東京学芸大学附属世田谷小学校の考査には、行動観察があると聞きました。
ペーパーと違って対策のしかたが分かりません。何をして、どこを見られるのでしょうか?
東京学芸大学附属世田谷小学校の行動観察は、5人程度のグループで行う集団ゲームと、紙を折ってファイルに入れるといった生活技能の課題が中心です。
つまり、特別な訓練ではなく、毎日の遊びとお手伝いの積み重ねがそのまま対策になる分野です。
大切なのは、以下の3点です。
・初めてのお友だちと、ルールを守って楽しく関われること
・たたむ・しまうなど、身の回りのことが自分でできること
・指示を一度で聞き取り、落ち着いて行動できること
東京学芸大学附属世田谷小学校の個別相談、家庭学習サポート、願書作成、面接対策を行う筆者が詳しく解説していきます。
東京学芸大学附属世田谷小学校を受験される方は、ぜひ参考にしてくださいね!
【東京学芸大学附属世田谷小学校】行動観察の形式と位置づけ
世田谷小の考査は、ペーパー・個別・行動観察で構成されています(2026年度)。保護者面接や本人面接がない学校ですから、集団のなかでのお子さまの素の姿を見る行動観察は、選考のなかで大きな意味を持つと考えられます。
受験情報誌の調べによると、行動観察は5人程度の少人数グループで行われています。大人数の中で目立つ力ではなく、小さな集団のなかで一人ひとりがどうふるまうかを、先生がじっくり見られる形式だといえます。
内容は大きく分けて2つあります。ひとつはグループでの集団ゲーム、もうひとつは紙を折ってファイルに入れるといった生活技能の課題です。本記事ではこの2つを順に解説し、家庭でできる対策に落とし込んでいきます。
考査全体の流れは検査内容の記事、5年分の分野別傾向は過去問の傾向と対策の記事もあわせてご覧ください。なお、学校は考査の内容を公式には公表しておらず、以下の傾向は受験情報誌の調べに基づくものです。
【東京学芸大学附属世田谷小学校】集団ゲームで見られている力
集団ゲームでは、足ジャンケンやカードあてっこのような、初めて会うお友だちと一緒に楽しむ遊びが行われています。難しい技術は必要ありません。見られているのは、遊びの中身よりも、その間のふるまいです。
- 先生の説明を最後まで聞いて、ルールを正しく理解できるか
- 初対面のお友だちに、自分から関わっていけるか
- 勝っても負けても、気持ちを切り替えて楽しめるか
- 順番を待つ、譲るなど、集団の約束を守れるか
とくに勝ち負けへの向き合い方は差が出やすいところです。負けた瞬間に泣いたり怒ったりしてしまうお子さまは、日頃の遊びのなかで「負ける経験」を意識的に積ませてあげてください。ご家庭でのトランプやすごろくで、勝ったときは相手をたたえ、負けたときは「もう一回やろう」と言える習慣をつくることが、いちばんの練習になります。
また、初対面のお友だちへの関わりが苦手なお子さまには、公園や地域の集まりなど、いつものメンバー以外と遊ぶ機会を増やしてあげましょう。「入れて」「一緒にやろう」の一言が自然に出るようになれば十分です。
【東京学芸大学附属世田谷小学校】生活技能の課題は「日常の自立」を見ている
世田谷小の行動観察でもうひとつ特徴的なのが、生活技能の課題です。受験情報誌の調べでは、紙を折ってファイルに入れるといった、日常の何気ない動作が課題になっています。
一見簡単そうですが、ここには学校のメッセージが表れています。入学後の学校生活では、プリントをたたんで連絡袋に入れる、道具を決められた場所にしまう、脱いだ服をたたむといった動作を、毎日自分の力で行う必要があります。生活技能の課題は、「小学校生活を自分の力で送れる子ですか」という問いかけなのです。
対策は、ご家庭での毎日を「自分のことは自分でする」形に整えることに尽きます。
- 幼稚園・保育園のプリントは、自分で折ってかばんにしまわせる
- 脱いだ服をたたむ、靴をそろえる、おもちゃを元の場所に戻す
- 「〜して、それから〜してね」と2つ以上の指示を一度で聞いて動く練習をする
大人が先回りして全部やってあげているご家庭ほど、この分野で伸び悩みます。時間がかかっても本人に任せ、できたら「自分でできたね」と認める。この繰り返しが、考査の場でそのまま生きてきます。
