東京学芸大学附属大泉小学校の過去問って、やっぱり難しいの?
特別な才能がないと合格できないのかな…
東京学芸大学附属大泉小学校は、日本国内でも数少ない国際バカロレア(IB)の初等教育プログラム(PYP)導入校として、探究的な学びを重視する国立小学校です。
そのため「入試問題も非常に難解なのでは」と思われがちですが、実際の入試問題を紐解いていくと、奇抜な難問が出題されるわけではありません。
むしろ幼児期に身につけておくべき「標準的な力」をベースにしつつ、別の角度からお子さまの資質を見極めようとしていることが分かります。
大切なのは、以下の3点です。
・過去問は本当に難しいのか
・入試の基本情報
・過去問の出題例と対策のポイント
東京学芸大学附属大泉小学校の個別相談、家庭学習サポート、願書作成、面接対策を行う筆者が詳しく解説していきます。
東京学芸大学附属大泉小学校を受験される方は、ぜひ参考にしてくださいね!
この学校が求めているのは、ペーパーテストで満点を取るだけの「知識詰め込み型」のお子様ではありません。
自ら考え、判断し、それを他者に伝える力を持ったお子様です。
入試倍率は例年10倍〜20倍近くと非常に高倍率で推移しており、運と実力の双方が求められる厳しい世界ですが、正しい理解と対策を行えば、ご家庭の力で十分に合格の可能性を高めることができます。
本記事では、東京学芸大学附属大泉小学校の入試の核心に迫り、合格への道筋を明らかにしていきます。
【東京学芸大学附属大泉小学校】過去問は難しい?
「東京学芸大学附属大泉小学校の過去問は難しいですか?」という質問をよくいただきますが、「ペーパー問題の難易度は標準的ですが、合格するための難易度は非常に高い」というのが真実です。
具体的に申し上げますと、東京学芸大学附属大泉小学校のペーパーテストは、都内の他の国立小学校や難関私立小学校と比較しても、決して解けないような難問は出題されません。
お話の記憶や数、図形といった基本的な単元が中心であり、幼児教室に通っているお子様であれば「簡単だった」と感じることも多いでしょう。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
問題が標準的であるということは、受験者全体の平均点が非常に高くなることを意味します。
つまり、ケアレスミスや聞き逃しが命取りとなり、わずかな失点が合否を分けるシビアな戦いになるのです。
さらに、東京学芸大学附属大泉小学校の入試で最も重要視されているのは、ペーパーの点数だけではなく、面接(口頭試問)や行動観察で見られる「対話力」と「思考力」です。
特に口頭試問の難易度は高く、単に名前や年齢を答えるだけのものではありません。
友達と意見が食い違った場面をあげて、そのときどうするかを答えさせ、さらに、そう考えた理由まで重ねてたずねていく形が中心です。あらかじめ用意した答えでは対応できず、正解のない問いに対して、自分の言葉で筋道を立てて説明する力が求められます。
これは、入学後の探究学習において、自ら問いを立てて解決していく姿勢が求められるためです。
したがって、東京学芸大学附属大泉小学校の入試は、ペーパーができるだけでは突破できません。
日頃から、理由をたずねる問いかけや、自分ならどうするかを考えさせる問いかけを積み重ねてきたご家庭でなければ対応できない、人間としての総合力が問われる試験だと言えるでしょう。
【東京学芸大学附属大泉小学校】入試の基本情報
東京学芸大学附属大泉小学校を目指す上で、まず押さえておきたいのが入試の仕組みとスケジュールの全体像です。
国立小学校特有の「抽選」制度がありますが、近年このプロセスには受験生にとって有利な変化が見られます。
以前は試験通過後に「第3次選考(最終抽選)」があり、合格しても最後のくじ引きで涙を飲むケースがありましたが、コロナ禍以降、この第3次選考は廃止されており、試験での実力がそのまま合格に直結するようになりました。
これにより、東京学芸大学附属大泉小学校は「実力で合格を勝ち取れる学校」へとシフトしています。
2027年度入試(2026年秋実施)のスケジュールについては、例年通りであれば9月上旬に学校説明会の動画配信や募集要項の配布が始まり、10月10日に第1次選考(抽選)が行われます。
