奈良女子大学附属小学校の教育には、どんな特色がありますか?
『奈良の学習法』という伝統
奈良女子大学附属小学校は、大正期より100年以上にわたって、子ども主体のアクティブ・ラーニングである『奈良の学習法』を貫く小学校であると公表しています。1943年には「自修創造」の教育目標を掲げました。
教育目標は、開拓・創造の精神を育てること、真実追求の態度を強めること、友愛と協同の実践を進めることの三点です。自己を創造し、自己を確立し、実践していく子どもを育てることが掲げられています。
1949年には文部省の実験学校に指定され、教育に関する実証的な研究の場としての役割を担ってきました。附属幼稚園とともに幼小一貫教育を行っていることも公表されています。
「しごと」「けいこ」「なかよし」
奈良女子大学附属小学校の教育は、三つの柱で組み立てられています。「しごと」は、自然、人間、社会の真実のすがたを求め、問題解決力を育む総合的な単元学習です。
「けいこ」は、人間形成における基本的な能力を習得させ、基礎的な力を養う教科的な学習です。「なかよし」は、学級や小集団のなかで、互いの友愛と協同によって生きる力を育む学習で、道徳と特別活動にあたります。
この三つは、単なる教育形態上の区分ではなく、教育目標をめざす人間形成の立場から、相互に有機的な関係をもって成立していくものだと学校は説明しています。
通知表がありません
奈良女子大学附属小学校には通知表がないと公表されています。子ども一人ひとりの学び方、生き方を、個性的な成長と個性的な充実として観察し、評価して育てるためです。
そのかわりに、保護者との面接によって学習生活の評価を知らせる形がとられています。点数や記号で子どもを並べるのではなく、その子の育ちを言葉で伝えるという考え方です。
学校生活では、朝の会、日記、日直、学習係など、子どもの主体的な活動を通して学びの基盤がつくられます。個と共同を往還する学びの文脈のなかで、能力を使いながら伸ばすことが目指されています。
子どもたちがつくる探究の場
「なかよしひろば」では、5歳児と1年生、2年生が集まって活動します。2年生がリードしながら、グループで共同の遊びや探究活動をつくっていくと公表されています。
「グループなかよし」では、4年生から6年生の子どもがグループを作り、テーマを設定して長期にわたる共同の探究活動を進めます。そのプロセスをまとめて集会で発表したり、ポスターセッションを行ったりします。
さらに「自由研究」と呼ばれる個の探究があり、研究テーマの設定から研究方法の確立、実行、まとめ、発表準備まで、学級担任と保護者が連携して指導すると公表されています。
子どもたち自身が生活をつくる
「なかよし委員会」は、「自分たちの手で、自分たちのために、自分たちの共同生活を向上させる」ことを目指す組織です。その日の連絡や、よりよい生活のために必要なことを毎朝話し合い、各学級に伝えています。
情報教育ではタブレットが1人につき1台用意され、学習の道具として日常的に活用されています。子どもが自ら調べ、まとめ、伝えるという学びを支える環境が整えられています。
年間行事には、春と秋の運動会、5・6年生の合宿、なかよし音楽会、書作展、学習研究発表会、なかよし美術館、4・5年生のスキー合宿などが公表されています。教育の内容は年度によって変わりますので、最新の案内でご確認ください。ご家庭だけで判断に迷うときは、プロによる個別相談を承っております。あわせて個別家庭学習サポートもご活用ください。
【奈良女子大学附属小学校】研究開発学校としての「かがやく時間」
奈良女子大学附属小学校は、文部科学省の研究開発学校として令和4年度から令和7年度までの研究に取り組んでいます。研究開発課題は、さまざまな社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓く子どもを育成するため、自らの生活を語る「かがやく時間」を新設し、力強く自分の考えを伝えようとできる言語能力を育成する教育課程と指導法を研究開発することだと公表されています。
「かがやく時間」の年間計画は全学年共通で三つに分かれます。4月から7月が「私の伝えたいこと①」、9月から12月が「自由研究発表」、1月から3月が「私の伝えたいこと②」です。自分の生活のなかから題材を選び、人前で発表し、質疑応答を重ねるという流れを、一年かけて繰り返します。
令和6年度の研究開発実施報告書では、この学びを「教わってから考える学習」から「考えてから教わる学習」への転換として位置づけたと記されています。先に答えを教わるのではなく、まず自分で考え、伝えようとしたところから学びが始まる、という順番です。
なお、この学校は以前から研究開発学校の指定を受けており、平成18年度から20年度、平成21年度から23年度、平成27年度から30年度にも研究に取り組んできたことが報告書に記載されています。
【奈良女子大学附属小学校】教育課程表から見える時間の使い方
理念だけでなく、時間割の数字にも学校の考えが表れます。令和6年度の教育課程表では、「かがやく時間」に次の時数が充てられています。
- 1年生 68時間
- 2年生・3年生・4年生 各70時間
- 5年生・6年生 各35時間
この時間は、どこかから生み出す必要があります。報告書によると、第1学年から第4学年は国語科から週3時間を削減して週2時間の「かがやく時間」を新設し、第5学年と第6学年は国語科から週2時間を削減して週1時間を新設しています。
その結果、令和6年度の総授業時間数は1年生816時間、2年生875時間、3年生945時間、4年生980時間、5年生980時間、6年生980時間となり、全学年を合わせて209時間の削減になったと記載されています。授業時間を増やして詰め込むのではなく、減らしたうえで学びの質を変えようとしている点が特徴です。
評価も独自です。「話すこと」「聞くこと」「話し合う(聞き合う)こと」「書くこと(資料作成)」という四つの領域からなる「学びの評価マップ」で子どもの育ちを見取り、今後は「ルーブリック」と名を改め、6年間を見通した全体的なものへ作り直す方針が示されています。
【奈良女子大学附属小学校】教育内容についてよくある質問
「かがやく時間」は毎年同じことをするのですか
年間の三つの区切りは全学年共通ですが、扱う題材は子ども自身が選びます。同じ枠組みのなかで、学年が上がるほど内容が深まっていく設計です。
国語の時間が減って学力は大丈夫ですか
報告書では、漢字や音読・朗読、書写、伝統的な言語文化などは国語科で系統的に指導し、そこで理解した内容を「かがやく時間」で実践する、という役割分担が示されています。減った分をそのまま手放しているわけではありません。
保護者が学校に関わる機会はありますか
令和6年度の報告書には、保護者の参観率が90.6パーセント、アンケートの肯定的な回答が95.8パーセントだったと記載されています。子どもの発表を保護者が見に行く文化が根づいている学校だと読み取れます。
学校の規模はどのくらいですか
令和6年度は児童数407名、12学級で、各学年2学級です。教職員は33名と記載されています。
こうした学校の考え方を理解したうえで願書や面接に臨むかどうかで、伝わり方は大きく変わります。願書作成サポートや面接対策でも、まず学校研究からご一緒しています。
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