家庭学習の基本姿勢
まず大前提として、幼児の集中力は長く続きません。「短く、毎日」が基本です。30分だらだらやるより、15分集中して気持ちよく終わるほうが、ずっと身につきます。そして毎回、できたところを認めて、笑顔で終わること。「楽しかった、またやりたい」で終われば、学習は自然と続きます。逆に毎回叱られて終わると、机に向かうこと自体が嫌になってしまいます。
1日のスケジュール例
おすすめは、決まった時間に学習を組み込むことです。たとえば「朝ごはんの前にペーパー1枚」「夕食後に巧緻性の練習」のように、生活の流れに溶け込ませると習慣になります。大切なのは時間の長さではなく「毎日同じ時間にやる」こと。歯みがきのように当たり前の習慣になれば、「やる・やらない」で揉めることもなくなります。1日の枚数の目安はペーパーは1日何枚?も参考にしてください。
親の関わり方
家庭学習で親が陥りやすいのが「教えすぎ」です。答えを先に言ったり、できないと焦って口を出したり——これは子どもの考える力を奪ってしまいます。親の役割は、環境を整え、見守り、できたことを具体的に褒めること。「最後まで自分で考えられたね」「ていねいに書けたね」と、結果より過程を認めてあげましょう。教えるより、一緒に喜ぶ姿勢が大切です。
喧嘩にならないコツ
親子で喧嘩になってしまうのは、多くのご家庭が通る道です。コツは3つ。①よその子と比べない(比較は子どものやる気を最も削ぎます)。②できない日があっても責めない(体調や気分の波は当然あります)。③まず親が機嫌よくいる(親のイライラは必ず伝わります)。うまくいかない日は、思いきって早めに切り上げる勇気も大切です。
苦手分野への向き合い方
苦手な単元は、いきなり全部やろうとせず細かく分解して、できるところまで戻るのが鉄則です。たとえば図形が苦手なら、まず実物の積み木やパズルで手を動かすところから。スモールステップで「できた」を積み重ね、自信がついてからペーパーに戻ります。苦手を責めるのではなく、「どこでつまずいているか」を一緒に探す姿勢が、克服への近道です。
記録と教室との連携
「何ができて、何が苦手か」を簡単に記録しておくと、対策が立てやすくなります。ノートに日付と取り組んだ単元、様子を一言メモするだけで十分。これを教室の先生と共有すれば、家庭と教室で同じ方向を向いて指導できます。家庭学習は教室の補完——両輪で進めることで、効果が何倍にもなります。
ペーパーは「教え方」で大きく差がつく
家庭学習で意外と見落とされがちなのが、ペーパーの「教え方」です。小学校受験のペーパーを解くのは、あくまで幼児。しかも本番には制限時間があり、正確さだけでなく「速さ」も求められます。だからこそ、幼児に適した「間違えにくく、早く解ける解き方」が必要になります。
ところが、こうした解き方は市販の教材には載っていません。また、親御さんが考えたオリジナルの方法や、小学生向けの教え方は、幼児の小学校受験には向かないことが多いのです。これまで、受験に適した解き方は「塾に通わなければ学べないもの」でした。
でも私は、家庭学習こそが合否を分けると考えています。そこで、家庭教師として派遣していた際に作成した「教え方まですべて解説した問題集」を、一般のご家庭でも取り組めるようにオンラインショップで販売しています。塾に通わなくても、ご家庭で「受験向けの解き方」を学べるようにするためです。
■ 教え方まで解説した問題集(オンラインショップ)
幼児に適した「間違えにくく・速く解ける」解き方を、解説付きでご家庭で学べます。 ▶ 教材一覧を見る
■ 志望校別マンツーマン家庭学習サポート
上記の問題集をすべてご提供したうえで、志望校とご家庭に合わせた学習スケジュールを塾長が作成。二人三脚で取り組むため、合格実績にも自信があります。 ▶ サポートの詳細はこちら
■ 個別受験相談
対策の進め方は、志望校・ご家庭・お子さんによって本当にさまざまです(300人いれば300通り)。「今はどんどん解かせる時期か、丁寧に進める時期か」など、お子さんの状態に合わせた進め方を個別にお話ししています。 ▶ 個別相談はこちら
まとめ
家庭学習は「短く、毎日、楽しく」が基本です。親は教えすぎず、できたことを認めて見守る。比べない・責めない・親が機嫌よくいる、の3つを守れば、喧嘩もぐっと減ります。何より、親子で前向きに続けられることが、いちばんの力になります。
