【幼稚園受験】親子遊び・親子課題が出る園まとめ|親のつまずき5つ
幼稚園受験には、親御様も一緒に取り組む課題があります。紙ストローとリボンで何かを作る園、ラップの芯を積み上げる園、親御様のひざにお子様を乗せて歌に合わせて身体を動かす園。こうした親子課題で、いちばん多くいただくご相談が「どうすれば上手にできますか」です。
私がお伝えしたいのは、その逆です。親子遊びは、上手にやるものではありません。そして当日つまずきやすいのは、親御様のほうです。この記事では、15園の過去の例を整理し、親御様がつまずきやすい5つの場面と、ご家庭でできる準備をお話しします。具体的な課題は受験されたご家庭から伺った例で、内容や道具、時間は変わります。最新の募集要項と、当日の先生の指示を確認してください。親子遊びの基本は、こちらの記事でも解説しています。【幼稚園受験】親子遊びとは?内容と対策をプロが解説
動画でも解説しています。
親子課題には、どのような形があるのか
光塩の公式案内は「面接と遊びによる簡単な考査」、マリアの園は「小集団遊び・親子面接」とされています。過去の受験例を、3つの形に分けてご紹介します。
パート1 親子で制作する園
### 暁星幼稚園
これまでの考査では、紙ストロー2本、リボン、セロテープ、カラーペン、ハサミが用意され、5分間で親子で好きなものを作る、という課題が出ています。このとき、お子様はハサミを使いません。そして、作ったあとはそれを使って遊び、指示を聞いて片づけまで行います。紙コップと折り紙で作る年、絵カードでお話を作る年、段ボールで自由に遊ぶ年もありました。
### 枝光会附属幼稚園
これまでの考査では、机に画用紙、クレヨン、はさみ、つぼのり、ウエットティッシュが用意され、前の机の折り紙は使いたければ取りに行く、という形で行われた例があります。親子で自由に制作し、完成したあと、先生から「何を作ったのですか」と質問されます。ほかに、おままごとやぬいぐるみ、電車、ビー玉転がしなどで親子で自由に遊ぶ時間もありました。「教室の玩具や遊具で遊ばない」といった注意も出ます。
### 東京学芸大学附属幼稚園 竹早園舎
箱の中にコップ2個、紙製の立方体2個、ラップの芯2本、ガムテープの芯1個が用意され、「箱の中のものを好きに使って、できるだけ高く積んでください」と指示された例があります。また、先端に星がついた15センチほどの魔法のステッキと、ウサギ、ゴリラ、ゾウのイラストが用意され、「魔法のステッキを使って、好きな動物に変身させてください」という課題もありました。イラストの動物以外でもよい、とされています。
### 白百合学園幼稚園
これまでの受験例では、二次選考で親子制作と、お子様だけの個別・集団課題が行われてきました。短い時間の中で、お子様の発想を親御様が待てるかが表れやすい課題です。制作のあとには、片づけと切り替えもあります。
パート2 親子で身体を使って遊ぶ園
### 東洋英和幼稚園
歌やリズムに合わせて、親御様の脚にお子様を乗せたり、両手をつないで身体を動かしたり、最後に抱き合ったりする課題が行われた例があります。実際に受験されたお母様からは、緊張していたお子様が、この遊びの中で表情をやわらげたと伺っています。
### 青山学院幼稚園
これまでの適性テストでは、「おすわりやす いすどっせ」「もちっこやいて」「おんまはみんな」といったわらべうたに合わせて、親御様のひざにお子様を乗せて揺らし、決まった歌詞のところで足を伸ばして、すべり台のようにすべり降ろす課題が出ています。音楽に合わせて、ペンギンのように親御様の足の甲にお子様を乗せて歩き回る課題もありました。遊びのコーナーには、池、おままごと、お店屋さん、お絵描きコーナー、物見台と双眼鏡、木の実転がし、三輪車、木製の電車とレールなどが用意された例があります。実際に受験されたお母様からは、「親子遊びでは水が張られた池があり、服を濡らして着替えていたお子さんがいました」と伺っています。服装や持ち物は、受験年度の案内に従ってください。
