【幼稚園受験】早生まれの受験|「月齢を考慮する」と書いている園、書いていない園
早生まれのお子様のご家庭から、よくいただく質問があります。「園は、生まれ月を見てくれるのでしょうか」。答えは、園によって違います。募集要項や公式サイトに「生まれ月別に考慮します」「月齢別にグループを組みます」と書いている園があります。何も書いていない園もあります。
この記事では、園が月齢をどう扱うと公表しているかを、書いている園と書いていない園に分けて整理します。そのうえで、考査で月齢の差が出やすい場面と出にくい場面、ご家庭で追いつけることと、追わなくてよいことをお伝えします。
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3年保育の月齢差は、およそ1年
3歳前後のお子様にとっての1年は、それまでの人生の3分の1にあたります。言葉の数、手先の動き、初めての場所に慣れる速さ。ここに差が出るのは当然だと私は見ています。だからこそ、園がこの差をどう扱うのかを知っておく意味があります。
早生まれのご家庭が不安になるのは、この1年の開きを、考査の場でどう受け止めてもらえるのか分からないからだと思います。分からないときは、まず園が公表している文章を読む。読んでも書いていなければ、「明記なし」として受け止める。この記事は、その整理のための材料です。
「月齢を考慮する」と公表している園
日本女子大学附属豊明幼稚園。募集要項の考査の説明に、こうあります。「遊びの中でごく自然のうちに、知的発達・行動の姿をみます。なお、年間の発達差は生まれ月別に考慮します」。「考慮します」と、園の言葉で書かれています。
カリタス幼稚園。公式サイトの入園案内に、質問と答えの形で載っています。「縦割考査の時、早生まれについて何か配慮はありますか」という問いに、「同じ考査内容ですが、月齢を配慮したグループで考査をします」。考査の中身は同じ。ただしグループを月齢で分ける、という書き方です。カリタス幼稚園の全体像は【カリタス幼稚園】受験ガイド総まとめ|倍率・学費・考査・説明会・内部進学を一挙解説にまとめています。
港区の白金幼稚園。入園案内に「遊びの観察は月齢別にグループを組みます」とあります。
そして白百合学園幼稚園。こちらは、国立私立幼稚園のてびきという資料の白百合のページに、「受験番号は生年月日順」「月齢の考慮あり」とあります。公式サイトの要項にはこの言葉を見つけられませんでしたので、てびきの記載としてお伝えします。白百合学園幼稚園については【白百合学園幼稚園】受験情報ガイド総まとめもご覧ください。
| 園 | 記載の内容 | 記載の場所 |
|---|---|---|
| 日本女子大学附属豊明幼稚園 | 年間の発達差は生まれ月別に考慮します | 募集要項(考査の説明) |
| カリタス幼稚園 | 月齢を配慮したグループで考査をします | 入園案内のQ&A |
| 白金幼稚園 | 遊びの観察は月齢別にグループを組みます | 入園案内 |
| 白百合学園幼稚園 | 受験番号は生年月日順、月齢の考慮あり | てびき(公式の要項では語を確認できず) |
ここで、ひとつ注意があります。「考慮する」と書いてあることと、「早生まれが有利になる」ことは、別です。園が公表しているのは、グループの分け方や、見る姿勢までです。どう評価に反映するかは、どの園も書いていません。「考慮あり」は安心材料であって、点数ではありません。
3つの書き方の違い
つまり、同じ「月齢を考慮する」でも、見方を調整するのか、場を分けるのかで、お子様が考査で置かれる状況は違います。ご家庭では、志望園がどちらの書き方なのかを、原文のまま控えておいてください。
書いていない園は「考慮しない」ではなく「明記なし」
ただ、ここを「考慮しない園」と読まないでください。要項に書いていないだけで、園の中でどう見ているかは分かりません。私は「明記なし」と呼んでいます。
書いている園は、そのとおりに受け取ってよい。書いていない園は、月齢に頼らず、今のお子様の姿で臨む。どちらも、ご家庭でやることは変わりません。
受験番号が生年月日順だと、何が起きるか
これまでの受験例では、考査で受験番号の近い数組が一緒に呼ばれる園が多くあります。番号が生年月日順なら、同じ部屋に入るのは、同じころに生まれたお子様です。学年の最後に生まれた子の隣に、最初に生まれた子が並ぶことは起きにくい。集団の場面で、体の大きさや言葉の量が目立ちにくくなる、と私は見ています。
親御様の側にも影響があります。控え室で見比べてしまう相手も、同じ月齢のお子様です。「うちだけできていない」という感覚は、起きにくいはずです。
なお、雙葉は、受験されたご家庭の記録では五十音順でした。この場合は、月齢のばらばらなお子様と同じ部屋になります。園によって違いますので、考査票が届いたら、番号の並びを見ておいてください。
月齢差が出やすい場面と、出にくい場面
