東京学芸大学附属小金井小学校は、ペーパー以外に行動観察や運動もあると聞きました。
ペーパーの勉強しかしていないので、何をどう準備すればよいのか不安です。
【東京学芸大学附属小金井小学校】ノンペーパー課題の全体像
東京学芸大学附属小金井小学校の考査は2日間で行われ、1日目がペーパーテストと制作、2日目が運動・個別・行動観察という構成です(2026年度実績・受験情報誌の調べ)。考査時間は両日とも約50分です。
つまり、2日目はペーパーが1枚もない「お子さまの姿そのもの」を見る日です。2022〜2026年度のあいだ保護者面接・本人面接は実施されていないため(受験情報誌の調べ)、学校がお子さまを直接知る機会は、この口頭試問や行動観察に集中していると考えられます。ペーパー対策と同じ熱量で準備する価値がある、というのが筆者の考えです。
この記事では、個別・行動観察・運動・制作の4つについて、過去5年の傾向と家庭での準備方法を解説します。ペーパーの分野別傾向は過去問の傾向の記事をご覧ください。
【東京学芸大学附属小金井小学校】個別(口頭試問・生活技能)の傾向と対策
2日目の個別課題は、口頭試問と生活技能の2本立てです。
口頭試問のテーマは、好きなものとその理由を自分の言葉で詳しく説明させる形式が続いた年と、困っているお友達がいたらどうするかといった場面への対応を問う年があります(受験情報誌の調べ)。共通する特徴は、答えた内容についてさらに詳しい説明を求められることです。一問一答の暗記では対応できず、「どうしてそう思うの?」に自分の言葉で答え続けられるかが見られています。
ご家庭では、お子さまの答えに「へえ、それはどうして?」「たとえば?」と一段深く聞き返す会話を日常にしてください。正解を教えるのではなく、考えて言葉にする時間を待ってあげることが大切です。
話す力を育てる手順としては、まず「結論をひとこと」で言えるようにし、次に「理由」を、最後に「具体的なエピソード」を付け足す、という順番がおすすめです。最初から長く話させようとすると、覚えた文章の暗唱になってしまいます。短くても自分の言葉で話し、聞かれたら足していく、という形のほうが、深掘りされる口頭試問には強くなります。
また、大人が先回りして言い直してしまうのもよくある失敗です。言葉に詰まっても、にこにこ待つ。この積み重ねが「初めての大人の前でも安心して話せる力」につながります。
生活技能では、文具をお道具箱に重ならないようにきれいに片づける形式の課題がくり返し出題されています。ふだんから自分の持ち物を自分で管理し、「使ったら元の場所に戻す」が身についているかどうかが、そのまま結果に表れます。
なお、出願書類の書き方や口頭試問当日の心構えについては、願書・口頭試問の記事で解説しています。この記事は「日常での力の育て方」、あちらは「出願と当日への備え」と分けてお読みください。
【東京学芸大学附属小金井小学校】行動観察の傾向と対策
行動観察は、集合ゲーム系の課題が続いています。タンバリンの音の数に合わせてお友達とグループを作って座る、といった形式が代表的です(受験情報誌の調べ)。また、2024年度はビブスをたたむ・縄跳びを結ぶなど、映像を見て指示どおりに行う生活技能系の課題でした。
ここで見られているのは、初めて会うお友達と関われるか、指示を最後まで聞いて動けるか、自分の番でないときに待てるか、といった集団生活の土台です。勝ち負けにこだわって崩れてしまうお子さま、指示の途中で動き出してしまうお子さまは、この形式でつまずきやすくなります。
対策としては、公園や幼稚園・保育園以外の場で、初対面のお子さまと遊ぶ機会を意識的に作ることが効果的です。模擬考査や体操教室などの集団の場も活用しながら、「初めての場所・初めてのお友達」の経験値を増やしてあげてください。
