小学校受験の面接練習って、何から手をつければいいのかしら。
家でやってみたけれど、うまくいかなくて不安です。
【小学校受験】面接練習の重要性
ペーパー対策に比べて、面接対策では「何をどうすればよいかわからない」という方が多いようです。幼児教室の先生によっても意見が分かれることがあり、しっかり練習するようにと言われることもあれば、面接練習は必要ないと言われることもあるようです。
私の経験上、面接が苦手なお子さまほど、面接練習をきちんとしておくことが大切です。練習なしで本番に臨んだ場合、「初めての場所や人に緊張して黙ってしまう」「考えたこともないことを聞かれて固まってしまう」「答えを取り繕ってしどろもどろになってしまう」など、散々な結果になることが目に見えているからです。
ただ、ここで言う「練習」とは、親御様がお子さまに言わせたい答えを丸暗記させることではありません。丸暗記した答えを話そうとすると、視線や表情からそれが伝わってしまい、よい評価をいただくことができないでしょう。また、想定していなかった話題をふられた時に、自分の言葉で話すことができなくなってしまいます。
おしゃべりが得意なお子さまでも、面接練習は大事です。マナーや言葉遣いは、練習しておかなければ身につくはずがありません。正しく練習することが、面接でよい評価をいただく最良の方法です。
【小学校受験】面接で問われるテーマの全体像
面接では、その場かぎりの受け答えの上手さではなく、ご家庭がふだん何を大切にしているかが見られています。ですから練習も、想定問答を覚えることではなく、問われる「テーマ」ごとに考えを整理しておくのが正しい進め方です。扱われるテーマは、大きく次の9つに整理できます。
- 自己紹介と、自分自身について
- ご両親のこと
- 兄弟姉妹のこと
- ふだんの生活
- 幼稚園・保育園での様子
- 社会のきまりやマナー
- 志望校への理解と志望理由
- 親子で取り組む形式(親子面接)
- 口頭試問の形式
テーマの数は多く見えますが、ご家庭で押さえておく軸は共通しています。ここからは、それぞれのテーマで何が見られているのかと、答えをどう組み立てるとよいのかを順に解説します。
お子さまに向けられるテーマ
お子さま向けのテーマは、知識を試すものではありません。名前や年齢といった自己紹介の場面では、内容そのものより、相手の顔を見て、聞こえる声で、最後まで話しきれるかどうかが見られています。
ご家族や兄弟姉妹の話題は、家庭があたたかい場所になっているかを確かめるためのものです。楽しかった場面をひとつ思い出せる状態にしておけば十分で、立派な言葉づかいは必要ありません。
ふだんの生活や園での様子の話題では、生活リズムが整っているか、身のまわりのことを自分でできているか、お友達との関わりの中で自分の気持ちを言葉にできるかが見られます。お手伝いや朝の支度など、実際にやっていることをそのまま話せるようにしておくのが近道です。
社会のきまりやマナーの話題は、正解を暗記させる分野ではありません。横断歩道や電車の中、公園での場面を、外出のたびに親子で話題にしておくと、自然に自分の言葉が出てきます。「危ないから」ではなく「まわりの人がどう思うか」という視点で話しておくと、答えに深みが出ます。
保護者に向けられるテーマ
保護者に向けられるテーマの中心は、志望理由・家庭の教育方針・お子さまの性格の3つです。
志望理由は、学校の特色をなぞるだけでは伝わりません。学校のどの考え方に共感したのかを述べ、そのうえで、ご家庭でそれに通じる関わりをしてきた場面をひとつ添える。この順番にすると、借りものではない志望理由になります。
教育方針は、お父様とお母様で言葉がそろっていないことがよくあります。まったく同じ表現である必要はありませんが、目指す方向が食い違って聞こえるのは避けたいところです。
お子さまの性格については、よいところと課題の両方を話す形が定番です。短所は、隠すよりも「いま親子で直そうとしていること」とセットにするほうが、はるかによい印象になります。仕事や勤務形態にふれられることもありますが、これは学校行事や送り迎えにどう関わっていただけるかを確認する趣旨です。エピソードの見つけ方を参考に、ふだんの場面を集めておくと、どのテーマにも対応できます。
親子で取り組む形式への備え
親子面接では、親子のやりとりそのものが見られます。お子さまが答えている間の保護者の表情、答えに詰まったときの関わり方が、言葉以上に伝わります。先回りして答えを促すのではなく、待つ姿勢でいることが何よりの対策です。
