筑波大学附属小学校の考査には制作があると聞きました。
どんなものを作るのか、道具は使うのか、家で何を練習すればよいのか分からなくて不安です。
【筑波大学附属小学校】制作はいつ、どんな形で行われるのか
関連動画:筑波大学附属小学校について
制作は、第一次選考の抽選を通過したあとの第二次選考(検査)のなかで、ペーパー・運動・行動観察と同じ日に行われます。受験されたご家庭の話を年度ごとに並べると、2019年度から2026年度まで一度も外れたことのない、筑波大学附属小学校の定番課題です。
進み方はおおよそ次のとおりです。
- 教室の机に、その子の課題に必要な材料がひとまとめに置かれている
- 前方のモニターに完成した見本と作り方の手順が映され、先生の説明を聞きながら進める
- 作業時間は短く、全員が完成するのを待たずに終了の合図がかかる
- 終わったら手を止めて指示どおりに待つ。年度によっては、できあがったら膝の上で手を二回叩いて手を膝に置いて待つ、という終わり方まで指示に含まれていた(2024年度の女子の課題)
ここで知っておきたいのが、課題が男女で別、さらに生まれ月で分かれたグループごとにも別に用意されるという点です。同じ年度でも六種類前後の作品が存在しますので、「今年はこれが出る」と題材を当てにいく準備は、ほとんど意味がありません。
【筑波大学附属小学校】材料と作業はほぼ固定されている
題材が毎年入れ替わるのに対して、机の上に置かれる材料と、求められる作業の種類はほとんど変わっていません。ここが対策の土台になります。
材料の土台は、画用紙、ちぎり用の紙、折り紙、シール、紐の五つです。この五つは八年間ほぼ毎年登場しています。年によってここに一つか二つが足されるのですが、その顔ぶれも、紙帯、モール、紙コップ、紙皿、ビニール袋、コーヒーフィルター、新聞紙、おかずカップ、チャック付きの袋、粘土、竹串、割り箸、脱脂綿、ストロー、クリップと、家庭にあるものばかりです。
作業のほうは、ちぎる、折る、貼る、塗る、線を引く、描く、結ぶ、紐を通す、丸める、巻く、留める、差し込む、ねじる、挟む、袋に入れて口を閉じる、といった顔ぶれで、どの年度もこのなかから四つか五つを組み合わせて一つの作品になります。はさみで切る作業は見当たらず、紙は手でちぎって形にするのが特徴です。
つまり、家庭で用意すべきなのは特別な教材ではなく、この材料が入った箱と、この作業を短時間で繰り返せる習慣です。
【筑波大学附属小学校】年度別に見た制作の題材(2019〜2026年度)
題材そのものは当てにいかないとしても、どんな系統のものが作られてきたかを知っておくと、練習の幅を決めるときに役立ちます。受験されたご家庭の話から、年度ごとの題材の系統を整理します。
- 2019年度:男子は紙コップや竹串を使った応援の道具、紙皿を土台にした空飛ぶ円盤、クマの顔。女子はビニール袋を使った花の入れ物、小さな絵本、粘土を使ったメダルを持つ女の子
- 2020年度:男子は紙帯を輪にしてつなぐ虫、ビニール袋のおばけ、舌を出した顔のような人形。女子は女の子と動物園の場面、ウサギとホットケーキ、くちばしのある顔
- 2021年度:男子はおばけ、脱脂綿を使ったカエル、落ち葉のトンネル。女子はモールを使ったアサガオ、クリップでとめるテントウムシと木、海のトンネル
- 2022年度:男子はロケット、紐を通して持ち手にするかばん、カレーライス。女子はコーヒーフィルターと新聞紙のふわふわしたおばけ、飾りの台紙、メダル
- 2023年度:男子は男の子の人形、ストローを芯にした人形、星空を見ている男の子。女子は宝の地図、紙コップと割り箸を組み合わせた人形、リース
- 2024年度:男子は涙の形をしたキャラクター、スタンプカードとポテトとアップルパイのセット、ポケット。女子は開くと飛び出すカード、ソーセージを食べる場面、テントウムシのカード
- 2025年度:男子は指輪を拾ったヘビ、宝の地図、カスタネット。女子はウサギ、チャック付きの袋を使ったお年玉袋、太鼓
- 2026年度:男子は学校のキャラクターのような人形、絵馬、ピアノ。女子はチョウチョウ、ハンバーガー、ゾウ
