慶應義塾幼稚舎って面接がない分、願書の書き方が難しいって聞くけど、どうなの?
例文とか記入例を見て書きたいなー・・
1874年に創設された慶應義塾幼稚舎は、創立者・福澤諭吉の掲げた「独立自尊」の理念を教育の根幹に据えた小学校です。
学力の向上にとどまらず、スポーツ・芸術・国際交流など多様な分野での体験を重視し、お子様たちの人間力を育てる環境が整っています。卒業後は慶應義塾中等部や普通部へと進学し、一貫した学びの道を歩むことができます。
そんな慶應義塾幼稚舎を目指すにあたって、避けて通れないのが「願書」の提出です。この一枚の書類が選考の重要な要素となるため、毎年多くの保護者がその内容に頭を悩ませるのです。
幼稚舎では、願書が合格を左右します。
例文や記入例を参考にしても、絶対に合格しません!
先生は、1700人の願書を読まれるので、オリジナリティを持たせることが大切!
本記事では、毎年願書作成代行で幼稚舎の合格者を輩出している筆者が
文字数や備考欄について解説します!
- 【慶應義塾幼稚舎】慶應義塾幼稚舎の願書とは?
- 【慶應義塾幼稚舎】願書が特に重要視される理由
- 【慶應義塾幼稚舎】願書の“お題”をどう読み解くか
- 【慶應義塾幼稚舎】願書作成の前に知っておきたい「幼稚舎の本質」
- 【慶應義塾幼稚舎】願書を書く際のポイントとコツ
- 【慶應義塾幼稚舎】願書を書く際にやってはいけないこと
- 慶応義塾幼稚舎願書の記入例と例文の書き方を参考にした人が落ちる理由
- 慶応義塾幼稚舎願書は、文字数は何文字で書けばいい?
- 慶応義塾幼稚舎願書の家族欄は何を書く?
- 慶応義塾幼稚舎願書 備考欄の書き方は?
- 慶応義塾幼稚舎願書の課題図書の書き方
- 【慶応義塾幼稚舎願書の書き方】文字数や備考欄は?記入例・例文は参考にするな まとめ
【慶應義塾幼稚舎】慶應義塾幼稚舎の願書とは?
私立小学校の受験において、慶應義塾幼稚舎の願書は、最も難関のひとつとされています。その理由は明確で、他の学校とは一線を画す“深さ”と“独自性”が問われるからです。
慶應義塾幼稚舎では、親子面接や保護者面談といった直接的な対話の機会が設けられていません。つまり、願書という紙の上だけで、家庭の教育観やお子様の個性、ご両親の考え方をすべて伝える必要があるのです。
この一通の願書が、選考の成否を左右するといっても過言ではありません。
【慶應義塾幼稚舎】願書が特に重要視される理由
通常の小学校受験では、願書は「面接のための参考資料」として使われることが多く、面接で話したい内容を盛り込むという戦略も取れます。しかし幼稚舎には面接がないため、その余地が一切ありません。
そのため願書だけが、学校にとっての判断材料。家庭の価値観、教育方針、志望理由、そしてお子様の日常の姿まで、すべてをこの書類の中で表現しなければならないのです。
さらに特徴的なのが、その記入欄の広さ。多くの学校よりも自由記入欄が大きく取られており、それだけ内容の密度が問われていることがうかがえます。
【慶應義塾幼稚舎】願書の“お題”をどう読み解くか
慶應幼稚舎の願書には、大きく2つのテーマが提示されます。
自由記入欄
「本校を志望した理由」「志願者の様子」「家庭の教育方針」などについて記入します。自由記入欄といっても、その自由さゆえに、何を書けばよいか迷ってしまうご家庭も少なくありません。
ここで求められているのは、単なる情報の羅列ではなく、「なぜその家庭で育ったお子様が、慶應幼稚舎にふさわしいのか」を物語として伝える力です。
エピソードを交えて、お子様の個性やご家庭の教育への姿勢を具体的に伝えることが求められます。
『福翁自伝』に基づく設問
慶應義塾の創設者・福澤諭吉による自伝『福翁自伝』を読み、「子育てにあたって感じるところ」を記述する欄があります。
この設問は非常に抽象度が高く、どのように向き合えば良いのか悩む方も多いでしょう。しかしこの問いは、福澤諭吉の思想とご家庭の価値観がどのように共鳴しているのかを探るもの。
単に読書感想を書くのではなく、そこから得た学びを家庭の教育方針にどう活かしているのかを伝えることが大切です。
