東京学芸大学附属世田谷小学校の考査には、個別の口頭試問があると聞きました。
面接がない学校ですし、何をどう準備すればよいのでしょうか?
東京学芸大学附属世田谷小学校の個別(口頭試問)は、絵カードを見て登場人物の気持ちを想像し、自分の言葉で伝える課題が続いているのが最大の特徴です。
覚えた答えを言う場ではなく、日々の生活で育った「感じる力・伝える力」がそのまま表れる検査だと考えてください。
大切なのは、以下の3点です。
・家庭生活のテーマに、自分の経験から答えられるようにすること
・人の気持ちを想像し、言葉にする習慣を毎日の生活で育てること
・想定問答の暗記ではなく、対話と読み聞かせで土台をつくること
東京学芸大学附属世田谷小学校の個別相談、家庭学習サポート、願書作成、面接対策を行う筆者が詳しく解説していきます。
東京学芸大学附属世田谷小学校を受験される方は、ぜひ参考にしてくださいね!
【東京学芸大学附属世田谷小学校】個別(口頭試問)の位置づけ
関連動画:東京都の国立・都立小学校選びの参考に。この記事の学校を紹介しているとは限りません。
世田谷小の考査は、ペーパー・個別・行動観察で構成されており、保護者面接や本人面接はありません(2026年度)。つまり個別(口頭試問)は、先生がお子さま一人ひとりと向き合い、その子自身の言葉を直接聞くことができる貴重な場です。面接がない分、この個別でのやりとりの比重は決して小さくないと考えて準備しましょう。
ペーパーが「聞いて理解する力」を見る検査だとすれば、個別は「感じたことを自分の言葉で表現する力」を見る検査です。どちらも一朝一夕には育たない力で、ご家庭での毎日の関わりがそのまま結果に表れます。
考査全体の構成は検査内容の記事を、5年分の分野別の出題傾向は過去問の傾向と対策の記事をご覧ください。本記事では個別に絞って、傾向と家庭での育て方を解説します。
なお、学校は考査の内容を公式には公表していません。以下の傾向は受験情報誌の調べに基づくものです。
【東京学芸大学附属世田谷小学校】口頭試問のテーマは「家庭生活」
受験情報誌の調べによると、世田谷小の口頭試問では、家庭生活をテーマにした質問が続いています。ほめられた経験、家族と過ごす時間、好きな料理といった、ご家庭での日常に根ざしたテーマが中心です。
ここで見られているのは、知識ではありません。「答えの中身に、その子の実際の生活が表れているか」です。家族との温かい時間の積み重ねがあるお子さまは、問われたときに具体的な場面を思い出して、自分の言葉で生き生きと話すことができます。逆に、大人が用意した模範解答を覚えさせられたお子さまの答えは、表情や言葉の選び方からすぐに分かってしまいます。
対策の第一歩は、質問集を用意することではなく、答えの材料になる経験を日常に増やすことです。
- お手伝いや遊びのなかで、がんばりを具体的にほめて記憶に残す
- 家族での食事や外出のあとに「何が楽しかったか」を言葉で振り返る
- お子さまの話を途中でさえぎらず、最後まで聞き切る
こうした毎日の関わりが、そのまま口頭試問の「答えの引き出し」になります。
【東京学芸大学附属世田谷小学校】最大の特徴は絵カードでの「心情の理解」「意思表現」
世田谷小の個別で最も特徴的なのが、絵カードを使った課題です。受験情報誌の調べでは、困っている場面やトラブルの場面が描かれた絵を見て、登場人物の気持ちを考えたり、「自分ならどうするか」を自分の言葉で答えたりする形式が毎年出題されています。伝えられている例では、上の段に並んだ子どもの顔から転んで泣いている子を選び、次に下の段の遊んでいる場面からお友だちを転ばせてしまった子を選び、最後に自分がその場にいたらどうするかを答える、と三段階で進む形が出ています。絵から事実を読み取る段階と、自分の行動を考える段階がひと続きになっているのが特徴です。
これは、いわゆるお勉強では測れない力を見る課題です。
- 絵の状況を読み取る観察力
- 登場人物の立場に立って気持ちを想像する共感力
- 考えたことを、相手に伝わる言葉にする表現力
正解がひとつに決まらない問いだからこそ、丸暗記の対策が通用しません。「泣いている子がいたら『だいじょうぶ?』と言う」とセリフだけ覚えても、絵の場面が変われば応用できないのです。学校が求めているのは、場面ごとに自分の頭で考え、自分の心で感じられるお子さまだといえます。こうした子ども像は、学校生活での育ち方とも重なりますので、受かる子の特徴の記事もあわせてご覧ください。
