城星学園小学校の試験では、どんな問題が出ますか?
考査の全体像と日程
城星学園小学校の考査は、ペーパーテスト・運動・行動観察・制作の4つを約3時間かけて行う総合的な内容で、これに考査より前の親子面接が組み合わされます。2026年度入試は、WEB出願が8月上旬から(内部は8月1日〜4日、一般は8月5日〜20日)、親子の事前面接が内部は8月下旬・一般は9月上旬、考査が10月2日に行われ、2日後にWEBで発表というスケジュールでした。募集は男女あわせておよそ100名(内部進学者を含む)で、受験番号は願書受付順に決まります。ペーパーの点数だけでなく、集団での振る舞い・手先の器用さ・自分の言葉で話す力まで、幅広く総合的に見られるのが城星学園小学校の考査の特徴です。
ペーパーテスト|分野別の具体的な出題内容
過去問を分析すると、城星学園小学校のペーパーは特定分野に偏らず、次の分野からバランスよく出題されています。
話の記憶
400字前後のお話を聞いたあとに、「だれが出てきたか」「何をしたか」「いくつあったか」を問われます。登場人物・順序・数・色などの細部まで覚えておく必要があり、聞く力と記憶力が試されます。
絵の記憶
絵をしばらく見て覚えたあと、「何がどこにあったか」「何個あったか」を答える問題です。話の記憶とあわせて、短い時間で特徴をつかむ力が試されます。
数量
数の多い少ないを比べる問題、積み木の数(奥に隠れて見えない積み木を含めて数える)、重ねた紙やおはじきの枚数を数える問題などが出題されています。実物で「隠れているものを想像して数える」経験が生きてきます。
図形
回転図形(回すとどうなるか)、重ね図形(2枚を重ねるとどう見えるか)、同じ図形さがし、欠所補完(欠けた部分を補う)など、図形をあたまの中で操作する力が問われます。
迷路
スタートからゴールまで、線がはみ出さないようにたどる迷路も出題されています。先を見通して道を選ぶ力と、ていねいに鉛筆を運ぶ運筆力の両方が必要です。
推理
シーソーを使った重さくらべなど、条件から順序立てて考える推理問題が出ています。「AはBより重い」といった関係を整理する練習が有効です。
言語
頭音(言葉の最初の音)集めや、しりとりでつながるものを選ぶ問題が中心です。ものの名前を正しく知っていること、音を意識して聞けることが土台になります。
常識
季節(行事や花・食べ物の季節)、仲間はずれ、動物の特徴、そして「水に浮くもの・沈むもの」といった理科的常識が出題されています。暮らしの中で得る知識がそのまま得点につながります。
行動観察|ボール運び競争と集団ゲーム
行動観察では、2人1組でボールを協力して運び、運び終えたら列に並ぶ「ボール運び競争」や、集団でのゲームが行われてきました。ここで見られているのは、勝ち負けそのものより、お友達と力を合わせられるか・順番やルールを守れるか・指示をよく聞けるか、といった姿勢です。負けても切り替えられる気持ちの強さも大切に見られます。
運動|基本的な体の動き
運動では、ジャンプ・ケンケン・両足ジャンプ・ギャロップなど、基本的な体の動きが課題になります。高い運動能力を競うものではなく、先生の指示どおりに、元気よく・最後まで取り組めるかがポイントです。ふだんの外遊びの中で、いろいろな動きを楽しく経験しておくと安心です。
制作・巧緻性|手先を使う作業
制作・巧緻性では、塗り絵・ちぎり・貼り絵・ひも通しに加え、紙をきちんと縁を揃えて折る、鉛筆を削る、ビーズを通すといった手先を使う作業が出題されてきました。はさみやのりの扱い、紙をちぎる力加減、ひもを通す指先の器用さなどが見られます。作品の完成度だけでなく、道具を正しく使えるか、片づけまでていねいにできるかも大切なポイントです。
個別テストの有無と、面接の中の口頭課題