口頭試問の形式では、絵や写真を見ながら考えを言葉にする、示された課題について自分なりの考えを話す、といった進め方が一般的です。必要なのは知識量ではなく、「わからないときは、わからないと伝えてよい」という安心感です。ご家庭では、答えの正しさを評価せず、話してくれたこと自体を受けとめる会話を積み重ねてください。
答えを組み立てるときの型
どのテーマでも、答えの形は共通です。まず結論を短く述べ、次に理由か具体的な場面をひとつだけ添え、最後に今後どうしていきたいかで締める。この3ステップにすると、話が長くなりすぎず、聞き手に伝わります。
用意した話をすべて話そうとすると、かえって印象が薄くなります。ひとつのテーマにつき、思い出す場面は必ずひとつに絞ってください。
【面接練習ワークブック】(サンプル)

【小学校受験】お子さまに実際に向けられている問いかけ
テーマ名だけでは練習の材料になりません。これまでお子さまに向けられてきた内容を、具体的に見ておきましょう。
- 自己紹介では、名前を名乗ったあと、小学生になったらどんな勉強をしてみたいかまで話が広がります
- 好きな絵本については、動物が出てくるお話の中から選ばせるなど、条件をつけて答えさせる形が出ています
- ご両親については、お母様は優しいか、お父様に叱られるのはどんなときかというように、家庭の様子が見える聞き方をされます
- ごきょうだいの有無、けんかをするかどうか、一緒にどんな遊びをするかを尋ねられます
- 朝起きていちばん初めにすること、朝ごはんは誰と食べているか、家でしているお手伝いという、生活のリズムを確かめる内容が出ています
- 園までどうやって通っているか、先生にほめられたことは何か、夏休みに家族でどこへ出かけたかを聞かれます
- 大切にしているものを貸してほしいと言われたら、狭い道で人とぶつかりそうになったら、エレベーターで降りる人がいたら、公園で知らない人からおもちゃをあげると言われたら、といった場面を示して、そのときどうするかを答えさせる問いが多く出ています
- 道を歩くときに気をつけることを、自分の言葉で説明する問いも出ています
- 学校に来たことがあるか、入りたいと思うか、どこが好きか、ここまで何に乗って来たかという、志望校への理解にかかわる内容を尋ねられます
- その場で保護者としりとりをしてみせる、今遊んでよいと言われたら何をしたいかを答えるなど、やり取りの様子を見る形も出ています
- よく知られた昔話を取り上げ、その話を知っているかを確かめたうえで、なぜそうなったのかと理由まで考えさせる問いが出ています
- 四角いものを思いつくだけ挙げるというように、条件に合うものを答える口頭試問の形も見られます
これらは暗記させる材料ではなく、ふだんの会話の話題にする材料です。外出のたびに一つ取り上げて話しておけば、当日も自分の言葉で答えられます。
面接練習の進め方|3か月の流れ
面接の練習を「答えを覚える作業」にしてしまうと、当日にいちばん大切なものが失われます。順番を決めて進めてください。
1か月目|ご家庭の考えをそろえる
まず、お父様とお母様がそれぞれ別の紙に、なぜこの学校を選んだのか、どんな子に育ってほしいのか、家庭で大切にしていることは何かを書きます。書いてから見せあうと、ちがいがどこにあるかがはっきりします。ここがそろっていないまま練習を始めると、言葉づかいだけを整えることになり、いくら練習しても不安が消えません。
2か月目|日常の会話を練習の場にする
お子さまの練習は、机に向かって行うものではありません。食事のときにその日いちばん楽しかったことを話題にし、最後まで聞いてから「そうだったんだね」と受けとめる。これをくり返すだけで、話す力は育ちます。答えの内容ではなく、次の3つだけを整えていきます。
- 相手の顔を見て話すこと。
- 最後まで聞いてから話し始めること。
- 相手に聞こえる声の大きさで話すこと。
3か月目|形式にそった練習を、回数を決めて
いすに座って向かい合う形の練習は、最後の数週間で十分です。多くても週に1回にとどめます。回数が増えるほど、お子さまの言葉は覚えたものに近づいていきます。慣れない大人と話す経験を積みたい場合は、祖父母や知人に協力していただくと自然な練習になります。
通しの練習は1回だけ
当日と同じ服装、同じ持ち物で、家を出るところから座るところまでを1度だけ通してみます。着なれない服で座るとどうなるか、くつがきつくないかが分かります。服の選び方は塾に通うときの服装の考え方がそのまま使えます。
