近畿大学附属小学校の入試では、どんな内容が出されるのでしょうか。
考査は複数の課題で構成される
同校の考査は、ペーパー(知的テスト)、行動観察(集団活動)、口頭試問、そして生活テストで構成されると案内されています。加えて、保護者を対象とした面接が行われます。
学力を見るペーパーだけでなく、集団での様子や、生活面まで、さまざまな角度から総合的に判断されます。
運動の課題は含まれていません。その分、生活習慣や、人との関わり方といった、日ごろの姿がそのまま表れる考査といえます。
「生活テスト」という特色ある課題
同校の考査には、生活テストがあります。日常の生活習慣や、身の回りのことを自分でできるかといった点が見られると考えられます。
あいさつや片付け、着替え、道具の扱いなど、日々の暮らしのなかで身につく力が問われます。日ごろの積み重ねが表れる課題です。
家庭でも、生活の基本を子どもが自分でできるよう、日ごろから整えておくことが、そのまま準備になります。
ペーパーと口頭試問で見られる力
ペーパー(知的テスト)では、話の理解や、数、図形など、幅広い分野の基礎的な力が見られると考えられます。
口頭試問では、質問に自分の言葉で答えられるかが見られます。覚えている知識の量よりも、話を聞いて理解し、自分で考えて答える力が大切です。
同校は「本物から学ぶ」ことを大切にする学校です。日ごろから、興味を持って考える姿勢を育てておくことが土台になります。
面接は保護者を対象に
面接は保護者を対象に、考査日の前に行われます。家庭の教育方針や、学校への理解が問われます。
同校は「実学教育」「人格の陶冶」を建学の精神とし、校訓に「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人になろう」を掲げています。この理念への共感を語れるようにしておきましょう。
両親で方針を共有し、家庭でどう子どもを育てたいかを話せるようにしておくことが大切です。
実際にどんな問題が出ているか
学校が出題そのものを公表しているわけではありませんが、受験されたご家庭の話から、考査のおおよその形は見えています。例年、試験日より前に保護者面接があり、その後の入学試験は1日で行われます。ペーパー、生活の巧緻性、口頭試問、行動観察という組み合わせです。
ペーパーは思考力が軸、出題範囲に大きな変化なし
ペーパーは図形、数量、お話の記憶、推理、常識といった分野から、基礎的な問題から発展的な問題まで幅広く出ています。出題範囲そのものは大きく変わっていませんが、生活習慣や常識の分野では、この学校ならではの出題形式が見られます。学校が授業で力を入れていることと試験の中身を重ねると、思考力という一つのキーワードが浮かび上がります。
過去に出た形として、次のようなものがあります。
- 段差のある坂の上からボールを転がしたとき、どこに落ち着くかを、いくつかの候補の絵から選ぶ推理の問題
- 折り重ねた折り紙に切り込みを入れてから開いたとき、どんな模様になるかを候補から選ぶ図形の展開の問題
どちらも、頭の中で動きや変化を追いかける力が問われる問題です。正解がほかにないかを確かめる注意力や観察力、数量の問題では話をしっかり聞き取って数を把握する力が求められます。日常の中で実際に転がしたり折ったり切ったりして体験しておくことが、いちばん確かな準備になります。
生活の巧緻性と行動観察
生活テストにあたる巧緻性の課題では、はさみで切る、色を塗る、ボタンを留める、服をたたむ、箸を使うといった、日常の動作そのものが出ています。行動観察では、なべなべそこぬけのように手をつないで動く遊びや、体を使ったじゃんけんなどが取り上げられています。積極的に参加しているか、指示をきちんと聞き取って把握しているか、待っている時の態度はどうかが見られています。
- はさみで切る、塗る、ボタンを留める、服をたたむ、箸を使うといった生活動作
- 手をつないで体を動かす昔ながらの遊び
- 体全体を使ったじゃんけん
保護者面接で取り上げられる話題
保護者面接は試験日より前に行われ、お子さまとのコミュニケーションや学校についての話題が中心です。志望理由、通学方法と所要時間、学校への希望、お子さまが今興味を持っていること、しつけの中でこれだけは身についていると言えること、園で褒められたエピソード、子育てで大切にしていることなどが出ています。兄姉が在校しているご家庭には、この学校に通って兄姉が成長したところを尋ねられることもあります。
家庭でできる準備
まずは、生活の基本を子どもが自分でできるよう整えましょう。あいさつや片付け、着替えなど、日ごろの生活習慣が生活テストへの準備になります。
あわせて、話をよく聞いて理解する力や、集団のなかで落ち着いて取り組む姿勢を、日々の生活や遊びのなかで育てていきましょう。
ご家庭だけで判断に迷うときは、プロによる個別相談を承っております。あわせて個別家庭学習サポートもご活用ください。
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公式が明記している試験内容
近畿大学附属小学校は、入学試験の内容を公式サイトの「募集・入試日程」にはっきり書いています。令和9年度(2027年度)入試の記載は次のとおりです(2026年8月時点)。
試験内容は知的テスト・口頭試問・生活テスト・集団活動の4本立てです。一次入試も二次入試も、同じ内容と記載されています。
