慶應義塾幼稚舎と慶應義塾横浜初等部の両方を考えています。
同じ慶應なら、願書も家庭での準備も同じでよいのでしょうか?
同じ慶應義塾の小学校でも、入試の形と、中学校への進み方、毎日の学びを支えるしくみには違いがあります。どちらにも保護者の面接はありませんが、それぞれの教育に合わせて願書の中身を考えることが大切です。
大切なのは、以下の3点です。
・試験の日数や出願の方法など、入試のしくみの違いを公式の案内で知ること
・6年後の進路が「選ぶ」形か「推薦で進む」形かを、ご家庭で話し合うこと
・それぞれの教育のどこにひかれたのかを、ご家庭の経験とつなげて言葉にすること
慶應義塾幼稚舎・慶應義塾横浜初等部の個別相談、家庭学習サポート、願書作成、面接対策を行う筆者が詳しく解説していきます。
慶應義塾幼稚舎・慶應義塾横浜初等部を受験される方は、ぜひ参考にしてくださいね!
【慶應義塾幼稚舎と慶應義塾横浜初等部】2校の基本の違い
慶應義塾には、幼稚舎と横浜初等部の2つの小学校があります。幼稚舎は1874年に、福澤諭吉の信頼を受けた和田義郎が始めた学校です。横浜初等部は、横浜市青葉区にある小学校です。公式サイトで確認できる違いを表にまとめます。
| 項目 | 慶應義塾幼稚舎 | 慶應義塾横浜初等部 |
|---|---|---|
| 学級 | 1クラス36名(男子24名・女子12名) | 1学級36名(男子22名・女子14名)の3学級 |
| 教育の特色 | 6年間担任持ち上がり制と、1年生からの専科制 | 「律儀正直親切」と、体験教育・自己挑戦教育・言葉の力の教育の3つの柱 |
| 試験の形 | 期間中の指定された1日のみ | 一次試験の合格者が二次試験へ進む |
| 保護者の面接 | なし | なし |
| 中学校への進み方 | 慶應義塾の3つの中学校から、児童・保護者が進学希望先を選ぶ | 横浜初等部長の推薦により、慶應義塾湘南藤沢中等部へ進学 |
この記事でお伝えする「向いている家庭像」は、学校が公表している合格の条件ではありません。両校の教育方針をもとに、筆者が相性を考えるための視点として整理したものです。
【慶應義塾幼稚舎と慶應義塾横浜初等部】入試のしくみ(2027年度)
公式サイトに掲載されている、2027年度入学の入試の内容をまとめます。
| 項目 | 慶應義塾幼稚舎 | 慶應義塾横浜初等部 |
|---|---|---|
| 募集人数 | 男子96名・女子48名、計144名 | 男子66名・女子42名、計108名 |
| 募集要項 | 2026年9月1日〜30日に販売(1部1,000円) | 2026年8月26日〜9月25日に販売(1部1,000円) |
| 出願 | 2026年10月1日・2日に郵便局から郵送 | Web出願 8月26日〜9月25日、書類の郵送は9月24日・25日の消印のみ |
| 試験 | 2026年11月1日〜10日のうち1日のみ | 一次:11月11日、二次:11月21日〜24日のうち1日のみ |
| 合格発表 | 募集要項で案内 | 一次:11月16日、二次:11月28日 |
両校とも、試験の内容は販売される募集要項で案内する形です。横浜初等部は、書類の郵送期間がわずか2日間で、期間外の消印は受け付けないと明記されています。日程や内容は年度によって変わることがあります。受験する年の募集要項で、必ず最新の情報をご確認ください。
【慶應義塾幼稚舎と慶應義塾横浜初等部】幼稚舎の教育と、向いている家庭の考え方
幼稚舎の教育は、一人の担任が長い目で見守る「担任持ち上がり制」と、さまざまな角度から複数の先生が見る「専科制」に支えられています。ここから考えられるご家庭の姿を4つ紹介します。
1. 受験用の姿ではなく、日常の習慣を大切にしている
幼稚舎のQ&Aには、「特別な準備は必要ありません。志願者のありのままの様子を知りたい」とあります。これは、何もしなくてよいという意味ではありません。使った道具を片づける、うまくいかないときに気持ちを立て直す。こうした習慣を、直前に教えこむのではなく、毎日の生活で自然に育てていくことが大切です。
2. 同じ仲間や先生との長い関係を、丁寧に育てられる
6年間クラス替えがなく、基本的に担任も代わりません。気持ちがすれ違うこともあるでしょう。そんなときは、まずお子さまの話を十分に聞き、「あなたはどうしたかったの?」「お友だちには、どう伝えたらよかったかな?」と一緒に考えてみてください。
