【幼稚園受験】お茶の水vs竹早|抽選が先?考査が先?国立2園の決定的な違い
お茶の水女子大学附属幼稚園と、東京学芸大学附属幼稚園竹早園舎。どちらも都内の国立大学の附属幼稚園で、毎年多くのご家庭が関心を寄せる園です。そして、どちらの選考にも抽選が関わります。
ただ、近年の選考を見ると、抽選が行われる順番が大きく違います。この記事では、これまでの出題傾向をもとに、国立2園の選考の違いと、それぞれが求める家庭像を整理します。なお、選考方法は年度によって変わる可能性があります。今年度の正式な流れは、必ず募集要項でご確認ください。
動画でも解説しています。
抽選が先か、考査が先か|2園の選考の違い
近年のお茶の水女子大学附属幼稚園は、抽選、考査、再度の抽選という三段階の選考が行われてきました。まず抽選を通った方が考査に進み、考査の後にも抽選が行われる形です。
一方、竹早園舎は、応募資格を満たして出願手続きを完了した方が、まず発育総合調査を受け、その通過者が抽選に進む二段階の選考です。竹早園舎の公式表記は「検定」ではなく、「第一次選抜」「第二次選抜」となっています。現在公開されている募集案内でも、第一次選抜が発育総合調査、第二次選抜が抽選です。
つまり、考査を受ける前に抽選があるのか、考査の後に抽選があるのか。ここが2園を考えるうえでの大きな違いです。抽選の具体的な方法や回数は変更される可能性がありますので、受験年度の募集要項で必ず確認してください。
押さえておきたい3つの違い
募集の形
お茶の水女子大学附属幼稚園は、3歳児から入る3年保育と、4歳児から入る2年保育の両方があります。募集人員は3年保育がおよそ40名、2年保育がおよそ20名です。
これに対して竹早園舎は、4歳児から入る2年保育のみで、3歳児の募集はありません。募集人員は男児15名、女児15名です。3歳児のお子様がいらっしゃるご家庭にとって、この2園は同じ年に並べて受けられる園ではない、ということになります。
通園区域の条件
国立2園は、応募できる地域が細かく決められています。近年のお茶の水女子大学附属幼稚園は、園からおよそ3キロ以内の指定地域に、保護者とともに住んでいることが条件です。通園は徒歩または公共交通機関で、駅やバス停までの自転車利用も認められていません。
竹早園舎は、東京都23区内に保護者とともに居住し、お子様が徒歩または公共交通機関を利用して、35分程度で通える範囲であることが条件です。どちらも、受験のための一時的な住所変更は認められていません。指定地域や通園条件は年度によって見直される可能性がありますので、出願前に、その年度の募集要項で必ず確認してください。
園に触れる機会
お茶の水女子大学附属幼稚園には説明会があります。日程と会場は公式サイトに掲載され、申し込みは不要です。受付カードをダウンロードして記入し、当日持参する形です。ただし、入園検定そのものの日程や、選考の流れは公式サイトには載らず、募集要項に記載されます。募集要項はWeb出願サイトでの販売のみで、販売期間も限られています。
竹早園舎は、説明会がありません。公開行事もなく、電話やメールでの個別相談も一切受け付けていません。つまり竹早園舎は、公式サイトと募集要項がすべてです。最新の日程は、公式サイトと募集要項でご確認ください。
| 項目 | お茶の水女子大学附属幼稚園 | 竹早園舎 |
|---|---|---|
| 保育年数 | 3年保育・2年保育 | 2年保育のみ |
| 募集人員 | 3年保育およそ40名、2年保育およそ20名 | 男児15名、女児15名 |
| 選考の流れ(近年) | 抽選、考査、再度の抽選 | 発育総合調査、その通過者が抽選 |
| 通園区域 | 園からおよそ3キロ以内の指定地域 | 23区内、通園35分程度 |
| 説明会 | あり(申込不要) | なし(個別相談も不可) |
お茶の水女子大学附属幼稚園が求める家庭像
研究と実習の場であることを受け入れられるご家庭
公式サイトには「教育の目的と使命」として、入園した幼児を保育して心身の発達を助けることを目的に、「自分のことを大切にする」「周りの人を大切にする」「環境を大切にする」という3つの願いをもって保育を行うと書かれています。そのうえで、大学の附属園として、幼児教育の理論と実際に関する研究を行うこと、学生にとっての保育・教育の実習と研究の場であること、研究や保育の実際を公開することが挙げられています。
面接では、これまで「本園は他園とは異なり、幼児教育の研究施設でもありますが、ご理解・ご協力いただけますか」といった趣旨のことが聞かれています。なんとなく「はい」と答えるだけでは弱い部分です。学生が保育や観察実習に入ること、研究や公開保育に協力する機会があることを理解し、前向きに受け止められるご家庭であることが大切です。
