小学校受験における「線対称図形」は、「展開図形」「折り紙展開」「鏡図形」「水面図形」などと同様に、小学校受験で頻出の図形問題です。「線対称図形」ができるようになると、他の図形問題にも解き方を適用させることができるので、基礎からしっかりと解き方をマスターしましょう。なお、「線対称図形」には、線対称な形を描くタイプの問題と線対称な形を選ぶタイプの問題がありますが、本記事では線対称な形を描くタイプの問題に焦点を当てて解説します。
【小学校受験】線対称図形の出題意図は?
「線対称図形」を出題する意図として「対称性について理解しているか」「空間認識力があるか」「観察力・注意力があるか」などが挙げられます。
対称性について理解しているか
「線対称図形」の問題では、「線のところで紙を折った時にぴったり重なるように形を描きましょう」や「線のところで反対になるように線を引きましょう」のように問題が出されます。この時、「ぴったり重なる」や「線のところで反対になる」とはどういうことかを理解していることが大切です。
空間認識力があるか
空間認識力とは、ものの位置関係や形、向きなどを認知する力のことです。他の図形問題同様に、「線対称図形」でも空間認識力が大切です。方眼や点を扱う問題が出るので、「上から2ます目」「線から3つ目の点」などの位置についても正しく判断できるようにしましょう。
観察力・注意力があるか
「線対称図形」のように形や線が反転する問題では、斜めの線で混乱してしまうお子さまがたくさんいらっしゃいます。そのため、特に斜めの線を引く際には、どこからどこまで線を引くのかをよく観察し、線がずれないように注意して描くことが大切です。
論理的思考力があるか
「線のところで折るとどうなるか」「三角形が上下に反転するとどうなるか」などについて、論理的に考えられる力も必要です。空間認識力が高いお子さまは感覚的に解くこともできますが、論理的に考えられるようになるとミスを減らすことができます。また、図形問題が苦手なお子さまでも、論理的に考えることで問題を解きやすくなります。
【小学校受験】線対称図形の出題方法は?
線対称な形を選ぶタイプの問題では、個別テスト・口頭試問とペーパーテストの両方で出題されます。ただ、線対称な形を描くタイプの問題では、ペーパーテストでの出題が一般的です。
ペーパーテスト
ペーパーテストでは、片側に形が描かれていて、線を中心として反対側に形を描く問題が定番です。形を描いたり線を引いたりする問題の他に、対応する形に対応する色を塗る問題もあります。色を塗る問題では、手際よく色を塗る巧緻性も求められます。
【小学校受験】線対称図形の出題内容は?
「線対称図形」の問題は、「左右対称」と「上下対称」の2つのパターンに分けることができます。また、その中にも「方眼上の対称」と「点図形の対称」などの問題があります。
左右対称(方眼上の対称)
「方眼上の対称」とは、方眼上に記された形を描いたり、方眼を使って引かれた線を描いたりするタイプの問題です。上下に向いた三角のような図形を描く問題では、上下は反転しないことに気をつけましょう。一方で、横向きの三角のような図形を描く問題では、左右が反転することに気をつけてください。
左右対称(点図形の対称)
点図形の問題も、方眼上の対称と同じように解くことができます。ただ、点描写が苦手なお子さまだと、左右反転になった点図形を描かないといけないため、難易度が上がってしまいます。点描写が苦手なお子さまは、点図形の練習から始めるようにしましょう。
上下対称(方眼上の対称)
上下対称の問題は左右対称の問題と似ていますが、反転する向きが左右と上下で変わっていることを意識する必要があります。例えば、横向きの三角のような図形を描く問題では、左右が反転しないことに気をつけてください。また、上下に向いた三角のような図形を描く問題では、上下が反転することに気をつけましょう。
上下対称(点図形の対称)
点図形の対称も、左右ではなく上下に反転することを意識して問題を解く必要があります。ただ、基本的には左右対称の問題と同じような解き方で解くことができるため、次の項でご紹介する解き方をしっかりと身につけておくことが大切です。
【小学校受験】線対称図形の解き方は?