この抽選の通過率は、男女ともに約70%〜80%程度で推移しており、他の国立小学校に比べると試験に進めるチャンスは比較的高いと言えます。
その後、11月下旬(例年11月26日・27日頃)に2日間にわたる第2次選考(総合調査)が実施され、ここでペーパーや運動、行動観察、面接などが行われます。
また、通学区域に関しても重要な変更がありました。
2025年度入試より通学区域が大幅に拡大され、練馬区や西東京市などの近隣だけでなく、豊島区、板橋区、文京区、新宿区、中野区、杉並区、北区、さらには埼玉県の一部の市(和光市、新座市、所沢市など)まで広範囲が指定されています。
さらに、現在は区域外に住んでいても、合格後に指定区域内に転居することを確約できれば受験が可能となっており、より多くのご家庭に門戸が開かれています。倍率は例年15倍〜20倍近くと非常に高倍率ですが、入念な準備をしたご家庭が報われる入試形式となっています。
【東京学芸大学附属大泉小学校】過去問の出題例
東京学芸大学附属大泉小学校の入試では、子どもの「知・徳・体」を総合的に見るために、多岐にわたる課題が出題されます。
まずペーパーテストでは、「お話の記憶」が頻出です。
校内放送で流れる物語を聞き、登場人物の心情や状況を問う問題が出されますが、動物が出てくる親しみやすい内容が多いのが特徴です。
たずねられるのは、だれが出てきたかを順番に答えること、その人が何をしたか・何を持っていたかを答えること、そしてその場面でどんな気持ちだったかを答えることです。絵を選んで答える形が中心で、聞き逃すとそのまま失点につながります。
数や図形の問題も出ています。数では、絵のものを見くらべて多いほうを答えたり、同じ数ずつ分けたときにいくつになるかを答えたりする形、図形では、形を重ねたり回したりしたときの見え方を答える形といった、標準的な内容が中心です。
また、「生活常識・道徳」の問題も特徴的です。バスや電車の中の様子を描いた絵から、よくないふるまいをしている人を選ぶ問題や、よその家に招かれて苦手な食べ物が出た場面をあげて、そのときどうするかを答える問題が見られます。暮らしの一場面をとりあげ、社会性と道徳的な判断を見る分野です。
これは机上の学習だけでなく、ご家庭での躾がそのまま得点力に直結する分野です。
運動テストにおいて最も有名なのが「模倣ダンス」です。その年に子どもたちのあいだで流行した曲に合わせて、先生のお手本通りに楽しく踊る課題です。
ここではダンスの技術よりも、恥ずかしがらずに元気に参加できるか、先生の動きをよく見て真似できるかという「ノリの良さ」と「集中力」が見られています。
また、行動観察ではグループでのゲーム(ボール運びや新聞紙を使った課題など)を通じて協調性が評価され、試験の待ち時間に上級生が行うレクリエーションへの参加態度もチェックされることがあります。
ボール運びは数人で一組になって運ぶ形、新聞紙の課題は限られた紙をどう使うかをその場で相談しながら進める形です。うまくできたかどうかよりも、相談のしかたや、譲り合いながら進められるかが見られています。
受験されたご家庭の話からは、ほかにも次のような課題が伝えられています。ペーパーでは、折った紙を開いたときにどんな折り線がつくかを選ぶ展開図形の問題、野菜や果物を点線のところで切ったときの断面がどう見えるかを選ぶ理科常識の問題が出ています。常識の分野では、季節の行事、植物、よく知られた昔話、外国から来たお友だちとのやりとりなどが題材になり、近年はご家庭での日常の様子や保護者の教育方針がにじみ出るような問いが増えています。
行動観察では、10人ずつ白と茶色の2チームに分かれ、協力して紙皿を自分のチームの色に変えていく課題、走らずに歩いて行う鬼ごっこ、音楽に合わせてお手本どおりに踊る課題、先生のあとに出す後出しじゃんけんなどが行われています。どれもルールを守りながら仲間と関われるかを見るもので、勝ち負けそのものは評価の中心ではありません。
そして、合否の鍵を握るのが「口頭試問」と「巧緻性」です。
口頭試問では、友達との間で困ったことが起きた場面での対応をたずねるものや、いま取り組んでいること、練習の途中にあることをたずねるものなど、自分自身で考えて答えを導き出す形の問いが投げかけられます。いずれも、その場で考えたことを自分の言葉にできるかどうかを見る問いです。
