日出学園小学校の過去問を手に入れたのですが、どこから手をつければよいのか分かりません。
5年分をならべると、毎年出ている分野と、その年だけの分野があるように見えます。何を優先すればよいでしょうか。
【日出学園小学校】過去問から見える出題の全体像
日出学園小学校の入学考査は、学校が公表している募集要項によると「ペーパーテスト(30分程度)」「行動観察」「面接」の3つです。面接は親子同室で入室したあと、保護者とお子さまに分かれて行われます。
まず押さえたいのは、この3つの比重が均等だということです。ペーパーができても行動観察で指示が聞けなければ評価は伸びず、明るく元気なだけでもペーパーの土台がなければ厳しくなります。
大手塾の分析情報をもとに2022〜2026年度の5年分をならべると、ペーパーの出題数はおおむね6問から8問。1問に小問がいくつかぶら下がるので、30分は余裕のある設定ではありません。
そして外せないのが、出題がすべて音声で行われる点です。問題文は紙に印刷されていないので、聞き逃せばその問題は落とします。ここが最初の関門です。
もうひとつの特徴が、面接の時間帯にお子さまへの口頭試問や手先を使う課題が行われてきたことです。募集要項に細かい記載はありませんが、大手塾の分析情報では5年間を通じて確認されています。「面接は話すだけ」と思って準備すると足をすくわれます。
学校の全体像は日出学園小学校のまとめ記事、試験の枠組みは試験内容の解説もあわせてご覧ください。
【日出学園小学校】ペーパーテストの出題分野と傾向
5年分のペーパーを分野ごとに整理すると、毎年顔を出す「常連」と、年によって入れ替わる「変動枠」に分かれます。
5年連続で出ている分野
- 話の記憶(お話を聞いて、あとの問いに答える)
- 数量(数の多少、等分、求差・求補、1対多対応など)
- 図形(回転図形、重ね図形、平面構成、点図形など)
この3つは、どの年度の過去問を開いても必ず入っています。優先順位をつけるなら、まずここからです。
年によって出入りする分野
- 生活常識・ルールの推理(5年のうち4年で出題)
- 言語の音(しりとり、音の組み合わせ、音の理解など。5年のうち3年)
- 自然科学や季節・行事の知識(出題された年と、まったく出ない年がある)
特徴的なのは「ゲームのルール」と呼ばれるタイプです。その場でルールを説明され、そのルールどおりに動かした結果を答えます。題材は毎年入れ替わり、同じ設定が続けて出ることはほとんどありません。つまり、解き方のパターン暗記では対応できません。
ここで効いてくるのが、やはり聞く力です。長い説明を最後まで聞き、頭のなかで組み立て直す力が問われます。
図形の傾向にも動きがあります。年度によっては図形系の比重が大きく高まり、点図形や平面構成、立体の数の比較まで幅広く扱われます。逆に図形の比重が下がり、かわりに生活常識が厚くなる年度もあります。年度によって重心が動くので、「うちの子は図形が苦手だから捨てる」という戦い方はできません。
【日出学園小学校】個別・行動観察で見られていること
個別(口頭試問と手先の課題)
大手塾の分析情報によると、面接の時間帯にお子さまだけが取り組む課題が用意されてきました。中心になるのは、絵を見せられて「この子はどんな気持ちだと思いますか」「あなたならどうしますか」と聞かれるタイプです。
5年分を通して、題材はいずれも子ども同士のトラブルや公共の場でのマナーでした。こうした場面をどう受け止め、自分の言葉で説明できるかが見られています。
正解を暗記させる準備は逆効果です。日ごろから「この子、どんな気持ちかな」「あなたならどうする?」と親子で言葉にする習慣をつくるほうが、はるかに力になります。
手先を使う課題も繰り返し出ています。紐通しやちょう結び、はさみで切って組み立てる、枠に合わせて貼る、線を丁寧に描く、近年は食事の所作にかかわる課題も見られるようになりました。生活のなかで身につく力が、そのまま課題になっています。
行動観察
行動観察は、5年のあいだにはっきり性格が変わりました。
2022年度・2023年度は、なんでもバスケットや椅子取りゲームのように、一人ひとりが参加するゲーム形式が中心でした。2024年度からは2人組やチーム対抗の課題が登場し、2026年度には5〜6人のグループで協力する課題がいくつも並びます。みんなで一つのものを作り上げる課題や、チームで競い合う課題が中心です。
つまり、見られるポイントが「指示どおりに動けるか」から「仲間と折り合いをつけながら進められるか」へ移ってきています。相談する、譲る、負けても崩れない。このあたりが評価の中心です。
音楽に合わせた模倣体操も、ほぼ毎年入っています。近年は映像を見ながらまねをする形も取り入れられています。恥ずかしがらずに体を動かせるかは、ご家庭でも練習できます。
【日出学園小学校】面接の傾向と過去に聞かれたこと