また、2024年度のように映像を見て指示どおりに行う課題が出ることもあるため、「お手本を最後まで見てから、同じようにやってみる」という練習を家庭でも取り入れておくと、形式が変わっても慌てません。ビブスや洋服をたたむ、縄跳びを結ぶといった動きは、日常のお手伝いの中でそのまま練習できます。
【東京学芸大学附属小金井小学校】運動の傾向と対策
運動は、立ち幅跳びが2022〜2026年度まで5年連続で出題されています(受験情報誌の調べ)。
種目が5年間変わらないという事実は、学校が運動能力の高さを競わせたいわけではないことを示しています。見られているのは、お手本や指示を正しく理解して同じように動けるか、待っている間の姿勢はどうか、といった取り組み方です。
立ち幅跳び自体は、両足をそろえて踏み切り、両足で着地する基本を公園で練習すれば十分です。それ以上に、「呼ばれるまで体操座りで待つ」「終わったら静かに列に戻る」という一連の流れまで含めて練習しておくと、当日も落ち着いて動けます。
なお、種目が続いているからといって、来年度も同じとは限りません。特定の種目の練習に偏らず、走る・跳ぶ・投げる・ぶら下がるといった基本の動きを外遊びの中で幅広く経験させておくことが、結局はいちばんの備えになります。
【東京学芸大学附属小金井小学校】制作の傾向と対策
制作は2023・2025・2026年度に実施されています(2022・2024年度は実施なし)。近年は続けて出題されているため、「出るもの」として準備しておきましょう。
形式の特徴は、映像で作り方を見て覚え、同じように作るという点です。先生が目の前で教えてくれるのではなく、映像の手順を記憶して再現する力が必要になります。材料は紙・ひも・洗濯バサミ・輪ゴムといった身近なものが使われています。
ご家庭では、折り紙やひも結び、洗濯バサミでとめるといった手先の作業に日常的に触れさせたうえで、「お手本を最後まで見てから作る」練習を取り入れてください。動画の工作を一時停止せずに見せて、そのあとで再現させるのもよい練習になります。
制作で大切なのは、上手に作ることよりも、手順を覚えて最後まで仕上げようとする姿勢です。途中で分からなくなっても手を止めずに、覚えているところまで丁寧に作る。うまくいかなくても投げ出さない。この粘り強さは一朝一夕には育たないので、日々の工作遊びの中で「最後までやりきったこと」をほめる声かけを続けてください。
【東京学芸大学附属小金井小学校】日常生活への落とし込み方
ここまでの内容を、毎日の暮らしに落とし込むと次のようになります。
- 会話:答えに「どうして?」と一段深く聞き返し、自分の言葉で説明する経験を増やす
- お手伝い:片づけ・配膳・洗濯物たたみを毎日の仕事として任せる
- 外遊び:立ち幅跳びなどの全身運動と、初対面のお友達と関わる機会を作る
- 手先:折り紙・ひも結び・洗濯バサミなどを使った遊びを習慣にする
- 聞く姿勢:説明を最後まで聞いてから取りかかる約束を、家庭のルールにする
どれも特別な教材はいりません。ただし、年長の秋に間に合わせるには、早めに始めて習慣として定着させることが必要です。目安として、年中のうちに会話とお手伝いの習慣を作り、年長の春から夏で模擬考査などの集団の場に慣れ、秋は生活リズムを整えて本番を迎える、という流れを意識してみてください。
もうひとつ大切なのは、保護者の方が「できていないこと」ばかりを数えないことです。ノンペーパー分野は、叱られながらの練習では伸びません。できたことを言葉にしてほめて、お子さまが「またやりたい」と思える雰囲気を守ることが、遠回りのようでいちばんの近道です。こうした力が身についたお子さまの姿は、受かる子の特徴の記事でも解説しています。わが子に合わせた進め方を相談したい方は、個別相談や家庭学習サポートもご活用ください。
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