ママ
ママ
幼稚園受験の準備で「運筆」という言葉を知りました。まだ2歳でクレヨンもぐちゃぐちゃですが、線なぞりはいつから始めればよいですか?
うみ塾長
うみ塾長
ぐちゃぐちゃのなぐりがきも、運筆の大切な最初の一歩です。線をなぞる前に、手全体を動かしてかく経験をたっぷりしておくと、なぞりにも自然に進めますよ。

運筆とは、えんぴつやクレヨンを動かして線をかく練習のことです。幼稚園受験では、制作の課題で線をかいたり、ぬったりする場面があり、関心を持つご家庭が多い分野です。

モンテッソーリの考え方では、書くことの前に、手や指を使う経験を重ねることが大切にされています。この記事では、運筆・線なぞりの始め方を、なぐりがきからの段階に分けて整理します。手先の遊び全般はモンテッソーリの手先遊びと幼稚園受験の巧緻性、シール・のり・はさみのプリントはモンテッソーリ風 無料プリントで紹介しているので、ここでは「線をかくこと」に絞ってお伝えします。

園選びや受験準備に不安がある方へ

元幼稚園受験面接官のうみ塾長が、ご家庭の状況をうかがいながら、園選びと準備の進め方を一緒に整理します。

▶ 個別相談の詳細を見る

運筆とは何か

運筆は、ただ線を引くことではなく、目で見た線に合わせて手を動かす力を育てる練習です。腕・手首・指の動きを、目で確かめながら調整していきます。

大人には簡単に思える直線も、小さな子どもにとっては、肩から指先までのたくさんの動きをそろえる必要がある、難しい動きです。

線をかく前に育てたい手の動き

モンテッソーリの考え方では、つまむ・ひねる・はさむといった指先の動きが、のちにえんぴつを持つ準備になるといわれています。洗濯ばさみをはさむ、ペットボトルのふたを回す、シールを貼る。こうした動きが、えんぴつを支える指の力を育てます。シールを使うときは、シールは大人が台紙からはがしてから渡してください。

線なぞりのプリントだけを続けるより、生活の中で指を使う経験と組み合わせるほうが、無理なく進めやすいと私は考えています。

運筆の段階の目安

段階 どんな線か 年齢の目安と関わり方
なぐりがき 腕全体を使ったぐるぐる・往復 1歳半ごろ〜。大きな紙に自由にかかせる
始点と終点 点から点へ線を引く 2歳ごろ〜。短い距離から
直線 道を外れないように線を引く 2歳後半ごろ〜。太い道幅から
波線・ぐるぐる 曲がる線、丸い線 3歳ごろ〜。道幅を少しずつ細く
点つなぎ 点を順につないで形にする 3歳ごろ〜。点の数は少なく

年齢はあくまで目安です。手の発達には個人差があるので、前の段階を楽しめているかを見ながら進めてください。

なぐりがきは大切な準備

1歳半ごろに始まるなぐりがきは、腕を大きく動かして、紙に跡が残ることを楽しむ時期です。大人から見ると何をかいているかわかりませんが、手を動かすと線が出るという発見そのものが、運筆の出発点になります。

この時期は、大きな紙を床やテーブルに貼り、太いクレヨンで自由にかかせてあげてください。紙が動かないようにマスキングテープで留めると、子どもは手を動かすことに集中しやすくなります。

始点と終点:「ここからここまで」

なぐりがきに慣れてきたら、紙の左に動物、右に食べ物の絵をかき、「うさぎさんをにんじんまで連れていこう」と線を引く遊びに進みます。始まりと終わりがわかると、子どもは線をどこまで引けばよいかを意識するようになります。

最初は距離を短く、道もまっすぐにします。途中で止まっても、はみ出しても大丈夫です。「にんじんまで行けたね」と、ゴールに着いたことを一緒に喜んでください。慣れてきたら、道の途中に石や水たまりの絵を加え、「よけて通ろう」と少しだけ変化をつけるのも楽しい工夫です。

直線から曲線へ進めるコツ

直線の道をなぞれるようになったら、ゆるい波線、ぐるぐるの線へと進みます。このとき、道幅を広く始めて少しずつ細くしていくと、子どもは無理なく挑戦できます。

線の向きは、左から右、上から下がかきやすいと言われています。右利きの子の場合、右から左への線は手で線が隠れてかきにくいので、最初は避けるとよいでしょう。

道具の選び方と持ち方

最初の道具は、太くて短いクレヨンがおすすめです。手のひら全体でにぎっても折れにくく、軽い力で色が出ます。えんぴつに進むのは、3本の指でつまんで持てるようになってからで十分です。