並べてみると、生きもの(虫・カエル・ヘビ・ウサギ・ゾウ・チョウ)、季節の飾り(お年玉袋・落ち葉・リース・絵馬・アサガオ)、身近な道具や食べもの(かばん・楽器・カレー・ハンバーガー・ポテト)、人形やキャラクターの四つの系統に収まります。2024年度以降は、折って開くと形が変わるカード類や、袋に入れて口を閉じる工程が入るなど、平面に貼るだけでなく、立体になる・動く要素が少し増えています。
【筑波大学附属小学校】制作で見られている力
作品の出来栄えを競う課題ではありません。見られているのは、次の四つの力です。
一つめは、見本と手順を覚える力です。モニターに映る手順を見て、先生の説明を聞き、そのとおりに再現します。途中で手順が分からなくなると手が止まりますので、聞きながら見て、順番を頭に入れる力が最初に問われます。
二つめは、手先の基本動作です。ちぎった紙の大きさをそろえる、紐をほどけないように結ぶ、貼る位置を見本に合わせる。どれも難しい技術ではありませんが、時間が短いなかで手早くこなすには、日ごろの慣れが必要です。
三つめは、切り替えの力です。作業時間は全員が完成する前に終わります。細かいところにこだわって一つの工程で止まってしまうより、多少粗くても次の工程へ進める子のほうが、終了時点での進みが大きくなります。完璧主義のお子さまほど、ここで損をしやすい場面です。
四つめは、終わったあとの姿です。合図で手を止め、指示どおりに待ち、必要なら材料を元に戻す。作ること以上に、この部分で差がつくと感じています。
【筑波大学附属小学校】家庭でできる練習の組み立て
特別な教材は要りません。次のような流れで、毎日短い時間を積み重ねるのがおすすめです。
- 材料箱を作る:画用紙、折り紙、新聞紙、シール、紐、紙コップ、紙皿、モール、ビニール袋、割り箸を一つの箱にまとめ、いつでも取り出せる場所に置く
- 毎日五分の「ちぎって貼る」:新聞紙や折り紙を手でちぎり、台紙に描いた形の中に貼っていく。時間を計り、前より早くていねいにできたかを一緒に見る
- 結ぶ練習を生活に入れる:靴の紐、袋の口、リボン。紙帯に紐を通してかた結びをする動きは、実際の課題とほぼ同じ
- 見本を見て手順を覚える練習:お父様やお母様が三つから五つの工程を黙って見せ、同じ順番で作ってもらう。映像を見て再現する当日の形に近づく
- 終わり方まで一連で:合図で手を止め、手を膝に置く。材料をトレーに戻す。ここまでを一回の練習に含める
男子と女子で題材の系統が少し違いますので、お子さまの性別で出やすい系統に少し寄せながら、どちらの系統にも触れておくのが安心です。ご家庭だけで進め方に迷うときは、家庭学習サポートで作業の様子を一緒に見ながら、力の入れどころを整えることもできます。
【筑波大学附属小学校】制作についてよくある質問
Q. はさみやのりは使いますか?
受験されたご家庭の話では、紙は手でちぎり、貼る作業が中心で、はさみで切る工程は見当たりません。ただし年度によって材料も作業も変わりますので、当日の先生の指示に従うことが大前提です。家庭ではちぎる練習を優先しつつ、はさみも一通り使えるようにしておくと安心です。
Q. 完成しないと不合格になりますか?
作業時間は短く、多くのお子さまが途中で終了の合図を聞くことになります。完成そのものより、最後まで手を止めずに進めたか、指示どおりに終われたかが見られていると受け止めてください。
Q. 男子と女子で難しさに差はありますか?
題材の系統が違うだけで、材料も作業の種類も共通です。男子は乗り物や人形、女子は生きものや飾りが多い傾向はありますが、どちらも、ちぎる・折る・貼る・結ぶの組み合わせで成り立っています。
Q. 制作以外の場面で手先の力は見られますか?
待ち時間に画用紙へクーピーペンで絵を描く活動があります。テーマは家族と公園で遊んだ場面や、家族で食事をした場面など、グループごとに与えられます。近くで先生がほかのお子さまに質問していても、自分の絵を描き続けられるかが見られていますので、制作と同じ心構えで臨むとよいでしょう。
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