【慶應義塾幼稚舎】願書作成の前に知っておきたい「幼稚舎の本質」
願書を書く前に、まず「慶應義塾幼稚舎とはどのような学校か」ということをしっかりと理解しておくことが重要です。ここでは、幼稚舎の教育理念や特徴的な制度を簡単に押さえておきましょう。
福澤諭吉の思想を軸にした教育
「独立自尊」を掲げ、社会の中で自立して行動できる人物を育てるという理念が幼稚舎の根幹にあります。家庭がこの理念をどのように受け止め、日々の子育てにどう活かしているかが問われます。
お子様自身の「素の力」を重視
受験準備としての暗記や訓練ではなく、普段からの生活や家庭環境を大切にしています。そのため、願書にも「日常の中にある学び」や「お子様の自然な成長の姿」を反映させることが大切です。
6年間の担任持ち上がり制
教師と家庭が継続的にお子様の成長を見守っていくという方針があり、家庭との信頼関係が非常に重要です。この点を理解したうえで、保護者としてどのように学校に協力し、成長を支えたいかを書くことも効果的です。
【慶應義塾幼稚舎】願書を書く際のポイントとコツ
慶應義塾幼稚舎の願書では、どのようなご家庭で、どのようにお子様を育ててきたのか、その「本質」を見極めるような視点が強く求められています。
表面的に上手にまとめた文章よりも、「このご家庭なら、6年間を共に歩める」と思わせるリアリティと一貫性が鍵になります。以下のポイントを意識すると、より伝わる願書になるでしょう。ここまでの理解を踏まえて、具体的な書き方のアドバイスをご紹介します。
具体性とエピソードを重視
慶應義塾幼稚舎は、机上の知識よりも“生きた学び”を重んじる校風です。そのため願書でも、家庭内での関わりや体験、日常に根ざした価値観の積み重ねを、エピソードを通じて伝えることが求められます。
たとえば「自主性を大切にしている」なら、朝の支度やお手伝いをお子様自身に任せている場面など、具体的な日常を描写することが効果的です。
また、エピソードはお子様のことだけでなく、ご両親の姿勢や家庭の空気が伝わるように構成すると、より深みのある内容になります。短くてもよいので、そのご家庭にしかない「物語」を入れることが大きな魅力となります。
h3 一貫性のある構成
幼稚舎の選考では、ご家庭が持つ軸や信念が一貫しているかが重視されます。志望理由、教育方針、お子様の特徴に矛盾があると、「その場しのぎの印象」を与えてしまいかねません。たとえば「自由な発想を大切にしたい」と書きつつ、家庭では厳しいスケジュール管理をしている、というような矛盾には要注意です。
慶應義塾という自由を尊重する校風を踏まえつつ、その中でどうお子様を伸ばしたいかという“家庭の考え”を中心に据えましょう。願書全体を通して、一本の筋が通っていると、強い説得力が生まれます。
「家庭の教育力」をさりげなく伝える
慶應幼稚舎は、親の価値観や生き方がお子様にどれだけ影響を与えているかも重視しています。お子様が育ってきた「土壌」としての家庭の姿勢が見えるかどうかが、大きな判断材料です。
ここで大切なのは、「できる家庭」に見せようとするのではなく、「誠実にお子様と向き合ってきた家庭」であることを自然体で表現すること。家庭内での会話、週末の過ごし方、日々のルールなど、ふとした習慣の中に教育力は現れます。そうした部分を丁寧にすくい取って書くことで、幼稚舎の先生方にも“感じ取ってもらえる”願書になるでしょう。
【慶應義塾幼稚舎】願書を書く際にやってはいけないこと
慶應義塾幼稚舎の願書には、他の私立小学校とは異なる“深さ”が求められる分、気づかないうちに陥りがちな注意点もいくつかあります。以下のようなポイントは、幼稚舎ならではの落とし穴といえるでしょう。
時間をかけすぎて「型」にはまりすぎる
真面目に準備をするあまり、「正解の文章」に近づけようとしてしまうことがありますが、慶應幼稚舎においては、型どおりの構成や美しい文体よりも、“そのご家庭らしさ”が何よりも重視されます。
たとえば、他塾で習った表現をそのまま使ったり、他人の願書例をなぞると、自分の言葉ではなくなり、家庭の温度や空気感が失われてしまいます。多少不格好でも、自分たちの言葉で語られた願書の方が、圧倒的に印象に残ることが多いのです。