### 桐朋幼稚園
これまでの考査では、親御様がいすに座り、向かい合わせになるようにお子様をひざに乗せ、先生の歌に合わせて親御様がお子様の額、鼻、ほおを触り、次にお子様が同じように親御様の額、鼻、ほおを触る、という課題が出ています。高い台の上にクマのぬいぐるみが置いてあり、届くように親子で用意された箱を積み上げる課題や、おままごと、ドールハウス、スポンジ積み木、ハンバーガー屋さんごっこ、ボーリングなどで自由に遊ぶ時間もありました。お子様がためらっていると、先生から「お母さまと一緒でもいいですよ」と声をかけていただいたと伺っています。
### 晃華学園マリアの園幼稚園
ご両親の間にお子様が入り、「くっついた」の歌に合わせて、くっついたり離れたりする課題が出ています。親子でお散歩ごっこをし、手をつないで歩き、途中でウサギ、ゾウ、コアラなど指示された動物のまねをすることもあります。自由遊びでは、おままごと、お絵描き、スポンジブロック、パズル、絵本、電車、折り紙などで遊びます。歌に合わせてくっつく、動物のまねを一緒にする。恥ずかしがってしまうご家庭は、実際にいらっしゃいます。
### お茶の水女子大学附属幼稚園
これまでの考査では、3年保育は親子一緒に考査室へ入り、おままごと、お人形、ぬいぐるみ、リトミックスカーフ、マツボックリや木の葉、木製の車や電話、ペットボトルのマラカス、積み木、大型積み木などで自由に遊びます。2年保育は、お子様だけで入室し、途中から保護者が1人入室して、親子で遊びます。ほかに、「やきいもグーチーパー」を歌いながらの手遊びも出ています。
### 光塩幼稚園
おままごと、パズル、絵本、積み木などでの自由遊びや、ボール、トンネル、玉入れなどでの自由遊びが出ています。マットの上におままごとセット、キッチン、果物のおもちゃ、卵のかごなどが置かれ、靴を脱いでマットに上がり、親子3人で遊ぶ形です。遊んでいる間も、先生から声をかけられます。実際に受験されたお母様からは、「待機中の親子遊びの最中も、つき添いの先生から話しかけられました。フリートークのような雰囲気ですが、気軽に受け答えせず、考査であることを忘れずに家庭の教育方針などを伝えたほうがよいと思いました」と伺っています。
### そのほかの園
豊明幼稚園では、面接日に、お子様が指示された方向へ走り、巧技台に上って跳び下りた後、親子で大型積み木やおままごとなどを使って遊ぶ形が見られた年があります。湘南白百合学園幼稚園では、控え室で名札を左胸につけて親子遊びをしたあと、親子面接、そしてお子様の個別テストと伺っています。枝光学園幼稚園では、ご両親とお子様で親子遊びを行い、その途中に親子面接が行われた例があります。
パート3 親御様が語りかける課題がある園
### 成城幼稚園
これまでの受験例では、親御様が積み木を使って、その場でまとまりのあるお話を考え、お子様に聞かせる課題が行われた年があります。お話のあとには、先生がお子様へ内容について質問します。親御様の語りだけでなく、お子様が親御様の声を受け取っているかまで表れる課題です。親子遊びの途中に、親御様へ次のような質問がされた例もあります。
- 「日中、お子様と一番よく遊ぶのはどなたですか」
- 「普段、どのような遊びが好きですか」
- 「ごきょうだいとは似ていますか」
親子で遊びながら答えるため、用意した文章をそのまま話す場面ではありません。
### 雙葉小学校附属幼稚園
これまでの受験例では、複数の親子が同じ部屋に入り、20分ほど自由に遊ぶ形が見られました。ボードに動物や木の実を貼る遊び、ボールを転がす遊び、魚釣り、輪投げなど、親子で一緒に楽しめるものが用意された年があります。遊びの途中では、先生から親御様へ「どのようなお子様ですか」「休日はどのように過ごしていますか」と質問された例もあります。遊びながら親御様が話す。この場面が、いくつもの園にあります。なお、考査の内容や時間は年度によって変わります。
親御様のつまずき5つと、その直し方