親子で一緒に遊べるご家庭
第二次検定は、集団テストと親子面接で、1時間半ほどです。これまでの考査では、3年保育は親子一緒に考査室へ入り、おままごと、お人形、ぬいぐるみ、リトミックスカーフ、マツボックリや木の葉、木製の車や電話、ペットボトルのマラカス、積み木などで自由に遊びます。2年保育は、お子様だけで入室し、途中から保護者が1人入室して、親子で遊びます。ほかに、「やきいもグーチーパー」を歌いながらの手遊びや、紙芝居・絵本の読み聞かせを聞いて質問に答える活動もありました。
年間行事にも、学年ごとの「親子で遊ぶ日」が設けられています。こうした考査や行事から考えると、親子が一緒に遊ぶ時の関わり方や、お子様の遊びを親御様がどのように支えているかが表れやすい園だと考えられます。特別な準備よりも、休日に一緒に体を動かし、絵本を読んで、そのお話について話す時間を積み重ねてあげてください。
生活のリズムと育児の体制を具体的に説明できるご家庭
これまでの受験例では、お子様の考査中に、親御様がアンケートを記入する形が見られました。項目には、起床時間や就寝時間、お昼寝の有無、育児について相談できる方がいるか、親子でどこへ遊びに行くか、といった内容がありました。生活のリズムだけでなく、日頃どのような体制で子育てをされているのかまで、具体的に確認しようとしていると考えられます。
完璧な生活を書こうとする必要はありません。現在の生活を正確に把握し、改善したいことがあれば、どのように取り組んでいるのかを話せるようにしておいてください。アンケートの項目も面接の質問も年度によって変わりますので、あくまでこれまでの傾向としてお考えください。
送迎や行事参加の体制が現実的に整っているご家庭
保育時間は、お弁当のある日が13時前後まで、お弁当のない日は11時前後までと、かなり短めです。送り迎えは、保護者の方が毎日される前提とお考えください。この点は募集要項で必ず確認してください。
面接では、「通園経路を教えてください」「通園の送迎はどなたがされますか」「送迎をサポートしてくれる人はいますか」といった質問が出ています。働いていらっしゃる親御様には、勤務状況や、送迎・行事への対応について質問された例もあります。働いていること自体が不利になるという意味ではありません。お父様、お母様、祖父母など、ご家庭の中で、日々の送迎や急なお迎えにどのように対応するのか、実際の生活を想定した体制を具体的に説明できるようにしておいてください。
竹早園舎が求める家庭像
研究と実習、ボランティアに協力できるご家庭
竹早園舎も、大学の附属として研究と教育実習の使命を持っています。面接では、これまで「本園の概要はお読みになりましたか。教育実習や研究活動が多い園ですが、理解されていますか」「ボランティア活動にご協力いただけますか」といった趣旨のことが聞かれています。
説明会がなく、個別相談も受け付けていない園です。だからこそ、「概要はお読みになりましたか」という質問が重みを持ちます。公式サイトと募集要項を隅々まで読み込んだうえで面接に臨むことが、最低条件だとお考えください。
教え込むよりも、遊びの中で考えることを大切にするご家庭
竹早園舎は、遊びや環境を通した総合的な学びを大切にしています。教育目標には「主体性と協同性をもち、自分らしさを十分に発揮する子供を育てる」とあり、育てたいお子様の姿として「よく考え工夫して遊ぶ」が掲げられています。面接では「自主性を重んじるのが本園の方針ですが、そのことについてどのようにお考えですか」といった趣旨のことが聞かれています。
親御様が正しい遊び方や答えを先に教えるのではなく、お子様が自分で考え、試し、工夫する時間を待てることが大切です。習い事をしているかどうかではありません。日常の中で、お子様が自分から遊びを選び、うまくいかなければ別の方法を試す経験を、どれだけ積んでいるかが重要です。
しつけの方針を具体的なエピソードで語れるご家庭
これまでの受験例では、親御様が短時間でアンケートを記入し、その内容について面接で理由を尋ねられた年がありました。設問には、「与えたくないおもちゃ、あるいはお菓子を子どもが欲しがったとき、どうするか」、そして「その質問にかかわる最近のエピソード」といった内容が見られました。用意されたボールペンで記入し、書き損じによる用紙の交換はできないという案内があった例もあります。
年度によって設問や記入方法は変わる可能性がありますが、ご家庭の方針と、それに結びつく具体的な出来事を整理しておく必要があります。
親御様から離れて動けるように支えているご家庭
