【幼稚園受験】母子分離がある園・ない園まとめ|泣いても大丈夫だった園は?
「うちの子は、私から離れられません」「考査で泣いてしまったら、もう不合格でしょうか」。幼稚園受験で、毎年とても多くいただくご相談です。
先にお伝えします。泣いた、離れられなかった。それだけで、結果を決めつける必要はありません。実際に、お子様が離れられず、先生の案内で親御様が付き添ったうえで、合格されたご家庭のお話も伺っています。ただし、園の対応や合否を、すべてのご家庭に約束できるわけではありません。この記事では20園を取り上げ、親子分離の形と、泣いたときの対応例を整理します。公式の案内と、これまでに伺った受験例を分けてお話しします。考査の形は年度によって変わりますので、出願前に最新の募集要項をご確認ください。親子分離についての基本は、こちらの記事でも解説しています。【幼稚園受験】母子分離不安で泣く時の対策をプロが解説
動画でも解説しています。
親子分離の形を整理します
パート1 親御様と離れない考査の園
まずは、これまでの受験例で、親子分離を設けずに進められてきた園です。
### 桐朋幼稚園
現在の公式要項には、お子様だけを別室へ呼んで考査することはない、と明記されています。親御様お一人とお子様で、遊びによる考査を受けます。全体でおおよそ1時間です。
### 光塩幼稚園
これまでの受験例では、受付後に番号札をつけ、1組ずつ個別の課題と親子面接を受ける形と伺っています。所要時間はおよそ20分です。集団の考査や運動の考査という区分も、これまでの受験例では伺っていません。受付から最後まで、1家族に先生がお一人つき添ってくださったというお話もあります。
### 枝光会附属幼稚園
お母様とお子様が一緒に考査会場へ入り、親子で制作や自由遊びに取り組む形が見られています。お父様は控え室でアンケートを記入し、途中で親子面接に呼ばれる流れです。
### 東洋英和幼稚園
複数の親子が一緒に入り、親子で身体を使って遊ぶ時間と、用意された玩具で自由に遊ぶ時間が設けられてきました。所要時間は40分ほどだったという受験例があります。自由遊びの時間には、親御様がお子様のそばで遊ぶことも、少し離れて見守ることもできる形が見られました。
### お茶の水女子大学附属幼稚園(3年保育)
これまでの考査では、3年保育は親子一緒に考査室へ入り、おままごと、ぬいぐるみ、木の実、積み木などで自由に遊ぶ形が見られています。ただし、2年保育は形が違います(のちほど触れます)。
同じ部屋にいることと、ずっと手をつないでいることは同じではありません。先生に呼ばれたら、お子様が少し離れて取り組む場面も考えておきましょう。
パート2 お子様だけになる時間がある園
次は、これまでの受験例で、お子様が親御様と離れて課題を受ける時間があった園です。ただし、一対一の課題か、集団での活動か、面接中に別室へ移るのかは、園によって違います。
- 学習院幼稚園:保護者面接とお子様の考査が別日で、保護者面接にお子様は同席しません。お子様の考査は40分ほど、6人ずつ誘導され、個別の課題と集団での課題を受けたと伺っています。
- 日本女子大学附属豊明幼稚園:お子様が親御様と離れ、少人数で入室する形が見られています。先生と一対一で課題に取り組む時間もあり、全体で30分ほどだった年もあります。
- 若葉会幼稚園:名札を左胸につけて、5、6人のグループで個別の課題と集団での課題に取り組みます。その後に親子面接で、所要時間は1時間ほどです。過去の面接では、お母様に「お子さんは母子分離ができますか」と質問された例もあります。
- 枝光会駒場幼稚園:受付のあと親子面接を受け、その後お子様だけが集団テストと個別テストを受ける形が見られています。順番が前後することもあります。
- 田園調布雙葉小学校附属幼稚園:面接と考査が別日です。過去の面接では、お子様が名前や年齢を聞かれた後、先生と別室へ移動する形が取られた例があります。ただし、毎年同じ形とは限りません。
- カリタス幼稚園:親子面接が先で、そのあと1グループ8人から10人の単位で集団テストです。お子様が在園児と一緒に園の生活の中へ入っていく形が見られ、全体の所要時間は40分ほどと伺っています。
- 東京学芸大学附属幼稚園 竹早園舎:第一次選抜の発育総合調査は、これまで竹早小学校の校舎で行われてきました。お子様は15人から17人ほどの単位で調査室に入り、1時間ほど集団での活動を受けます。