線対称な形は小学校6年生の学習範囲ですので、幼児期のお子さまには難易度の高い問題です。また、「線対称図形」と「回転図形(点対称図形)」を混同してしまうお子さまがいらっしゃいますので、解き方を丁寧に教えてあげる必要があります。
「線対称図形」の問題が解けるようにするために、まずは反転の感覚を身につけることが大切です。例えば、画用紙の左半分に絵の具をつけて中心で画用紙を折ると、右半分に反転した形で絵の具が付きます。また、鏡にものを映すと、反転して映ります。このような経験を通して対称性を理解することが、「線対称図形」を解くための第一歩です。
対称性が理解できるようになったら、実際に問題を解いてみましょう。もちろん、難易度の低い問題から次第にレベルアップしていくように気をつけてください。「線対称図形」の解き方のポイントは、対称の軸を中心に「遠くは遠く、近くは近く」に反転することです。このキーワードを意識することで、どの位置に反転するのかを確実に把握することができます。また、このキーワードは他の図形問題にも応用できるので、しっかりと理解できるようにサポートしてあげてください。
その他の解き方のポイントについては、こちらの教材で詳しく解説しています。小学校受験で使われる主な記号について、反転した形を網羅的に紹介していますので、そちらもチェックしてみてください。
【図形】線対称図形(教材サンプル)

【小学校受験】線対称図形でつまずくところと、ご家庭での練習
線対称図形は、できる子とできない子がはっきり分かれる分野です。ただし、できない理由は同じではありません。どこで止まっているのかを見分けてください。
どこで止まっているかを見分ける
- 対称そのものが分かっていない……「反対側はどうなると思う」と聞いても答えが出ません。鏡に映る形をイメージできていない段階です
- 左右はできるが上下でつまずく……いちばん多いタイプです。左右対称を「横に写す」と体で覚えてしまい、上下に軸が変わると同じ動きをしてしまいます
- 数え間違える……向きは合っているのに、マスが1つずれます。これは図形の問題ではなく、数える力の問題です
- 手が思うように動かない……分かっているのに、点と点を結ぶ線がずれる、斜めの線が引けない。運筆の問題です
見分け方は、解いたあとに手鏡を軸のところに立ててみせることです。鏡を見て「あっ」と気づけるなら、対称は分かっていて、数えるか手が追いついていないだけです。鏡を見ても違いが分からないなら、紙の練習を続けても伸びません。折る・切る・映すという実物の作業に戻してください。
ご家庭にある道具でできる練習
- 手鏡……100円ショップのもので十分です。かいた形の横に鏡を立て、映った形を見てから、それを鉛筆でかき写させます。答えを見てから写す形になりますが、この順番を何度も通った子は、頭の中に鏡を持てるようになります
- 切り紙……折り紙を半分に折り、線をかいてハサミで切り、開きます。開く瞬間の驚きが、そのまま対称の理解になります。慣れてきたら、開いた形を見せて「折る前はどんな形だったと思う」と聞いてください。逆から考える練習になります
- 方眼のノート……方眼ノートに保護者が半分だけかいて渡すと、マスを大きめにできて進みが早くなります
- おはじきやブロック……机の真ん中にひもを1本置いて軸にし、片側に並べたものを反対側にも並べさせます。鉛筆を持たずにできるので、運筆が弱いお子さまでも取り組めます
年中と年長で、進め方を切り替える
年中のうちは、紙の上の問題を急ぐ必要はありません。折る、切る、鏡に映す。この3つを繰り返すだけで十分です。この時期に「間違い」を指摘しすぎると、図形そのものを嫌がるようになります。
年長になったら、順番を決めて進めます。おすすめは、左右対称(方眼)→ 左右対称(点図形)→ 上下対称(方眼)→ 上下対称(点図形)の順です。左右がまだ危ういうちに上下へ進むと、両方が混ざって崩れます。
本番でのケアレスミスを減らす手順
線対称は、分かっているのに落とす問題の代表格です。次の3つを、毎回同じ順番でさせてください。
- 問題を聞いたら、まず軸がどこかを指で押さえ、「上下」か「左右」かを小さな声で確認する
- 端の点から順にかき、真ん中から始めない
- かき終えたら、軸をはさんで1組ずつ指で行き来し、位置がそろっているか確かめる
とくに2つめは効きます。端から順に進めれば、1つずれた時点で違和感が出ます。
【小学校受験】線対称図形のよくある質問
左右はできるのに、上下になると間違えます
いちばん多いご相談です。原因は、左右対称を「反対側に同じものをかく」という手の動きで覚えてしまっていることにあります。直すには、紙を回してください。上下対称の問題を90度回すと、左右対称と同じ見え方になります。回して解かせ、戻して確かめる。これを1週間続けると、軸を意識するようになります。
斜めの線が苦手で、点と点がつながりません
図形の理解ではなく、手の問題です。点図形の量を増やすより、斜め線だけを引く練習のほうが早く直ります。方眼ノートに保護者が点を打ち、斜めの線を10本引くだけ。1日1分で構いません。
鏡を使って練習させてよいのでしょうか
構いません。鏡で正解の形を何度も見た子ほど、鏡がなくても形を思い浮かべられるようになります。ただし、毎回すぐに鏡を出すのはやめてください。自分でかき、自分で確かめ、最後の確認だけ鏡を使ってください。
点図形と方眼、どちらを先にやるべきですか
方眼が先です。方眼はマスを数えれば位置が決まりますが、点図形は目測に近い作業になります。方眼で「1つ左、2つ上」と言葉にできるようになってから点図形に進むと、迷いが減ります。図形分野全体の進め方は図形の教え方に、置き換えて考える練習は図形の置き換えにまとめています。
【小学校受験】線対称図形|まとめ
「線対称図形」は、難易度の高い問題ですが、論理的に考えることでセンスだけに頼らず問題を解くことができます。特に図形が苦手なお子さまほど、解き方を身につけることが重要になってきますので、ぜひ本記事でご紹介した教材をご活用いただき、効率よく「線対称図形」の対策をしてください。
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※記事内でご紹介している分野別の問題集は、教材リニューアルのため販売を終了しました(2026年8月)。現在、新しい教材を制作中です。完成しだい、あらためてご案内します。
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