面接の練習をすると、答えがどんどん長くなって、何を伝えたいのかわからなくなってしまいます。
どれくらいの長さを目安にして、どこを削ればよいのでしょうか。
【小学校受験】面接の答えの長さの目安
筆者が練習の目安としてお伝えしているのは、次の長さです。
- 基本は60秒
- 志望理由や教育方針など、内容の多い質問でも、最大で1分20秒まで
これは学校共通の決まりではなく、あくまで練習のための目安です。学校から時間の指定や「簡潔にお答えください」といった案内がある場合は、そちらを優先してください。面接の形式や時間は学校ごとに違いますので、受験する学校の募集要項や説明会の案内も確認しておきましょう。
ゆっくり話すと、60秒はだいたい300字前後、30秒は150字前後になります。紙に書いてみると、思っていたより短いと感じる方が多いはずです。
【小学校受験】まずは60秒の答えの例を見てみましょう
説明のための例です。お子さまは年長の女の子、ご家庭で大切にしていることは「自分のことは自分でする」。質問は「ご家庭の教育方針をお聞かせください」です。
「私どもは、自分のことは自分でする、という姿勢を大切にしています。年中の秋から、翌日の洋服を前の日に自分で選ぶことを続けてきました。はじめのうちは、季節に合わない服を選んだり、選ぶのに時間がかかったりして、朝に間に合わないこともありました。それでも、私どもは選び直させるのではなく、『明日は外で遊ぶ日だね』と、前の日に予定だけを伝えるようにしました。すると娘は、予定を聞いてから自分で考えて服を選ぶようになり、今では朝に声をかけなくても、時計を見て自分で支度を進めるようになりました。この積み重ねを、これからも大切にしていきたいと考えています。」
この答えは、およそ270字で、ゆっくり話して60秒ほどです。ここから、この答えがどのようにできているのかを見ていきます。
【小学校受験】面接の答えが長くなる3つの原因
答えが長くなるのには、大きく3つの原因があります。
1. 言いたいことが2つも3つも入っている
「思いやり」と「あいさつ」と「最後までやりぬくこと」を全部話そうとすると、それだけで1分を超えてしまいます。
2. 前置きが長い
「そうですね、私どもは共働きでして、日ごろからなかなか時間が取れないのですが」。ここまで話しても、まだ答えに入っていません。
3. しめくくりがない
出来事を話しているうちに、「……という感じです」と終わりがぼやけてしまう。これも、答えが長く聞こえる原因です。
筆者の経験では、この3つのどれかに当てはまると、答えは自然と長くなります。逆に言えば、この3つを直せば、答えは60秒におさまります。
【小学校受験】60秒の答えのつくり方
3つの部品でつくる
答えの型は、たった3つの部品でできています。
| 部品 | 役割 | 目安 |
|---|---|---|
| 結論 | 質問への答えを最初に言う | 1文 |
| 出来事 | 結論を、ご家庭の具体的な出来事で裏づける | 3〜4文 |
| しめくくり | 結論にもどって、これからの思いで終える | 1文 |
先ほどの例では、1文目の「自分のことは自分でする姿勢を大切にしています」が結論です。2文目から5文目が出来事、最後の「この積み重ねを大切にしていきたい」がしめくくりです。
出来事には「できなかった時期」と「関わり方」を入れる
例の出来事には、「できなかった時期」と「お父様・お母様がどう関わったか」の2つが入っています。できなかった、関わった、できるようになった。この順番があると、聞いている側は、ご家庭の姿を思い浮かべやすくなります。
横に広げず、縦に掘る
例の答えには、「共働きで手をかけられない」という前置きも、「あいさつも大事にしている」という2つ目の話題もありません。面接官がもっと聞きたければ、「ほかにはありますか」と続けて聞いてくださいます。そのときに話せばよいのです。
60秒の答えのコツは、言いたいことを一つにしぼり、その話を深く掘り下げることです。横に広げるのではなく、縦に掘る。このイメージを持っておきましょう。
【小学校受験】30秒で求められたときの縮め方
面接官が「簡単に」「ひとことで」とおっしゃることがあります。学校によっては、時間の目安を案内されることもあります。そのときは、60秒の答えを30秒に縮めます。
縮め方は一つだけです。結論としめくくりはそのままにして、まん中の出来事だけを減らします。出来事は「始めたこと」と「今の姿」の2文だけを残し、うまくいかなかった時期と関わり方は削ります。
先ほどの答えを30秒に縮めると、次のようになります。
「私どもは、自分のことは自分でする、という姿勢を大切にしています。年中の秋から、翌日の洋服を前の日に自分で選ぶことを続けてきました。今では、朝に声をかけなくても、時計を見て自分で支度を進めるようになりました。この積み重ねを、これからも大切にしていきたいと考えています。」
これで、およそ130字です。1文目と最後の1文は、60秒版とまったく同じです。変えたのは、まん中の量だけです。
削った「うまくいかなかった時期」と「関わり方」は、捨てるわけではありません。「たとえば、どんなことですか」と続けて聞かれたときに話す部分として、取っておきましょう。
質問の言葉には、望まれている長さのヒントがあります。「簡単に」なら30秒、「くわしく」「エピソードをまじえて」なら60秒が目安です。ここを聞き逃さないようにしましょう。
【小学校受験】家庭でできる練習のしかた
練習は、次の順番で進めてみてください。
- 一つの質問について、60秒の答えを紙に書く(結論1文、出来事3〜4文、しめくくり1文)
- 声に出して読み、時計で時間を計る
- 1分20秒を超えるようなら、出来事の文を短くする
- 出来事を2文だけ残して、30秒版もつくる
これを、聞かれやすい5つほどの質問でつくっておきましょう。たとえば、志望理由、教育方針、お子さまの性格、成長を感じたこと、家庭での過ごし方です。5つをこの型でそろえておくと、練習していない質問が来ても、頭の中で答えを組み立てられるようになります。
また、お父様とお母様が同じ質問に答えることもあります。その場合は、お二人で同じ出来事を使わないようにしましょう。お母様が朝の支度の話をしたら、お父様は別の場面を話す、というように分けておくと、ご家庭の姿がより立体的に伝わります。
なお、お子さまへの質問には、この長い型は必要ありません。「好きな遊びは何ですか」と聞かれたら、「〇〇です」と答えて、理由や出来事を一つ足せれば十分です。お子さまとは、ひと言で答えたあとに「どうしてかというと」と続ける練習をしておくとよいでしょう。
【小学校受験】面接の答えの長さのよくある疑問
60秒より短いと、熱意が伝わらないのでは?
答えが長くなるのは、熱意がある証拠です。ただ、その熱意は、短くまとめたほうが伝わりやすくなります。足りない部分は、面接官が続けて質問してくださいます。
答えを丸ごと暗記したほうがよいですか?
一字一句の暗記よりも、「結論」「出来事」「しめくくり」の中身を覚えておくほうがおすすめです。言い回しが少し変わっても、型が頭に入っていれば落ち着いて話せます。
学校から時間の指定があった場合は?
学校の指示を優先してください。この記事の60秒・1分20秒は、あくまで練習の目安です。
願書に書いた内容と、面接の答えはそろえたほうがよいですか?
願書と面接は、同じご家庭の姿を、文字と声で伝えるものです。出来事そのものは別のものでもかまいませんが、教育方針や事実が食い違わないようにしておきましょう。願書の内容を手元に置いて、60秒版の答えと読み比べておくと安心です。
話している途中で、長くなったと気づいたら?
あわてずに、しめくくりの1文に戻りましょう。結論にもどって終えれば、答えとしてまとまって聞こえます。
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