ママ
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うちの子は落ち着きがなくて、座っていられません。行動観察でじっとしていられなかったら、どうなるのでしょうか。
うみ塾長
うみ塾長
動き回ることだけで結果が決まるとは、私は考えていません。見られているのは「動く量」より、待つ、動く、片づける、座る、この「切り替え」だと私は見ています。

うちの子は落ち着きがない。座っていられない。行動観察でじっとしていられなかったら、どうなるのでしょうか。そんなご相談は多いです。

この記事では、動き回るお子様がどう見えていたかを私の経験からお話しし、考査で「切り替え」が起きる場面と、ご家庭で今日からできる5つのことをお伝えします。先に結論です。動き回ることだけで結果が決まるとは、私は考えていません。見られているのは「動く量」より、待つ、動く、片づける、座る、この「切り替え」だと私は見ています。

行動観察全体の考え方は、【幼稚園受験】集団テスト・行動観察 対策|元面接官が見る“合格のポイント”や【幼稚園受験】行動観察の対策や服装などプロが解説でもお話ししています。

お子様が動き回ることを心配して、考査の前から「座らせなければ」と力が入ってしまう親御様は少なくありません。ただ、親御様の緊張はお子様に伝わります。まずは、動くことそのものを責めない視点から、読み進めてください。

なお、この記事は受験準備の話で、お子様の発達についての判断はいたしません。気になることは、かかりつけの先生にご相談ください。

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動き回る子を、私はこう見ていました

私が見ていたのは、動いたかどうかではありません。声をかけられたときに、どうなるか。先生が「こっちにおいで」と言ったとき、玩具から手を離せるか。親御様が「座ろうね」と言ったとき、一度は椅子に戻ろうとするか。

動くことより、動きの「区切り」がつくかどうか。ここに、ご家庭での過ごし方が出ると私は考えています。動いていたお子様が、呼ばれたら止まって先生の顔を見た。そういう場面が印象に残っています。

見られているのは「動く量」より「切り替え」

じっとしている時間は、実はそれほど長くありません。むしろ、遊びから片づけに移る、遊びから座るに移る、座っていて呼ばれて立つ。この「切り替え」のほうが、回数として多いのです。

枝光会附属幼稚園を受験されたご家庭の記録に、こうあります。「考査では、親子課題の道具の使い方、制限時間、ごみの扱い方、自由遊びへの切り替え方など指示が多く、覚えるのが大変でした」。親御様の目線の記録ですが、お子様も同じです。活動が終わって、次に移る。その節目が何度もあります。

考査の流れと、そこで起きる切り替えを並べると、次のようになります。

流れ お子様に起きること 切り替えの中身
控え室で待つ 長い待ち時間 遊びから、呼ばれる準備へ
呼ばれて入る 知らない部屋、知らない大人 親御様の横から、部屋の中へ
遊ぶ 目の前の玩具、課題 好きに動く時間から、課題の時間へ
片づける 遊びの終わり 遊びから、片づけへ
座る 椅子での時間 動く時間から、座る時間へ
また待つ 次の出番まで 座る時間から、待つ時間へ

どの場面も、動くか、止まるかではありません。「次の場面に移れるか」です。動きの多いお子様でも、合図が分かりやすければ移りやすい。私はそう見ています。

ですから、目指すのは「30分じっとしていられる子」ではないと私は考えています。動いていても、合図で止まれる子。止まったあと、次に移れる子です。

切り替えが起きる場面|4つの実例

1つ目:待ち時間のあと

白百合学園幼稚園の記録に、呼ばれるまでの待ち時間が約40分あった、というものがあります。その間、お子様は控え室で遊んだり、座っていたりします。そして名前を呼ばれた瞬間に、「遊びをやめて立つ」切り替えが来ます。長い待ち時間のあとほど、気持ちはもとの遊びに残りやすいものです。ここでは、呼ばれたら手を止めて親御様の顔を見る、という小さな動きがあるだけで十分だと私は見ています。

2つ目:親御様が話している横で待つ場面

東洋英和幼稚園の面接は、お子様も同伴ですが、お子様は面接を受けず、同じ部屋のおもちゃで遊びながら待ちます。時間は10分ほどで、お父様への質問に多くの時間が使われます。明徳幼稚園の面接は5分程度と短いのですが、考査と同じ日に行われるため、待ち時間が長くなることがあります。どちらも、自分の出番ではない時間を、静かにやり過ごす力が出る場面です。面接そのものの評価ではなくても、入室時に挨拶ができるか、遊んだおもちゃを片づけられるかといった様子は、先生方の目に入ります。東洋英和の面接については、【東洋英和幼稚園】面接で質問される内容をプロが解説もご覧ください。

3つ目:誘導で親御様から離れる場面

学習院幼稚園の幼児の考査は、初めて会う6人のグループで、約40分行われます。親御様と離れ、先生の声に導かれて列に入るところから始まります。ここでは、親御様の横にいたときの気持ちから、先生の声に従う気持ちへと、大きく切り替わります。普段から、親御様以外の大人の声かけに反応する経験があると、移りやすくなると私は考えています。

4つ目:片づけの途中で呼ばれる場面

白百合学園幼稚園では、試験の前後に、椅子に座る、挨拶をする、持ち物を片づけるといった一連の行動が細かく見られています。青山学院幼稚園の集団テストは、約15分の自由遊びのあとに親子で片づけをし、続けて絵本の読み聞かせ、リズム遊び、指示行動へ進みます。片づけの途中でも、次の活動の声がかかれば、そちらへ移ることになります。きりのよいところまでやりたい気持ちを、合図でいったん区切れるかどうかが問われる場面です。

