【幼稚園受験】併願の組み方|日程と入園金で決まる。辞退の連絡と面接での答え方
「合格した園に入園金を払ってから、別の園に行ってもいいのですか」。こうしたご相談をよくいただきます。先に結論を言います。併願は、日程と入園金の2つで決まります。
日程とは、考査日と面接日が重なるか、そして合格発表から入園手続きまで何日あるか。入園金とは、辞退したら戻るのか、戻らないのか。この2つを園ごとに書き出すと、受けられる組み合わせが見えてきます。この記事では、考査日と面接日の型、発表から手続きまでの期限と入園料、面接で「併願されていますか」と聞かれたときの答え方、辞退の連絡、ご家庭で作る併願表の5つをお話しします。
併願を組むとき、ご家庭がいちばん迷うのは、どの園を何園受けるかよりも、「結果が出る順番」と「お金を払う順番」がどう並ぶかだと思います。受ける園の数が同じでも、発表と入金の順番が違えば、動き方が変わります。だからこそ、園の名前より先に、日程と入園料を並べてください。
動画でも解説しています。
願書の「単願・併願」の書き方は、別の記事で
願書の「単願・併願」の欄の書き方は、【幼稚園受験願書】単願or併願の記載方法をプロが解決でお話ししています。この記事は、併願の組み方と、合格したあとの動き方に絞ります。
併願は何園まで考えるか
幼稚園受験では、併願が当たり前のように行われます。願書だけで10園近く提出するご家庭もあります。ただ、願書を出せることと、考査を受けられることは別の話です。考査日や願書の提出日は重なりやすく、前の章でお話しした面接日の指定まで入れると、実際に受けられる園は限られてきます。
そのため、第一志望、第二志望、併願の3園程度に絞るのが現実的だと私は考えています。そして、各園の出願の締切、考査日、合格発表、手続きの日を、一覧にして並べて比べてください。優先順位は、ご夫婦で先に共有しておきます。「第一志望の結果が出る前に、第二志望の入園料の期限が来たらどうするか」。万が一のときの判断の基準を、結果が出る前に決めておくと、慌てずに済みます。
考査日が重なる園、面接日が指定される園
多くの園では、考査と面接が同じ日にあります。1日で終わる型です。
一方で、考査より前に、面接だけの日がある園があります。これまでの受験例では、田園調布雙葉、東洋英和、学習院、小さき花がこの型です。田園調布雙葉は前年度の要項でも、面接が先です。考査の日と面接の日で、2回行くことになります。
さらに、考査の後に面接の日が指定される園もあります。青山学院は、要項に、適性テストと面接について、それぞれ期間内の1日を指定する、とあります。
そして、考査が2段階の園。白百合は第一次に合格した方だけが第二次に進み、前年度は第一次の結果が出てから数日で第二次でした。
| 型 | 園の例 |
|---|---|
| 考査と面接が同じ日 | 多くの園 |
| 考査より前に面接だけの日がある | 田園調布雙葉、東洋英和、学習院、小さき花 |
| 考査の後に面接日が指定される | 青山学院 |
| 考査が2段階 | 白百合 |
つまり、「行く日」が1回の園もあれば、2回、3回の園もある。園が日を指定する場合、ご家庭の都合で動かせません。併願を組むときは、考査日だけでなく、面接日と第二次の日まで並べてください。重なると、片方をあきらめることになります。
合格発表から手続きまでの期限と、入園料
白百合の前年度の要項では、第二次の合格発表は午前中に専用サイトで行われ、その日のうちに手続きの書類を受け取り、入園料もその日のうちに納める形でした。発表から入金まで、1日です。
若葉会は、合否が郵便で届き、そこから数日後の指定された日の、指定された時間の中で入園手続きをする形でした。要項には「時間厳守」とあります。
つまり、発表の当日に入金する園もあれば、数日の間がある園もある。この「間」に他の園の結果が出るかどうか。ここが併願の分かれ目です。
そして入園料。園によっては入園金と呼びます。