【東京学芸大学附属世田谷小学校】運動が行われた年度もある(2022・2023年度)
近年の考査はペーパー・個別・行動観察の3本柱ですが、受験情報誌の調べでは、2022年度と2023年度には運動も行われていました。内容は、玉入れリレーなどの集団種目と、ポーズの模倣やボールキャッチといった指示行動です。なお、この2年はマスクやパーテーションなど感染症対策のもとでの実施でした。
運動といっても、高度な運動能力を測るものではありません。集団種目はチームの一員としてのふるまいを、指示行動は「見て覚えて、その通りに動く力」を見るものです。つまり、見られている力は行動観察と地続きです。
今後の年度で運動が再び行われる可能性は否定できません。対策として特別なトレーニングは不要ですが、次のような遊びを日常に取り入れておくと安心です。
- ボール投げ・ボールキャッチなど、基本の動きを楽しむ
- 「先生の真似をしてね」と、ポーズや動きの模倣あそびをする
- かけっこや鬼ごっこで、思い切り体を動かす時間をつくる
【東京学芸大学附属世田谷小学校】個別(口頭試問)とひとつながりで考える
行動観察の対策を考えるとき、切り離せないのが個別(口頭試問)です。世田谷小の個別では、絵カードを見て登場人物の気持ちを考え、自分の言葉で伝える課題が続いています。困っている子がいたらどうするかを「言葉で答える」のが個別、実際のお友だちとの関わりのなかで「行動で示す」のが行動観察、と考えると分かりやすいでしょう。
つまり、他者への思いやりと集団でのふるまいという同じ根っこを、2つの場面から見ているのです。日常のけんかや譲り合いの場面で「相手はどんな気持ちだったかな」と振り返る習慣は、両方の分野に同時に効いてきます。個別の詳しい傾向と対策は個別(口頭試問・心情理解)の対策の記事をご覧ください。
また、こうした力が育っているお子さまの共通点は受かる子の特徴の記事にまとめています。わが子の現在地を知りたい、何から手をつけるべきか迷うという方は個別相談もご利用ください。
【東京学芸大学附属世田谷小学校】よくある質問
Q. おとなしい性格の子は行動観察で不利ですか?
必ずしも不利ではありません。行動観察で評価されるのは、リーダーとして目立つことではなく、ルールを守り、お友だちを尊重しながら集団に参加できることです。静かなお子さまでも、説明をきちんと聞き、順番を守り、にこやかに参加できていれば十分に評価されます。無理にキャラクターを変えさせるより、その子らしい関わり方で安心して参加できる場数を増やしてあげましょう。
Q. 行動観察の教室に通わせるべきですか?
初対面のお友だちと関わる機会を定期的につくれるという意味では有効です。ただし、教室に通うだけで安心してしまうのがいちばんの落とし穴です。世田谷小の行動観察と生活技能は日常の積み重ねを見るものなので、家庭での自立の習慣づくりが土台で、教室はその確認の場と考えるのがバランスの良い使い方です。
Q. 生活技能はいつまでにできるようにすればよいですか?
考査直前に詰め込むものではなく、年中のうちから少しずつ生活に組み込むのが理想です。目安として、年長の秋までに「たたむ・しまう・そろえる」が声かけなしでできる状態を目指しましょう。毎日の生活習慣と学習の計画づくりは家庭学習サポートでもお手伝いしています。
Q. 本番で失敗してしまったら、もう不合格ですか?
ひとつの失敗で全てが決まるとは考えにくいです。ゲームで負けてしまった、紙を上手に折れなかったという結果そのものより、そのあとどう立て直したかが大切です。うまくいかなくても泣き崩れず、気を取り直して次の課題に向かえる姿は、むしろ好印象につながります。ご家庭でも、失敗した瞬間に手や口を出さず、「どうすればよかったかな」と一緒に考える関わりを心がけると、立て直す力が育ちます。考査当日は、送り出すときに「楽しんでおいで」と声をかけ、プレッシャーではなく安心を持たせてあげてください。
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