聖ヨゼフ学園小学校の過去問を見たら、ペーパーテストの問題がほとんど載っていなくて驚きました。
どんな傾向があって、どう対策すればよいのでしょうか?
聖ヨゼフ学園小学校の考査は、ペーパーテストではなく、先生と道具を使ってやりとりする「個別課題」と、グループで取り組む「行動観察」が中心です。
過去5年分(2022〜2026年度)の出題を見ても、この形は一貫しています。
大切なのは、以下の3点です。
・ペーパーの解き方ではなく、口頭でやりとりしながら考える力を育てること
・行動観察では「相談して決める」「人の発表を聴く」姿勢まで見られていること
・出題分野は毎年安定していて、過去問で傾向をしっかりつかめること
聖ヨゼフ学園小学校の個別相談、家庭学習サポート、願書作成、面接対策を行う筆者が詳しく解説していきます。
聖ヨゼフ学園小学校を受験される方は、ぜひ参考にしてくださいね!
【聖ヨゼフ学園小学校】過去問からわかる入試の全体像
関連動画:神奈川県の小学校選びの参考に。この記事の学校を紹介しているとは限りません。
はじめにお伝えしておきたいのは、聖ヨゼフ学園小学校は2027年4月に「開智横浜国際小学校」へ校名変更するということです。この記事で扱う過去問のデータは、聖ヨゼフ学園小学校として実施された2022〜2026年度の入試の実績(受験情報誌の調べ)です。最新の入試方式は、開智横浜国際小学校としての募集要項で必ずご確認ください。変更点は校名変更と2027年度入試の変更点をまとめた記事で詳しく解説しています。
そのうえで、過去5年分の傾向を見ていきましょう。
聖ヨゼフ学園小学校の考査は、毎年「個別課題(口頭形式)」と「行動観察」の2本柱で行われてきました。一般入試では、これに事前の親子面接が加わります。多くの私立小学校にあるペーパーテスト・運動テスト・制作の独立した枠は設けられておらず、考査時間は約2時間です。
つまり、鉛筆で解答用紙に書き込む力ではなく、先生とのやりとりの中で考えを言葉にする力、お友だちとの関わりの中で見せる姿そのものが評価される入試です。ペーパー校とはまったく違う準備が必要になりますので、この学校を志望される場合は早めに方向性を定めておきたいところです。
考査全体の枠組みや当日の流れは試験内容の記事でも解説していますので、あわせてお読みください。この記事では、過去問から見える「分野ごとの傾向」と「5年間の変遷」に絞って掘り下げます。
【聖ヨゼフ学園小学校】個別課題の頻出分野
個別課題は、先生と1対1で、実物の道具を使いながら口頭でやりとりする形式です。過去5年分の出題から、よく登場する分野を整理すると次のようになります。
- 数量(倍数・あまり・規則性の考え方)
- 話の記憶
- しりとり(先生との掛け合い形式)
- 平面構成(パターンブロックを使った構成)
- 重さの比較
- 季節
- ルール・マナー
数量は、単に数を数えるだけではなく、「同じ数ずつ分けるといくつ余るか」「どんなきまりで並んでいるか」といった、数を操作して考える力が問われる傾向にあります。おはじきなどの具体物を動かしながら考える経験を積んでおくと、口頭で問われても慌てません。
話の記憶は、お話を聞いたあとに内容について問われる定番の分野ですが、この学校では答えを紙に書くのではなく口頭で答えます。「聞く→覚える→言葉で伝える」までがひとつながりで試されると考えてください。
しりとりは、先生との掛け合いで進む形式が特徴です。語彙の量だけでなく、相手の言葉をよく聞いて、テンポよく応じるやりとりの力が見られています。
平面構成では、パターンブロックを使ってお手本の形を作る課題が出ています。図形を頭の中で回したり組み合わせたりする力は、一朝一夕には育ちません。日々の遊びの中でブロックやタングラムに親しんでおくことが、いちばんの対策になります。
重さの比較や季節の問題、公共の場でのルール・マナーに関する出題は、机の上の勉強よりも生活経験の豊かさが差になる分野です。お手伝いや外遊び、季節の行事を大切にするご家庭の日常が、そのまま入試対策になります。
【聖ヨゼフ学園小学校】行動観察の傾向
行動観察は、過去問を見るかぎり、大きく3つの場面で構成される年が多くなっています。
- グループでの楽器演奏
- 絵本の読み聞かせ
- 自由遊び