城星学園小学校では、この5年間、考査の中に独立した個別テストの区分は設けられていません。先生と一対一で受け答えする場面は、考査より前に行われる親子面接の中に、子ども向けの課題として組み込まれています。2022〜2025年度はカードに書かれた文章を読んでから先生の質問に答える形が続き、2026年度は示された絵を見て質問に答える形に変わりました。名前や園でのことを自分の言葉で話す力に加えて、文字や絵を手がかりに考えて話せるかどうかが見られています。ふだんから、読んだ絵本の内容を親子で話したり、理由まで言葉にする習慣をつけたりしておくと、落ち着いて受け答えができます。
面接|親子・保護者面接で問われること
城星学園小学校では、親子・保護者面接が実施されます。過去には、志望動機・家庭の教育方針・お子さまの様子(性格や成長)に加え、食物アレルギーの有無・災害時のお迎えの体制といった、入学後の生活に関わる具体的な質問もされています。カトリック校としての教育方針への理解を、ご家庭の日常のエピソードとあわせて話せるように準備しておきましょう。
この5年の面接記録を見ると、保護者へは志望動機に加えて、創立者ドン・ボスコにまつわる言葉の印象や宗教教育の受け止め、家庭の教育方針と学校との共通点、学校でトラブルが起きたときの向き合い方、叱るときとほめるときの様子が繰り返し話題になっています。学校が力を入れている「書く」学びやノート作りをどう思うかを問われた年もありました。お子さまへは、名前や園での様子、友だちとけんかをしたときにどうするか、外遊びと室内遊びのどちらが好きか、夏休みの思い出、小学生になったらやってみたいことなどが中心で、手洗いのやり方をその場で見せるよう求められた年もあります。
【年度別】この5年で実際に出た課題
ここからは、2022〜2026年度の考査で実際に行われた課題を、年度ごとに説明します。設定や絵柄は毎年変わりますので、丸暗記ではなく、どんな力を求めているかをつかむ材料としてお読みください。
ペーパー|各年度の出題構成
ペーパーは毎年6〜7問の構成で、一部は音声(放送)での出題です。
- 2026年度(7問)…マス目を数えて長さを間接的に比べる問題、名前の音を一つずつ取り出してつなぎ別のものの名前を作る問題、覚えた絵の中でウサギがいた場所に印を書く位置の記憶、透明な紙2枚を重ねたときの見え方を選ぶ重ね図形、シーソーの重さ比べで一番軽いものを選ぶ問題、赤ちゃんの姿で生まれる生き物を選ぶ問題、水に浮くものを選ぶ問題。話の記憶は昔話の「てぶくろ」でした
- 2025年度(6問)…3番目に数が多い部屋を選ぶ問題、形の数と名前の音の数が同じものを探す問題、見た絵にいた虫を思い出す記憶、空いた場所にぴったり入る形を選ぶ平面構成(回してよいが裏返しは不可)、矢印の向きに押してできる模様を考える推理、植物・動物・助数詞・道具それぞれの仲間はずれ。話の記憶は森の動物たちのお話でした
- 2024年度(6問)…動物に野菜を同じ数ずつ分けたときの一匹分と余りを考える問題、同じ言い方をするもの同士を見つける同音異義語、見た絵にいた動物を思い出す記憶、点図形の写し、箱を通ると印の白黒や向きが変わる約束を使う変化の推理、関係のないものを選ぶ仲間・材料の問題。話の記憶は聖書のたとえ話が使われました
- 2023年度(6問)…少ないほうにあといくつ足せば同じ数になるかを考える問題、並び方の約束から空いたところに入る絵を選ぶ規則性、横に並んだ絵の名前に共通して入る音を見つける問題、覚えた絵の動物ごとに違う印を書き分ける記憶、矢印の数だけ回した形を選ぶ回転図形、果物の名前を合図に問題が切り替わる放送形式の常識(助数詞・マナー・行事・生き物の成長)。話の記憶は聖書のお話でした
- 2022年度(6問)…どれとどれを合わせると左と同じ数になるかを考える合併、名前の最初の音をつないで別のものの名前を作る問題、見た絵と変わったところを見つける記憶、重ね図形、二人の子どもが約束を守って進む道筋をそれぞれ描く迷路、同じ季節のものを選ぶ常識。話の記憶も聖書に由来するお話でした