4つに共通するのは、外から来る区切りだということです。先生の声、親御様の合図、時間切れ。それに合わせて動きを変える。ここが準備どころだと私は考えています。

場面 起きる切り替え 園の例(受験例・記録)
待ち時間のあと 遊びをやめて立つ 白百合(誘導まで約40分の記録)
親が話している横 自分の出番でない時間をやり過ごす 明徳、東洋英和
誘導で親から離れる 先生の声で立ち、列に入る 学習院(6人ずつ誘導)
片づけの途中 途中でも次の活動へ移る 白百合の第二次、青山学院

「落ち着きがない」の中身を、3つに分けてください

好奇心で動くお子様

目に入った玩具や遊具に、思わず手が伸びてしまうお子様です。動くこと自体は、世界への関心の強さの表れでもあります。この場合は、遊びの終わりの合図を決めておき、合図で区切れたら「やめられたね」と言葉をかけると、切り替えの感覚がつかめます。

不安で動くお子様

知らない部屋や知らない大人で落ち着かず、親御様のそばを離れなかったり、うろうろしたりするお子様です。この場合は、座らせる練習より、安心できる経験を増やすことが先だと私は考えています。児童館やプレ幼稚園などで、親御様が少し離れても戻ってくれば大丈夫だと分かる経験を重ねてください。

眠い、おなかが空いている、体を動かし足りないお子様

性格ではなく、その日の体調や生活リズムが理由の場合もあります。東洋英和幼稚園の面接のように、平日の午後に行われる試験では、低月齢のお子様は睡魔で機嫌に波が出ることも考えられます。数日前から、起きる時間と寝る時間、食事のリズムを整えておくことが、いちばんの準備になります。

お子様がどれに当てはまるか。公園や児童館で、少し離れて見てみてください。

お子様の動きを見るときは、「どの場面で」「何をきっかけに」動いたかを、少し離れて観察してみてください。呼ばれたとき止まれたのか、玩具が目に入って動いたのか、親御様が離れて動いたのか。きっかけが分かると、準備の方向が見えてきます。叱るためではなく、見取るために見る。その視点が、ご家庭でできることの出発点になると私は考えています。

行動観察の全体像を知っておくと、安心できます

行動観察は、大きく「指示行動」「生活習慣」「自由遊び」の領域に分けられます。指示行動では、先生の話を聞いて、そのとおりに動けるか。生活習慣では、あいさつ、着脱、片づけなどが身についているか。自由遊びでは、遊びの中で、感情をコントロールし、まわりと関われるか。どの領域にも共通するのは、「動かないこと」ではなく、「合図を受け止めて動きを変えること」だと私は見ています。

遊びの途中でも、終わりの合図があったらやめられることは大切です。気持ちの切り替えが苦手なお子様には、事前に見通しを持たせておくこと、お片づけの時間も楽しくなるように工夫すること、すぐに切り替えられたらたくさん褒めることが助けになります。「お片づけレース」にしたり、できたらシールを貼ったりと、親御様の創意工夫で、楽しく取り組んでください。

領域 見られていること 切り替えとのつながり
指示行動 話を聞いて、そのとおりに動けるか 先生の声で動きを変える
生活習慣 あいさつ、着脱、片づけ 遊びから片づけへ移る
自由遊び 自発性、協調性、気持ちのコントロール 合図で遊びを終える

ご家庭でできること

1つ目、待つ練習は3分からです。いきなり40分は目指しません。食事の支度の横で、絵本を持たせて3分。できたら5分。砂時計などで「ここまで」を見えるようにします。終わったら「待てたね」と一言。長さより、「終わりが来る」と分かることが大事だと私は考えています。

2つ目、体を使ってから座ることです。座る練習の前に、外で走る、階段を上る時間を取ってください。動き足りないお子様に「座りなさい」は通りにくい。当日も、朝に少し歩いてから園に向かうご家庭があります。

3つ目、指示は一つずつです。「靴を脱いで、手を洗って、座って」と続けて言うと、最初の1つで止まるお子様は多いです。「靴を脱ごう」、できたら「手を洗おう」。先生の指示も、一つずつ来ることが多いと私は見ています。

4つ目、片づけを「合図」にすることです。「お片づけ」の声で遊びの終わりが来る、と決めておく。片づけたら次の楽しいことがある、という順番にします。「片づけの途中で呼ばれる」場面に効いてきます。

5つ目、「やめて」より「次は〇〇」です。「やめなさい」と言われたお子様は、止まったあとに何をすればよいか分かりません。「次は絵本だよ」「次はママの横に座ろう」。止める言葉より、次の行き先を言う。これが切り替えやすいと私は見ています。

ご家庭で「落ち着きがない」と感じる場面は、日常ではお子様の元気さの表れでもあります。公園で走り回る、家の中で次々に遊びを変える。それ自体を直す必要はないと私は考えています。考査の場で必要になるのは、動きを消すことではなく、先生の声や親御様の合図に、ほんの少し耳を向けることです。この記事の5つは、そのための小さな練習として組み立てています。いきなりすべてを試す必要はありません。まず1つ、続けやすいものから始めてください。

まとめ

ご家庭では、待つ練習は3分から、体を使ってから座る、指示は一つずつ、片づけを合図に、「やめて」より「次は〇〇」。この5つから始めてください。

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