夫の仕事に転勤があり、数年のうちに引っ越すかもしれません。
転勤の可能性があっても小学校受験をしてよいのか、面接で転勤のことを話すと不利になるのか、迷っています。
【小学校受験】転勤の決まり具合で考える3つのパターン
「転勤族だから受験は無理かもしれない」と感じているご家庭は少なくありません。まずは、転勤の決まり具合によって、3つのパターンに分けて考えてみましょう。
| パターン | 状況 | 考え方 |
|---|---|---|
| 1 | 入学までに転勤がほぼ決まっている | 転勤先の地域で受験する学校を考える |
| 2 | 数年のうちに可能性はあるが、時期も場所もわからない | 受験する前提で準備し、転勤になったときの方針も先に決める |
| 3 | 制度はあるが、当面はほぼないと見こめる | ふつうに受験の準備を進める |
パターン1:転勤がほぼ決まっている
この場合は、転勤先の地域で受験する学校を考えます。地域によって、受験の時期や学校の数は大きくちがいます。転勤先にどんな学校があり、いつ出願・考査があるのかを、早めに各校の公式サイトで調べておきましょう。
パターン2:可能性はあるが、時期も場所もわからない
いちばん迷われるのが、このパターンです。筆者がいつもお伝えしているのは、「決まっていないことで、決めないでください」ということです。
可能性だけであきらめてしまうと、転勤がなかったときに「受けておけばよかった」という気持ちが残ります。逆に、入学後に転勤になっても、あとでお話しする「編入」という道もあります。
受験する前提で準備を進めながら、同時に「転勤になったらどうするか」をご夫婦で先に決めておきましょう。家族で移る、お父様が単身で行く、転勤先の学校に編入するなど、方針を話し合っておくと、面接で聞かれたときも落ち着いて答えられます。
パターン3:当面はほぼないと見こめる
この場合は、ふつうに受験の準備を進めて大丈夫です。ただ、面接などで聞かれたときに「可能性はゼロです」と言い切る必要はありません。いまの見こみを、正直にお伝えすれば十分です。
【小学校受験】願書と面接での転勤の伝え方
多くのご家庭が悩まれるのが、「転勤の可能性を、自分から伝えるべきか」という点です。
筆者の考えでは、願書に、聞かれていないことをわざわざ書く必要はありません。ただし、面接で聞かれたら正直に答えます。お父様のお仕事についての質問の流れで、転勤の有無をたずねられることがあります。そのときに隠してしまうと、あとで話がつながらなくなります。
たとえば、次のような答え方が考えられます。
- 「転勤の可能性はございます。ただ、時期は決まっておりません」
- 「もし転勤となった場合も、本人の学校生活を第一に考え、家族で相談して決めるつもりでおります」
- 「御校で学ばせていただきたいという気持ちは、その前提で変わりません」
ポイントは、事実を正直に伝えること、お子さまの学校生活を第一に考えていることを伝えること、それでもこの学校で学ばせたいという気持ちを添えること、の3つです。
転勤の可能性が受験で不利になるかどうかは、学校から公表されていないため、言い切ることはできません。ただ、筆者の経験では、隠していたことがあとからわかるほうが、ご家庭にとって苦しくなると感じています。
【小学校受験】国立小学校は「通学区域」の条件に注意
国立小学校を考えているご家庭は、もうひとつ注意が必要です。多くの国立小学校では、決められた地域に住んでいることが出願の条件になっていて、入学後も住み続けることが求められる学校があります。公式の募集要項で確認できた例をご紹介します。
- 筑波大学附属小学校(令和9年度入学児童募集):出願日(令和8年10月13日)現在、東京都23区・西東京市・埼玉県和光市のいずれかに保護者と同居し、「本校入学後もこの地域内に生活の本拠をもち、家族と共に生活できる者に限ります」「受験のための一時的な住所の変更(寄留)は一切認めません」
- お茶の水女子大学附属小学校(2026年度入学児童の学校説明会Q&A):「『23区内に居住していること』は出願時から入学、在学まで必須の条件です」
