小学校の対策は、何から始めればよいですか?
小学校受験では、ペーパーテストや行動観察に加えて、多くの学校で「運動」に関する考査が実施されます。そのため、
「同学年の中でも運動が苦手だけれど大丈夫だろうか」「体操教室に通っていないと不利になるのではないか」
といった不安の声が、毎年多くのご家庭から寄せられます。
結論から言えば、小学校受験の運動テストは、運動能力の高さそのものを競う試験ではありません。正しい視点で対策を行えば、運動が得意でないお子さまでも、十分に合格点に達することは可能です。
本記事では、小学校受験で運動テストが実施される理由、先生方が見ている評価ポイント、よく出題される運動課題、そしてご家庭でできる具体的な対策までを、実例を交えて詳しく解説します。
大切なのは、以下の3点です。
・小学校受験で運動テストが行われる理由
・小学校受験の運動テストでよく出題される課題
・運動テストで重視される評価ポイント
小学校の個別相談、家庭学習サポート、願書作成、面接対策を行う筆者が詳しく解説していきます。
小学校を受験される方は、ぜひ参考にしてくださいね!
小学校受験で運動テストが行われる理由
小学校受験で運動課題が出題されるのは、「運動ができる子」だけを選抜するためではありません。
学校側が運動テストを通して確認したい点は、大きく分けて三つあります。
発育に応じた基礎体力・運動能力が身についているか
先生方が見ているのは、年長児として無理なく学校生活を送れるだけの、一般的な体力や運動能力が備わっているかどうかです。
特別に高い身体能力を求めているわけではなく、園生活や日常生活の中で自然に身につく基礎体力があるか、健康的な生活を送れているかといった点が重視されます。
持病や身体的な事情がある場合は、事前に学校へ相談することで配慮を受けられるケースも多くあります。
先生の指示を聞き、正しく行動できるか
運動テストでは、課題そのものの出来よりも、「指示を最後まで聞き、その通りに行動しようとする姿勢」が非常に重要です。
実際、課題をうまく達成できなかったとしても、先生の話を聞き、諦めずに取り組む姿勢が評価され、合格しているお子さまは数多くいます。
小学校生活は集団行動の連続です。
安全面や集団生活への適応という観点からも、指示理解力は重要な評価項目となります。
協調性や待ち時間の過ごし方が身についているか
運動テストでは、順番を待つ時間や、他の子どもと協力する場面が多く設けられます。
その際に、落ち着いて待てているか、周囲の様子を乱していないか、仲間に対して思いやりある行動が取れているかといった点も、先生方は細かく見ています。
小学校受験の運動テストでよく出題される課題
運動テストの内容は学校ごとに異なりますが、毎年大きく傾向が変わることは少なく、ある程度パターン化されています。
個別で行われる運動課題
一人ずつ順番に行う課題では、模倣運動、縄跳び、ボールつき、ボール投げ、クマ歩き、平均台、マット運動などがよく出題されます。
これらは、複雑な技術よりも、身体の使い方や指示理解、最後まで取り組む姿勢が評価される課題です。
グループで行われる運動課題
複数人で行う課題では、リレー、かけっこ、玉入れ、創作ダンス、キャッチボールなどが代表的です。
学校によっては、複数の運動を組み合わせた「サーキット形式」の課題や、行動観察と運動を組み合わせた自由遊び形式の課題が行われることもあります。
運動テストで重視される評価ポイント
課題達成への姿勢
多くの学校では、「完璧にできたかどうか」よりも、「失敗しても諦めずにやり抜こうとする姿勢」を評価します。
実際に、途中で失敗しても最後まで挑戦し続けたことで高評価を得たケースは珍しくありません。
反対に、失敗して動きを止めてしまったり、気持ちが切れてしまった場合は、評価が下がることがあります。
指示理解と行動の正確さ
運動課題では、細かな指示が出されます。
スタートの合図、待機姿勢、順番、動作のルールなどを正しく聞き取り、守れているかが重要です。
どれだけ運動能力が高くても、指示を無視した行動はマイナス評価となります。
仲間への態度と協力姿勢
グループ課題では、勝敗や結果以上に、仲間への接し方が見られます。
失敗した友だちを責めないか、譲り合いができているか、周囲を気遣う姿勢があるかといった点は、学校生活を想定した重要な評価ポイントです。
ご家庭でできる運動テスト対策
体操教室や専門クラスに通わなくても、ご家庭でできる対策は数多くあります。
遊びの中で身体を動かす楽しさを育てる
まず大切なのは、「運動=楽しい」という感覚を育てることです。
縄跳びやボール遊びも、課題としてではなく、遊びとして取り入れることで、苦手意識を減らすことができます。
毎日のラジオ体操
ラジオ体操は、基礎体力づくりだけでなく、模倣運動や指示行動の練習にも最適です。
短時間で取り組めるため、毎日の習慣として続けやすい点も大きなメリットです。
真似っ子遊びで模倣力を養う
家庭内で「真似っ子遊び」を取り入れることで、先生の動きを見て再現する力を自然に育てることができます。