楽器演奏の課題では、チームで相談して担当を決め、練習して発表するという流れが出題されています。注目したいのは、自分のチームの演奏だけでなく、他のチームの演奏を聴く態度まで見られている点です。「発表する側」と「聴く側」の両方の振る舞いが評価対象になっていると考えられます。
読み聞かせは、体操座りで絵本のお話を聞く場面です。長い時間、姿勢を保ってお話に集中できるかという、小学校生活の土台になる力が見られています。
自由遊びでは、ボールプール・大型積み木・ボウリング・砂場などが用意され、お友だちとの関わり方が観察されます。おもちゃの取り合いになったとき、遊びに入りたいお友だちがいたときにどう振る舞うか。日ごろの姿がそのまま出る時間です。
行動観察と個別課題を家庭でどう準備するかは、行動観察・個別課題の対策記事で具体的に解説しています。
【聖ヨゼフ学園小学校】5年分の過去問から見える「変わらない軸」
2022〜2026年度の5年分を並べて見えてくるのは、出題の柱がほとんど変わっていないことです。個別課題+行動観察+事前親子面接という構成、道具を使って口頭でやりとりする形式、相談や発表を含む行動観察は、毎年一貫しています。
年度ごとの違いは、行動観察の遊びの種類や個別課題の題材の入れ替わりといった小さなものにとどまり、「何が問われるか」という骨組みは動いていません。直前の年度だけでなく数年分をさかのぼって取り組む価値が高い学校だと言えます。
この安定感は、学校が見たい子ども像がはっきりしていることの表れだと考えられます。知識の量を競わせるのではなく、やりとりの中で考える力、人と関わる姿勢、話を聴く態度を丁寧に見る。これは、探究を軸にした国際バカロレア(PYP)教育を行うこの学校の学び方と重なります。教育の中身はIB教育の記事で解説しています。
なお、事前の親子面接では、国際バカロレア教育やキリスト教の学びについてのお考えが問われる傾向があるのも、この学校らしい特徴です。面接の傾向と準備は面接・願書の記事にまとめていますので、過去問対策とあわせて早めに取りかかってください。
【聖ヨゼフ学園小学校】過去問を使った家庭学習の進め方
ペーパーがない入試だからこそ、過去問の使い方にはコツがあります。
まず、問題を「解かせる」のではなく「やりとりを再現する」ことを意識してください。お父様・お母様が先生役になり、口頭で問いかけ、お子さまが言葉で答える。答えが合っているかだけでなく、相手の目を見て聞けたか、はっきり答えられたかまで含めて練習します。
次に、具体物をそろえることです。パターンブロック、おはじき、積み木など、実際に手を動かせる道具があると、数量や構成の課題が「遊びの延長」になります。ワークブックを何冊もこなすより、ひとつの道具でじっくりやりとりするほうが、この学校の入試には合っています。
また、1回の練習は短くて構いません。個別課題の本番は先生と向き合う数分間ですから、家庭でも「短く、集中して、毎日」を合言葉にするのが効果的です。うまく答えられなかった日も叱らず、「ちゃんと最後まで聞けたね」とやりとりの姿勢をほめてあげてください。
そして、生活の中に学びを埋め込むことです。買い物で数を数える、料理で重さを比べる、散歩で季節を見つける。個別課題の頻出分野は、日常の中で自然に触れられるものばかりです。
とはいえ、口頭形式の対策はご家庭だけでは進め方に迷うことも多いはずです。わが家の学習をどう組み立てるかは家庭学習サポートでご相談いただけます。
【聖ヨゼフ学園小学校】2027年度からの入試方式に注意
最後に、いちばん大切な注意点です。2027年度入試から、この学校は開智横浜国際小学校として、A方式・B方式・総合型という新しい方式で入試を行います。B方式にはペーパーテストや運動が含まれるなど、聖ヨゼフ時代とは枠組みが変わります。
一方で、A方式は文字の読み書きを必要としない出題とされており、口頭のやりとりを重視してきたこれまでの傾向と重なる部分もあります。過去問で積み上げてきた「聞く・話す・関わる」力は、方式が変わっても土台として生きると考えられます。
ただし、どの方式で受けるかによって準備の中身は変わります。必ず最新の募集要項を確認したうえで、2027年度入試の変更点の記事で全体像を押さえてください。出願スケジュールは入試日程の記事で整理しています。
方式選びから家庭学習の計画まで、お子さまに合わせた進め方は個別相談でお手伝いしています。お気軽にご相談くださいね。
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