立命館小学校の過去問を手に入れたのですが、どこから手をつければよいのか分かりません。
7年分を見比べると、どんな傾向が見えてくるのでしょうか。
【立命館小学校】過去問から見える出題の全体像
立命館小学校の入試で公式に示されている考査内容は、「ペーパーテスト」「行動観察」、そして「面接(受験生と保護者)」です。募集人員はA日程が約120名、B日程が若干名と案内されています。数値は年度ごとに更新されますので、必ず最新の募集要項でご確認ください。
大手塾が公開している分析情報をもとに2020年度から2026年度までの7年分を並べてみると、出題の骨格はきわめて安定していることが分かります。ペーパーは1回の考査で20問前後が出され、言語・数量・図形・思考(推理)・記憶・知識(常識)の6領域から広く問われます。
裏を返せば、得意分野だけで押し切ることができない入試です。「図形は完璧だけれど季節の知識が苦手」というお子さまは、その苦手分野で確実に失点します。まずは全領域を平均まで引き上げ、そのうえで速さを上乗せしていく順番が、立命館小学校の対策では最も効率的です。
出題形式そのものは大きく変わりません。指示は口頭で出され、記号を書き込む、線で結ぶ、印をつけるといったシンプルな解答方法が中心です。特別な筆記技術は必要ありませんが、「聞き逃したらそこで終わり」という形式ですので、一度で聞き取る力が土台になります。
【立命館小学校】ペーパーテストの出題分野と傾向
7年分を領域ごとに整理すると、次のような輪郭が見えてきます。
- 言語:しりとり、言葉の数(音の数)、同頭語・同尾語が定番です。加えて聞き取り、同訓異義語、様子を表す言葉、ものの数え方など、語彙の幅を問う出題が増えています
- 数量:計数、加算・減算、数の合成と分割、分配、積み木の数、植木の数、対応、長さ比べ。日常の「数える・分ける」がそのまま形を変えて出ます
- 図形:折り重ね図形、重ね図形、回転、同図形発見、プレート構成、影絵、断面図。なかでも折り重ね図形は近年ほぼ毎年登場します
- 思考(推理):四方から見た絵、位置、系列、条件推理、迷路、つり合い、じゃんけん、ヒントから答えを絞る問題など、その場でルールを理解して考える設問が目立ちます
- 記憶:お話の記憶が7年連続で出題されています。年度によって絵の記憶や形の記憶も加わります
- 知識(常識):季節、生き物、原材料や材料、品物の用途、職業、音、仲間分け、道徳的判断など、生活常識が幅広く問われます
なかでも力を入れたいのが「お話の記憶」と「知識」です。お話の記憶は7年すべてで出題されており、外れる可能性がほとんどありません。知識分野はペーパー演習だけでは埋まりにくく、日々の会話や体験の量がそのまま差になります。
もうひとつ見逃せないのが、道徳的判断の出題です。「この場面ではどうするのがよいか」を問う設問が複数の年度で見られ、学校が生活態度や他者への配慮を大切にしていることが伝わってきます。
【立命館小学校】行動観察・制作・巧緻性で見られていること
公式の募集要項では、考査は「ペーパーテスト、行動観察」と示されています。行動観察の細かな課題内容は学校から公表されていませんが、大手塾の分析情報を見ると、制作や巧緻性をともなう課題と、指示行動が組み合わされてきたことが分かります。
過去には季節をテーマにした装飾の制作や、絵画の課題、紙やのり、はさみを使う作業が扱われてきました。近年は「巧緻性・制作」としてまとめられる課題が続いており、手先を使う作業は毎年なんらかの形で用意されると考えておくのが安全です。
ここで見られているのは、作品の出来栄えではありません。
- 指示を最後まで聞いてから動き出せるか
- 道具をていねいに扱い、後片付けまでできるか
- うまくいかないときに投げ出さず、工夫できるか
- お友だちに道具を譲る、順番を守るといった振る舞いができるか
こうした姿勢は一夜漬けでは身につきません。ご家庭でお絵かきや工作をする時間を週に何度か確保し、「片付けまでが工作」という習慣にしておくと、そのまま考査での評価につながります。家庭学習サポートでも、この生活習慣づくりからご一緒することが多い部分です。
【立命館小学校】面接の傾向とA日程・B日程の違い
立命館小学校の面接は、受験生と保護者が対象です。ここで必ず押さえていただきたいのが、A日程とB日程で面接のタイミングが違うという点です。
公式サイトの募集要項によると、A日程は面接が8月中旬の数日間に設定され、考査(ペーパーテストと行動観察)は9月上旬に行われます。つまり、面接のほうが考査より先です。一方でB日程は、10月に考査と面接が同じ日に実施されます。
A日程を受験されるご家庭は、夏休みのうちに面接準備を仕上げておかなければ間に合いません。ペーパーの追い込みと面接練習が重なる時期ですので、逆算した計画が欠かせません。