Q. 家庭学習は1日どのくらいやればいいですか?
A. 長さより毎日続けることが大切です。年中なら15分前後、年長でも集中できる範囲で。だらだら長くやるより、短く集中して気持ちよく終わりましょう。
Q. 親が教えてもいいですか?
A. 教えすぎは禁物です。答えを先に言わず、見守って、できたことを具体的に褒めましょう。考える力を育てることを優先してください。
Q. つい喧嘩になってしまいます。
A. 比べない・できない日も責めない・親がまず機嫌よくいる、の3つを意識してください。うまくいかない日は早めに切り上げる勇気も大切です。
年中・年長・直前期で変わる家庭学習の組み立て方
同じ家庭学習でも、時期によって力を入れる場所は変わります。いまがどの段階なのかを決めてから机に向かうと、迷いがぐんと減ります。
年中〜年長の春|しくみをつくる時期
この時期にいちばん大切なのは、量ではなく「毎日おなじ時間にすわる」という習慣です。朝ごはんのあと、夕ごはんの前など、毎日かならずある行動のすぐ後ろに置くと、声かけがほとんどいらなくなります。1回は10分から15分で切りあげ、お子さまが「もう少しやりたい」と言っているうちに終わらせてください。ペーパーに入る前に、えんぴつを思ったとおりに動かす力と、手先を使う力を育てておくと後がらくになります。運筆の練習や巧緻性のトレーニングは、この時期にいちばん効率よく伸びる分野です。
年長の春から夏|分野を広げる時期
ここからは「できる分野をのばす」より「手をつけていない分野をなくす」ことを優先します。1週間を単位にして、図形・数量・言語・推理・常識をひととおり回す組み方にすると、抜けが出にくくなります。1日ぶんの枚数を増やすより、曜日ごとに分野を割りふるほうが負担が軽くなります。おなじころに、季節や生きもののような知識分野は机の外で入れておくと、後で覚えなおす手間が減ります。季節ポスターのように、目に入るところに貼っておく方法が向いています。
直前期|新しいことを増やさない時期
考査の2か月前からは、新しい問題集や新しいやり方を持ちこまないのが原則です。この時期に手を広げると、お子さまは「まだできていない」という気持ちだけを持って本番に向かうことになります。やることは、これまでに一度まちがえた問題をもう一度やること、そして起床から考査開始までの時間の流れを体に入れることの2つで十分です。ペーパーの量はむしろ少し減らし、そのぶん行動観察につながる遊びや会話の時間を残してください。
家庭学習がうまくいかないときの見直しの順番
うまく進まないとき、多くのご家庭は「教え方」から直そうとします。ですが、直す順番を変えるだけで解決することがよくあります。次の順で1つずつためしてください。
- 1.時間帯を疑う……眠い・おなかがすいている・遊びの途中だった、のどれかに当てはまっていないかを見ます。時間をずらすだけで態度が変わることは珍しくありません。
- 2.量を疑う……終わりが見えない量になっていないかを見ます。枚数の考え方はペーパーは1日何枚が目安かもあわせてご覧ください。
- 3.むずかしさを疑う……7割から8割は自力で正解できる高さになっているかを見ます。半分しか解けない問題を続けると、意欲が先に折れます。
- 4.最後に教え方を疑う……ここまで直しても変わらないときに、はじめて説明のしかたを見なおします。
やりがちな失敗と、その理由
- お子さまが考えている途中で、お母様が先に答えを言ってしまう……考える時間を取りあげることになり、「待っていれば教えてもらえる」という学び方が身についてしまいます。数を10まで数えるあいだは黙って待つ、と決めておくと防げます。
- 1回に2つ以上のことを注意する……姿勢と持ち方と答えを同時に言われると、お子さまはどれも直せません。その日に直すことは1つだけに決めてください。
- 正解した日だけほめる……結果だけをほめると、まちがえるのがこわくなります。最後まで座っていられたこと、自分で見なおしたことのように、やり方をほめる言葉を1日1回は入れてください。
- お父様とお母様で言うことが違う……教える人が変わるたびに手順が変わると、お子さまは混乱します。教える役はどちらか一方に決め、もう一方は生活面や気持ちの支えに回るほうがうまくいきます。
- 塾の宿題をすべて完璧に仕上げようとする……全部を出すことより、まちがえた問題を放置しないことのほうが大事です。塾だけが絶対ではないという視点も、家庭のペースを守るうえで役に立ちます。
学習の量と教材の準備も、続けるうえで欠かせない要素です。勉強時間はどれぐらい必要?で1日の目安を、問題を無料で入手できるサイト10選で教材の集め方を解説しています。
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