早稲田実業初等部の考査の全体像
早実の入試は一次(考査)と二次(親子面接)で構成され、一次の合格者だけが二次に進みます。一次はペーパー・集団テスト(行動観察・制作)・運動・巧緻性/生活習慣と非常に広範囲で、所要時間は約60分。過去の出題を分野別に見ると、その幅広さがよく分かります。
ペーパーテストの出題分野
過去の出題では、次のような分野が幅広く扱われています。
- 記憶(お話の記憶/音源や読み上げを聞いて答える)・観察力
- 言語(しりとり・言葉の音など)
- 数量(数える・分ける・多少の比較)
- 図形(点図形・同図形発見・図形模写)
- 推理・常識(仲間分け・季節・生活常識など)
- 位置・移動、系列完成
「聞く力(記憶・指示理解)」と図形・数・推理の感覚がバランスよく問われます。
集団テスト(行動観察・制作・巧緻性)
小集団での行動観察や自由遊びに加え、制作・絵画・表現、巧緻性(整理整頓・箸の使い方・雑巾しぼり・洋服をたたむなど)や生活習慣が見られます。手先の器用さと、お友だちとの協働、生活の自立がそのまま表れます。制作中に口頭で質問・試問が入ることもあります。
運動テスト
運動では、基礎運動・指示行動・模倣体操・リズム運動・ボール運動・跳躍運動・バランス運動・連続運動など、年により多様な課題が出ています。上手さよりも、指示を正確に聞いて最後までやり切る姿勢が大切です。
二次・親子面接
二次は親子面接で、過去には親子面接・保護者(両親)面接・本人面接といった形がとられています。子どもが主役で、自分の言葉で答えられるかが見られます。詳しくは面接の記事へ。
家庭での対策
ペーパーは聞く・見る・考える遊びを、生活習慣・巧緻性は日々のお手伝いを、行動観察はお友だちとの実体験を、運動は「聞いてやり切る」習慣を。広い分野を生活の中でバランスよく積み重ねるのが、早実の考査対策の王道です。
※出題分野・形式は年度で変わります。最新情報は学校公式サイトや過去問でご確認ください。
家庭でできる考査対策
早実の一次は出題範囲が非常に広いため、特定分野の詰め込みより、生活全体で力を育てる視点が大切です。ペーパーは聞く・見る・考える遊びを日常に、巧緻性・生活習慣は毎日のお手伝いを通じて、行動観察はお友だちとの実体験で養いましょう。運動は『指示を聞いてやり切る』習慣づけが効果的です。広い分野をバランスよく、楽しみながら積み重ねることが王道です。
