【小学校受験】右左の出題意図は?
「右左」の問題を通して、空間認識力、注意力、指示理解力、常識の有無などが見られています。
空間認識力があるか
空間認識力は幼児期の遊びや生活、習い事の中で鍛えられる能力で、3歳ごろから発達し、10歳ごろに完成する能力と言われています。「右左」の問題では、自分視点から他人視点で絵を判断しないといけないこともあり、空間を把握する力が求められます。
空間認識力が低いと、小学校においても、漢字の形が捉えにくかったり、図形が捉えにくかったり、運動が苦手だったり、工作が苦手だったりする傾向にあり、学習が円滑に進まないことがあります。
注意力があるか
「右左」では、注意して絵を見ないといけないような問題がよく出されます。自分から見て右がどちらかを判断できることはもちろん、相手から見た時の右、上下が反転した時の右など、絵に描かれている方向をよく考える必要があります。
指示理解力があるか
集団行動や運動考査などにおいて、口頭で「右手を挙げてください」「左の箱に入れてください」などの指示が出されることがあります。先生の話を正しく理解し、的確に行動することが望まれます。
言語環境が整っているか
右や左は、日常生活で自然と身につく概念です。しかし、抽象的な概念であるため、言語への関心が低かったり、言語環境がよくなかったりすると、なかなか身につけることができません。特に、「あっち」「こっち」などの使いやすい言葉ばかり使っていると、左右を咄嗟に判断することは難しいでしょう。
【小学校受験】右左の出題方法は?
「右左」の出題方法には、大きく2つの方法があります。
行動観察・運動考査
行動観察・運動考査による出題では、先生の指示を聞いて左右を判断することになります。例えば「右手を上げましょう」「カラーコーンを右から回りましょう」などと言われて、左右を正しく理解して指示通りに動けるか求められます。
ペーパーテスト
ペーパーテストでは、絵を見て左右を判断したり、「右から3番目」などの位置を判断したりする問題がよく出されます。絵を見て左右を判断する問題では、相手(絵に描かれた人物や動物)からの視点で左右を判断しなければならないので、難易度が高くなります。
【小学校受験】右左の出題内容は?
「右左」の出題内容には、自分視点で左右を判断するものと、相手視点で左右を判断するものがあります。まずは、自分視点で速く正確に左右が判断できるようにしましょう。
左右を判断するもの
「右手を上げる」「右のカゴにボールを入れる」など、指示行動の中で左右を適切に判断することが求められます。「左の列の人は座りましょう」などの指示では、まわりを見てから行動するのではなく、自分で判断して行動できることが大切です。
相手視点で左右を判断するもの
絵に描かれた人物や動物の右手や左足などを答える問題です。相手視点からの左右を判断しなければならない点に注意が必要です。
順番を答えるもの
「右から3番目の風船に丸をつけましょう」など、序数に関連する問題です。このタイプの問題を解くためには、左右の判断と数の理解が必要になります。順序数(右から3番目)と集合数(右から3個)を区別できるようにしておきましょう。
基準からの位置を答えるもの
方眼上に動物などが配置されていて、「猿の右の動物に丸をつけましょう」などと問われるタイプの問題です。平面上に配置されたものの位置関係を適切に判断できることが求められます。
【小学校受験】右左の解き方は?
まずは左右を正しく判断できることが大切です。左右の理解が不十分なお子さまには「お箸を持つ方が右、お茶碗を持つ方が左」など、わかりやすい言い回しで左右を確認してあげることが大切です。まだ左右をすぐに判断できないお子さまは、「旗上げゲーム」などのゲーム的な要素を取り入れて、楽しく左右判断の基礎を養えるとよいです。
順番を答えたり、基準からの位置を答えるものは、比較的簡単に解けるようになると思います。ただ、「絵の中の男の子の左手に丸をつけましょう」など、相手視点で左右を判断する問題は難易度が高くなっています。いろいろな角度からの問題を解いて問題に慣れておかないと、時間内に正解するのは困難でしょう。
こちらの問題集は、基礎から応用まで幅広いレベルの問題を扱っています。様々なイラストを用いて左右が適切に判断できるようになるまで練習できるので、繰り返し問題を解いていくうちに空間認識力が育成されます。
【思考】右左(教材サンプル)
【思考】5 右左サンプル
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【小学校受験】右左|まとめ
小学校受験における「右左」は、常識に分類される問題です。しかし、問題に慣れているお子さまとそうでないお子さまでは、明らかに正答率が異なってきます。ぜひ本記事でご紹介した教材をご活用いただき、基礎的な問題であれば左右を即座に判断できるようになるまで練習をしていただけたらと思います。