難しい言葉を使いすぎて読み手との距離ができる
慶應という名前に気後れして、願書を「インテリっぽく」仕上げようとするケースもありますが、これは逆効果です。
教育関係者が読むからこそ、読みやすさと親しみやすさが大切。難解な語彙や回りくどい表現は、むしろ“空虚さ”を感じさせるリスクがあります。
シンプルで平易な言葉の中に、真摯さと温もりを込めましょう。読み手が、自然とそのご家庭の風景を思い浮かべられるような文章が理想です。
誤字脱字・形式の不備は致命的
慶應義塾幼稚舎の願書は、丁寧さや所作も重要な評価ポイントになります。誤字や脱字、書式ミスなどの“基本的なところ”がしっかりできているかどうかも、家庭の姿勢を映し出す鏡となります。
特に、提出前にもう一度「声に出して読む」ことをおすすめします。自分で書いた文章でも、音読してみると文のリズムや違和感に気づきやすくなりますし、書き手の感情が乗っているかも確認できます。
慶応義塾幼稚舎願書の記入例と例文の書き方を参考にした人が落ちる理由
慶應義塾幼稚舎の願書にある設問は2つです。
自由記入欄、そして、お子さまを育てるにあたって「福翁自伝」を読んで感じるところをお書きください、です。
記入欄が広く、一問目は全くの自由、二問目は課題図書を読んで書く。
慶應義塾幼稚舎の願書はかなり特殊です。
一問目は自由のため、なかなか書き出しから悩んでしまい、ついつい記入例や例文を見て、願書を書いてしまうご家庭もあるでしょうが、その方法はお勧めしません。
何故ならば、ありきたりのストーリーでは埋もれてしまうからです。
慶応義塾幼稚舎の出願者数は男女合わせて1700人程度おり、つまり先生方は1700人の願書を読むことになります。
その中で願書に書かれたお子さんがどんな人柄でどんな家庭で育てられているのかが文章から伝わるような印象に残る願書に仕上げるためには、通り一辺倒の文章では不十分です。
ここで必要となるのは特殊な体験ではなく、オリジナリティのある文です。
同じ体験をしても感じ方は様々です。
空に浮かぶ雲を見て、人魚だと感じる人もいれば、車だと思う人もいるでしょう。
こうした視点の違いからオリジナリティ溢れる願書が完成します。
もちろんただオリジナルなだけではなく、きちんと設問の意図も汲み取って書く必要があります。
慶應義塾幼稚舎の創始者である福沢諭吉先生の考え、そして慶應義塾幼稚舎が目指す教育、こうした点を踏まえたオリジナルな願書が求められています。
ただ受験生の保護者の皆さまがやるべき事は願書だけではありません。
お子様の健康管理や勉強や絵画、体操を見ること、その他にも受験に関連する細々とした作業が沢山あります。
そこでアウトソーシングできる事はプロにお任せしてみてはいかがでしょうか。
例えば願書の作成代行をお願いするのも一つの方法です。
筆者が責任を持ってお話しをお伺いしながらゼロからお作りします!
慶応義塾幼稚舎願書は、文字数は何文字で書けばいい?
幼稚舎の願書の裏面には2つの設問がありますが、行数が多く、書く字の大きさによって全体の文字数が大きく変わります。
文字数は、通われているお教室によって指定される文字数にバラつきがあります。
お教室の添削を受けられる場合には、一文字でも増える/減ると、添削していただけないお教室もありますので、作成する前に文字数の確認は必須です。
慶応義塾幼稚舎願書の家族欄は何を書く?
願書の表面の下半分には家族欄があり、7名分の情報を記入することができます。
ここは一般的には同居している家族の名前を書きますが、慶應幼稚舎に関しては、ご親類の方で出身者がいらっしゃればお名前を書きましょう。
その理由は、右どなりにある大きな備考欄です。
例えば両親は出身者でなくても、祖父母が出身者の場合はここにその旨記入することができるのです。
ちなみに慶應初等部の願書には家族欄と備考欄がありますが、こちらはさらに同居の有無を記載する欄があります。
つまり同居していない家族の名前を書くことができる、書くことを学校が推奨している、ことが分かります。
慶応義塾幼稚舎願書 備考欄の書き方は?
