関西大学初等部の過去問を手に入れたのですが、どう使えばいいのか分かりません。
そもそも、どんな問題が出る学校なのでしょうか?
関西大学初等部の考査は、ペーパーテスト・行動観察・親子面接で総合的に判定されます。過去問を年度順に並べてみると、言語分野と思考分野に大きな比重があることがはっきり見えてきます。
知識の量を競う入試ではなく、「よく聞いて、自分で考えて、答える」力が問われる入試です。
大切なのは、以下の3点です。
・話の聞き取りと言葉遊びは毎年出るので、日常の会話の中で鍛える
・条件推理や系列などの思考分野は、初等部のミューズ学習の考え方とつながっている
・過去問は点数を出す道具ではなく、つまずきを見つける道具として使う
関西大学初等部の個別相談、家庭学習サポート、願書作成、面接対策を行う筆者が詳しく解説していきます。
関西大学初等部を受験される方は、ぜひ参考にしてくださいね!
【関西大学初等部】過去問から見える出題の全体像
関西大学初等部の入試は、A日程とB日程の2回に分けて行われます。学校の公式サイトによると、選考は「志願者に対する親子面接及び考査・行動観察により、総合的に判定し、合格者を決定」すると明記されています。募集人員はA日程とB日程を合わせて男女計60名で、A日程には関西大学幼稚園からの入学者が含まれます。
つまり、ペーパーテストの点数だけで合否が決まる入試ではありません。面接と行動観察を含めた「総合判定」であることが、最初に押さえておきたい前提です。
そのうえで、大手塾が公表している年度別の分析情報をもとに2020年度から2026年度までの出題内容を並べてみると、次のような構造が浮かび上がります。
- 言語分野の比重が最も大きく、全体の3割前後を占める年度が多い
- 思考分野(推理・系列・図形)が2つ目の柱として毎年出題される
- 数量と知識・常識は、難問ではなく基礎を正確に処理できるかを見ている
- ペーパーは1分野1〜2問ずつを広く浅く、という配分ではなく、言語と思考に厚みがある
出題分野の幅が広いので、「どこか1分野だけ得意」というお子さまより、「どの分野も一定水準で崩れない」お子さまが有利になる入試です。苦手分野を最後まで放置しないことが、そのまま対策になります。
なお、日程や募集人員は年度によって変わります。最新の内容は必ず関西大学初等部の入試日程・入試内容の記事とあわせて、学校の募集要項でご確認ください。
【関西大学初等部】ペーパーテストの出題分野と傾向
過去問を分野別に整理すると、関西大学初等部のペーパーには明確な「柱」があります。
言語分野は毎年の最重要分野
言語は7年分すべての年度で出題されている、最も比重の大きい分野です。中身は大きく2つに分かれます。
1つは「話の聞き取り」です。少し長めのお話や指示を聞いて、その内容に合う絵を選んだり、指示どおりに印をつけたりする形式が毎年出ています。年度によっては1回の考査の中で6問前後の聞き取り問題が並ぶこともあり、この分野の比重の高さがうかがえます。
もう1つは「言葉遊び」の系統です。しりとり、言葉の音(おと)の数、同音語、濁った音、隠れた言葉、言葉の仲間分け、言葉の約束といったバリエーションが、年度ごとに形を変えて出題されています。特に2023年度以降は、この言葉遊び系の出題が目立って増えています。
思考分野は年々厚みが増している
思考分野では、条件推理、系列、回転、位置の移動、上から見た形・横から見た形、重さ比べ・高さ比べ・長さ比べといった問題が繰り返し登場します。2025年度・2026年度では「魔法の箱(お約束にしたがって変化させる)」や条件推理が複数問出ており、単純な暗記では対応できない出題が増えている印象です。
図形・数量・知識は基礎の正確さ
図形は、図形構成、切り抜き図形、折り重ね図形、積木、模写などが出ています。数量は計数、対応、長さ比べが定番で、極端な難問は見当たりません。
知識・常識は、季節、理科的常識、生活常識、道順や地図の読み取り、そして道徳的判断まで幅広く問われます。年度によっては常識・理科的常識だけで4〜5問並ぶこともあり、「経験の量」がそのまま得点になる分野です。
【関西大学初等部】行動観察・運動で見られていること
学校の公式サイトでは、考査に行動観察が含まれることが明記されています。また受験情報サイトの掲載内容では、ペーパーと行動観察に加えて、運動や個別形式の課題も実施されるとされています。年度によって構成が変わる可能性があるため、詳細は募集要項でご確認ください。
行動観察で見られているのは、上手にできるかどうかではありません。次のような点が中心になります。
- 初めて会うお友達に、自分から関われるか
- 指示を一度で聞き取り、そのとおりに動けるか
- うまくいかないときに、投げ出さずに立て直せるか
- 片づけや順番待ちなど、生活習慣が自然に出るか
特に関西大学初等部の場合、ペーパーでも「指示の聞き取り」が繰り返し出題されていることを考えると、行動観察でも「聞く力」が一貫して見られていると考えるのが自然です。ご家庭では、指示を最後まで聞いてから動く習慣をつけておきたいところです。