出やすい場面は3つあります。ひとつめ、お子様への質問です。「朝ごはんは誰と何を食べましたか」のように、文で答える質問は、月齢の差が出ます。ふたつめ、長い指示です。「大きいお家のゾウさんにイチゴを3つ届けてください」のような、二つ三つの条件が入った指示は、聞き取る力の差が出ます。みっつめ、親御様と離れる場面です。初めての部屋で泣かずにいられるかは、月齢と関係が深いところです。
出にくい場面も3つあります。ひとつめ、親御様の面接と願書です。ここに月齢は関係ありません。ふたつめ、あいさつと返事、自分の荷物を自分で持つこと、片づけ。生活の中で繰り返しているかどうかで決まり、2歳半でもできているお子様は多いです。みっつめ、親子課題での親子の関わり方。手を出しすぎず、見守れているか。これは親御様の側の話です。
月齢の差が出る場面は「お子様ひとりの言葉と指示」に寄り、出にくい場面は「ご家庭の姿」に寄っている。私はそう整理しています。
そもそも「早生まれ」とはどの範囲か
早生まれとは、同じ学年の中で1月から3月に生まれたお子様を指します。学年は4月2日から翌年4月1日までに生まれたお子様でひとまとまりになりますので、4月生まれのお子様とは最大で11か月の開きがあります。大人には小さな差に見えても、発達の著しい幼児期にとっては大きな差です。
幼く見えやすい4つの姿
この月齢差は、体格だけでなく、言葉の理解や表現、集中力、気持ちの切り替えなどに表れます。考査の短い時間の中では、次のような姿が目に留まりやすくなります。
- 発語や表現がゆっくりしている
- 落ち着きがないように見える
- 集中が続かず、注意がそれやすい
- 自己主張が控えめで、発言が少ない
どれも、お子様の能力の差ではなく、成長の速さの違いです。親御様がここを取り違えて焦ると、その焦りがお子様に伝わります。「今の段階を、そのまま見てもらう」という気持ちで臨むほうが、お子様は力を出しやすいと私は考えています。
日常の遊びで育てられる力
追いつけることは、特別な教材ではなく、毎日のやりとりの中で育てられます。たとえば、絵本を読んだあとに「どんなお話だった?」「どうしてそう思ったの?」と聞いてみる。気持ちを言葉にする機会が増えるので、面接で自分の言葉で答える土台になります。
指示を聞く力は、遊びの延長で十分です。「青い積み木を持って、机に置いて、座ってね」のような三つの動きを、ゲームのように出してみてください。「先に手を洗ってから、お茶を飲もうね」という日常の声かけも、順番を聞き取る練習になります。できたときは「お返事できて素敵だったね」と、短く具体的に伝えます。ごっこ遊びは、相手の気持ちを考えたり、役割を守ったりする経験になります。短時間でも毎日続けることが大切です。
早生まれのお子様への準備の考え方は、別の記事でも整理しています。生活習慣の整え方や声かけの例を詳しく知りたい方は、【幼稚園受験】早生まれは不利?家庭でできる対策をプロが徹底解説!もご覧ください。
ご家庭でできること
ひとつめ。志望園の要項と公式サイトの「よくある質問」で、「月齢」「生まれ月」「早生まれ」の3つの言葉を探してください。書いてあれば、その文をそのまま控えておく。説明会で質問できる園なら、「月齢はどのように見ていただけますか」は聞いてよい質問です。
ふたつめ。追いつけることに時間を使ってください。名前と年齢を言う、返事をする、自分の荷物を自分で持つ、使ったものを元に戻す。この4つは、月齢よりも回数で決まります。
みっつめ。追わなくてよいことを決めてください。長い文で話すこと、細かい手先の作業、初めての場所で泣かないこと。ここは月齢の影響が大きく、無理に伸ばそうとすると、お子様が受験そのものを嫌がるようになることがあります。
よっつめ。願書と面接で、「早生まれなので」を言い訳に使わないでください。「まだできないことが多いですが」ではなく、「自分の荷物は自分で持っています」と、今できていることを書く。園が見たいのは生まれ月ではなく、ご家庭がお子様の今をどう見ているかだと私は考えています。
生まれ月をどう書くか
書くなら、「早生まれですが、こんなことができています」という順番です。靴を自分で並べる、名前を呼ばれたら返事をする。具体的な場面を一つ添える。それが、ご家庭がお子様の今をよく見ていることの証になると私は考えています。
まとめ
考慮があると書いていても、有利という意味ではありません。月齢の差が出やすいのはお子様ひとりの言葉と指示の場面、出にくいのはご家庭の姿が出る場面。ご家庭では、要項で言葉を探す、追いつけることに時間を使う、追わないことを決める、「早生まれなので」を言い訳にしない。この4つから始めてください。要項の文言は年度で変わります。最新は各園の募集要項でご確認ください。
「わが家に合った準備の進め方を知りたい」という方は、うみ塾長の個別相談や、家庭対策サポートをご活用ください。
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