ここからが本題です。責める話ではありません。どれも、多くの親御様がやりがちなことです。
つまずき1 先回りして、完成させてしまう
よくあるのが、これです。5分と示されると、親御様の手が速くなります。お子様が紙ストローを触っている間に、親御様がリボンを結び、セロテープを貼り、形にしてしまう。けれど、枝光会附属幼稚園では、完成したあとに先生から「何を作ったのですか」と質問されます。親御様が作ったものだと、お子様は答えにくくなります。
直し方は、最初の30秒、手を出さないと決めておくことです。その間に、お子様がどこを触るかを見て、触った部分から広げていきます。ご家庭でできるのは、お子様が積み木を崩したときに、すぐ積み直してあげないことです。「どうしようか」と聞いて、待つ。この数秒が、当日の30秒になります。もちろん、親御様が手伝う場面があってかまいません。困って助けを求めているのか、自分で考えているのかを見て、関わり方を変えてください。
つまずき2 作品の出来にこだわってしまう
竹早園舎の「できるだけ高く積んでください」を思い出してください。高く積むよう言われると、崩れることが怖くなります。けれど、コップ、紙の立方体、ラップの芯、ガムテープの芯という組み合わせは、そもそも安定しません。崩れることが前提の材料だと、私は感じます。「魔法のステッキ」の課題も、イラストの動物以外でよいとされていました。
正解のない課題では、完成度よりも、親子でどう相談し、うまくいかなかったときにどう立て直すかという過程が表れやすくなります。直し方は、崩れたときの第一声を決めておくことです。「あーあ」ではなく、「もう一回やってみようか」。ご家庭で何かが崩れたとき、親御様の第一声を一度意識して聞いてみてください。示された課題には取り組みつつ、できばえだけでなく、一緒に考える時間も大切にしましょう。作品のどこが評価されるかは、こちらから決めつけられません。
つまずき3 先生の指示を聞き逃してしまう
これは、準備で防げるつまずきです。暁星幼稚園を受験されたお母様からは、「先生が『お片づけをしてください』と声をかけるのですが、ささやき声のように小さいお声でおっしゃるので、集中して楽しく親子遊びをしていたら、聞き逃してしまいました」と伺っています。楽しく遊んでいたからこそ、聞き逃してしまう。正直なお話だと思います。
枝光会附属幼稚園を受験されたご家庭からは、「考査では、親子課題の道具の使い方、制限時間、ごみの扱い方、自由遊びへの切り替え方など指示が多く、覚えるのが大変でした。保護者の注意力も試されていると感じました」と伺っています。直し方は、お子様と目を合わせて遊びながらも、耳は先生のほうに残しておくと決めることです。先生がお話を始めたら、いったん遊ぶ手を止めて顔を向けます。聞き取れなかったときは、慌てず、質問できる場面で落ち着いて確かめてください。ご家庭では、テレビや音楽をつけたままの部屋で「そのタオルを、洗面所のカゴに入れてね」と小さな声で伝えてみる練習もできます。わざと聞こえにくくする必要はありません。
つまずき4 お子様の言葉を待たずに、代わりに答えてしまう
「何を作ったのですか」と聞かれた瞬間、お子様が黙る。その沈黙が長く感じられて、親御様が「お家を作りました」と答えてしまう。これも、よくある場面です。けれど、この質問はお子様に向けられています。まず、誰に向けられた質問かを確かめてください。お子様への質問なら、お子様が考えたり、話し始めたりする様子を待ちます。親御様に説明を求められたときは、そこで答えましょう。
晃華学園マリアの園幼稚園では、先生が絵本の『だるまさんが』を読み聞かせる間、親御様は先生の後ろのいすに座って見守る形だと伺っています。完全に離れるわけではないけれど、そばにもいない。こうした形から、親御様がどこまで手を出さずにいられるかも、あわせて表れやすくなると考えられます。直し方は、10秒待つと決めておくことです。10秒は、思っているよりずっと長く感じます。だからこそ、先に決めておきます。絵本を読んだあとに「どの場面が好きだった?」と聞いて、答えが返るまで待ってみてください。答えが「わからない」でも大丈夫です。言葉が出なければ、指さしたところを見ながらやり取りしてもかまいません。
