年中の秋になり、そろそろ小学校受験の家庭学習を始めたいと思っています。
ペーパーや行動観察、絵画、運動、面接など分野が多くて、何から手をつければよいのか迷っています。
【小学校受験】年中の秋〜冬は「土台づくり」の時期
年中の秋から冬にかけては、小学校受験の準備を始めるご家庭が増える時期です。とはいえ、この時期にいきなり問題集を何冊も解かせると、お子さまが「お勉強はいやなもの」と感じてしまうことがあります。
筆者がご家庭にお伝えしているのは、「年中のうちは、分野を広く、量は少なく」という考え方です。ペーパー、行動観察、絵画・制作、運動、面接・生活習慣のどれかひとつに偏らず、毎日の中で少しずつふれることで、年長になってからの伸び方が大きく変わります。
準備をいつから始めるかで迷っている方は、小学校受験の準備はいつから始めるかもあわせてご覧ください。ここからは、分野ごとの「最初の一歩」をご紹介します。
【小学校受験】ペーパーの始め方(数量・図形・言語・記憶・常識・推理)
ペーパーは、紙の上で考える前に、実際の物を使って考える経験を積むことが近道です。年中のうちは1日2〜3枚、10〜15分ほどを目安にして、残りは具体物や会話で補いましょう。
| 分野 | 最初の一歩 | 家庭でできること |
|---|---|---|
| 数量 | 10までの物を正しく数える | おやつを分ける、階段を数えながら上る |
| 図形 | 形の違いに気づく、形を組み合わせる | 積み木、パズル、折り紙を半分に折る |
| 言語 | 言葉の音を意識する | しりとり、同じ音で始まる言葉集め |
| 記憶 | お話を聞いて内容を答える | 読み聞かせのあとに「だれが出てきた?」と聞く |
| 常識 | 季節・行事・生き物・道具を知る | 季節の食べ物を一緒に買う、図鑑を見る |
| 推理 | 決まりを見つける | 色や形が順番に並ぶ「並べっこ遊び」 |
ペーパーを始めるときの順番
まずは、具体物で遊ぶ → 同じ内容を口で答える → ペーパーで解く、の順で進めると、お子さまがつまずきにくくなります。たとえば数量なら、おはじきを数えて分ける遊びをしてから、同じ内容のペーパーに取り組みます。ペーパーでまちがえたときも、具体物に戻って確かめれば、お子さまは自分で答えに気づけます。
どの問題から始めればよいか迷うときは、無料で使える問題でお子さまの得意・苦手を見てみるのもひとつの方法です。小学校受験の無料問題の使い方も参考にしてください。
【小学校受験】行動観察・絵画制作・運動の始め方
ペーパー以外の分野は、特別な教材がなくても家庭で十分に練習できます。大切なのは、「できた・できない」よりも、取り組むときの姿勢を育てることです。
行動観察:家族の遊びでルールと順番を学ぶ
行動観察では、お友だちと協力する、順番を守る、話を聞いて動くといった姿が見られます。最初の一歩としては、家族でのカードゲームやすごろくがおすすめです。ルールを最後まで聞く、負けたときに気持ちを切りかえる、「どうぞ」「ありがとう」を言う、という3つを意識しましょう。公園でほかのお子さまと遊ぶ機会も、大切な練習の場になります。
絵画・制作:道具の使い方と片づけから
年中のうちは、上手に描くことよりも、はさみで線の上を切る、のりを薄くのばす、クレヨンで最後まで塗るといった基本の動作を身につけることを大切にしてください。制作が終わったら、道具を自分で箱に戻すところまでを1回の練習にします。描いた絵について「これは何をしているところ?」と聞き、お子さまの言葉で説明してもらうと、お話する力も一緒に育ちます。
運動:遊びの中で体の使い方を覚える
ケンケン、スキップ、ボールを投げる・受ける、なわとびなどは、公園での遊びの中で少しずつ練習できます。年中のうちは回数を競うより、「先生の言うとおりに動く」練習として、「3回ジャンプしたら止まってね」のような指示遊びを取り入れると、運動と指示を聞く力の両方が身につきます。
【小学校受験】面接・生活習慣の始め方
面接や生活習慣は、短期間で身につけるのが難しい分野です。だからこそ、年中のうちから毎日の会話や身の回りのことを通して、少しずつ積み重ねていくことが大切です。
面接:毎日の会話を「文で答える」練習に