5年間を通してみると、見た絵を覚える映像の記憶と、音を手がかりにする言語問題は毎年欠かさず出ています。重ね図形や回転図形などの図形推理、シーソーや浮き沈みといった理科的な推理、助数詞・季節・マナーの常識も繰り返し登場しており、話の記憶に聖書に由来するお話が使われる年が多いのは、カトリック校の城星学園小学校らしいところです。
運動|各年度の課題
- 2026年度…号令に合わせてストレッチや屈伸、両足・片足のジャンプ、ウサギ跳びを行う準備体操の形の課題
- 2025年度…枠の中から出ないように跳び続ける縄跳び
- 2024年度…走ってハードルを両足で跳び、クマ歩きやケンパで戻ってくる連続運動
- 2023年度…笛の合図で始めて、次の合図まで続けるバービージャンプ
- 2022年度…合図でクマ歩きのまま進み、向こう側に着いたら気をつけの姿勢をとる課題
高い運動能力を測るというより、合図や指示を聞き分けて、決められた動きを最後まで続けられるかを見る課題が続いています。
行動観察・制作|各年度の課題
- 2026年度…2人1組で新聞紙を広げて持ち、上に小さなボールを載せてコーンを回って戻るリレー。次の組へのボールの移し方や、チーム全員が運び終えたあとに全員でそろえる動きまで手順が決められています
- 2025年度…フラフープを腰で回す課題と、横一列で手をつないだままフープを体にくぐらせて隣へ送っていくリレー。終わりの合図の出し方まで決められています
- 2024年度…先生の説明を聞いて折り紙のぱくぱくを折り、3〜4人のグループで仲良く遊ぶ課題。紙風船を突き続ける遊びでは、使ったものをきれいにたたんで返すところまで見られています
- 2023年度…スモックを着て行うちぎり絵と、画面のお手本を見ながらじゃばら折りでお花を作る課題。のりの出し方や手の拭き方、脱いだスモックのたたみ方まで細かい指示があります
- 2022年度…1本だけ出した色鉛筆で丸い形を塗る課題と、ビーズを通して結び目を作るネックレス作り。鉛筆を削って出たゴミの始末の仕方も課題のうちです
2026年度は制作が独立した区分になり、ハートの印がある場所を自分で選んだ1色で塗る塗り絵が行われました。黒は使わないという約束や、塗り終えたあとの過ごし方まで指定されており、どの年度も、作品の出来ばえより指示の聞き取りと道具の扱い・後片付けを重視する姿勢が一貫しています。
分野別の対策ポイント
城星学園小学校の考査は総合力が問われるため、ペーパーは基礎をまんべんなく固め、行動観察・運動・制作は日常の遊びや生活の中で経験を積むのが王道です。話の記憶は読み聞かせ、数量や図形は積み木や折り紙、常識は季節の行事や自然とのふれあいで、無理なく力を伸ばせます。ご家庭だけで判断に迷うときは、プロによる個別相談を承っております。あわせて、ご家庭で計画的に進められる家庭学習サポートや、分野別の教材まとめもご活用ください。
2027年度入試の科目・持ち物・当日の注意(公式)
公式サイトの募集要項によると、2027年度入試の試験科目は、①考え方のテスト、②人やモノとの関わりを見るテスト、③親子面接の三つです。持ち物は受験票・上靴・水筒(肩から掛けられるタイプ)・12色色鉛筆で、手提げ袋に入れて持参します。服装は軽装とされています。
当日は8:40に受験児が試験会場へ移動します。テストに欠席・遅刻した場合は失格となりますので、時間に余裕をもって来校してください。最新は募集要項でご確認ください。
あわせて読みたい関連記事
【城星学園小学校】学校が公式に答えている考査のこと
考査の内容については、いろいろな情報が出回ります。まずは学校自身が何と言っているかを確かめておきましょう。公式サイトの「よくあるご質問」には、入試について次のように書かれています。
