面接の練習をすると、夫と私で教育方針の答えが食い違って、つい言い合いになってしまいます。
本番で答えがずれたら、悪い印象になってしまうのでしょうか。
【小学校受験】面接で夫婦の答えが食い違うと、どうなる?
一番気になるのは、「面接で答えが食い違ったら、どうなるのか」ということだと思います。
筆者の経験では、ご夫婦の答えが少し違うこと自体が、すぐに悪い印象につながるわけではありません。考えが少し違うのは、どのご家庭でも自然なことです。
印象に残りやすいのは、次のような場面です。
- お父様が答えたあとに、お母様が「いえ、それは違って」とその場で言い直す
- お父様の答えを聞いて、お母様が黙りこんでしまう
つまり、ずれたこと自体よりも、ずれたときのご夫婦のやりとりが印象に残るのです。この記事でお伝えする3つの手順は、ずれをなくすためではなく、ずれても大丈夫な状態をつくるためのものです。
なお、面接の形式(ご両親そろって受けるのか、時間はどれくらいか)は学校によって異なります。受験する学校の募集要項や説明会の案内で確認しておきましょう。
【小学校受験】言葉は違っても、方向が同じ答えの例
まず、説明のための例で、答えを見てみましょう。質問は「ご家庭の教育方針を教えてください」です。
お父様「私どもは、自分のことは自分でできる子に育ってほしいと考えております。最近、朝の支度を一人でやり切った日があり、本人の顔がとても誇らしそうだったのが印象に残っています。」
お母様「私も同じ思いです。先日、公園で自分より小さい子に順番をゆずっている姿を見て、自分で考えて動けるようになってきたのだと、うれしく思いました。」
お父様は「自分のことは自分で」、お母様は「自分で考えて動く」。言葉は違いますが、方向は同じです。ここからは、この答えをつくるための3つの手順をお話しします。
【小学校受験】手順1:言葉ではなく「出来事」をそろえる
多くのご家庭は、「自立にする?思いやりにする?」と、キーワードを決めるところから話し合いを始めます。けれども、これはなかなかうまくいきません。言葉には、それぞれの思い入れがあるからです。
ところが、出来事で話してみると、意外と同じところを見ていることが多いのです。
先ほどのご家庭も、もともとはお父様が「やるべきことはやらせたい」、お母様が「好きなことをたっぷりやらせたい」で、話が平行線でした。そこで、「この半年で、お子さまのことで一番うれしかった出来事は何ですか」と聞いてみます。
お父様は「朝の支度を、自分で全部できた日があった」。お母様は「公園で、自分より小さい子に順番をゆずっていた」。どちらも、「自分で」というところを見ていたのです。ここまで来れば方向はそろい、先ほどの答えになります。
ご家庭では、次のように進めてみてください。
- ご夫婦それぞれで、この半年のうれしかった出来事を3つずつ書き出す
- 書いたものを見せ合う
- 二人の出来事に共通しているものを探し、それを「方向」とする
【小学校受験】手順2:違いを「役割」として言葉にしておく
方向をそろえても、ご夫婦の考えがすべて同じになるわけではありません。それでよいのです。大切なのは、違いを隠すのではなく、役割として説明できるようにしておくことです。
たとえば、お父様はルールを守ることにきびしく、お母様はまず気持ちを聞くことを大切にしているご家庭があるとします。この違いを隠して「二人ともルールを大切にしております」と言うと、受け答えに少しずつ無理が出てきます。
「しつけについて、ご夫婦で考えの違いはありますか」と聞かれたときの答えの例です。
お父様「はい、少し違いがございます。私は、約束やルールを守ることを、比較的はっきり伝える役です。妻は、その前に、本人の気持ちを聞く役を担ってくれています。」
お母様「はい。たとえば、お友だちとけんかをして帰ってきたとき、私がまず何があったのかを聞きます。そのうえで、夫が、次はどうすればよかったかを一緒に考えます。順番は違いますが、目指しているのは同じで、自分で考えて、自分で直せる子になってほしいということです。」
