【小学校受験】絵の記憶の出題意図は?
絵の記憶の問題では、集中力や注意力・視覚的記憶力・解答力などの力があるかを評価されています。
集中力注意力があるか
絵を記憶するためには、集中して絵を見ることが大前提です。「カメラアイ(見たものををカメラで撮影した写真のように覚える能力)」という特殊な能力が備わっていない限り、集中して絵を見ないと覚えられるはずがありません。
また、漠然と絵を見るだけでは質問に答えられないので、「りんごが3個ある」「ゾウがバナナを持っている」「桜が咲いている」など、細部まで観察する注意力も必要です。
視覚的記憶力があるか
「絵の記憶」では、視覚的な情報処理や短期的な記憶ができるかを問われています。これはワーキングメモリ(情報を一時的に保ちながら処理するための脳の働き)が適切に働いているかを試されていると言えます。
ワーキングメモリに課題があると、小学校入学後も学習や生活に支障をきたすことがあるので、発達段階に応じた成長をしているかを見られています。
解答力があるか
記憶系の問題は、「確かこうだったような・・」と、記憶が曖昧なまま解答しなければいけないことがあります。このような時に、曖昧な記憶でも解答する力があることが大切です。
中には、記憶が曖昧なままだと、間違うことを恐れて答えを書きたがらないお子さまもいらっしゃいます。しかし、そのような消極的な姿勢は小学校受験では好まれません。「間違えてもいいから」という主体性やチャレンジ精神があることが大切です。
【小学校受験】絵の記憶の出題方法は?
絵の記憶の出題方法には、大きく2つの方法があります。
個別テスト・口頭試問
個別テスト・口頭試問による出題では、「絵カードなどを用いて絵を記憶する」というのがよくある出題方法です。はじめに表向きのカードを記憶した後にカードを裏返されて「このカードは何でしたか?」などと質問されます。また、神経衰弱のような遊びの中で出題されることもあります。
ペーパーテスト
ペーパーテストでは、1枚目にお手本の絵が描かれていて、ページをめくってから質問に答える出題方法が定番です。「前のページと違うところにバツをつけましょう」「前の絵で覚えたボールの数と同じ数だけ丸をかきましょう」「前のページの季節と同じ季節に咲く花に丸をつけましょう」など、様々な出題方法があります。
【小学校受験】絵の記憶の出題内容は?
絵の記憶の出題内容は、単純に絵を記憶することはもちろん、数量・言語・図形・常識など、様々な領域の内容と組み合わされて出題されることがあります。どのような質問をされても答えられるように、様々な観点から絵を記憶することが大切です。
記憶した絵と違うところを見つけるもの
最も基本的な出題内容は、記憶した絵と違うところを見つけるパターンです。描かれているものは、動物、文房具、食べ物、果物、色、形など多岐に渡りますが、間違い探しの要領で答えを探せばよい問題です。
覚えた絵の季節を答えるもの
絵の中に季節のわかるものが描かれていて、そこから季節を判断して答える問題です。植物、行事、天気、服装、食べ物など、季節がわかる絵があれば、季節を正しく判断できるようにしておかなければいけません。
覚えた絵と同じように色を塗るもの
風船や記号などを覚えた後に、覚えた通りに色を塗るパターンの問題です。色を塗っている間に徐々に記憶が薄れてしまうことがあるので、記憶をしっかりと保持しておかなければなりません。また、制限時間内に問題を解くために、色の塗り方も練習しておく必要があります。
数を答えるもの
絵に描かれた花や記号、ブロックなどを記憶して、それがいくつあったかを答える問題です。数を正確に数えることが大切ですが、数を数えることに時間を取られないように、ある程度のまとまりで数を把握できるようにしておくとよいです。
その他
その他にも、「前のページで描かれていたお花と同じ音ではじまるものに丸をつけましょう」「前のページと向きが変わっている動物に丸をつけましょう」「前のページに描かれていた形と同じになるように足りないところを描きましょう」など、様々な出題パターンがあります。いずれの問題を解くにしても、正しく解くためにはきちんと記憶できていることが前提になります。
【小学校受験】絵の記憶の解き方は?
絵の記憶の問題が得意になるために、意識していただきたいポイントがあります。
まず大切なのは、集中力を身につけることです。絵の記憶の問題は、短時間で絵を記憶しなければならないため、高い集中力が求められます。
また、覚えるのが苦手なお子さまは、絵の見方が悪いこともあるので注意が必要です。「全体だけを見ている」「細かい部分だけを見ている」「見る順序が悪い」など、記憶しにくい方法で覚えようとしていることがあります。人によって認知特性は異なるので、お子さまに合った適切な方法に改善する必要があります。
ただ、これらの能力を鍛えていくための訓練を、幼児教室などでは行ってくれていないことがほとんどです。そのため、絵の記憶が苦手なお子さまは、苦手を克服できないままになっていることが多い印象です。
絵の記憶が得意になるためには、解き方を改善することと同時に、日々のトレーニングを継続することが大切です。記憶力はトレーニングより向上していく能力ですが、週に1回程度トレーニングしてもなかなか向上は見込めません。ご家庭で毎日コツコツトレーニングをすることで能力を高めていくことができますので、本教材を活用して毎日トレーニングをしていただけたらと思います。
【記憶】絵の記憶(教材サンプル)
【記憶】3 絵の記憶サンプル
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【小学校受験】絵の記憶|まとめ
絵の記憶の問題を解くためには、お子さまの認知特性に合った覚え方をすること、視覚的な短期記憶力を鍛えること、日々のトレーニングを継続することが重要になります。ただ、記憶系の問題の解き方は指導法が確立されていないことから、漠然と練習をしてしまっているお子さまも多いのが現状です。ぜひ本記事でご紹介した教材をご活用いただき、効果的な学習をしていただけたらと思います。