入試の内容を尋ねる質問には「知能・社会性・運動の3つの観点で、幅広くお子様の能力を見させていただきます」と答えられています。ペーパーだけを見ているわけではなく、3つの柱で幅広く見るという考え方が示されているわけですね。
書く力について気になる方も多いと思いますが、「数字やひらがなを書かせることはありません」とはっきり書かれています。入学前に文字が書けるようにしなければ、と焦る必要はないということです。
倍率についても記載があります。「2023年度入試倍率は、1.61倍でした」というのが公式サイトに示されている数字です。年度によって変わりますので、あくまで一つの目安として受け止めてください。
早生まれのお子さまへの配慮を尋ねる質問には、「特に、考慮は致しておりません。テスト結果に大きな差異は見られませんのでご安心ください」と答えられています。学校として、月齢で結果が大きく分かれるとは考えていないということですね。
面接については「園児は、闊達に会話ができることが望ましく、ご両親にあっては、本校をよくご覧になって、本校の教育に理解をもって望んでほしいと願っています」と書かれています。お子さまには受け答えの流暢さそのものよりも、のびのびと会話ができることが求められている、と読めます。
【城星学園小学校】学校の教育方針から準備の方向を考える
考査対策を組み立てるうえで、いちばん外せないのが学校の教育方針です。城星学園小学校の公式サイトには、「心 学力 可能性」を掲げ、教育の基本方針はドン・ボスコが示した「予防教育法」にあると説明されています。児童の内面にある「道理」「信仰」「愛」を育て、「光の子」を目指すという言葉が続きます。
この学校が「社会性」を観点のひとつに挙げているのは、こうした教育観と地続きです。行動観察や集団での活動の場面で見られているのは、上手にふるまえるかどうかではなく、ほかのお子さまとどう関わるかという姿勢のほうだと考えるほうが自然ですね。
公式サイトには、受験までに身につけておくべきことについても答えがあります。「衣食住にかかわることをできるだけ自分でできるようにしておいてください。例えば、着替え・食事のマナーなど」という一文です。ペーパーの問題集を1冊増やすよりも、朝の身支度を自分でやりきる、食事のときの姿勢を整えるといった毎日の積み重ねのほうが、学校の求めているものに近いということになります。
考査で手先を使う作業や運動が組み込まれているのも、この延長線上で考えると腑に落ちます。ふだんの生活のなかで体を使い、自分のことを自分でやる習慣がついているお子さまは、当日も自然にふるまえるものです。
準備の方向で迷われたときは、まず公式サイトのよくあるご質問を読み直してみてください。それでも判断がつかない場合は、個別相談もご活用いただけます。
よくある質問
城星学園小学校の考査はどんな分野が出ますか?
ペーパー(話の記憶・数量・図形・推理・言語・常識)に加え、行動観察・運動・制作・個別テスト・面接が行われます。特定分野に偏らず総合的に見られるのが特徴です。
ペーパーで特に対策が必要な分野はありますか?
どの分野も基礎が問われますが、図形(回転・重ね・欠所補完)や理科的常識(水に浮くものなど)は経験差が出やすい分野です。実物や体験を通した学習が効果的です。
面接ではどんなことを聞かれますか?
志望動機・教育方針・子どもの様子に加え、食物アレルギーや災害時のお迎え体制など、入学後の生活に関わる具体的な質問もされています。
運動が苦手でも合格できますか?
課題はジャンプやケンケンなど基本的な動きが中心です。運動能力の高さより、指示を聞いて元気に最後まで取り組む姿勢が大切に見られます。
いつから対策を始めればよいですか?
年中〜年長で本格化する家庭が多いですが、読み聞かせや生活習慣づくりは早いほど有利です。まずは家庭でできることから始めましょう。
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