つまずき5 遊びから片づけへ、切り替えられない
最後は、終わり方です。暁星幼稚園では、作ったあとにそれを使って遊び、指示を聞いて片づけまで行います。青山学院幼稚園でも、自由遊びのあとに親子で片づける時間が設けられた例があります。枝光会附属幼稚園は、制作から自由遊びへ、そして片づけへと場面が続けて変わります。白百合学園幼稚園の親子制作にも、そのあとの切り替えがあります。遊びは、始めることだけでなく、終わりまでが一つの経験です。
難しいのは、楽しく遊べているときほど、切り替えが急になることです。親御様がすべて片づけてしまう、あるいは遊んでいるお子様から急にものを取り上げてしまう。どちらも、その場は早く収まりますが、お子様の気持ちは置いていかれます。直し方は、予告することです。「あと一つ遊んだら、お片づけにしようね」「これはどこに戻すのかな」。この2つを、ご家庭で言い慣れておいてください。「時計の長い針がここに来たら、おしまいね」と最初に伝えておくのも効果的です。ただし、考査中に先生から片づけの合図があったら、その合図に合わせます。「もう一回だけ」と遊びを延ばさず、「おしまいの時間だね。一緒に戻そう」と伝えましょう。お子様がまだ遊びたそうなら、その気持ちを受け止めながら、戻す場所を一緒に確かめます。
今日からできる準備、4つ
1つ目は、空き箱の入った箱を、家に一つ作ること
ラップの芯、ガムテープの芯、紙コップ、紙ストロー、リボン、空き箱。捨てる前に、一つの箱にためておいてください。週末に「これで何を作ろうか」と親子で相談します。上手に作れなくて構いません。お子様の年齢に合う材料で、「何に使えそうかな」と話し合ってみましょう。
2つ目は、手遊びとわらべうたを、家で歌えるようにしておくこと
「くっついた」「グーチョキパーでなにつくろう」「ひげじいさん」、そして「やきいもグーチーパー」。歌詞を覚えることよりも、身体を寄せることに親子で慣れておいてください。考査の場で初めてひざに乗せると、お子様も戸惑います。お父様もお母様も、お子様が楽しめる動きから一緒に参加しましょう。
3つ目は、「何を作ったの?」と聞いて、10秒待つ練習
これは、親御様の練習です。お絵描きでも、積み木でも構いません。聞いたら、答えを待つ。先に「お家だね」と言わない。お子様が言葉にするまでの間を、ご家庭で作っておいてください。上手に説明させようとせず、伝えてくれたことを受け取りましょう。
4つ目は、遊びの終わりを、遊びの一部にすること
始める前に、終わりの合図を決める。終わりが近づいたら、予告する。そして「これはどこに戻すのかな」と聞きながら、片づけを親子で行う。始める、楽しむ、終える。この流れを毎日繰り返せば、考査の場でも同じことをするだけです。
まとめ
親子課題には、大きく3つの形があります。紙ストロー、リボン、セロテープ、画用紙、ラップの芯といった材料で親子で作る園。わらべうたや手遊びに合わせて、親子で身体を寄せて遊ぶ園。そして、親御様がお話を語り、遊びながら質問に答える園です。
どの形でも、表れやすいのは作品の出来ではありません。先回りせずに待てるか。崩れたときに次の一言が出るか。遊びながらも先生の言葉を聞けるか。お子様が話し出すまで黙っていられるか。そして、遊びを気持ちよく終われるか。この5つは、当日に急に身につくものではありませんが、どれも今日から家でできることです。
親子遊びを、上手にやろうとしないでください。いつもの遊び方を、いつものまま見ていただく。それが、確かな準備になります。
「わが家に合った準備の進め方を知りたい」という方は、うみ塾長の個別相談や、家庭対策サポートをご活用ください。
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