面接では、志望動機、ご家庭の教育方針、お子さまのご様子や園での生活などが定番です。立命館小学校は英語やICT、探究的な学びに力を入れている学校ですので、「なぜ他校ではなく立命館小学校なのか」を、学校の教育内容とご家庭の考えを結びつけて話せるかどうかが分かれ目になります。
願書に書いた内容と面接で話す内容がずれないように整えることも大切です。願書作成と面接対策はセットで進めることをおすすめします。具体的な質問例は立命館小学校の親子面接の記事でも解説しています。
【立命館小学校】年度ごとの変化と最新の注意点
7年分を並べると、少しずつ動いている部分も見えてきます。
2020年度と2021年度は、ペーパーの締めくくりに「指示行動」が置かれていました。2022年度になると季節をテーマにした装飾の制作や絵画の課題が現れ、2025年度・2026年度は「巧緻性・制作」という形で複数の課題が出されています。ノンペーパー領域の比重が、指示に従って動く課題から、手を動かしてつくる課題へと移ってきた流れが読み取れます。
思考分野の変化も特徴的です。四方から見た絵(上から見た絵や横から見た絵)は2024年度から3年続けて登場しており、定番化しつつあります。さらに2026年度には、じゃんけんの勝ち負けを推理する問題や、ヒントから答えを絞る問題など、その場でルールを理解して考えるタイプが目立ちました。
知識分野も広がっています。2024年度までは季節がほぼ毎年の定番でしたが、2026年度は生き物、材料、職業、音、断面図といったテーマに分散しました。「季節さえ覚えれば大丈夫」という対策では届かなくなってきています。
その一方で、お話の記憶、しりとりや言葉の数、計数と加減、折り重ね図形といった核になる分野は、7年を通じて安定しています。土台は変えず、周辺の切り口だけが少しずつ入れ替わっている、と捉えていただくとよいでしょう。
なお、ここで挙げた年度ごとの傾向は大手塾の分析情報をもとにしたものです。日程や募集人員などは毎年更新されますので、出願前に最新の募集要項でご確認ください。
【立命館小学校】過去問を使った家庭学習の進め方とよくある疑問
過去問は「解かせて丸をつける教材」ではなく、「お子さまの穴を見つける地図」として使うと効果が上がります。次の4つの手順で進めてみてください。
- 1.分野を洗い出す:年度ごとに出た分野を書き出し、6領域の表にまとめます。何が毎年出て、何が数年おきなのかが一目で分かります
- 2.時間を計らずに1回目:まずは理解できているかどうかだけを見ます。解き方をお子さまの言葉で説明できるかを確認してください
- 3.時間を計って2回目:本番は1問あたりの時間が短い入試です。1問30秒から1分を目安に、時間内に手が動くかを見ます
- 4.間違えた分野だけを類題で埋める:×がついた分野を1週間集中して潰し、翌週に同じ過去問へ戻ります
お話の記憶は、過去問に取り組む前の土台づくりが必要です。毎日の読み聞かせのあとに、「だれが出てきたかな」「何色だったかな」と3つほど質問する習慣をつけてみてください。1か月続けると、聞き取りの精度が目に見えて変わります。
知識分野は、机の上よりも生活のなかで伸びます。買い物のときに野菜の旬を話す、料理の材料を一緒に確かめる、季節の行事を体験するといった積み重ねが、そのまま得点になります。
学習計画の立て方に迷われたら、個別相談でお子さまの現状に合わせた進め方をご提案しています。合格するご家庭の特徴や不合格になりやすい落とし穴もあわせてご覧ください。
過去問についてよくある疑問
Q.学校は過去問を公表していますか
立命館小学校の公式サイトでは、考査の内容が「ペーパーテスト、行動観察」と示されているのみで、問題そのものは公表されていません。市販の教材や塾の分析情報は、受験されたご家庭からの再現情報にもとづくものです。細部は年度によって差がありますので、分野の傾向をつかむ道具として使ってください。
Q.何年分さかのぼればよいですか
直近3年分を繰り返し仕上げ、余力があれば5年分まで広げるのが現実的です。分野の骨格は変わりにくいため、古い年度も分野の確認には十分役立ちます。
Q.A日程とB日程で対策は変えるべきですか
出題分野の考え方は共通です。ただしB日程は募集人員が若干名で、考査と面接が同じ日に行われます。1日で力を出し切る体力と集中力、そして当日の切り替えの早さが、A日程以上に問われることになります。
Q.ペーパーが得意なら合格できますか
ペーパーは大切ですが、行動観察や制作、面接も合否に関わります。試験全体の流れは立命館小学校の試験内容、難易度は偏差値・難易度の記事で解説しています。倍率はこちらの記事、募集要項の詳細は募集要項の記事、学校全体の情報は立命館小学校のまとめ記事でご紹介しています。
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