持ち方を早くから直そうとすると、かくこと自体を嫌がることがあります。にぎり持ちの時期は自然な段階なので、指先の遊びを続けながら、少しずつ3本の指で持てるようになるのを待ちましょう。

安全の約束

  • クレヨンやペンを口に入れないように見守る
  • ペンのキャップは小さく飲みこむおそれがあるので大人が管理する
  • とがったえんぴつを持って歩かないように、座ってかく場所を決める
  • 使ったら決めた場所に戻す

ペンのキャップのように小さな物は、子どもの口に入りやすい大きさです。消費者庁によると、3歳児の口の大きさは直径約4cmとされています。かく時間は、大人がそばにいるときにしましょう。

1回の時間と量の目安

運筆の練習は、長い時間続ける必要はありません。2歳ごろなら1回5分程度、プリントなら1枚で十分です。子どもが「もっとやりたい」と言っているうちに終えるくらいが、次への意欲につながります。

毎日決まった時間にする必要もありません。朝ごはんのあとの数分、夕方の落ち着いた時間など、子どもの機嫌がよいときを選びましょう。眠いときやおなかがすいているときは、手もうまく動きません。

かいたプリントは、日付を書いて取っておくのもおすすめです。1か月前のものと比べると、線の勢いや止まる位置が変わっていることに気づけます。子どもと一緒に見返すと、「こんなにかけるようになったね」と成長を分かち合う時間になります。

嫌がるとき・続かないとき

線なぞりを嫌がるときは、プリントから離れてかまいません。お風呂の壁に指で線をかく、砂場で棒を使って道をかく、窓の曇りに指でかくなど、紙以外でも運筆の経験はできます。

「上手にかけた」より「最後まで行けた」「たくさんかいた」に目を向けると、子どもは次もやりたくなります。1日1枚でも、3日に1枚でも、続けられるペースが一番です。

幼稚園受験の考査とのつながり

考査の制作では、クレヨンで線をかく、丸をぬるといった課題が出ることがあります。元面接官として見ていたのは、線のきれいさより、先生の説明を聞いて、道具を大切に扱い、最後まで取り組む姿でした。

クレヨンを使ったあと、箱に戻してふたを閉める。こうした一連の流れまで含めて、家での経験が表れます。考査の形式にふれておきたい場合は2〜3歳の考査対策 おうち練習ワークも参考にしてください。

【LINE登録プレゼント】2歳からの幼稚園受験 準備チェックリスト60

元面接官のうみ塾長が、首都圏の幼稚園20園以上の過去の入園考査の内容を見直し、実際によく出てくる場面をもとにまとめたチェックリスト(PDF)です。「生活習慣」「手先の遊び」「ことば・お返事」「指示行動・親子遊び」「体を動かす」「親の準備」の6つのテーマ・60項目に、「練習中」「できた」で印をつけながら、今どこにいるかを確かめられます。

※特定の園の考査内容を示すものではありません。

LINEからお問い合わせください。ご登録いただいた方に、このチェックリストと限定動画をお届けしています。
LINEに登録してチェックリストを受け取る

まとめ

運筆は、なぐりがき、始点と終点、直線、曲線、点つなぎと、段階を追って進めると無理がありません。線をかく前に、つまむ・はさむといった指先の経験を重ね、道具は太いクレヨンから。上手さより最後まで行けたことを一緒に喜び、使った物を戻すところまでを1つの流れにしてみてください。

「運筆の進め方が考査の準備として足りているか気になる」というときは、うみ塾長の個別相談や、家庭対策サポートをご活用ください。家庭対策サポートの合格率95%(2024年度)という結果も、ご家庭が毎日の生活の中で積み重ねてきたことがあってこそだと私は考えています。わが家らしい準備の進め方を、一緒に考えていきましょう。

※この記事は、モンテッソーリの考え方を取り入れた家庭での関わり方を紹介する一般的な情報です。子どもの発達には個人差があります。道具を使う活動は大人がそばで見守ってください。発達について心配なことがあるときは、お住まいの自治体の相談窓口や医療機関にご相談ください。園の情報は2026年10月時点のものです。最新の情報は各園の公式サイトと募集要項でご確認ください。