同志社小学校の過去問を手に入れたのですが、どこから手をつければよいのか分かりません。
出題の傾向と家庭での使い方を教えていただけますか。
同志社小学校の入試は、ペーパーテスト・行動観察・指示運動・親子面接を組み合わせた総合型です。ペーパーは一つの分野を深く掘り下げるというより、記憶・言語・数量・図形・常識・思考を広く出題する形が長く続いています。
そのため過去問は「点数を取らせる教材」ではなく、「お子さまの取りこぼしを見つける道具」として使うのが正解です。
大切なのは、以下の3点です。
・出題分野がとても広いので、苦手を一つも残さないこと
・行動観察と指示運動は、ふだんの生活そのものが見られていると考えること
・面接は考査より前に実施され、願書を読み込んだうえで質問されること
同志社小学校の個別相談、家庭学習サポート、願書作成、面接対策を行う筆者が詳しく解説していきます。
同志社小学校を受験される方は、ぜひ参考にしてくださいね!
【同志社小学校】過去問から見える出題の全体像
同志社小学校の入学考査は、夏休みの終わりに一日で行われます。学校公式サイトの入学考査(一般)のページによると、2027年度入試は出願が2026年7月7日から7月14日、親子面接が8月17日から8月21日に順次、考査日は8月27日の8時30分から12時00分(予定)で男女一斉、合格発表は翌8月28日と案内されています。検定料は20,000円、募集人員は第1学年男女計約60名です。日程や金額は年度で動きますので、最新は必ず募集要項でご確認ください。
公式のよくある質問では、この一般入試とは別に同志社幼稚園からの推薦で毎年約30名を受け入れていると説明されています。倍率の推移は倍率と対策の記事にまとめていますが、大手塾の調査では過去数年2倍台で推移しており、けっして緩やかとは言えない水準です。
考査の中身は、大手塾の分析情報をもとにすると、ペーパーテスト・行動観察・指示運動・面接テストの4つが実施され、グループごとに担当の先生と一緒に試験の部屋を移動していく形式が続いています。持ち物は上靴と靴袋のみです。
押さえておきたいのは、考査が「一つの科目で差をつける」設計になっていない点です。ペーパーができても待ち時間の姿勢が崩れていれば見えてしまいますし、逆にペーパーが多少苦手でも、指示をよく聞いて楽しそうに取り組むお子さまは強い。総合力で見る学校だという前提を保護者が持っておきたいところです。詳しい科目構成は試験内容の記事もあわせてお読みください。
【同志社小学校】ペーパーテストの出題分野と傾向
大手塾の分析情報をもとに2020年度から2026年度の出題分野を並べると性格がはっきり見えてきます。特徴は「一分野につき一問か二問を多くの分野から出す」構成で、一年度で15前後の分野が並ぶ年もあります。
繰り返し登場する分野は次のとおりです。
- 記憶:お話の記憶、話の聞き取り。年度によって数の記憶、位置の記憶、音の記憶
- 言語:しりとり、同頭音・同中語、さかさ言葉、反対言葉、様子を表す言葉
- 数量:計数、積み木の数、同数発見、数の合成、分ける、長さ比べ・高さ比べ・重さ比べ
- 図形:点図形、模写、四方から見た絵、鏡図形、重ね図形、二つ折り、はめ絵、パズル
- 常識・知識:季節、職業、動物、植物や野菜、断面図、昔話、道徳的判断
- 思考:条件迷路、系列、ブラックボックス、つり合い、条件推理
ほぼ毎年欠かさず出ているのが、お話の記憶と条件迷路、そして季節や職業といった常識分野です。お話の記憶は決して短くなく、登場人物の持ち物・通った道順・買ったものなど細部を五問前後たずねる形が定番です。読み聞かせのあとに「何を持っていったっけ」とたずねる習慣が、そのまま得点力になります。
条件迷路も同志社小学校らしい問題です。ただゴールへ進むのではなく、決められた数だけ物を拾う、同じ道は二度通らない、斜めには進めないといった条件がつきます。指示を最後まで聞き取る力と、見通しを立てる力の両方が要ります。
解答用紙の形式にも触れておきます。大手塾の分析情報によれば、プリントはB4サイズの横向きで上部を綴じた形、筆記具は三角軸の太めの鉛筆と消しゴムで、訂正は消しゴムで消す方式です。バツ印で消す学校もあるので、方式を合わせて練習しておきましょう。
なお市販の教材や塾の分析では、同志社小学校と同志社国際学院初等部がまとめて扱われることが多く、両校で傾向は少しずつ違います。同志社系列の入試というくくりで眺めるのは有効ですが、演習は同志社小学校の出題として示された傾向を中心に据えてください。
【同志社小学校】行動観察・制作・運動で見られていること
同志社小学校の考査では、ペーパー以外に行動観察と指示運動が組まれています。大手塾の分析情報によると、行動観察はお友達と取り組むグループの課題と、一人で取り組む個人の課題に分かれています。
グループの課題で見られているのは、自分から動けるかという自主性と、初めて会うお友達とどう関わるかというコミュニケーションです。グループ分けは月齢を考慮して行われているとされ、早生まれのお子さまが不利にならない配慮がなされています。大切なのは目立つことでも仕切ることでもありません。人の話を最後まで聞き、譲るところは譲り、困っている子に気づける。その当たり前のふるまいが評価につながります。
