「同音異義語」とは、同じ音でも違う意味を持つ言葉を答えるタイプの問題です。今回解説するのは、同音異義語の中でも動作(動きを表す言葉)に関する同音異義語です。静止画から動きを判断しなければならず、小学校受験の問題の中でも難易度の高い問題ですので、しっかりと解き方を身につけておきましょう。
【小学校受験】同音異議語(動作)の出題意図は?
「同音異義語(動作)」の問題では、動きを表す言葉の語彙があるか、静止画から動きを表す言葉を発想する思考力があるかなどが問われています。
語彙力があるか
動きを表す言葉を知らないと問題を解くことができませんので、語彙力が高いことが大切です。語彙力が高いお子さまは、絵本に親しんでいたり、親子の会話が充実していたり、言葉に興味を持っていたりと、学習の土台が整っていることが多いです。
近年は、よいことも悪いことも「やばい」のひと言で済ましてしまう人がいます。しかし、これでは正確に気持ちを言語化したり、円滑にコミュニケーションをとったり、相手の言葉を理解したりすることが難しくなってしまいます。小学校受験だけではなく、人生を豊かにするためにも語彙力を高めることは大切です。
思考力があるか
「同音異義語(動作)」の問題では、同じ「あげる」という言葉でも、「手をあげる」「天ぷらをあげる」「凧をあげる」など、絵に合った言葉を判断しなければなりません。「あげる」という言葉にもいろいろな意味があることを理解した上で、絵から文脈を読み取り、適切な言葉を判断する高い思考力が必要になります。
【小学校受験】同音異議語(動作)の出題方法は?
「同音異義語(動作)」の出題方法には、個別テスト(口頭試問)とペーパーテストの2つの方法があります。
個別テスト・口頭試問
個別テスト・口頭試問による出題では、イラストや写真を用いた出題方法が定番です。行動観察中に試験官が話しかけるような形で個別面接を行う学校では、イラストや写真を使わず、すべて言葉でやり取りが行われることもあります。
ペーパーテスト
ペーパーテストでは、「お手本の絵と同じ言葉を使う絵を選びましょう」といった出題方法が定番です。解答が1つの場合もありますし、解答が複数用意されている場合もあるので注意しましょう。「この絵は他にもどのような言葉で表せるかな?」と、絵を多角的に判断する思考力が試されます。
【小学校受験】同音異議語(動作)の出題内容は?
「同音異義語(動作)」の出題内容は、個別テスト(口頭試問)とペーパーテストによって異なります。
お手本と同じ言葉を使う絵を探すもの
これは、ペーパーテストで出題されやすい内容です。例えば、お手本で「ピアノを弾く」という絵が示されていれば、「綱を引く」や「くじを引く」などの選択肢が正解になります。お手本と選択肢の絵をどのように表現すればいいのかを判断する思考力が必要になります。
指定された言葉で表せる絵を探すもの
これは、個別テスト(口頭試問)でもペーパーテストでも出題される内容です。例えば、「『きる』と表すことができる絵に丸をつけましょう」のように出題されます。個別テスト(口頭試問)なら「『きる』と表すことができる絵を指さしてください」のように出題されることもあります。
指定された言葉と同じ言葉で文を作るもの
これは、個別テスト(口頭試問)で出題される内容です。「『写真を撮る』の他にも、『とる』を使った言葉を答えてください」のように、指定された言葉を使って文を作ります。目的語によって「とる」の意味が異なることを理解した上で、どのような表現があるかを想起する発想力や思考力が試されます。
【小学校受験】同音異議語(動作)の解き方は?