日程は、一次入試が保護者面接日 令和8年8月29日(土)、入学試験日 令和8年9月2日(水)。二次入試は保護者面接日と試験日がいずれも令和8年10月28日(水)です。一次では面接が考査より先に行われ、二次では同じ日に行われます。
そのほか、一次入試の募集人員は120人(内部推薦を含む)、出願資格は令和2年4月2日から令和3年4月1日までの出生者、出願期間は令和8年7月27日から8月24日まで、考査料は20,000円、出願方法はインターネット出願(エコ出願)です。合格発表は令和8年9月4日(金)でインターネットのみ。二次入試は募集定員が若干名で、出願期間は令和8年10月9日から10月20日まで、合格発表は10月30日(金)です。
一方で、4つの区分それぞれの出題分野、問題数、所要時間については公式サイトに記載がありません。市販の問題集やネット上で見かける情報は学校が公表したものではありませんので、参考にする際は区別しておいてください。
4つの区分が見ようとしていること
出題の詳細が公表されていない以上、学校が何を求めているかから逆算するのが現実的です。公式のよくある質問には、はっきりした答えが書かれています。
どのような児童の入学を希望するかという項目では、「年齢相応の基本的生活習慣ならびに、社会性が身についている児童」と答えられており、とくに人の話をしっかり聞いて行動できることが重要だとされています。入学前に家庭でできる準備をたずねる項目でも、「基本的かつ健全な生活習慣ならびに、人の話をしっかりと聞く態度」の習得が挙げられています。同じ言葉が2回出てくるということは、それだけ重視されているということです。
この言葉を、試験内容の4区分に重ねてみましょう。「人の話をしっかり聞いて行動できること」は、口頭試問と集団活動に直結します。「年齢相応の基本的生活習慣」は、生活テストという名前そのものです。「社会性」は集団活動の場面で見えるものです。知的テストについても、教育目標のページに「知識活用と個性を生かした確かな学力の開花」を目指す叡智教育が掲げられていることから、覚えた量より使える力が問われると考えるのが自然です。
教育の三大方針は、叡智教育・道徳教育・健康教育です。試験の4区分は、この3つの方針と重なる構成になっているとも読めます。あわせて、個性を伸ばすために弱点より長所に焦点を当て、「自分の可能性を信じて生きることができる児童」の育成を目指すという記述もありますので、できないことを責める準備ではなく、得意を伸ばす準備を心がけてください。
試験内容についてよくある質問
Q. ペーパーテストはありますか
試験内容の1つとして「知的テスト」が公式に挙げられています。ただし、出題分野や問題数、所要時間についての記載はありません。受験されたご家庭の話では、図形・数量・お話の記憶・推理・常識から、ボールの転がり先を選ぶ推理や折り紙の展開といった思考力を問う問題が出ています。上の「実際にどんな問題が出ているか」にまとめています。
Q. 行動観察はありますか
「集団活動」が試験内容の1つとして明記されています。どのような課題が出されるかは公式に示されていませんが、公式が「社会性が身についている児童」を求めていること、「人の話をしっかり聞いて行動できること」を重視していることが手がかりになります。
Q. 生活テストとは何ですか
公式サイトに具体的な説明はありませんが、受験されたご家庭の話では、はさみで切る、塗る、ボタンを留める、服をたたむ、箸を使うといった日常の動作が課題になっています。名称と、公式が繰り返し挙げている「年齢相応の基本的生活習慣」という言葉から、身の回りのことを自分でできるか、道具を年齢相応に扱えるかといった内容が想定されます。詳細は募集要項の本文でご確認ください。
Q. 一次と二次で内容は違いますか
公式サイトには、二次入試の試験内容も知的テスト・口頭試問・生活テスト・集団活動と、一次と同じ内容が記載されています。ただし、二次の募集定員は若干名です。
Q. 試験当日の服装に決まりはありますか
2026年8月時点の公式サイトに、当日の服装や持ち物についての記載は見当たりませんでした。募集要項に記載がある場合はそちらに従い、不明な場合は学校へ直接お問い合わせください。
Q. 本番に近い形を体験できる機会はありますか
公式の入試説明会のページには、5月16日と6月27日のプレスクール(体験入学)、7月25日の「近小入試ナビ 入試体験会またはプレスクール」、12月下旬のクリスマススクール、1月30日のプレスクールが案内されています。いずれも年長・年中児などを対象とした体験の機会です。9月末頃には入試速報会も予定されています。
Q. 家庭ではどんな準備をすればよいですか
公式が挙げているのは「基本的かつ健全な生活習慣」と「人の話をしっかりと聞く態度」の2つです。朝の支度を自分でする、脱いだものをたたむ、道具を出したら片付ける、最後まで話を聞いてから動く。こうした毎日の積み重ねが、そのまま生活テストと集団活動の準備になります。
Q. 入学後の学びとどうつながりますか
公式の教科教育のページによると、算数は「近小型自由進度学習」を実施し、1年生から6年生までサポートティーチャーが配置されています。英語は全学年で週2時間、1年生から日本人教員とネイティブ講師のティームティーチングで行われ、5・6年生は全員がTOEFL Primaryを受検します。一人ひとりの進み方に合わせて学ぶ環境ですので、入試で問われる「自分で聞いて考えて動く力」は、入学後もそのまま必要になります。
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