私立小学校に入れば、そのまま系列の中学校に進めると思っていました。
でも「内部進学できないこともある」と聞いて、不安になっています。
【私立小学校の内部進学】しくみは学校ごとに違う
内部進学とは、私立小学校を卒業したあと、同じ学校法人などが設けている系列の中学校へ進むことです。小学校受験を考えるご家庭の中には、「小学校に入れば大学まで安心」と考える方もいらっしゃいますが、実際のしくみは学校ごとに大きく違います。
内部進学のしくみは、大きく分けると次のような形があります。
- 希望をもとに進学先を決める形:系列の中学校が複数あり、児童と保護者の希望で進学先を選ぶ学校があります。
- 校内の基準・推薦・面接がある形:成績や生活態度などの校内基準があり、小学校の推薦や中学校の面接をへて進む学校があります。
- 中学校の入学試験を受ける形:系列の中学校があっても、内部の児童が中学校の入学試験を受ける形もあります(国立の筑波大学附属小学校は、附属中学校の入学試験に合格した人が進学すると説明しています)。
どの形かによって、6年間の過ごし方や、家庭で準備することが変わります。小学校を選ぶ段階で「内部進学はどう決まるのか」を確かめておくことが、あとで慌てないための第一歩です。
【私立小学校の内部進学】公式の案内に見る3校の例
ここでは、学校の公式サイトに内部進学の説明がある3校の例を紹介します。内容は2026年10月に確かめたもので、変わることがあります。最新は各校の説明会や募集要項でご確認ください。
慶應義塾幼稚舎(入学試験Q&Aより)
- 慶應義塾にある3つの中学校(普通部・中等部・湘南藤沢中等部)のうち、どこを進学希望先にするかは児童・保護者が選ぶと説明されています。
- 公表されている2025年度(2026年3月卒業)の進学状況は、男子96名のうち普通部55名・中等部34名・湘南藤沢中等部5名・他校2名、女子48名のうち中等部45名・湘南藤沢中等部3名です。
立教小学校(よくある質問より)
- 中学校への進学は、成績順に立教新座中学校と立教池袋中学校に分けるのではなく、希望校の調査を行い、定員をこえた場合は抽選になると説明されています。
文教大学付属小学校(よくあるご質問・進路指導のページより)
- 成績と態度の校内基準をクリアした児童のうち、約3分の1が付属中学校へ進学していると説明されています。
- 付属中学校への進学では、小学校長の推薦と中学校長の面接が行われます。
- 付属中学校以外の私立中学校を受験する児童も多いため、一人ひとりの希望に合わせて指導していると紹介されています。
同じ「系列の中学校がある私立小学校」でも、進学先の決まり方や、内部進学を選ぶ人の割合はこれだけ違います。文教大学付属小学校の進学については文教大学付属小学校の進学の記事でも紹介しています。
【私立小学校の内部進学】系列中学の数・共学か別学かも確かめたい
内部進学を考えるときは、しくみだけでなく「どんな中学校につながっているか」も大切です。
系列の中学校が複数ある学校:慶應義塾幼稚舎や立教小学校のように、系列の中学校が2つ以上ある学校では、どの中学校に進むかを選ぶ場面があります。希望が集中したときの決め方(抽選など)も確かめておきましょう。
中学校で男子校・女子校になる場合:小学校が共学でも、系列の中学校の一部が男子校や女子校の場合があります。たとえば慶應義塾の一貫教育校の生徒数の公表(2026年5月1日現在)では、普通部の女子の在籍は0人で、幼稚舎の女子の進学先は中等部と湘南藤沢中等部になっています。お子さまの性別によって進める中学校が変わることがあるので、早めに確かめておくと安心です。
系列の中学校がない、または限られる場合:学校によっては、系列の中学校がなかったり、進学のしくみが小学校入学時と変わったりすることがあります。学校の公式サイトの「進路」「卒業生の進学先」のページや、説明会で最新の状況を確かめてください。
学校ごとの進学の様子は、目黒星美学園小学校の進学実績の記事、聖ドミニコ学園小学校の進学の記事、啓明学園初等学校の進学の記事、明星学園小学校の進学の記事、和光鶴川小学校の進学の記事でもまとめています。
【私立小学校の内部進学】説明会や募集要項で確かめたい質問リスト
内部進学のしくみは、パンフレットに書いていないこともあります。説明会や個別の相談会では、次のような点を確かめておくと安心です。
- 系列の中学校へは、希望すれば進めるのか。校内の基準や推薦はあるか