【東京学芸大学附属世田谷小学校】家庭での育て方①対話と読み聞かせで「気持ちの言葉」を増やす
心情理解の力は、気持ちを表す言葉をどれだけ持っているかに支えられています。「うれしい・かなしい」だけでなく、「くやしい」「はずかしい」「ほっとした」「うらやましい」といった言葉を、生活のなかで少しずつ増やしていきましょう。
いちばんの教材は読み聞かせです。物語の途中で手を止めて、こんな対話をしてみてください。
- 「いま、この子はどんな気持ちだと思う?」と登場人物の気持ちを尋ねる
- 「どうしてそう思ったの?」と理由を言葉にしてもらう
- 「あなたがこの子だったら、どうする?」と自分に引き寄せて考えてもらう
きょうだいげんかやお友だちとのトラブルも、絶好の学びの機会です。頭ごなしに叱るのではなく、落ち着いてから「相手はどんな気持ちだったかな」と一緒に振り返ることで、実体験に根ざした共感力が育ちます。
また、お父様・お母様が自分の気持ちを言葉にして見せることも効果的です。「今日は仕事がうまくいってうれしかったよ」といった何気ない一言が、気持ちを言葉にするお手本になります。
【東京学芸大学附属世田谷小学校】家庭での育て方②「伝わる答え方」を育てる
感じたことを持っていても、初対面の先生を前にすると言葉が出ないお子さまは少なくありません。伝える力は、次の順番で育てていきましょう。
まず、答えの型として「結論→理由・エピソード」の順で話す練習です。「好きな遊びは何?」なら「ブランコです。高くこげると風が気持ちいいからです」のように、短くても自分の言葉で完結させます。日常の親子の会話で「どうして?」と一言添えるだけで、この型は自然と身につきます。
次に、初対面の大人と話す場数です。ご近所へのあいさつ、お店での注文、幼稚園・保育園以外の集団活動など、家族以外の大人と言葉を交わす機会を意識的につくりましょう。
気をつけたいのは、言い直しをさせすぎないことです。「ちゃんと言いなさい」と直され続けたお子さまは、間違いを恐れて黙るようになります。まずはどんな答えでも受け止めて、話すこと自体を楽しいと感じさせることが先です。
ご家庭だけでは練習相手に限界があるという場合は、面接対策のレッスンをお子さまの受け答え練習として応用いただけます。第三者の大人を相手に、本番に近い緊張感で練習できるのが利点です。
【東京学芸大学附属世田谷小学校】よくある質問
Q. どんな質問が出るか、事前に分かりますか?
学校は考査の内容を公表していないため、正確な質問は分かりません。分かっているのは、家庭生活のテーマと絵カードによる心情理解という傾向までです。だからこそ、特定の質問への答えを覚え込むのではなく、どんな聞かれ方をしても自分の経験から話せる土台づくりを優先してください。
Q. 人見知りが強く、先生と話せるか心配です
無理に性格を変える必要はありません。人見知りのお子さまでも、場数を踏めば「初めての大人と話す」ことへの抵抗は確実に減っていきます。小さな成功体験を積み重ねること、そして本番の形式に近い練習を数回でも経験しておくことが有効です。声が小さくても、自分の言葉で誠実に答える姿は十分に伝わります。
Q. 想定問答集をつくって暗記させるのはだめですか?
おすすめしません。世田谷小の個別は正解のない問いが中心で、暗記した答えは場面が少し変わるだけで使えなくなります。また、覚えた文章の棒読みは先生にすぐ伝わり、かえって印象を下げかねません。親子の対話・読み聞かせ・実体験という遠回りに見える道が、実は最短の対策です。ご家庭ごとの進め方は個別相談でもご提案しています。
Q. 行動観察との関係はありますか?
見ている力は地続きです。個別が「気持ちを想像して言葉で伝える力」を見るのに対し、行動観察はそれを実際のお友だちとの関わりのなかで発揮できるかを見ています。心情理解の育ちは行動観察にもそのまま生きますので、両方をひとつながりの対策として考えてください。
Q. いつから対策を始めればよいですか?
心情理解と表現の力は積み重ねの力なので、思い立った日から始めるのが正解です。とはいえ特別な時間を確保する必要はなく、毎晩の読み聞かせと食卓での会話をこの記事で紹介した形に変えるだけで、対策は始まっています。年長になったら、初対面の大人と話す機会と、時間を意識した受け答えの練習を少しずつ足していきましょう。ペーパー分野の学習計画との両立は家庭学習サポートでお手伝いしています。
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