、必ず言わせてください。
分野ごとの教え方の勘どころ
右左と、向きの切りかえ
推理の土台は右左です。ここがあいまいなまま先へ進むと、どの分野でも止まります。目印を一つ決めて、生活の中で毎日使わせてください。くわしくは右左をご覧ください。
ます目の上を動く
一つ動かすごとに止まり、印をつける。この手順がすべてです。頭の中で覚えておこうとすると、長い指示で必ず崩れます。方眼上の位置移動で手順を説明しています。
地図をたどる
曲がると右左が変わる、という点が最大の山です。慣れるまでは紙を回して考えて構いません。実際に歩いた道を紙に描く経験が効きます。地図上の移動をご覧ください。
きまりに従って変わる
何が起きたかを先に言葉にさせます。箱を二つ通す問題では、途中の姿を必ず紙に残させてください。魔法の箱で扱っています。
切る、重ねる
重なっているところを切ると、そこは二か所切ったことになります。これは実物でしか納得できません。紐の切断をご覧ください。
家庭でそろえたい道具と、年中・年長の目安
これだけあれば足ります
そろえるのは、おはじき、毛糸かリボン、はさみ、空き箱を一つ、透明なコップを二つ、方眼のノート、それにビニールテープです。どれも家にあるもので構いません。ビニールテープは、床にます目を作るために使います。体を動かして覚える時期には、机の上より床のほうがよく身につきます。空き箱は両側に穴をあけておけば、きまりを当てる遊びにそのまま使えます。
合わないものを外す、という考え方
推理の問題では、合うものを探すより、合わないものを外していくほうが、幼児には取り組みやすい方法です。「これは違う、どうしてかというと」と言わせながら、一つずつ消していきます。最後に残ったものが答えになる、という経験を積むと、難しい問題でも手が止まりにくくなります。
年中のうちに身につけたいこと
年中では、実物を動かして結果を言葉にできること、自分の右左が言えること、簡単な繰り返しの続きが分かること。この三つで十分です。紙の上での正解の数は気にしないでください。
年長で求められること
年長では、実物を使わずに考えられること、きまりを言葉で説明できること、そして二つの手順が続く問題でも途中を残しながら進められることを目指します。二つの要素が組み合わさった問題は、年長の後半の課題です。
推理の学習でよくある質問
ひらめきが必要な問題ですか
必要ありません。推理の問題は、手順を守れば必ず答えにたどりつくように作られています。ひらめきを待つのではなく、手順を身につけさせてください。
実物を使うのは、いつまで続けてよいですか
予想が続けて当たるようになるまでです。予想して、確かめて、合っていた。これが何度も続いたときが、道具を外す時期です。日にちで区切る必要はありません。迷ったら、いつでも実物に戻って構いません。
一日にどのくらい取り組めばよいですか
紙の上での練習は、一日二問から三問で十分です。そのかわり、きまりを言わせる時間を必ず取ってください。数をこなすより、一問を説明させるほうが確実に力になります。
時間を計ったほうがよいですか
手順が定まるまでは計りません。途中で止まって考え直しているうちは、速さを求める段階ではありません。手順が守れるようになると、速さは自然についてきます。
間違えたとき、どう声をかければよいですか
答えを教えるのではなく、次の一手だけを示してください。「まず、どこを見る」と問い返すだけで、自分で先に進めるお子さまは多いです。どこまで合っていたかを一緒にたどるのも、よい方法です。
難しい問題に進めてもよいですか
同じ題材のまま、条件を一つだけ増やしてください。箱を一つから二つに、折る回数を一回から二回に、という進め方です。まったく別の難しい問題に飛ぶと、それまでの手順が使えず、自信を失わせてしまいます。
言葉で説明するのが苦手です
はじめは、お母様が言い方の見本を示してください。「一つずつ増えているね」と言ってあげて、同じ言葉を言わせるところから始めます。何度か繰り返すうちに、自分の言葉で言えるようになります。説明を求めることと、うまく言えないことをしかることは別です。
集中が続きません
題材を変えてみてください。同じ推理でも、紐を切る、箱を通す、地図をたどる、と手ざわりはまったく違います。紙に向かう時間より、手を動かす時間を増やすだけで、続くようになることがよくあります。一回五分を目安に、区切ってください。
教室で習った解き方と、家での教え方が違います
無理に統一しなくて構いませんが、お子さまが混乱しているようなら、一つに絞ってください。二つの手順を行き来させるより、どちらかで最後までやり切るほうが身につきます。迷ったら、お子さまが自分で説明できるほうを残してください。
できる問題とできない問題の差が大きいです
苦手な題材は、実物を動かす段階に戻っているかを確かめてください。得意な題材だけ紙に進んでいて、苦手な題材は紙のまま止まっている、ということがよくあります。分野ごとに、今どの段階にいるかを分けて見てあげてください。
推理は単元ごとに着眼点が変わるため、それぞれに合った練習が必要です。重さくらべなら『シーソー問題』の教え方と問題集と『つりあい(天秤)』の対策と教え方、きまりを見つける問題なら系列問題の対策と教え方と歯車問題の教え方を、あわせてご覧ください。
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