雙葉は、要項に「入園手続時には入園料を納付していただきます。辞退の場合でも返金はいたしません」とあります。白百合の要項にも、「入園料はいかなる理由でも返却いたしません」とあります。若葉会も、「お支払い済の納入金は原則として返還しません」です。
| 園 | 合格の知らせ方(前年度) | 手続き・入園料の期限 | 入園料の返金 |
|---|---|---|---|
| 白百合学園幼稚園 | 専用サイトで発表 | 発表当日に書類受取、入園料は同日中に納入 | 「いかなる理由でも返却いたしません」 |
| 雙葉小学校附属幼稚園 | 公式ページに記載なし | 記載なし(入園手続時に納付) | 「辞退の場合でも返金はいたしません」 |
| 若葉会幼稚園 | 郵便で通知 | 通知到着から数日後の指定日、時間厳守 | 「原則として返還しません」 |
入園料の額は、白百合が300,000円、雙葉が女児220,000円・男児140,000円、若葉会が入園料200,000円と施設充実費300,000円です。額は年度で変わることがあります。最新は各園の要項でご確認ください。
ですから、先に合格した園の権利を残すために入園料を納め、そのあと別の園に決めて辞退すると、そのお金は戻りません。金額は数十万円の単位です。
これを「もったいない」と見るか、「安心を買った」と見るかは、ご家庭の判断です。払う前に、戻らないことを知っておいてほしい。それだけです。雙葉や若葉会の合否連絡の流れは、【雙葉小学校附属幼稚園】合否連絡は?補欠合格/不合格はいる?プロが解説と【若葉会幼稚園】合否連絡は?補欠合格/不合格はいる?プロが解説にまとめています。
面接で「併願されていますか」と聞かれたら
ここで迷うのが、正直に言ってよいのか、です。私の見方では、答え方の軸は2つです。
1つ目。事実を変えないこと。併願しているのに「こちらだけです」と答えるのは、おすすめしません。書類に併願の欄がある園では、書いたことと話すことがずれると、そこが気になると私は考えています。
2つ目。志望の順位を言い切らないこと。「こちらが第一志望です」と言い切ると、別の園に決めて辞退するとき、言葉が残ります。かといって「第二志望です」と言う必要もありません。
私がおすすめするのは、「ほかにも受験しておりますが、こちらの園の〇〇に魅力を感じて志望しております」という形です。併願の事実を認めて、その園を選んだ理由を一つ添える。順位ではなく、理由で答える。これなら、事実にも、あとの行動にも矛盾が出にくいと私は見ています。
なお、この質問が合否にどう関わるかを、園は公表していません。私は、併願の有無そのものより、答えたときのご家庭の落ち着きが見えているのだと考えています。
複数の園に合格したときの決め方
首都圏では、併願で複数の園から合格をいただくご家庭も少なくありません。その選択は、入園先を決めるだけでなく、そのあとの生活のリズムや教育の方針を決める分岐点になります。迷ったときほど、判断の軸を先に決めてください。
- 教育方針。園ごとに方針は大きく違います。自発性や集中を大切にする園、英語や表現に力を入れる園、自由な保育を重視する園。ご家庭の価値観と、お子様の性格に合うかを見ます。
- 通園距離と生活のリズム。長い移動は、お子様が朝から疲れてしまう原因になります。送迎の負担や、きょうだいがいる場合の一日の流れも含めて考えます。遠くても方針を優先するなら、送迎の分担やバスの利用まで、続けられる形を決めておきます。
- 先生と園の雰囲気。説明会や見学で見るのは、先生の言葉遣い、目線、声のかけ方です。お子様が自然に表情をゆるめるか、保護者ご自身が安心できるかを大切にしてください。
- 口コミの扱い。口コミは、書いた方の主観です。ある人には厳しい園が、別の人にはしっかりしていて安心と映ることもあります。参考にしつつ、最後は自分たちの目で確かめます。
迷うときは、次の5つの項目を、それぞれ10点満点で点数にしてみてください。
| 項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 教育方針 | ご家庭の価値観と合っているか |