個人の課題は、制作の要素を含んだ発想力の問題が中心です。クレヨンで絵を描くなど、道具は幼稚園でも使うものが用いられます。上手に描けたかどうかより「自分で考えて、意欲的に手を動かしたか」が見られています。手が止まるお子さまは正解を探していることが多いので、家庭では思いついたことをやってみる時間をつくってあげましょう。
指示運動は種目の数が多く、どれが出るか予想しにくいのが特徴です。裏を返せば特別な技を仕込む必要はありません。説明を最後まで聞く、線からはみ出さない、終わったら決められた場所に戻る。この三つができれば崩れません。
塾の資料には、考査を終えたお子さまが「楽しかった」と言って帰ってくるという記述が毎年出てきます。我慢する時間、待つ時間、頑張る時間、楽しむ時間、協力する時間が一日にちりばめられ、その切り替えを自然にできるかが見られています。直前の詰め込みより日々の生活の整え方が効く入試です。進め方は受験対策の記事もご覧ください。
【同志社小学校】親子面接の傾向と準備
同志社小学校の面接は考査日より前に親子で行われます。公式サイトでも、入学考査日までに個別に親子面接を実施すると案内されています。付き添いは保護者1名でも差し支えないとされていますので、ご家庭の事情に合わせて臨んでください。
大手塾の分析情報によると、面接時間は15分程度で、あらかじめ読み込まれた願書の志望理由と想定質問を組み合わせて進みます。つまり願書に書いた内容がそのまま面接の入口になります。願書と面接を別々に準備すると、ここでずれが生まれます。願書の書き方の段階から、面接で話す言葉と地続きにしておくことが欠かせません。
保護者への質問は「お父様に」「お母様に」と指名される場合、「お二人に」と投げかけられる場合、「どちらか一方が」と任される場合があり、父親向けと思われた内容が母親にたずねられることもあります。どちらが答えても筋が通るよう、ご夫婦で認識をそろえておきましょう。
特徴的なのは、我が子をどれだけ理解しているかを問う切り口が多いことです。「お子さまを愛おしいと思ったのはどんなときですか」といった質問には、模範解答ではなくご自身の言葉が必要になります。学校側は受験生の保護者ではなく、子育てをしている保護者としての姿を見ています。実際の質問傾向は親子面接の質問記事にまとめています。
お子さまへの質問は穏やかな口調で、家庭や園での生活、好きな遊びから始まり、答えをさらに掘り下げる形で進みます。暗記した答えは掘り下げに耐えられません。「どうしてそう思ったの」と家庭で会話を重ねることが最良の準備です。
【同志社小学校】年度ごとの変化と最新の注意点
分野の並びを年度順に追うと、変化が見えてきます。
- 2020年度から2022年度:サイコロの展開図、形の分割、重ね図形など図形と数量の比重が高めでした
- 2023年度以降:道徳的判断が定着し、常識分野の出題が厚くなりました
- 2025年度:数の記憶や水の量、果物の断面など記憶と理科的常識が目立ちました
- 2026年度:プログラミング的な順序の問題、つり合い、位置の記憶、反対言葉など、それまで見なかった切り口が加わりました
とくに2026年度で新しい形式が複数入った点は見逃せません。塾の資料でも、初めて見る項目にその場で考える思考力が問われると繰り返し指摘されています。過去問と同じ問題は出ない前提で、知らない形式が出ても固まらない練習をしておきましょう。
日程面では、親子面接の期間が2023年度の3日間から2024年度以降は5日間に広がりました。考査日は例年8月下旬で変わっていません。ただし2027年度は公式サイトで日時が明示されていますので、過去資料ではなく公式を基準にしてください。公式のよくある質問では、当日の発熱など体調不良を理由に考査日を変更することはできないと明記されています。体調管理も対策の一つです。
【同志社小学校】過去問を使った家庭学習の進め方
過去問は手に入れた順に解かせるのが最ももったいない使い方です。おすすめは次の三段階です。
- 第一段階:時間を計らず直近の一年分を解いてもらい、どの分野でつまずくかを記録します
- 第二段階:複数年度を分野ごとに並べ替え、苦手な分野だけを横断して取り組みます
- 第三段階:試験と同じ流れで通して解き、集中が続くかを確認します
第二段階が対策の中心です。出題分野が広いぶん、苦手が一つ残っているとそこだけ確実に落とすことになります。分野名を書き出したチェック表に、できた・あやしい・できないの三段階で色を塗っていくと、残りの日数で何をすべきかが一目で分かります。
お話の記憶は毎日の習慣にしてください。長い文章を一度聞いて細部まで覚える力は一週間では育ちません。季節や職業、動物、野菜の断面といった常識は、机の上より買い物や食卓で身につきます。道徳的判断はペーパーで正解できても、実際の場面で同じようにふるまえるとは限りません。「なぜいけないのかな」と理由まで話し合っておきましょう。
制作や指示運動は家庭だけでは再現しにくい領域です。難易度は難易度の記事、学校全体の情報はまとめ記事をご覧ください。進め方に迷われたときは、家庭学習サポートでご家庭の状況に合わせた計画をお作りしています。
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