違いを認めたうえで役割として説明し、最後に方向が同じであることを添える。これが形です。
ご家庭では、お子さまが困った場面を一つ思い出し、そのときお父様が何をしたか、お母様が何をしたかを順番に書き出してみてください。最後に「二人とも、この子にどうなってほしかったのか」を書き足せば、答えの形ができあがります。
【小学校受験】手順3:本番でずれたときの受け止め方を決めておく
どれだけ準備をしても、本番で練習と違うことを言ってしまうことはあります。大切なのは、隣の人がどうするかです。
たとえば、教育方針を「自分のことは自分で」とそろえていたのに、本番でお父様が緊張して、「学ぶことを楽しめる子に、と考えております」と、練習になかったことを言ったとします。ここでお母様が「いえ、私どもの方針は……」と打ち消すのは、避けたいところです。
おすすめの受け止め方は、次のとおりです。
お母様「はい、夫が申しました通り、学ぶことを楽しんでほしいと思っております。そのために、私どもが日々大切にしているのは、自分のことは自分でやる、ということです。」
相手の言葉をまず受け止め、そのうえで、準備していた方向につなげます。この形なら、ずれはずれに見えず、ご夫婦で補い合っている姿として伝わります。
型は、2つの言葉だけです。
- 「はい、夫(妻)が申しました通り」で受ける
- 「そのために」「たとえば」でつなぐ
もう一つ、相手が話しているときは、うなずいて聞いていてください。筆者の経験では、隣の方の話をうなずいて聞いているご夫婦は、それだけで落ち着いたご家庭に見えます。練習には、うなずいて聞く練習も入れておきましょう。
【小学校受験】夫婦で練習するときに気をつけたいこと
練習中に、「それ、違うよ」と、相手の答えをその場で直すのはやめましょう。練習ではなく、言い合いになってしまいます。
おすすめは、スマートフォンで練習を録画し、終わってから二人で見返す方法です。「ここ、よかったね」から先に伝え、直したいところはそのあとで、一つだけにします。
ご夫婦そろって面接を受ける場合、練習の段階でお互いを責める空気があると、本番でもその雰囲気が出てしまいやすくなります。ご夫婦の関係そのものが、面接の場に表れる。筆者は、そう感じています。
【小学校受験】夫婦の答えの食い違いのよくある疑問
夫婦で教育方針が根本から違う場合は、どうすればよいですか?
まずは、うれしかった出来事を3つずつ書き出すところから始めてみてください。言葉で話し合うよりも、出来事で話すほうが、共通点が見つかりやすくなります。
答える人を、どちらか一方に決めておくべきですか?
学校によって、どちらに質問するかは異なります。どちらが聞かれても答えられるように、方向と出来事をご夫婦で共有しておきましょう。
同じ出来事を、二人とも話してもよいですか?
同じ質問に続けて答える場合は、別の出来事を使うほうが、ご家庭の姿が立体的に伝わります。前もって、どちらがどの出来事を話すかを分けておくと安心です。
ご夫婦での話し合いは、いつごろから始めればよいですか?
願書を書き始める前に始めておくのがおすすめです。願書の志望理由や教育方針は、面接の答えの土台になります。うれしかった出来事の書き出しは短い時間でできるので、週末などに少しずつ進めてみてください。話し合いのたびに書いたメモを残しておくと、あとで面接の答えをつくるときにも役立ちます。
願書の内容とずれないようにするには?
願書を書く段階で、ご夫婦の方向と出来事を整理しておくと、面接の答えともそろいやすくなります。願書のコピーを手元に置いて練習しましょう。
あわせて読みたい
※学校ごとの最新の情報は、各校の公式サイトと募集要項でご確認ください。
ニュースを見逃さないように登録する
Google ニュースでフォローする1.jpg)


