当日のふるまいと、答えに詰まったときの対応
話す長さの目安
長く話すほど伝わる、ということはありません。1つの問いに対して、結論を先に言い、理由か場面を1つ添える。この形にすると、聞き手に届きます。用意した話を全部話そうとすると、かえって印象が薄くなります。
お父様とお母様で答えがちがったとき
その場で言い直したり、相手の答えを訂正したりする必要はありません。ご家庭の中に考え方のちがいがあるのは自然なことです。一方が話したあとに、もう一方が「私はこの点をとくに大切に思っています」と自分の言葉で続ければ十分です。
お子さまが答えられなかったとき
保護者の方が代わりに答えるのは避けたいところです。黙って待つ、それでも出てこなければ「ゆっくりで大丈夫だよ」という表情を向ける。ここでどう関わるかを見られている、と考えておくほうが正しい理解です。お子さまには前もって、わからないときはわからないと言ってよいのだと伝えておきます。それだけで、当日の表情がやわらぎます。
保護者が答えに詰まったとき
黙りこむより、「少し考えさせていただいてもよろしいでしょうか」と一言添えるほうが自然です。取りつくろった答えより、正直な間のほうが伝わります。
やりがちな失敗と、その理由
- 答えを文章にして覚えさせる……少し違う切り口でふられただけで止まります。覚えるのは答えではなく、話す順番だけにします。
- 本番のような厳しい雰囲気で練習する……こわい記憶が残り、当日に体がかたくなります。練習は、あたたかい雰囲気の中で行います。
- 直前に練習を増やす……前の週に回数を増やすと、お子さまは自信をなくします。直前期は減らすほうが結果につながります。
- 練習中にお子さまの答えを直す……直された言葉は、本人の言葉ではなくなります。気になった点は、日常の会話の中で少しずつ整えていきます。
- 準備を願書と切りはなす……面接では、願書に書いたことをふまえて話が広がります。書いた内容はご家族全員で読み返しておきます。お礼状を出した場合は、その内容も同じようにそろえておくと安心です。
- 学校のことを人づてに聞いた話だけで語る……ご家庭として確かめたことでないと、話に深みが出ません。関係者から話を聞ける場合の考え方は縁故の見つけ方でもふれています。
面接の形式や見られ方は学校ごとに違いますので、志望校の傾向を知ったうえで練習すると、準備の精度が上がります。たとえば【自由学園初等部】面接で質問される内容では、その学校ならではの見られ方を解説しています。
【小学校受験】面接練習でよくあるご質問
面接練習はいつから始めるとよいのでしょうか
本番の3か月前が目安です。それより早く始めても、お子さまの言葉が覚えたものに変わっていくだけで、よい方向には働きません。ご家庭の考えを整理する作業だけは、いつ始めても早すぎるということはありません。
幼児教室に通っていれば、家庭での練習は不要でしょうか
教室の練習は、形式に慣れるという意味で有効です。一方、ご家庭の教育方針やお子さまの様子を語れるようにする準備は、ご家庭にしかできません。両方に取り組んでいただくのがよいと思います。
子どもが本番で黙ってしまいそうで心配です
黙ってしまうこと自体が不合格につながるわけではありません。学校が見ているのは、そのときにご家庭がどう関わるかです。日ごろから、言いよどんだときに待ってもらえる経験を重ねておくことが、いちばんの備えになります。
【小学校受験】面接練習|まとめ
面接練習で大切なのは、想定問答を覚えることではなく、問われるテーマごとにご家庭の考えを整えておくことです。テーマの全体像をつかみ、答えを組み立てる型を身につけておけば、初めての切り口でふられても、自分の言葉で話すことができます。本記事でご紹介しきれなかった練習の材料は、「面接練習ワークブック」にまとめています。ぜひ活用して、親子で楽しく準備を進めてください。
■ オーダーメイド面接回答集+オンライン面接レッスン
志望校ごとの頻出質問への回答を、ご家庭の良さと合格者の傾向をもとに一緒に作成します。 ▶ 面接レッスンの詳細はこちら
■ 個別受験相談
面接の準備やご不安を個別にご相談いただけます。 ▶ 個別相談はこちら
📚 あわせて読みたい
ニュースを見逃さないように登録する
Google ニュースでフォローする1.jpg)

