| 通園 | 無理なく続けられるか |
| 先生の雰囲気 | 安心できるか |
| 行事や保護者の関わり | 量が現実的か |
| 小学校以降 | 方向性が合っているか |
合計点の差よりも、極端に低い項目がないかを見てください。そこが、入園後につまずきやすいところです。入園してからの家庭の様子や、複数合格のあとの動き方は、幼稚園受験はゴールじゃない?合格後の家庭の悩みとその後の進路でもお話ししています。
補欠合格と、辞退のつながり
辞退は、その園の側から見ると、次の方の合格につながる連絡でもあります。補欠合格とは、合格者が辞退した場合に繰り上げて合格となる仕組みで、白百合学園幼稚園では例年、補欠合格者が出ています。白百合を受験される方は、他の私立や国立と併願している方が多く、第一志望の園に決めた方が白百合を辞退するので、補欠でも入園できる可能性がある、とお話ししてきました。
人気のある園は、辞退を見込んで補欠合格を出していることが多く、二次募集を行わない傾向があります。二次募集の有無は、園のホームページで公表されていることが多いので、気になる方は確認してください。決めたら早く連絡する。これは、礼儀であるとともに、次に待っているご家庭への配慮でもあります。
辞退の連絡
まず、手段は電話です。メールや問い合わせフォームだけで済ませるのは、避けてください。園の受付時間の中でかけます。
次に、時期。別の園に決めた、その日のうちに連絡してください。辞退が早いほど、園は次の準備に進めます。合格をいただいた園への礼儀は、早さだと私は思っています。
そして、言い方。長い理由は要りません。お子様の名前と受験番号、合格へのお礼、辞退する旨、この3つで十分です。「このたびは合格をいただき、ありがとうございました。家庭で検討した結果、辞退させていただきたく、ご連絡いたしました」。どちらの園に決めたかは、聞かれなければ言わなくて構いません。
手続きの書類を受け取っている園では、返送が必要かをその電話で確認してください。辞退した園を、きょうだいで受験することもあります。電話は、短く、丁寧に。
併願表のひな形
| 園名 | 出願方法 | 考査日 | 面接日 | 合格発表 | 手続きの期限 | 入園料・返金 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A園 | 要項で確認 | 要項で確認 | 要項で確認 | 日と方法 | 発表から何日後か | 額と返金の扱い |
| B園 | 要項で確認 | 要項で確認 | 要項で確認 | 日と方法 | 発表から何日後か | 額と返金の扱い |
表の中で、いちばん空欄になりやすいのが「合格発表の方法」と「手続きの期限」です。たとえば雙葉は、公式ページに発表の方法や手続きの期限が書かれていませんでした。書かれていない欄は、説明会や問い合わせで確認するか、要項を受け取ってから埋めることになります。空欄のまま併願を決めないことが、いちばんの備えだと私は考えています。
ご家庭でできること
2つ目。表を埋めたら、「発表から手続きまでの間」に線を引いてください。ある園の手続き期限より前に、別の園の発表が来るか。来ないなら、そこが入園料を払うか、あきらめるかの分かれ目です。
3つ目。入園料を「戻らない前提」で予算に入れておく。払う可能性のある園の入園料を足して、出願の前にご夫婦で確認してください。
4つ目。辞退の電話の文を、一度書いておく。決まったその日に、迷わずかけられます。
まとめ
日程は、考査日だけでなく、面接日と第二次の日まで並べる。発表から手続きまでの間は、当日中の園もあれば、数日ある園もある。入園料は、辞退しても戻らない園があり、払う前に知っておく。
面接で併願を聞かれたら、事実を変えず、順位ではなく理由で答える。辞退は、決めたその日に、電話で、短く丁寧に。
そして、併願表を紙に書いて、発表から手続きまでの間に線を引く。ここから始めてください。
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