「同音異義語(動作)」の問題が解けるようになるためには、静止画から動作をイメージできること、絵から文脈を理解できることが前提になります。
これらの力を高めていくためには、絵本を読む経験や問題に答える経験が大切です。絵本の絵と文章を結びつけることで、絵から動作をイメージすることができるようになっていきます。また、絵カードを用いて、「これは何をしているところ?」と問題を出すことで、絵と動作を結びつけて考えられるようになります。
問題の解き方としては、消去法を用いるのが効果的です。1つの絵から複数の言葉を連想できる問題もあるため、確実に消去できるものから選択肢を消していくことで、正解にたどり着くことができます。こちらの教材では、個別テスト(口頭試問)の回答のポイントなども解説していますので、適切な回答の仕方についても学習していただけたらと思います。
【言語】同音異議語(動作)(教材サンプル)

【小学校受験】同音異議語(動作)|まとめ
「同音異義語(動作)」は、静止画から動作をイメージする難易度の高い問題です。このような問題に慣れていないお子さまは、入試本番で解き方を理解することができずにことごとく間違えてしまうことがあります。また、同音異義語(動作)の問題を解くことは、語彙力の強化にも役立ちます。ぜひ本記事でご紹介した教材をご活用いただき、同音異義語(動作)の対策をしていただけたらと思います。
「同音異議語(動作)」は、この順番で教えます
同じ言葉が、まったく違う動きを表すことがあります。この気づきは、教え込むものではなく、生活の中で拾わせるものです。
ステップ1 生活の場面で、言葉を拾う
まず、日々の暮らしの中で使っている言葉に目を向けます。ぼうしをかぶる、めがねをかける、くつをはく。同じ言葉が別の場面で出てきたときに、「今も同じ言葉を使ったね」と声をかけてください。気づきは、机の上では生まれません。
ステップ2 同じ言葉を使う動きを、体でやってみる
次に、一つの言葉を決めて、その言葉で表せる動きを親子で順番にやってみます。実際に体を動かすことが大事で、頭で考えるだけでは広がりません。やってみせながら、その動きを言葉で言わせてください。
ステップ3 絵を見て、同じ言葉かどうかを考える
最後に、絵を見て、同じ言葉で表せるかどうかを考えさせます。このとき、絵を見て動きを言葉にするところから始めます。「これは何をしているところ」と聞いて、動きを言えるようになってから、同じ言葉かどうかを比べさせてください。
つまずきやすいところと、その原因
絵の動きを、言葉にできない
そもそも動きを表す言葉が少ないことが原因です。ものの名前は覚えていても、動きの言葉は教えられる機会が少ないものです。日々の場面で、していることを言葉にしてあげてください。
似た動きにひかれて選ぶ
動きが似ているというだけで選んでしまう間違いです。使う言葉が同じかどうかで選ぶ、という基準をはっきりさせてください。「同じ言葉で言えるかな」と、声に出して確かめさせます。
家庭での言い方が、一般的な言い方と違う
同じ動きでも、家庭ごとに言い方が違うことがあります。呼び方が違えば、同じ言葉にはなりません。一般的な言い方も、あわせて教えてあげてください。
言葉は知っているのに、別の場面を思いつけない
一つの場面としか結びついていない状態です。同じ言葉を使う場面を、親子で順番に出し合う遊びにすると、結びつきが広がります。
家庭でできる練習と、年中・年長の目安
道具のいらない練習
いちばんよい練習は、身支度の場面です。朝の支度をしながら、今している動きを言葉にしていきます。そのうえで、「ほかにも同じ言葉を使うことがあるかな」と問いかけてください。台所でも、切る、まぜる、あける、といった言葉が次々に出てきます。日々の場面で言葉を拾う習慣がつくと、机に向かう時間はほとんど要りません。
絵カードを使う練習
広告や古い絵本から、人が何かをしている絵を切り抜いてカードにします。机に何枚か並べ、それぞれ何をしているところかを言わせます。そのあとで、同じ言葉で言えるもの同士を集めさせてください。カードを作る作業そのものが、動きの言葉を増やす機会になります。
年中と年長で、どこまで求めるか
年中では、絵を見て、していることを言葉にできれば十分です。同じ言葉かどうかを比べるところまでは求めません。年長では、一つの言葉について二つ以上の場面を思い浮かべられること、絵を見て同じ言葉で言えるもの同士を選べることを目指します。言葉を使って文を作る形の問題は、年長の後半の課題です。
「同音異議語(動作)」についてよくある質問
どんな言葉から始めればよいですか
毎日使う言葉からです。身支度や食事の場面で出てくる言葉は、お子さまがすでに体で知っています。知っている言葉のほうが、別の場面にも広げやすくなります。
覚えさせたほうが早いのではないですか
一覧にして覚えさせると、少し問い方が変わったときに使えません。それより、日々の場面で気づかせるほうが確実です。気づいたことは、忘れません。
語彙が少ないのが不安です
ものの名前だけでなく、動きの言葉を意識して増やしてください。絵本の読み聞かせも役に立ちます。読みながら、登場する人が何をしているかを聞くだけで、動きの言葉が増えます。
ほかの言語の問題とどう組み合わせますか
音を聞き分ける力は別に育てる必要があります。音の数、あたまとり、終わりの音を耳の力として、この分野を語彙の力として、分けて進めてください。全体の進め方は言語の教え方にまとめています。
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※記事内でご紹介している分野別の問題集は、教材リニューアルのため販売を終了しました(2026年8月)。現在、新しい教材を制作中です。完成しだい、あらためてご案内します。
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