- 東京学芸大学附属竹早小学校(2027年4月入学):「東京都23区内に保護者とともに居住し、本校入学から卒業までこの地域内に保護者とともに居住する者」
つまり、国立小学校では、入学後に転勤で区域の外へ引っ越すと、通い続けられない場合があります。転勤の可能性があるご家庭は、とくにこの条件をよく読んでおきましょう。条件は年度によって変わることがありますので、必ず受験する年度の募集要項でご確認ください。
【小学校受験】入学後に転勤が決まったときの「編入」という選択肢
入学したあとに転勤が決まったご家庭のために知っておいていただきたいのが、途中の学年からその学校に入る「編入」です。私立・国立ともに、編入の試験を行う学校があります。
ただし、編入の仕組みは学校によってまったくちがいます。ちがうところは、主に次の4つです。
- 時期:決まった時期に毎年行う学校もあれば、欠員が出たときだけの学校もある
- 学年:低学年だけの学校もあれば、高学年まで受け入れる学校もある
- 対象:どなたでも受けられる学校もあれば、海外から帰国したお子さまなどに限る学校もある
- 内容:その学年までの学習内容を見る学校が多い
志望校と、転勤先の候補になりそうな地域の学校の公式サイトに、「編入」のページがあるかを見ておきましょう。
編入は「欠員があれば」という前提の学校も多く、確実な道ではありません。「もしものときの選択肢のひとつ」と考えておくのがよいでしょう。それでも、「転勤になったらすべてが終わる」わけではないと知っているだけで、気持ちはずいぶん楽になります。
【小学校受験】引っ越しのあるご家庭が暮らしの中でできること
新しい園に入る、新しいお友だちをつくる、知らない町で暮らし始める。引っ越しは大変なことですが、お子さまにとっては、環境が変わっても自分で動ける力を育てる経験でもあります。
筆者の経験では、その経験をご両親が言葉にしてあげているご家庭のお子さまは、はじめての場所や人にも落ち着いて向き合いやすいと感じます。たとえば、こんな声かけがあります。
- 「新しい幼稚園で、最初にお友だちになったのは誰だったっけ」
- 「引っ越したとき、何がいちばんどきどきした?」
- 「新しいお家で、自分でできるようになったことはある?」
親子で言葉にしておくと、面接で「がんばったこと」を聞かれたときの材料にもなります。
もうひとつ大切なのは、生活のリズムです。引っ越しの前後は、生活のリズムがくずれやすくなります。起きる時間、食事、寝る時間だけは、できるだけ変えないようにしてください。場所が変わってもリズムが変わらないことが、お子さまの安心の土台になります。
【小学校受験】転勤・引っ越しについてのよくある疑問
転勤の可能性は、願書に書いたほうがよいですか?
聞かれていないことを、自分から書く必要はないと筆者は考えています。ただし、面接で聞かれたときは、正直に、前向きにお答えしましょう。
国立小学校に入学後、区域の外へ引っ越したらどうなりますか?
学校によっては、入学後もその地域に住むことが条件になっています。その場合、通い続けられないことがあります。扱いは学校や年度によってちがうため、募集要項や説明会で必ず確かめてください。
編入試験は、どの学校でも受けられますか?
行っていない学校や、欠員があるときだけ行う学校もあります。時期・学年・対象も学校ごとにちがうため、各校の公式サイトで確かめましょう。
単身赴任を選ぶと、面接で何か聞かれますか?
家族の過ごし方や、お子さまとの関わり方をたずねられることは考えられます。離れていても、どのように関わっていくつもりかを、ご夫婦で話し合っておくと安心です。
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※本記事は、筑波大学附属小学校、お茶の水女子大学附属小学校、東京学芸大学附属竹早小学校の公式サイト(募集要項・学校説明会Q&A)の2026年10月時点の情報をもとに作成しています。最新の情報は、必ず学校の公式サイトと募集要項でご確認ください。
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