面接は考査当日に実施され、親子で同室に入ったあと、保護者とお子さまに分かれて質問を受ける形です(2027年度入試の募集要項より)。
保護者への質問は、5年分を通して次のような柱が見えます。
- 志望理由と、受験を決めた経緯・決め手
- 説明会に参加したかどうかと、その感想
- 子育てで大切にしていること、苦労したこと
- お子さまの性格、将来どのような大人になってほしいか
- お父様とお子さまの似ているところ
- ご家庭でのしつけや約束ごと、ほめたこと・叱ったこと
注目したいのは、その年の話題を絡めた質問がほぼ毎年あることです。過去にはスポーツの国際大会、SNSとの付き合い方、動画配信をめぐる話、大きな博覧会と学校を休むことの是非などが取り上げられました。正解のない問いに、ご家庭としての考えを落ち着いて述べられるかが見られています。
お子さまへの質問は、名前、園の名前、園や家での遊び、お父様・お母様の好きなところなど、やさしいものが並びます。ただし「お母様がにこにこしているのはどんなときですか」のように、日ごろの関わりがないと答えにくい問いも含まれます。
質問の具体例は面接で聞かれた質問の記事に、願書と保護者アンケートの書き方はこちらの記事にまとめています。面接と願書をまとめて確認したい方は面接・願書のページもどうぞ。
【日出学園小学校】年度ごとの変化と2027年度入試の注意点
まず、学校が公表している2027年度入試の枠組みを確認しておきます。
- 募集人数:102名(男女。日出学園幼稚園からの内部進学者を含む)
- 出願資格:2020年4月2日〜2021年4月1日生まれで、通学時間が概ね80分以内
- 試験内容:ペーパーテスト(30分程度)・行動観察・面接
- 入試は3回(第一志望入試/第1回一般入試/第2回一般入試)
- 受験料:22,000円(2027年度)
日程で見落としやすいのが、2027年度は第一志望入試と第1回一般入試が連日に設定されている点です。前年度は両者のあいだに数日の間隔がありました。併願される場合は、お子さまの体調管理と気持ちの切り替えを、これまで以上に計画しておく必要があります。日程・人数・金額は変わることがありますので、最新は必ず募集要項でご確認ください。
第一志望入試では「第一志望確約書」の提出が必要で、在籍園の園長名または幼児教室代表者名の記載と捺印が求められます。準備に日数がかかる書類です。
出題面での変化も整理しておきます。
- 2022年度・2023年度は感染症対策のもとでの実施で、パーテーションなどを用いた形でした
- 2024年度以降は通常の形に戻り、グループで協力する課題が増えました
- 2025年度は図形の比重が高く、2026年度は生活常識の比重が高いという振れがありました
- 2026年度は個別の課題に、お箸を使うものが加わりました
こうして並べると、毎年同じ問題が出る学校ではないと分かります。ただし、聞いて理解する・自分で考える・仲間と協力する、という評価の軸は5年間ぶれていません。
倍率や難易度の考え方は倍率の記事、費用面は学費の記事をご覧ください。
【日出学園小学校】過去問を使った家庭学習の進め方
過去問は、手に入れた順に解かせても効果が出にくい教材です。日出学園小学校の場合は、次の順番をおすすめしています。
1. まずお父様お母様が5年分を通読する
お子さまに解かせる前に、保護者が全年度に目を通してください。「毎年出る分野」と「たまに出る分野」が見えたら、それが学習計画の骨組みになります。
2. 問題文はすべて読み上げる
日出学園小学校のペーパーは音声で出題されます。ご家庭でも必ず読み上げてください。1回だけ、ふつうの速さで読むのが原則です。何度も読んであげていると、本番との差が埋まりません。
3. 話の記憶は毎日の習慣にする
5年連続で出ている分野です。やや長めのお話を聞いて、登場した順番・数・持ち物・気持ちを答える形が定番でした。読み聞かせのあとに「だれが出てきた?」と1つ聞くだけでも積み上がります。
4. ルールを聞いて動く練習をする
「ゲームのルール」タイプは、その場で説明されたルールを使って考える問題です。ご家庭では、すごろくやカードゲームのルールを口頭で説明し、そのとおりに遊ぶ練習が有効です。
5. 間違いは「分野」ではなく「原因」で記録する
聞き逃したのか、勘違いしたのか、考え方が分からなかったのか。原因ごとに分けると次に打つ手が変わります。分野名だけのメモでは、同じ失点を繰り返します。なお紐結びやお箸などの巧緻性は、机の上ではなく毎日の暮らしのなかで身につきます。
ご家庭だけで計画を立てるのが難しいときは、家庭学習サポートで、お子さまの現状に合わせた進め方をご提案しています。志望校選びの段階で迷っている方はオンライン個別相談を、どんなお子さまが合格しているかを知りたい方は受かる子の特徴もあわせてご覧ください。
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