面接の練習といっても、年中のうちは質問と答えを覚える必要はありません。夕食のときに「今日は園で何をしたの?」「だれと遊んだの?」と聞き、「〇〇をしました」と文で答えられたらしっかりほめてあげましょう。お名前・年齢・園の名前を、相手の目を見てはっきり言えるようにすることも、最初の一歩になります。
生活習慣:自分のことを自分でする
服をたたむ、靴をそろえる、ボタンをとめる、お箸を正しく持つ、ハンカチで手をふくといった動作は、試験の場面でも見られることがあります。朝の身支度や夕食の準備の中で、お子さまが自分でできることをひとつずつ増やしていきましょう。決まったお手伝いをひとつ任せると、責任をもって取り組む気持ちも育ちます。
【小学校受験】年中のうちにしておくことと年長前の点検表
年中のうちにしておきたいのは、「毎日の家庭学習の流れ」をつくることです。何時ごろに何をするかが決まると、年長になって量が増えても、お子さまが無理なくついてこられます。1日の流れの組み方は、家庭学習の1日の流れで時間割の例とあわせて紹介しています。
また、志望校の説明会や行事の時期を早めに知っておくと、年長の1年を落ち着いて迎えられます。年間の動きは小学校受験の年間スケジュールにまとめています。
年長になる前の点検表
年中の冬の終わりに、次の表でお子さまの様子を確かめてみてください。すべてできている必要はありません。「まだ」の項目を、年長の春からの課題にすればよいのです。
| 分野 | 確かめたいこと | できた・まだ |
|---|---|---|
| 数量 | 10までの物を正しく数え、多い・少ないがわかる | □ |
| 図形 | 簡単なパズルや積み木の形を見て組み立てられる | □ |
| 言語 | しりとりが続けられる | □ |
| 記憶 | 短いお話を聞いて、出てきた人や物を答えられる | □ |
| 常識 | 春夏秋冬の行事や食べ物をいくつか言える | □ |
| 行動観察 | ゲームで順番を守り、負けても気持ちを切りかえられる | □ |
| 絵画・制作 | はさみで線の上を切り、道具を自分で片づけられる | □ |
| 運動 | ケンケンやスキップができ、指示どおりに止まれる | □ |
| 面接 | 名前・年齢を相手の目を見て言える | □ |
| 生活習慣 | 服をたたむ、靴をそろえるなど自分でできる | □ |
点検の結果、何を優先すればよいか迷うときは、新年長になる前にやることもあわせてご覧ください。お子さまの様子に合わせて分野ごとの計画を一緒に考える家庭学習サポートも、必要に応じてご活用いただけます。
【小学校受験】年中の家庭学習でよくある質問
Q. 年中から問題集を買ったほうがよいですか?
最初から何冊もそろえる必要はありません。まずは1冊、または無料の問題でお子さまの様子を見て、得意な分野と苦手な分野がわかってから買い足すほうが、むだがありません。
Q. 苦手な分野ばかり練習させたほうがよいですか?
苦手な分野だけが続くと、お子さまの自信がなくなってしまいます。得意な分野で気持ちよく始め、苦手な分野は1日1枚、具体物で確かめながら少しずつ取り組むのがおすすめです。
Q. 絵を描くのを嫌がります。
最初は、好きな物や出かけた場所など、お子さまが話したくなる題材から始めてみてください。描き終えた絵の上手・下手には触れず、「これは何?」と話を聞くだけでも、描くことへの気持ちが変わっていきます。
Q. 共働きで、平日に見てあげる時間がありません。
平日は読み聞かせとお手伝いだけにして、ペーパーは休日にまとめて見る形でも構いません。大切なのは、短くても毎日何かにふれることです。進め方の全体像は小学校受験の家庭学習の進め方でも解説しています。
Q. 1日にいくつの分野に取り組めばよいですか?
年中のうちは、ペーパーで1〜2分野、それ以外の分野で1つ、という組み合わせで十分です。たとえば「数量のペーパー1枚と、夕食前のお手伝い」「記憶の読み聞かせと、公園でのケンケン」のように、日ごとに組み合わせを変えると、1週間で全体にふれられます。
Q. 年中のうちに、志望校は決めておくべきですか?
年中のうちは、まだしぼりこまなくても大丈夫です。気になる学校の説明会や公開行事に足を運び、ご家庭の考えに合う学校かどうかを、お父様・お母様で話し合う時間にしてください。
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