志望校の募集要項を読み始めたのですが、募集人員の数字が学校によって大きくちがいます。
100名をこえる学校のほうが、入りやすいと考えてよいのでしょうか?
【小学校受験】募集人員の数字だけで比べてはいけない理由
募集要項を読み始めると、まず目に入るのが「募集人員○名」という数字です。「たくさんとる学校は入りやすそう」と感じるのは、自然なことだと思います。
けれども、同じ「100名」でも、その中に何がふくまれているのか、男女や日程でどう分かれているのかによって、外から受けるご家庭にとっての枠は大きく変わります。
募集人員を読むときに見るところは、次の4つです。
- 内部進学のお子さまが、ふくまれているか
- 男女で分かれているか
- 日程で分かれているか
- 「約」「程度」という言葉がついているか
ここからは、公式の募集要項で確認できた学校の例をもとに、ひとつずつ見ていきます。数字はいずれも2026年10月時点で公開されている要項のものです。年度によって変わることがありますので、最新は必ず各校の募集要項でご確認ください。
【小学校受験】内部進学のお子さまがふくまれているか
同じ学校法人に幼稚園がある学校では、幼稚園から上がるお子さまがいます。そのお子さまが「○名」の中にふくまれているのか、別なのかで、外から受けるご家庭の枠は大きく変わります。
たとえば、神奈川県川崎市のカリタス小学校の2027年度の募集要項には、募集人員が「第1学年 108名(男女・内部進学者を含む)」と書かれています。つまり、108名の中に、カリタス幼稚園から上がるお子さまも入っているということです。
外から受けるご家庭にとっての枠は、108名から内部進学のお子さまの人数を引いた数になります。ただ、この人数は公表されていないことが多く、正確な枠はわかりません。「108名」をそのまま外部の枠として読まないことが大切です。
国立小学校にも、似た決まりがあります。東京学芸大学附属小金井小学校の「令和9年度新1年生の募集について」には、募集人員を「計105名(35名×3学級)」としたうえで、「本学附属幼稚園卒園見込みの合格候補者については、抽選を行わず、合格者として決定します」と書かれています。
募集要項を開いたら、募集人員のところに「内部進学者を含む」などの言葉があるかを探してみてください。書かれていない場合は、説明会で「募集人員に、幼稚園からの進学者はふくまれていますか」とていねいにたずねてみましょう。受験の計画を立てるために必要な質問ですので、失礼にはあたりません。
【小学校受験】男女で分かれているか
共学の学校の募集人員には、大きく3つの書き方があります。公式の募集要項で確認できた例を、表にまとめます。
| 書き方 | 学校の例と要項の言葉 |
|---|---|
| 男女をはっきり分ける | 東京学芸大学附属大泉小学校(令和9年度)「男子45名 女子45名」 |
| 合計にルールを添える | 東京学芸大学附属世田谷小学校(令和9年度)「105名(男女の内訳は、応募者数の多い方を53名、もう一方を52名とする)」 |
| 合計に目安を添える | 筑波大学附属小学校(令和9年度)「男女合わせて約128名(男女ほぼ同数)」 東京学芸大学附属竹早小学校(2027年4月入学)「男児・女児共 各20名程度」 |
なお、先ほどの東京学芸大学附属小金井小学校も、男女の内訳を「応募者数の多い方を53名、もう一方を52名」としています。
男女がはっきり分かれている場合、たとえば「男子45名 女子45名」の学校は、男の子のご家庭にとっての枠は90名ではなく45名と読めます。
ここで、ひとつ例を考えてみます。男の子のご家庭が「募集人員90名」の学校と「60名」の学校を比べていたとします。90名の学校が男女45名ずつに分かれていて、60名の学校が男女を分けていない場合、男の子にとっての枠は、数字の大きさだけでは単純に比べられません。
募集人員は、「お子さまの性別にとっての枠」に直して読むようにしましょう。
【小学校受験】日程で分かれているか
入試を複数の日程に分けて行う学校では、募集人員も日程ごとに分かれていることがあります。