運動については、複雑な種目より、まっすぐ走る・ケンパー・ボールを扱うといった基本的な動きを、指示どおりに行えるかを見る形が一般的です。運動が得意なお子さまが有利になるというより、「話を聞かずに先に動いてしまう」お子さまが不利になる、と考えておくとよいでしょう。
【関西大学初等部】親子面接の傾向
関西大学初等部の面接は、公式サイトでも「親子面接」と明記されています。考査日とは別の日に、学校が指定した日時で行われるのが特徴です。2027年度入試の場合、A日程は考査の約2週間前、B日程も考査の前に面接が設定されています。
つまり、面接は「合格後の確認」ではなく、選考の一部として先に行われます。ペーパーの出来を待たずに面接があるという点は、準備の順番を考えるうえで重要です。
お子さまへの質問は、名前や幼稚園のこと、好きな遊び、お友達との関わりといった基本的なものが中心です。ここでも「質問を最後まで聞いてから答える」ことが評価につながります。答えの正しさより、聞かれたことに素直に応じられるかどうかを見られていると考えてください。
保護者への質問では、志望理由に加えて、ミューズ学習をはじめとする初等部独自の教育をどう理解しているかが問われやすくなります。「思考力を育てる」という学校の方針に、ご家庭の教育観がどう重なるのかを、自分の言葉で話せるようにしておきましょう。
具体的な質問内容は関西大学初等部の親子面接の記事で詳しく整理しています。回答の組み立てに不安がある方は、面接対策もご活用ください。
【関西大学初等部】年度ごとの変化と最新の注意点
過去問を古い年度から順に見ていくと、いくつかの変化が読み取れます。
2020年度から2022年度にかけては、地図の読み取りや位置の移動といった「空間をつかむ」問題が目立ちました。一方、2023年度以降は言葉遊びの出題が増え、2024年度・2025年度では「お話の記憶」がはっきりと出題されるようになっています。2025年度・2026年度は条件推理や系列など、お約束を見つけて当てはめる思考問題の比重が上がりました。
こうした変化は、初等部が力を入れているミューズ学習の方向性とよく重なります。ミューズ学習では、比較する・分類する・つなげる・多面的にみる・組み立てる・広げるという6つの思考スキルを、ベン図やコンセプトマップといった思考ツールを使って学びます。入試で問われている「共通点を見つける」「お約束にしたがって分ける」といった作業は、まさにこの考え方の入口にあたります。
もう1つ、必ず確認していただきたいのが日程の変更です。以前はB日程の考査が翌年1月に行われていましたが、学校が公表している2027年度入試では、B日程の考査は12月に実施される日程になっています。A日程の考査は9月です。学校が公表している2027年度入試の日程は、A日程が出願2026年7月6日から8月20日、面接8月26日から9月6日のうち本校が指定した日、考査日9月11日、合格発表9月14日。B日程が出願2026年10月15日から11月16日、面接11月28日・30日のうち1日、考査日12月12日、合格発表12月14日となっています。年内で入試が完結する形になったため、併願計画や学習スケジュールは早めに組み直す必要があります。
出願はインターネット出願(miraicompass)で行われ、入学検定料は20,000円、入学金は300,000円と公表されています。金額や日程は変更される場合がありますので、最新の情報は必ず募集要項でご確認ください。倍率の推移については関西大学初等部の倍率・難易度もあわせてご覧ください。
【関西大学初等部】過去問を使った家庭学習の進め方
過去問は「本番の予行演習」として使うより、「わが子の弱点を見つける地図」として使うほうが効果的です。おすすめの手順は次のとおりです。
- まず1年分を通しで解き、分野ごとに正誤を記録する
- 間違えた問題を「聞き取りミス」「知識不足」「考え方の未定着」に分類する
- 聞き取りミスが多ければ、問題を解く前に「聞く練習」に戻る
- 知識不足は、季節・理科的常識・生活常識を日常の体験で補う
- 考え方の未定着は、同じ型の問題を数日おきに繰り返す
関西大学初等部の場合、特に効果が出やすいのが「聞く力」の底上げです。話の聞き取りは毎年出るうえ、行動観察や面接にも直結します。読み聞かせのあとに「誰が」「何をした」「どうしてだと思う?」と3つだけ質問する習慣をつけるだけでも、数か月で反応が変わってきます。
言葉遊びは、机の上でなくても鍛えられます。しりとり、音の数を手拍子で数える遊び、同じ音で始まる言葉を集める遊びなどを、移動時間や食事の前後に取り入れてみてください。プリントより会話のほうが定着します。
思考分野は、答えを教えるのではなく「どうしてそう思ったの?」と理由を言わせるのが近道です。これはミューズ学習で重視される「根拠を示して説明する」力そのものなので、入学後にも生きてきます。
過去問の進め方や家庭学習の設計に迷ったときは、家庭学習サポートで、お子さまの状況に合わせた計画をご提案しています。学校全体の情報を先に整理したい方は関西大学初等部の総合ガイドを、願書の準備を進めたい方は関西大学初等部の願書の書き方もあわせてご覧ください。
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