答えたあとに、どうしてそう考えたのかを重ねてたずねられるのが、この学校の口頭試問の特徴です。友達と意見が分かれた場面をあげて、そのときどうするかを答える問題も出ており、あらかじめ用意した答えでは続きの問いに対応できません。
口頭試問は3名ほどのグループで受ける形で、伝えられている話題は、今朝(またはお昼や前の晩に)何を食べたか、お父様・お母様に褒められるのはどんなときか、お母様と読む本で好きなもの、お休みの日に家族で何をしているか、といった暮らしに根ざしたものと、お友だちとの場面を想定したものの2つに分かれます。場面を想定した問いでは、じょうろの水をお友だちの足にかけてしまったらどうするかに続けて、謝っても泣き続けていたらどうするかと重ねて尋ねられたり、2人で遊んでいるところへ別のお友だちが誘いに来たのに今の相手は2人で遊びたがっているという状況でどうするか、遊びたいものがお友だちと違うときどうするか、といった形で、答えの正しさよりも、相手の気持ちを考えて自分の言葉で筋道を話せるかが見られています。
巧緻性では、折り紙や豆運びといった作業に加え、「こぼれたケチャップをティッシュで拭き取る」といった生活密着型の課題が出たこともあります。
折り紙は見本と同じものを折る課題、豆運びは箸で決められた入れ物へ移す課題です。
単に作業ができるだけでなく、汚れたティッシュを内側に丸めて捨てるなどの「後始末の美しさ」や気配りまでが見られており、まさに「生活力」そのものが問われる試験内容となっています。
【東京学芸大学附属大泉小学校】年度別に見る出題の変化(2022〜2026年度)
ここからは、2022年度から2026年度までの5年分の出題を年度ごとに並べ、どこが変わり、どこが変わっていないのかを整理します。上でご紹介した出題例と重なる部分は省き、年度の並びから見えてくることに絞ってお伝えします。
考査の骨格は5年間ずっと同じ
二次選考は2日間で、どの年度も1日目がペーパーと集団の行動観察、2日目が個別(口頭試問と意思表現、年度によって塗り絵や自由画)という組み立てです。所要時間は両日とも1時間前後で、一人ずつの机が縦に並んだ教室で先生が前に立ち、教室前方のモニターを使って進められます。
なお、上で運動テストとして触れた模倣ダンスは、2022〜2026年度の記録では独立した運動の区分として置かれておらず、1日目の行動観察のなかで机の横に立って曲に合わせて踊る課題として行われています。運動だけを別に測る時間はないと考えておいてよいでしょう。
ペーパーの出し方も年度で少し違います。2022・2023年度は一部が録音音声で、2024年度は全体が音声による出題でした。2025・2026年度にはそうした注記がなく、先生の読み上げが中心とみられます。どちらでも対応できるよう、録音した声で問題を聞く練習も入れておくと安心です。
ペーパー:5年間の頻出分野と、年度ごとの入れ替わり
5年分を見渡すと、毎年必ず入っているのがお話の記憶です。動物が主人公の短い話で、題材は年度ごとに、落ち葉の片づけ(2026年度)、山へのハイキング(2025年度)、誕生日のお祝い(2024年度)、料理づくり(2023年度)、芋掘り(2022年度)と変わっています。設問は、その日の天気、最初に会った相手、並んだ順番や出来事の順番、そしてなぜそうしたのかの理由を絵から選ぶ形が中心で、2026年度には、お話の登場人物の立場で自分ならどうするかを選ぶ問いまで含まれました。
図形は、折った紙を開いたときの線を選ぶ形が5年のうち4年(2022・2024・2025・2026年度)で出ており、この学校の看板といってよい分野です。鏡に映った姿を選ぶ問題も2023〜2025年度と3年続いています。2024年度は線対称・回転図形・積み木の見え方まで図形の比重が高く、2025年度は2つ折りにして切った紙を開いた形、2026年度は輪になった飾りを切って伸ばした並びを選ぶ形へと、少しずつ角度を変えています。