名前の欄よりかなり広い備考欄は誰もがとても気になるところでしょう。
ここには、慶應出身者は出身校と卒業年度を記入します。
また出身者でなくても、両親は最終学歴や職業、勤務先などを記入します。
ご兄弟の場合は在籍している学校と学年を記入します。
学校側が一番気になるのは、保護者の方の最終学歴と勤務先です。
そしてそこから家庭環境や経済状態を把握します。
学校側が志願者の両親の学歴や勤務先を尋ねることは現在禁止されていますが、志願者自身が自らの意思で書くことは禁止されていません。
そのための備考欄です。
どのような両親に育てられているのか、学費がきちんと払える家庭なのかどうか、学校はそれを確認したいのです。
慶応義塾幼稚舎願書の課題図書の書き方
慶応義塾幼稚舎の課題図書に関する設問は、こちらです。
お子さまを育てるにあたって「福翁自伝」を読んで感じるところをお書きください。
福翁自伝を読んで感じたことと、家庭の教育方針を絡めながら記入します。
幼稚舎の課題図書は、福翁自伝?福翁百話?
慶応義塾幼稚舎の課題図書はずっと「福翁自伝」で変わっていません。
一方で横浜初等部の課題図書は過去5年間で2回変わっています。
2018年までは「福翁自伝」、2019年は「伝記小泉信三」、そして2020年以降は「福翁百話」が課題としに選ばれています。

福翁自伝と福翁百話のちがいはなに?
2022年度の慶應幼稚舎の課題図書「福翁自伝」と慶應横浜初等部の課題図書「福翁百話」は同じ福沢諭吉の書籍であり、
内容も福沢諭吉について書かれたものですが、形式は全く違います。
まず「福翁自伝」はタイトル通り、福沢諭吉先生の自伝です。
どんな家庭で育ったのかという幼少期の話から、長崎で蘭学を学んだ事、その後大阪で勉学に励んだ事、
そして江戸で初めて英語に触れ、それをきっかけにアメリカへ渡った事、そこからヨーロッパ各国へ渡り、
帰国後はそこで得た学びを慶應義塾に持ち帰った事など、福沢諭吉について細かく書かれています。
少し読みづらい箇所もありますが、お酒も好き、タバコも好き、いたずらも好き、そんなクスッと笑えるエピソードも含まれていたり、慶應義塾で福沢諭吉自身がどのような教育を行っていたかについても書かれています。
一方で「福翁百話」は、こちらもタイトル通り、福沢諭吉が新聞に連載していた100のエッセーをまとめた一冊です。
100個も話がありますが、一つ一つの話は短くてテンポも良く、内容もエッセーなので「福翁自伝」よりかなり読みやすいです。
この本は大きく分けて宇宙観・宗教観・人生観の3つに分けられ、更に人生観の中で家族や教育、女性などについて語っています。
100のストーリーの例としては、人間は宇宙から見るとちっぽけな蛆虫と同じ、一夫多妻制への批判、
第一に身体の発育でそのあとに精神の教育がある事、子供にはそれぞれ持って生まれた個性があり教育はその個性を見付けて伸ばす事など、福沢諭吉の哲学を知る事ができる一冊です。
【慶応義塾幼稚舎願書の書き方】文字数や備考欄は?記入例・例文は参考にするな まとめ
慶應義塾幼稚舎の願書は、他の学校と比べても非常に特徴的であり、単なる入学書類の枠を超えた存在です。それは、いわば家庭のあり方を“見せる”書類ではなく、“伝える”ための手紙。ご家庭がこれまでどのようにお子様と向き合ってきたか、何を大切にし、どんな未来を描いているかを、温かく丁寧な言葉で学校側に届ける機会なのです。
この願書には、ご両親の教育への価値観、日々のふれあいの中で育まれたお子様の個性、そしてご家庭の空気感までもが自然とにじみ出てくるものです。だからこそ、どれだけ心を込めて書くかが大切です。立派な言葉を並べることではなく、「我が家らしさ」をどれだけ真摯に表現できるかが、読み手の心を動かします。
また、慶應義塾幼稚舎の教育理念は「独立自尊」に代表されるように、表面的な能力よりも、その子の中にある素地やご家庭が育んできた本質に重きを置いています。ですから、願書に記す内容も、他者と比べて優れていることではなく、「自分たちの軸がどこにあるか」を中心に構成するとよいでしょう。
願書を書くということは、改めて自分たちのご家庭を見つめ直す機会でもあります。忙しい日常の中で、どんな瞬間に笑い合い、どんな困難をどう乗り越えてきたのか——そんな日々の積み重ねこそが、何よりのメッセージとなります。
焦らず、取り繕わず、ありのままの想いを込めて仕上げた願書は、きっと慶應義塾幼稚舎の先生方の心にも届くはずです。ご家庭にとっても、お子様にとっても、この一通の願書が一生の宝物になるかもしれません。
どうか、言葉のひとつひとつにあたたかさと誠意を込めて。「この学校で、この子が羽ばたいていける」と信じる想いを、まっすぐに届けてください。