竹早園舎の第一次選抜は、これまで竹早小学校の校舎で行われてきました。お子様は15人から17人ほどの単位で調査室に入り、集団での活動を受けます。所要時間は1時間ほどと伺っています。会場や進め方は年度によって変わることがありますので、その年の募集要項でご確認ください。
実際に受験されたご家庭からは、「発育総合調査の誘導時に泣いてしまった子は、落ち着くまで待機していました。調査中に泣いてしまった子は、親が呼ばれてつき添っていたようでした。母子分離できるように準備することが大切だと思いました」というお話を伺っています。
過去の受験例では、竹早小学校の6年生が誘導を担当した年もありました。また、トイレに行きたい時には、お子様自身が申し出られるようにしておいてほしいという案内があった例もあります。毎年同じ運用とは限りませんが、初めて会う大人や年上のお子様にも、困っていることを自分の言葉で伝えられるようにしておくことは大切です。
考査内容の決定的な違い
これまで確認してきたお茶の水の考査は、自由遊び、親子遊び、手遊び、読み聞かせなどが中心で、独立した個別課題や運動課題は多く見られていません。面接は、保護者1人とお子様で、10分ほど。「書類の確認」という形で行われた例があります。
一方、竹早園舎では、集団でのごっこ遊び、身体表現、運動、そして親子で工夫する課題が行われた例があります。集団での活動では、お店屋さんごっこをして途中で店員とお客さんが交代する、モグラに餌をあげるゲームをする、お医者さんごっこや歯医者さんごっこ、バスごっこをする、といった内容です。カエル、ゴリラ、ヘビのまねをする身体表現や、ケンケンパーの運動もありました。
親子遊びも特徴的です。これまでの考査では、箱の中にコップ2個、紙製の立方体2個、ラップの芯2本、ガムテープの芯1個が用意され、「箱の中のものを好きに使って、できるだけ高く積んでください」と指示されました。もうひとつは、先端に星がついた15センチほどの魔法のステッキと、ウサギ、ゴリラ、ゾウのイラストが用意され、「魔法のステッキを使って、好きな動物に変身させてください」というものです。イラストの動物以外でもよい、とされています。
正解のない課題ですので、正しく完成させることだけでなく、親子でどう相談し、どう工夫し、うまくいかなかった時にどう立て直すかという過程も表れやすくなります。受験されたご家庭からは、「面接時の親子遊びは、親子のやり取りに対し面接官の先生が楽しそうに反応してくださるなど、和やかな雰囲気でした」というお話も伺っています。考査内容、人数、所要時間、面接の形式は、年度によって変わることがあります。
どちらに向いているか
近年のお茶の水女子大学附属幼稚園は、最初に抽選があります。そこを通らなければ、準備した力を見ていただく場に進めない可能性があります。一方の竹早園舎は、応募資格を満たして出願手続きを完了された方が、まず発育総合調査を受ける形が続いています。準備してきたことを見ていただける段階が、先に用意されているということです。ただし、通っても最後に抽選があります。どちらにも運の要素はありますが、「準備を見ていただける段階が選考のどこにあるか」が、2園では異なります。
そして、通園区域の条件が細かいのも国立2園の特徴です。おおよそ3キロ以内、あるいは23区内で35分程度。ここはご家庭の住所によって、そもそも受けられるかどうかが決まります。まずはご家庭が応募資格を満たしているかを確認することが、最初の一歩です。
各園の詳しい情報は、【お茶の水女子大学附属幼稚園】受験ガイド総まとめ|倍率・学費・考査・面接を一挙解説や、【東京学芸大学附属幼稚園竹早園舎】受験ガイド総まとめ|倍率・学費・考査・面接を一挙解説もあわせてご覧ください。国立と私立の違いについては、元面接官が本音で解説! 国立幼稚園と私立幼稚園の違いとは?も参考になります。
まとめ
近年のお茶の水女子大学附属幼稚園は、最初の抽選を通過した方が考査へ進み、その後にも抽選が行われる選考が続いています。考査では、親子で遊ぶ時の関わり方や、ご家庭の生活、送迎体制などが表れやすい園です。
一方、竹早園舎は、応募資格を満たして出願手続きを完了した方が、まず発育総合調査を受け、その通過者が抽選に進みます。遊びの中で自分から考え、工夫する姿と、ご家庭がその自主性をどのように支えているかが表れやすい園です。
どちらも選考に運の要素がありますが、その順番と、考査で表れやすい親子の姿は異なります。選考方法は変わる可能性がありますので、最新は募集要項でご確認ください。
「わが家に合った準備の進め方を知りたい」という方は、うみ塾長の個別相談や、家庭対策サポートをご活用ください。
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