パート3 途中で切り替わる園・年度で変わる園
親子分離があるか、ないか。この二つに分けきれない園があります。
- 成城幼稚園:現在の公式Q&Aでは、親子で同じ考査室に入り、前年度は、わずかな時間だけお子様だけの考査も行ったと説明されています。
- 雙葉小学校附属幼稚園:これまでの考査では、親子遊びの途中に、お子様だけが先生に呼ばれ、別の活動へ進む形が見られた年があります。紙で作られたカエルを使って、複数のお子様だけで遊ぶ課題が行われた例もあります。
- 青山学院幼稚園:これまでの適性テストでは、親子遊び、お子様だけの自由遊び、親子での片づけ、読み聞かせ、リズム遊びなどが行われた例があります。読み聞かせなどでは、親御様のそばから離れて参加する場面が設けられた年もありました。
- 暁星幼稚園:親子面接、お母様とお子様で取り組む課題、そしてお子様だけの集団・個別の課題を組み合わせる形が見られています。その間に、親御様が控え室でアンケートを記入する年もありました。
- 湘南白百合学園幼稚園:控え室での親子遊びが先で、親子面接をはさんで、最後にお子様が一人で先生と向き合う個別テストという流れです。全体では40分から1時間ほどです。
- 枝光学園幼稚園:ご両親とお子様で親子遊びを行い、その途中に親子面接。その後、お子様は集団での課題へ進み、親御様は控え室で調査書を記入する形が見られています。
- 晃華学園マリアの園幼稚園:およそ5人単位の集団テストから始まりますが、最初は親子で行う課題です。読み聞かせのとき、親御様は先生の後ろのいすに座って見守る形だと伺っています。完全に離れるわけではないけれど、そばにもいない場面です。
- お茶の水女子大学附属幼稚園(2年保育):2年保育はお子様だけで入室し、途中から保護者が1人入室して、親子で遊ぶ形が見られています。
- 東京学芸大学附属幼稚園 小金井園舎:第2次検定は「面接・観察」で、出願されたお子様と保護者の方お一人、午前中1時間程度と公式に示されています。ただし、考査の詳しい内容は公表されておらず、親子分離の有無も、公表されている情報からは判断できません。
なお、考査の内容や時間、親子分離の形は年度によって変わることがあります。
泣いてしまったとき、園はどう対応してきたか
ここからが、今日お伝えしたい中心の部分です。実際に受験されたご家庭から伺ってきたお話を、そのままご紹介します。
豊明幼稚園
親子分離の際に泣いてしまったものの、「次の回でもよく、このことだけで合否は決まらない」という案内を受けた、というお話を伺っています。考査の場で、園の側からそう伝えていただけたということです。
東京学芸大学附属幼稚園 竹早園舎
実際に受験されたお母様からは、こう伺っています。「発育総合調査の誘導時に泣いてしまった子は、落ち着くまで待機していました。調査中に泣いてしまった子は、親が呼ばれてつき添っていたようでした。母子分離できるように準備することが大切だと思いました」。誘導のときに泣いた子は待ち、調査中に泣いた子には親御様が呼ばれる。その場で切り上げるのではなく、時間を取ってくださっています。ただし、そのお子様の合否までは分かりません。
雙葉小学校附属幼稚園
実際に合格されたご家庭からは、お子様が離れられず、先生の案内により親御様が付き添った、というお話も伺っています。離れられなかった。それでも、ご縁をいただいたご家庭があるということです。ここから言えるのは、付き添ったうえで合格した例がある、ということまでです。付き添えば合格できる、泣いても評価に関係しない、という意味ではありません。
枝光会駒場幼稚園
過去には、泣いてしまったお子様に対し、順番を変更するなど、落ち着くまで柔軟に対応していただいたという受験例もあります。
桐朋幼稚園
実際に受験されたご家庭からは、「これまでの遊びによる考査では、子どもがためらっていると、先生がすぐ『お母さまと一緒でもいいですよ』などと声をかけてくださいました。親子の関係性をベースにした子どもの発達を確認しようという意図がうかがえました」というお話を伺っています。
晃華学園マリアの園幼稚園