模倣運動が苦手なお子さまには、特に効果的な方法です。
お手伝いを通した体力づくり
食器運びや買い物袋を運ぶなど、日常のお手伝いも立派な体力づくりになります。
同時に、行動観察や面接、願書対策にもつながる点は大きな利点です。
運動が苦手でも合格できる理由
小学校受験の運動テストは、競技会ではありません。
大切なのは、運動能力そのものではなく、指示を聞く力、諦めない姿勢、協調性、そして健康的な生活習慣です。
正しい視点で準備を進めれば、運動が得意でないお子さまでも十分に評価される可能性があります。
家庭学習と合わせた総合的な対策を
運動テスト対策は、ペーパーや行動観察、面接対策と切り離して考えるものではありません。
日常生活の中での関わり方や声かけ、家庭学習の積み重ねが、そのまま試験当日の姿に表れます。
運動・行動・思考力をバランスよく育てたいご家庭には、家庭での取り組みを体系的に整理できる教材やサポートを活用するのも一つの方法です。
無理のない形で取り入れながら、お子さまに合った対策を進めていきましょう。
運動テストでつまずきやすい場面と、その直し方
運動そのものより、その前後で差がつくのが運動テストです。教室で何百人と見てきて、つまずく場所はだいたい決まっています。
指示を最後まで聞かずに動き出す
いちばん多い失敗です。先生が「赤い線まで走って、戻ってきたら体育座りで待ちます」と言い終える前に走り出してしまう。運動が得意なお子さまほど起こります。
直し方は簡単で、家庭で運動をする前に「先生の話が終わるまで足は動かさない」と決めるだけです。お母様が指示を出し、言い終えてから1秒おいて動く。この1秒を体に入れます。
終わったあとの姿勢が崩れる
課題そのものは見られていますが、終わったあとの待ち方も同じくらい見られています。走り終えて息が上がったまま床に寝転ぶ、隣の子に話しかける、といった動きは目立ちます。
「終わったら、決めた場所に戻って、決めた座り方で待つ」までを1セットにして練習してください。座り方はご家庭で1つに決めておくと迷いません。
失敗したあとに固まってしまう
ボールを落とす、ケンケンで足がついてしまう。こうしたことは必ず起こります。大事なのは、そのあとすぐ拾って続きをやるかどうかです。
練習のときにわざと失敗させて、「落ちたら拾ってもう一回」を体で覚えさせてください。ご家庭で失敗を責めていると、この切り替えができません。
服装と靴が合っていない
当日の服装で動きが変わります。スカートの下に何をはくか、靴は普段から履き慣れたものか。新しい靴を当日おろすのは避けてください。試験の1か月前には、当日と同じ組み合わせで一度動いておくと安心です。
運動テストについて、よくいただく質問
体操教室に通わないと不利になりますか
通っていないから不利、ということはありません。運動テストで見られているのは競技力ではなく、指示を聞いて動けるか、順番を守れるか、最後までやりきるかです。
ただし、集団の中で先生の指示を聞いて動く経験が家庭だけでは作りにくいのは事実です。その部分は、公園で年齢の違う子と遊ぶ、地域の体操イベントに参加するといった形でも補えます。
できない種目があるのですが、間に合いますか
年長の夏までに気づいたのであれば、十分に間に合います。できない種目は、動きを分解して1つずつ練習してください。
たとえばスキップなら、片足で2回ずつ跳ぶ、次に左右交互に跳ぶ、最後に前に進む、と3段階に分けます。いきなり通しでやらせると、できない感覚だけが残ります。
毎日どれくらい練習すればよいですか
10分で構いません。長い時間まとめてやるより、毎日短く続けるほうが体は覚えます。
朝の支度前に3分、夕方の遊びの中で7分、といった分け方でも効果があります。ペーパーの学習で疲れている日は、身体を動かすほうに切り替えてしまってもよいくらいです。
運動が得意すぎて、はしゃいでしまいます
これは意外に多いご相談です。得意なお子さまは、待っている間に体が動いてしまいます。
対策は「動いてよい時間」と「止まる時間」を、家庭の遊びの中ではっきり分けることです。合図で止まる遊び(だるまさんがころんだなど)を習慣にすると、驚くほど変わります。
課題の内容や実施の有無は学校によって違います。志望校の説明会や募集要項で、実際に何が行われるのかをご確認ください。ご家庭ごとの進め方は家庭学習サポートでもご相談いただけます。
【小学校受験】 運動|まとめ
小学校受験の運動テストでは、年齢相応の基礎体力、指示理解力、協調性が重視されます。
課題の達成度よりも、取り組む姿勢や態度が評価されるケースが多く、運動が苦手なお子さまでも十分に対応可能です。
日常の遊びや生活習慣の中で、少しずつ準備を進めることで、本番でも落ち着いて力を発揮できるようになります。
ぜひ、ご家庭に合った方法で、無理なく対策を進めてみてください。
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