たとえば、神奈川県鎌倉市の清泉小学校は、2027年度の入試をA・B・C・Dの4つの日程で行うと公式サイトで案内しています。また、公式サイトの入試日程のページ(2023年度入学向けの表示)では、A日程とB日程は併願できず、C日程・D日程とは併願できる、と示されていました。このように、日程どうしの組み合わせに決まりがある学校もあります。2027年度の併願の扱いは、必ず最新の募集要項でご確認ください。
日程が分かれている学校では、まず募集人員が日程ごとに書かれているかを確かめてください。分かれている場合は、「全部で○名」ではなく、「わが家が受ける日程の枠は○名」と読みます。一般的には、あとの日程ほど枠が小さくなることが多いです。
ただし、「あとの日程は枠が小さいから避けたほうがよい」とは、一概には言えません。あとの日程は、ほかの学校の結果を見てから出願するご家庭も多く、受験するお子さまの顔ぶれも変わります。
枠の大きさだけで決めるのではなく、第一志望として最初の日程で受けるのか、ほかの結果を見てあとの日程で受けるのかを、ご夫婦で先に話し合っておきましょう。
【小学校受験】「約」「程度」という言葉の意味
先ほどの表にも、「約128名」「各20名程度」という書き方がありました。こうした言葉がついているときは、学校が状況に応じて人数を調整することがある、と読むのが自然です。
合格したご家庭の中には、ほかの学校へ進むご家庭もいます。学校はそうした動きも見こんで合格を出すことがあるため、「募集人員」と「実際に合格を出す人数」は、同じではないことが多いのです。
ですから、募集人員と志願者数から自分で倍率を計算して、一喜一憂しないようにしてください。内部進学、男女、日程、人数の調整と、これだけの要素があると、単純な割り算では本当の広さはわかりません。
数字を追いかけるよりも、要項をすみずみまで読んで、「わが子にとっての枠はどこにあるのか」をつかむことが大切です。
【小学校受験】募集要項を読むときのチェックリスト
ここまでの内容を、募集要項を読むときのチェックリストにまとめます。志望校の要項を手もとに置いて、ひとつずつ確かめてみてください。
- 募集人員に「内部進学者を含む」などの言葉があるか
- 男女の人数が分かれているか、分け方のルールがあるか
- 日程ごとに募集人員が書かれているか
- 日程どうしで併願できない組み合わせがあるか
- 「約」「程度」などの言葉がついているか
- 国立小学校の場合は、抽選や通学区域の条件があるか
要項だけではわからないことは、説明会や学校見学で確かめましょう。気になる点をメモしておき、その場でたずねられるようにしておくと安心です。
【小学校受験】募集人員についてのよくある疑問
募集人員が多い学校のほうが、入りやすいのですか?
数字の大きさだけでは判断できません。内部進学のお子さまがふくまれているか、男女や日程でどう分かれているかによって、外から受けるご家庭にとっての枠は大きく変わります。
内部進学のお子さまの人数は、どうすればわかりますか?
公表されていないことが多いです。気になる場合は、説明会などで学校にていねいにたずねてみましょう。答えていただけない場合もありますが、たずねること自体は失礼ではありません。
倍率は、自分で計算したほうがよいですか?
募集人員と合格を出す人数は同じではないことが多いため、ご家庭で計算した倍率には大きなずれが出やすいです。数字よりも、お子さまの準備に目を向けることをおすすめします。
募集人員は、毎年同じですか?
年度によって変わることがあります。日程や併願のルールも同じです。必ず、受験する年度の募集要項でご確認ください。
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※本記事は、カリタス小学校、清泉小学校、筑波大学附属小学校、東京学芸大学附属小金井小学校・大泉小学校・世田谷小学校・竹早小学校の公式サイト(募集要項・入試情報)の2026年10月時点の情報をもとに作成しています。最新の情報は、必ず学校の公式サイトと募集要項でご確認ください。
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