- 基準がある場合、何が見られるのか(成績・生活態度・出席など)。いつごろ決まるのか
- 中学校の面接や試験はあるか。小学校の児童だけの枠か、外部の受験生と同じ試験か
- 系列の中学校が複数ある場合、進学先はどう決まるのか(希望・成績・抽選など)
- 系列の中学校は共学か、男子校・女子校か
- ほかの中学校を受験する場合、内部進学の権利はどうなるのか(併願できるか)
- 中学受験をする児童への学校の対応(補習や進路の相談など)はあるか
- 卒業生のうち、系列の中学校へ進む人はどのくらいか(公表している資料はあるか)
聞きにくい質問もありますが、6年後の進路にかかわる大切なことです。質問の仕方に迷うときは、個別相談で一緒に整理することもできます。
【私立小学校の内部進学】中学受験を選ぶご家庭もある
私立小学校に入っても、6年生で中学受験を選ぶご家庭もあります。学校の案内を見ると、その道を前提にした取り組みをしている学校もあります。
- 文教大学付属小学校では、4〜6年生に週4日(月・火・水・金)の補習を行い、5年生で進路のアンケート、6年生で模擬試験をもとに進路の基本プランを立てると紹介されています。
- 慶應義塾幼稚舎の公表している進学状況にも、少数ですが「他校」へ進んだ卒業生がいます。
中学受験への学校の対応は、学校ごとにさまざまです。「内部進学を考えて入学したけれど、6年生になってほかの中学校を目指したくなった」ということも起こりえます。そのときに学校のしくみがどうなっているかを知っておくと、お子さまにとってよい選択がしやすくなります。
小学校受験の段階で大切なのは、「どの中学校に進むか」を決めてしまうことではなく、「どんな6年間を過ごしてほしいか」をご家族で話し合うことです。その考えは、願書や面接で学校への志望の理由を伝えるときにも役立ちます。
【私立小学校の内部進学】よくある質問
Q. 私立小学校に入れば、系列の中学校には全員進めますか?
A. 学校によります。希望をもとに進学先を決める学校もあれば、校内の基準や推薦、中学校の面接がある学校もあります。説明会や公式サイトで、その学校のしくみを確かめてください。
Q. 内部進学の基準は公表されていますか?
A. 公式サイトのよくある質問などで説明している学校もありますが、基準のくわしい中身までは公表していない学校もあります。分からないときは、説明会などで質問してみましょう。
Q. 系列の中学校が男子校・女子校のこともありますか?
A. あります。慶應義塾の場合、普通部の在籍は男子のみで、幼稚舎の女子は中等部か湘南藤沢中等部へ進んでいます。共学の小学校でも、お子さまの性別によって進める中学校が変わることがあります。
Q. 内部進学をしながら、ほかの中学校を受験できますか?
A. 学校によって扱いが違います。ほかの中学校を受験すると内部進学の権利がどうなるのかは、早めに確かめておきたい点です。
Q. 小学校受験の面接で、内部進学について聞かれることはありますか?
A. 学校によって質問はさまざまです。どの質問にも、ご家庭の教育の考え方と、その学校を選んだ理由を自分の言葉で答えられるようにしておくことが大切です。答えの準備に迷うときは、面接対策もご活用ください。
Q. 内部進学する人の数や割合は公表されていますか?
A. 公表している学校もあります。慶應義塾幼稚舎は入学試験Q&Aで過去3年分の進学状況を、文教大学付属小学校はよくあるご質問で「校内基準をクリアした児童のうち約3分の1」という説明をのせています。公表していない学校もあるので、気になるときは説明会で聞いてみましょう。
Q. 内部進学の基準がある学校では、小学校の間に何を大切にすればよいですか?
A. 基準の中身は学校ごとに違いますが、文教大学付属小学校のように成績と態度を見る学校もあります。毎日の学習の習慣と、学校生活をていねいに送ることが土台になります。低学年のうちから、家庭で学ぶ時間のリズムをつくっておくと安心です。
Q. 系列の中学校から先、高校・大学にも進めますか?
A. 中学校から高校、高校から大学へのしくみは、小学校から中学校へのしくみとは別に決められていることがあります。小学校の説明会だけでなく、系列の中学校・高校の案内もあわせて確かめておくと、長い目で進路を考えやすくなります。
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