数量は、同じ数のものがそろっている部屋を探す同数発見(2022・2025年度)、人数に対していくつ必要かを考える倍数(2026年度)、3人に同じ数ずつ配った残りを答えるあまり(2023年度)、観覧車が回ったあとに隠れる形を考える円の規則性(2024年度)と、年度ごとに切り口が変わります。どれも数の操作としては易しく、状況を読み取れるかが勝負です。
理科の常識は毎年入っています。幼虫が何を食べるか、トンボの幼い姿はどれか、卵から生まれる生き物はどれか、野菜を切った断面、土の中で育つ野菜、角砂糖の数と水の量からいちばん甘い飲み物を考える濃度、人が出たあとの湯の量、シーソーの重さ比べなど、身のまわりの理科が広く扱われます。
生活常識・マナーは、電車の中での傘の持ち方(2022年度)、電車の中でよくないふるまいをしている人(2023年度)、雨の日の植物への水やり(2023年度)といった形で出ています。2022年度には、外国から来たお友だちが一人で遊んでいたらどうするか、よそのお宅で苦手な食べ物が出たらどうするかを絵から選ぶ問いがペーパーの中に置かれており、翌年度以降この種の問いは2日目の口頭試問へ移りました。
逆に、5年間で出ていない分野もはっきりしています。しりとりや音の数といった言葉の問題、昔話、図形の構成やパズル、重ね図形、立体の展開、位置の問題、季節の行事、時間の経過は、この5年では見られません。準備の時間は、折り目・鏡・お話の記憶・身のまわりの理科・マナーに厚く配分するのが合理的です。
行動観察:在校生の寸劇から始まり、チーム対戦で終わる
1日目の行動観察は、5年間どの年度も同じ入り方をします。まず在校生が演じる寸劇を見たりクイズやゲームをしたりして場をほぐし、次に机の横に立って曲に合わせて踊り、そのあとチームに分かれた遊びに入ります。
チームの遊びは年度で変わります。2022年度は床の紙皿を裏返して自分のチームの色にするゲーム、2023年度はジャンケンで勝ったらピンポン玉をかごへ運ぶゲームや買い物ごっこ、2024年度は色を塗った海の生き物を釣る魚釣りと絵を描いた紙コップの積み上げ、2025年度は2人1組の風船運びリレー、2026年度は替え歌に合わせて言われた野菜の音の数だけ手をつないで座るゲームや新聞紙の棒で風船をはさんで運ぶリレーでした。
共通しているのは、2人1組か4人前後のチームで運ぶ・積む・集めるという勝ち負けのある遊びだという点です。勝ち負けがつくからこそ、負けたときの態度、待っている間の姿勢、道具を落としたときの立ち直りが見られています。年度別の詳しい中身と家庭での準備は、行動観察の記事で別にまとめています。
【東京学芸大学附属大泉小学校】過去問は難しい?入試の特徴と対策ポイントを解説 まとめ
ここまで東京学芸大学附属大泉小学校の入試について詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この学校が求めているのは、詰め込み教育で知識を蓄えた子どもではなく、日常生活の中で自ら考え、判断し、他者と関わることができる「自立した子ども」です。
過去問のペーパー自体は標準的な難易度ですが、それをクリアした上で、口頭試問や行動観察で見られる「人間力」や「対話力」が高いレベルで要求される点が、東京学芸大学附属大泉小学校の入試の最大の特徴であり、難しさの本質です。
対策のポイントとしては、まずペーパーなどの基礎を盤石にし、ケアレスミスをなくすことが前提となります。
その上で、ご家庭での「会話」を大切にしてください。単なる業務連絡のような会話ではなく、そう考えた理由をたずねたり、次はどうすればよいかを一緒に考えたりと、お子様の考えを引き出す問いかけを日常的に行うことが、難関とされる口頭試問への一番の対策となります。
また、巧緻性や行動観察の対策として、お手伝いを通じて道具の扱いや後片付けの習慣を身につけさせることも欠かせません。
倍率は高く狭き門ではありますが、以前のような試験後の抽選がないため、努力が結果に結びつきやすい公平な入試制度になっています。
東京学芸大学附属大泉小学校の入試対策を通じて培った「考える力」や「生活習慣」は、合否にかかわらず、お子様の将来にとってかけがえのない財産となるはずです。
ぜひ、親子で楽しみながら成長できる受験生活を送ってください。
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