東京学芸大学附属小金井小学校は人気があると聞きますが、どんな特色のある学校なのでしょうか?
国立の附属小学校ならではの魅力を知りたいです。
【東京学芸大学附属小金井小学校】教員養成を主目的とする国立の附属校
東京学芸大学附属小金井小学校の最大の特色は、教員養成を主たる目的とする東京学芸大学の附属学校である、という立ち位置です。
私立小学校が建学の精神にもとづく一貫教育を掲げるのに対し、国立の附属校は「大学の教育研究に協力する学校」という役割を持っています。毎年多くの教育実習生を受け入れ、大学生が授業参観や指導補助に入るのも、この学校の日常の風景です。
「教員養成のための学校」と聞くと、わが子が実験台になるのではと心配される方もいらっしゃいますが、実際はむしろ逆です。より良い授業を追究する研究があるからこそ、目の前の子どもたちの学びが丁寧に見つめられます。附属校の教育は、その研究の積み重ねの上に成り立っているのです。
この役割を理解しているかどうかは、志望理由を考えるうえでとても大切です。「進学に有利だから」ではなく、「研究と実践の場である学校で、わが子にどんな経験をさせたいか」という視点で志望を固めていきましょう。学校選びの全体像は受験情報まとめの記事もご覧ください。
【東京学芸大学附属小金井小学校】「生き生きと学び合う」授業研究
東京学芸大学附属小金井小学校では、「児童一人一人が生き生きと学び合う授業づくり」を目指した授業研究が行われています。
授業研究とは、先生方が互いの授業を見合い、より良い授業の在り方を研究し続ける取り組みのことです。附属校の先生方の研究成果は、研究発表会などを通して広く公開され、全国の小学校教育にも影響を与えていきます。つまりお子さまは、日本の小学校教育の「最先端の教室」で学ぶことになります。
「一人一人が生き生きと学び合う」という言葉には、先生が一方的に教え込むのではなく、子どもたち同士が考えを出し合いながら学びを深めていく授業の姿が込められています。受け身ではなく、自分の考えを持ち、それを伝え合える子に育てたいご家庭には、まさに重なる教育観といえるでしょう。
一方で、教育実習の期間には、実習生の授業を受ける機会も多くなります。ベテランの先生の授業だけを受けたいご家庭には合わない面もありますが、「授業がどう作られていくか」という過程ごと体験できるのは、附属校ならではの環境といえるでしょう。
公式の年間予定を見ると、9月や10月、2月に教育実習の期間が置かれ、1月には授業セミナー、2月には研究発表会や展覧会(いずれも3年周期)といった研究関連の行事が並んでいます。学校生活の中に「研究」が組み込まれていることが、年間の流れからも読み取れます。
お子さまにとっては、多くの大人に見守られながら学べる環境ともいえます。若い実習生と関わる経験は、学校が「先生を育てる場」であることを、子どもなりに体感する機会にもなるでしょう。
【東京学芸大学附属小金井小学校】明治44年から続く歴史
東京学芸大学附属小金井小学校の歴史は、明治44年に創立された東京府豊島師範学校附属小学校までさかのぼります。師範学校、つまり先生を育てる学校の附属として生まれたときから、100年以上にわたって「教員養成とともにある小学校」であり続けてきました。
その後、昭和34年に現在の小金井キャンパスが開校し、東京学芸大学の附属小学校として今日に至ります。長い歴史の中で積み重ねられてきた授業研究の伝統が、いまの教育の土台になっています。
100年以上も「先生を育てる学校」とともに歩んできた小学校は、全国でも限られています。歴史の長さそのものよりも、「教育の研究と実践を積み重ねてきた学校である」という中身に注目して、学校理解を深めていくとよいでしょう。学校の雰囲気や在校生ご家庭の声については、評判・口コミの記事も参考になります。
【東京学芸大学附属小金井小学校】学校の規模と学びの環境
学級編成は全学年3学級で、1年生の定員は105名(1学級35名)です(平成24年から)。所在地は東京都小金井市貫井北町で、緑の多い東京学芸大学のキャンパス内に校舎があります。大学と同じ敷地で学べる環境は、国立附属校ならではです。
通学面では、始業は8時30分で、玄関が開くのは始業の30分前です。JR中央線の武蔵小金井駅からは徒歩圏ですが、学校は駅と学校のあいだのバス利用(定期券)をすすめています。また、入学直後の4月中は11時下校となり、保護者の送り迎えが必要です。入学後の生活を具体的に思い描いたうえで、送迎やお仕事との両立が可能かを確認しておきましょう。
なお、通学には指定の通学区域があり、区域内に保護者とともに居住していることが受験の条件になります。詳しくは通学区域・アクセスの記事でご確認ください。また、卒業後の進路については内部進学・進学先の記事で解説しています。
【東京学芸大学附属小金井小学校】宿泊生活と行事を重んじる教育
東京学芸大学附属小金井小学校のもうひとつの大きな特色が、宿泊生活を「基幹教育活動」として位置づけていることです。
3年生以上は全員が宿泊生活に参加し、卒業までに計6回・延べ22泊にもなります。長野県茅野市の一宇荘では山の生活を、千葉県勝浦市の至楽荘では海の生活を体験し、山登りや磯の生物観察、水泳実習などに取り組みます。学年を追って山と海の経験を重ねていく、体験重視の教育です。
これだけの宿泊活動が全員参加で行われる小学校は多くありません。裏を返せば、入学後は「親元を離れて生活できる自立」が求められていくということです。受験期から、自分の荷物を自分で管理する、身の回りのことを自分でするといった習慣を育てておくことは、考査対策としてだけでなく、入学後の学校生活への準備にもなります。
年間行事も豊かです。公式の年間予定を見ると、10月のなでしこ運動会のほか、春と秋の遠足、夏の水泳会、12月の社会科見学(3〜6年)、2月の高学年スポーツ大会などが並び、音楽会・研究発表会・展覧会は3年周期で実施されています。8月には全校での引き取り訓練もあり、安全面の備えも大切にされています。行事の内容や時期は年度によって変わることがありますので、最新は公式サイトでご確認ください。
こうした活動からは、「教室の学びと本物の体験をつなぐ」という学校の姿勢が読み取れます。願書や口頭試問の準備でも、この方向性とご家庭の教育方針との重なりを言葉にできると説得力が増します。願書・口頭試問の記事もあわせてご覧ください。
【東京学芸大学附属小金井小学校】特色についてよくある質問
Q.私立小学校とはどこが違うのですか?
A.いちばんの違いは学校の目的です。この学校は教員養成と教育研究のための附属校であり、教育実習や授業研究が教育活動の中心にあります。学費などの面では私立より負担が軽い一方、施設や課外活動の手厚さを売りにする学校ではありません。学費については学費の記事をご覧ください。
Q.体験活動が多いと、共働き家庭には大変ではありませんか?
A.宿泊生活は学校の教育活動として行われるものなので、保護者が同行するものではありません。ただし行事や保護者の関わりは一定程度ありますので、共働き・学童の記事で実情を確認しておくと安心です。
Q.特色は志望理由にどう活かせばよいですか?
A.「教員養成の附属校」「授業研究」「宿泊生活」という3つの特色のうち、ご家庭の教育方針と重なるものを軸にするのがおすすめです。たとえば体験を重んじる子育てをしてきたご家庭なら、宿泊生活や行事への共感を、ご家庭の具体的なエピソードとともに語れると伝わります。学校の特色をなぞるだけでなく、「だからわが家はこの学校を選ぶ」という筋道を作ることが大切です。ご家庭ごとの言葉にする作業は個別相談でもお手伝いしています。
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