東京女学館小学校の過去問を集めているのですが、AO型入試と一般入試で考査の中身が違うと聞きました。
どちらに合わせて準備すればよいのか分からず、手が止まっています。
東京女学館小学校は、AO型入試と一般入試で考査の組み立てがはっきり分かれている学校です。過去の出題を読み解くときも、まず「どちらの入試で臨むのか」を決めてから整理すると、やるべきことの順番が一気に見えてきます。
大切なのは、以下の3点です。
・一般入試はペーパー・実技・運動・親子活動の四本立て、AO型入試にはペーパーがない
・出題の軸は「人の話を聞き取る力」と「暮らしの中で身についた常識」
・年度ごとに課題の題材は変わるが、見られている力そのものは変わらない
東京女学館小学校の個別相談、家庭学習サポート、願書作成、面接対策を行う筆者が詳しく解説していきます。
東京女学館小学校を受験される方は、ぜひ参考にしてくださいね!
【東京女学館小学校】過去問から見える出題の全体像
東京女学館小学校の入試は、AO型入試と一般入試の二本立てです。学校が公表している令和9年度(2027年度)募集要項では、募集人員は女児72名で、内訳はAO型が約40名、一般が約30名とされています。出願は「インターネット登録」と「書類の郵送」の両方をそろえて初めて成立し、考査料は30,000円です。数値や日程は年度ごとに変わりますので、最新は必ず募集要項でご確認ください。
学校は公式サイトで、入試を「お子さま本来の姿をとらえようとするもの」と説明しています。そして一般入試の選考について、ペーパーで答えたり道具を使って作業したりする考査、友だちと話し合ったり保護者に伝えたりしながら表現する考査、友だちと協力して課題に取り組んだり運動したりする考査、道具を使って描き表したりお話をして伝えたりする考査、という四つの柱を挙げています。過去の出題は、この四つの柱がそのまま形になったものです。
一方のAO型入試は、人物・動機・経験など多様な側面から本校の教育への適合性を評価する入試と位置づけられ、第一希望であることが前提です。海外在住経験のあるお子さま向けの国際枠も設けられています。大手塾の分析情報では、AO型でペーパーテストは行われず、行動観察・制作・運動・個別の口頭試問で構成されてきたと報告されています。
入試の全体像をもう少し細かく知りたい方は、東京女学館小学校の試験内容や入試日程の記事もあわせてご覧ください。
【東京女学館小学校】ペーパーテストの出題分野と傾向
ペーパーテストが課されるのは一般入試です。大手塾の分析情報によれば、考査時間はおよそ40分、プリントは数枚をまとめた冊子形式で、クーピーペンを複数色使い分けて解答する形が続いています。訂正は二本線、色の指定が問題ごとに変わるという進み方も共通しています。ここでまず問われているのは、実は「指示を最後まで聞き取れるか」です。
出題分野として繰り返し登場しているのは、次のような領域です。
- 数量……計数、分類計数、合わせた数、同じ数を見つける、多い少ないの比較
- 図形……線対称、鏡に映した形、スタンプを押したときの形の変化
- 言語……ものの名前の音、しりとり、様子を表すことば(オノマトペ)
- 常識……季節、身のまわりの道具の使い方、暮らしの中の場面判断
- 心情理解……絵の中の子がどんな気持ちかを読み取る
特徴的なのは、音や実況の読み上げを聞いて答える形式が見られる点です。スポーツの実況や身のまわりの音を聞き取り、それに合う絵や言葉を選ぶといった形式です。ペーパーでありながら「聞く力」を測っているわけで、他校向けの問題を解くだけでは伸びにくい部分です。
図形も毎年のように顔を出しますが、極端に難解な問題ではなく、鏡や反転といった基本の考え方を理解しているかを見る内容です。数量も同様で、指示された色で指示された数だけ印をつけるという作業の正確さが問われます。難度で圧倒する入試ではないぶん、取りこぼしが響きやすいとお考えください。難度の目安は偏差値・難易度の記事もご参照ください。
【東京女学館小学校】行動観察・制作・運動で見られていること
行動観察と実技は、AO型・一般のどちらにも共通して大きな比重を占めます。
一般入試では、絵画・制作、運動、そして親子活動という流れが定着しています。絵画は、音や生きものの鳴き声を手がかりに、その場面を想像してのびのびと描く課題が中心です。描いている途中に先生が回ってきて「何を描いているのですか」と尋ねられるため、描く力だけでなく、自分の作品を言葉で説明する力も同時に見られています。
運動は、準備体操、鉄棒でのぶら下がり、ケンケンパ、クマ歩きやアザラシ歩きといった動き、玉の遠投、かけっこなどが組み合わされます。リボンやひもを結ぶ課題が入ることもあり、蝶結びと固結びを指示どおりに使い分けられるかが問われます。運動能力そのものより、指示を聞いてその通りに動けるかを見る課題です。
一般入試ならではの山場が親子活動です。保護者がグループで相談してお題を演じ、子どもが変化を当てるといったゲーム形式や、親子で歌と踊りのポーズを相談して発表する形式などが行われてきました。保護者同士が初対面のまま短時間で役割を決め、進行までまとめる場面もあり、保護者の協調性が正面から見られます。子どもは別室に移り、ままごとの準備や洗濯物たたみといった生活技術の課題に取り組みます。