早稲田実業初等部の試験内容に関するよくある質問
Q. 一次で最も差がつくのは?
A. 出題が広いため、苦手分野を作らないことが重要です。特に聞く力(話の記憶)と生活習慣・巧緻性は差が出やすい部分です。
Q. 二次面接で見られることは?
A. 子どもが自分の言葉で答えられるか、親子のコミュニケーションがどうかが見られます。
Q. 所要時間はどのくらい?
A. 一次の考査はおおむね約60分です。広範囲を限られた時間でこなす集中力が求められます。
Q. いつから対策を始める?
A. 年中から生活の中で少しずつ。年長で総合的に仕上げるのが目安です。
【早稲田実業初等部】試験内容を踏まえたご家庭での備え
出題範囲が広いと聞きますが、全部やる必要がありますか
全部を同じ量やる必要はありません。ただし、まったく手をつけていない分野があると、そこで大きく崩れます。まずはひと通り触れておいて、そのうえで苦手な分野に時間を配分する。この順番が現実的です。
ペーパー以外は、何を準備すればよいですか
制作・巧緻性、運動、行動観察の3つです。いずれもご家庭でできることがあります。
- 制作・巧緻性……はさみ、のり、ひも通し、ちぎる、たたむ。日常の中に組み込む
- 運動……ケンパー、スキップ、両足跳び、ボール、模倣体操。週2〜3回でよい
- 行動観察……家族以外の集団に入る機会を、定期的に作る
このうち行動観察だけは、ご家庭だけでは再現しきれません。模試や講習を活用してください。
「生活力」とは、具体的に何でしょうか
衣服の着脱、片づけ、道具の扱い、食事のマナー、あいさつ。試験のために練習するものではなく、毎日の暮らしの中で身につくものです。だからこそ、直前に取り繕っても見抜かれます。逆に言えば、早くから整えているご家庭は、それだけで有利になります。
指示を聞き取る力は、どう鍛えますか
ご家庭での声かけを変えるだけで変わります。用事を頼むとき、一度に2つ、3つと伝えてみてください。「洗濯物をたたんで、それをタンスにしまってきて」というように。最初はできなくて構いません。聞いて覚えて動く、という経験の量が力になります。
制作が苦手な場合はどうすればよいですか
上手さを求めないでください。評価されているのは、作品の出来ではなく、取り組み方です。道具を正しく使えているか、最後まで仕上げたか、使ったものを片づけたか。ここを見られています。上手に作れなくても、丁寧に取り組んでいれば伝わります。
試験当日、緊張してしまわないか心配です
初めての場所、初めての先生、初めてのお友達。この3つに慣れておくことが、いちばんの対策です。模試を会場受験にする、講習に参加する、家族以外と過ごす時間を作る。当日が「初めてだらけ」にならないようにしておくと、力が出やすくなります。
親ができる、いちばん効果のある準備は何ですか
生活習慣を整えることと、待つことです。年長のお子さまは、大人が思うより短い期間で大きく変わります。焦って詰め込むより、毎日の生活を丁寧に積み上げるほうが、結果的に近道になります。
家庭学習だけで、どこまで対応できますか
ペーパー、制作・巧緻性、生活習慣は、ご家庭でかなりの部分を担えます。運動も、週2〜3回の習慣があれば伸びます。唯一、家庭では再現しきれないのが行動観察です。ここだけは外の機会を使う、という割り切り方が現実的です。
【早稲田実業初等部】学校が育てたい力から考査を読み解く
考査の対策を考えるとき、過去の出題傾向と同じくらい役に立つのが、「学校がどんな力を育てたいと言っているか」です。出題は学校の教育方針とつながっているからです。
早稲田実業学校初等部は、公式サイトで教育方針の一つに「自ら学び、考え、創り出し、表現する力」の育成を挙げています。また、国語と算数を基礎学習として重く位置づけ、自分で考える力を養うことを強調しています。ペーパーで問われるのが、暗記した知識ではなく「聞いて、考えて、答える」力であることは、この方針から素直に読み取れます。
制作や巧緻性の課題についても同じことがいえます。公式サイトでは、児童が自分で鉛筆を削るような手仕事が紹介され、詩作・作文・美術・音楽といった表現活動が積極的に取り入れられていると説明されています。手を使うことが日常になっている学校ですから、入学前の段階でも、手先を使う経験を積んでいるお子さまを歓迎するのは自然なことです。上手に仕上げることより、自分の手で最後までやりきる姿勢を見ていただくつもりで準備なさってください。
季節や自然に関する出題が気になる方は、自然体験学習が重んじられている点にも目を向けてみてください。公式サイトでは、五感を使って自然と関わり、身近な環境での発見から自然科学の基礎を深めるという方針が示されています。図鑑で覚えるより、実際に見て触れた経験のほうが、この学校の求めるものに近いはずです。
試験の形式面も、公式の募集要項で確認しておきましょう。一次試験は本人のみを対象に2026年11月1日から5日のいずれか1日、二次試験は本人と保護者を対象に11月8日から10日のいずれか1日で行われます(2027年度入試の場合)。二次で保護者が対象に含まれることが、親子面接が中心になる根拠です。
数字の面では、2026年度入試で受験者1,017名に対して一次合格が183名、最終合格が123名でした。一次の関門がいちばん大きいことがわかります。まずは一次で力を出しきることを目標に、日々の準備を組み立ててください。日程や実施要領は年度によって変わりますので、最新の内容は公式サイトの募集要項でご確認ください。
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