3. 遊びと直接の体験を大切にしている
1年生から、音楽・絵画・造形・体育・英語・情報・総合を専門の先生が教えています。虫をさがす、工作をする、外で体を動かす。工作がうまく立たないときも、大人がすぐに直さず、「どうしたら立つかな?」とお子さまが試す時間をつくってみましょう。
4. お子さまの成長に合わせて、進路を考え続けられる
幼稚舎の卒業生は、慶應義塾にある3つの中学校のうち、どこを進学希望先にするかを児童・保護者が選びます。入学前に決めておくのではなく、6年間の成長を見ながら、お子さまと一緒に考えていく姿勢が大切です。
【慶應義塾幼稚舎と慶應義塾横浜初等部】横浜初等部の教育と、向いている家庭の考え方
横浜初等部は、入学して間もない時期に「律儀正直親切」な性質を養うことに力を注ぐとしています。そのうえで、体験教育・自己挑戦教育・言葉の力の教育を3つの柱にしています。
1. 「律儀正直親切」を、家庭の習慣として育てている
学校は「律儀」を、自分のなすべきことを考え、それを行うことだと説明しています。食事の前にお箸を並べる、間違えたときは正直に話す、困っている人に親切にする。お父様やお母様も、約束を守り、間違えたら謝り、助けてもらったらお礼を伝える。お子さまは、大人のふるまいからも学んでいます。
2. 二段階の選考でも、いつもの生活を保てる
一次試験から二次試験までは日にちがあきます。その間に大人が緊張すると、お子さまにも伝わります。生活のリズムを変えない、できなかった課題を何度も確認しない。ご夫婦の不安は、お子さまの前ではなく、ご夫婦の時間に話すようにしましょう。
3. 苦手なことにも、少しずつ向き合っている
自己挑戦教育では、得意なことで高い目標を定めることと、苦手なことに積極的に取り組むことの両方が挙げられています。お子さまが「できない」と言ったら、「今日はどこまでできた?」と聞き、昨日より少し進んだところを一緒に見つけてください。
4. 親子の対話を、丁寧に重ねている
言葉の力の教育では、読む力・書く力・聞く力・話す力を養うとされています。絵本を読んだあとに「どこが面白かった?」と聞き、お子さまが話し終えるまで待つ。お父様やお母様も「私はここが好きだったよ」と伝えながら、会話を楽しんでください。
【慶應義塾幼稚舎と慶應義塾横浜初等部】願書を書くときに気をつけたいこと
両校とも保護者の面接はありません。ご家庭の考えを面接で補う機会がないため、願書の内容とお子さまの姿が自然につながっていることが大切です。
- まず、ご家庭で大切にしてきたことと、それが伝わるお子さまのエピソードを書き出す
- 次に、その学校のどの教育にひかれたのかを、エピソードとつなげる
- 両校に出願する場合も、同じ文章を使い回さず、学校ごとに理由を分けて考える
たとえば幼稚舎なら、長い人間関係や遊びの中での経験。横浜初等部なら、約束を守る習慣や、苦手なことに取り組んだ経験。同じお子さまでも、どの経験を選ぶかで伝わり方が変わります。
【慶應義塾幼稚舎と慶應義塾横浜初等部】よくある疑問
2校を併願することはできますか?
両校のQ&Aで、併願できると案内されています。幼稚舎のQ&Aには、入学検定料はそれぞれ必要と書かれています。
本当に保護者の面接はないのですか?
幼稚舎のQ&Aには「面接はありません」、横浜初等部のQ&Aには、保護者の面接は「ありません」と書かれています。横浜初等部の試験の内容は、募集要項で確認してください。
通学できる範囲に決まりはありますか?
幼稚舎は国内外のどこに住んでいても受験できるとし、横浜初等部は通学区域・時間に「制限はありません」としています。ただ、毎日の通学の負担は別の話です。朝の時間帯に通学経路をたどってみましょう。
早生まれは不利になりますか?
両校とも、試験は生年月日順にグループに分けて行い、生まれ月による有利不利はないと説明しています。
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※本記事は、慶應義塾幼稚舎の公式サイト(入学試験Q&A・入学試験概要・教育方針・幼稚舎の歴史)と慶應義塾横浜初等部の公式サイト(募集概要・Q&A・横浜初等部が目指すもの・学校概要・小中一貫教育)の2026年10月時点の情報をもとに作成しています。最新の情報は、必ず学校の公式サイトと募集要項でご確認ください。
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