AO型入試では、ペーパーがないぶん集団での活動が厚くなります。二人で物を運ぶゲーム、宝物さがし、玉入れ、紙コップを協力して積み上げるゲーム、散らかった部屋を分担して片づける課題などが行われてきました。制作も、身近な材料を工夫して使う課題が中心です。うまくできたかどうかより、順番を譲れるか、困っている子に気づけるか、最後まで楽しんで取り組めるかが見られています。考査対策の記事もあわせてお読みください。
【東京女学館小学校】面接・口頭試問の傾向
保護者面接は考査より前、10月中に行われます。両親そろっての対面形式で、受付は「◯分前から」ではなく「◯分前までに」という案内である点を押さえておきましょう。
大手塾の分析情報では、AO型と一般で面接の性格がかなり違うと報告されています。AO型は校長が中心となって20〜30分ほど、志望理由、家庭の教育方針、仕事から子育てに生きていること、名前の由来、お子さまの人物像などを会話のように掘り下げていく形です。事前に提出した推薦書を踏まえて質問が広がるため、書いた内容と話す内容がずれないようにしておく必要があります。一方の一般は副校長や教頭が担当し、10分程度で数問という年もありました。志望のきっかけ、通学経路、行事に参加した感想、お子さまが泣いて帰ってきたときの対応など、答えやすい問いが中心です。
AO型で提出する推薦書は保護者用と紹介者用の2種類です。保護者用では家庭の教育方針、その方針を具現化するための支援、受験を考えたきっかけ、お子さまの長所と短所、今熱中していることなどが問われてきました。紹介者はお子さまをよく知る大人であればよく、職業や地位は問われないと説明されています。詳しくはAO入試の願書・推薦書の記事をご覧ください。
お子さまへの口頭試問はAO型で個別に行われます。名前、家族構成、ほめられるとき・叱られるとき、好きな本や季節、昨日したことなど、暮らしぶりが表れる質問が並びます。あわせて、絵を見て土の中にできる野菜の数だけ印をつける、大きさを比べて指でさすといった、口頭で答える常識・数量の課題も出されます。面接の質問例もあわせてご確認ください。
【東京女学館小学校】年度ごとの変化と最新の注意点
複数年度の情報を並べてみると、課題の題材は毎年入れ替わっていることが分かります。AO型では、ある年度は玉入れと紙コップの制作、片づけの課題が中心でしたが、翌年度は風船を運ぶゲーム、新聞紙を使った制作、変身しての宝さがしへと様変わりしました。それでも「協力して行うゲーム」「身近な材料での制作」「指示を聞いて動く運動」「個別の口頭試問」という四つの枠組みは変わっていません。過去の課題をそのまま練習するのではなく、枠組みごとに慣れておくのが正解です。
一般入試では、音や読み上げを聞いて答える出題、聞いた音から想像して描く絵画が続けて見られており、「耳から入れて考える」方向が強まっている印象があります。親子活動も、保護者が相談してまとめる場面が繰り返し設定されています。
日程面では、令和9年度(2027年度)の募集要項でAO型が11月1日、一般が11月2日・3日のいずれか1日と案内されています。インターネット登録は9月上旬から10月1日まで、提出書類の郵送は10月1日・2日の当日消印のみ有効という短い期間です。出願後も、面接日や考査日程が順次インターネットで発表されるため、こまめな確認が欠かせません。倍率についてはAO・一般の倍率記事やAO入試の倍率記事で扱っていますが、変動しますので最新は募集要項や学校発表でご確認ください。
【東京女学館小学校】過去問を使った家庭学習の進め方
過去の出題は「解かせる教材」ではなく「わが家の準備の地図」として使いましょう。進め方を四段階に分けてご説明します。
第一段階は、志望する入試方式を決めることです。AO型は第一希望であることが前提の入試ですから、ご家庭の方針が固まっていなければ一般入試を軸に組み立てます。AO型を選ぶなら、推薦書と面接の準備に早くから時間を割く必要があります。
第二段階は、ペーパーの分野を絞ることです。数量、図形、言語、常識、心情理解の五領域を、基本の型で確実にできるところまで引き上げます。このとき、指示は必ず読み上げて耳から入れてください。黙って解かせるだけでは、この学校の「聞く力」を測る出題に対応できません。
第三段階は、生活の中で常識と生活技術を育てることです。結ぶ、たたむ、片づける、配膳するといった行為は、そのまま考査の課題になっています。ひもを蝶結びする、使ったものを元の場所へ戻すといった習慣を、家庭の当たり前にしてしまうのが一番の近道です。
第四段階は、話す練習と親子の練習です。お子さまには、描いた絵について「何を描いたの」と尋ね、一文で答える習慣をつけましょう。保護者は、初対面の方と短時間で相談して役割を決める場面を想定しておくと安心です。ご家庭だけで進めにくいときは、家庭学習サポートや個別相談もご利用ください。受験全体の流れは東京女学館小学校の受験対策、学校の雰囲気はどんな子が合格するかの記事もご参考にどうぞ。
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