実際に受験されたお母様からは、「わが家は説明会や園庭開放に参加したほか、個別で見学もさせていただきました。考査当日子どもはぐずってしまったのですが、見学時に普段通りの姿を見ていただいていたのでよかったと思いました」と伺っています。当日ぐずってしまった。それでも、それ以前に普段の姿を見ていただいていた。今日からできる準備につながるお話です。
カリタス幼稚園
実際に受験されたお母様からは、「考査で子どもは在園児と一緒にモンテッソーリのお仕事をしたようです。終了後も在園児に連れられ控え室に戻ってきました。楽しかったらしく、またお姉ちゃんたちと遊びたいと入園への意欲を見せていました」と伺っています。親御様と離れる時間が、お子様にとって楽しい時間になった例です。
これらのお話から、何が見えてくるか
泣いたその瞬間に、何かが打ち切られたわけではない、ということです。待っていただいた園、順番を変えていただいた園、親御様を呼んでくださった園、「一緒でもいいですよ」と声をかけてくださった園があります。もちろん、これらはこれまでの受験例で、毎年同じ対応になるとは限りません。
ただ、こうした対応から考えると、確かめられているのは、泣かずに離れられるかどうかだけではないと考えられます。先生のお話に気持ちを向けようとすること。戻ってきたあとに、次の活動へ気持ちを切り替えられること。そして、親御様がその場でどう関わるか。こうした姿のほうが、表れやすくなります。
当日は、まず先生に状況を伝え、案内に沿って対応してください。無理に引き離したり、親御様の判断だけで考査室についていったりせず、どうすればよいか確かめましょう。
今日からできる準備、4つ
1つ目は、無理に離す練習をしないこと
「離れられないと困るから」と、急にお子様を一人にしたり、離れることを繰り返し試したりすると、かえって不安を強めてしまうことがあります。必要なのは、離れる回数を増やすことではありません。「行ってきて大丈夫だよ」「終わったら、ここで待っているからね」と言われたら安心できる、という関係です。日頃から、戻ってくることを言葉にして、そのとおりに戻る。この積み重ねが、当日の姿につながります。
まずは親御様も一緒に、顔なじみの先生や、ご家族以外の方と遊ぶ。慣れてきたら、お子様の様子を見ながら短い時間をお願いする。離れるときには「終わったら迎えに来るね」と伝え、その約束を守ってください。気づかれないようにいなくなることは避けましょう。
2つ目は、当日の流れを、短い言葉で先に伝えておくこと
「お部屋で先生と遊んでくるよ」「終わったら、また会おうね」。このくらいの短さで構いません。実際の案内に合わせて、これから起きることを伝えます。待つ場所が決まっていないのに、「この部屋にいるよ」と約束する必要はありません。そして、戻ってきたときに、何ができたか、何を聞かれたかを問い詰めないことです。「何ができたの」「ちゃんと答えたの」と質問を重ねる前に、「おかえり」と迎えてください。話したそうなら聞く。疲れていたら、ひと息つく。そのときのお子様に合わせましょう。
3つ目は、ご家族以外の大人に、困っていることを言葉で伝える経験を重ねること
竹早園舎では、トイレに行きたいときには、お子様自身が申し出られるようにしておいてほしいという案内があった例があります。誘導係が、先生ではなく小学生のお兄さん・お姉さんだった年もありました。「トイレに行きたい」「これ、どうやるの」。ご家族以外の大人に、これが言えるかどうか。祖父母の方、お店の方、児童館の職員の方など、日常の中で、お子様自身に伝えさせる場面を少しずつ作ってみてください。まだ言葉にしにくいお子様は、先生に近づく、指をさすなど、伝えられる方法からで構いません。ご家庭では、困っている様子を見たら、すぐ代わりにやる前に「どうしたの」と聞いてみましょう。
4つ目は、園庭開放や公開行事に足を運ぶこと
晃華学園マリアの園幼稚園のお話を思い出してください。園庭開放や未就園児のクラス、保育見学など、園に足を運ぶ機会は、多くの園に用意されています。入口を通る、先生に会う、園のおもちゃで遊ぶ。こうした経験は、当日の場所を思い浮かべる助けになります。こうした場は、親御様が手を出さずに見守る練習の場にもなります。お子様が何かに集中しているとき、声をかけたくなる場面がきっと来ます。そこで10秒だけ待ってみてください。ただし、見学に行った回数で合否が決まるとは言えません。参加方法や回数の決まりを守り、ご家庭が園を知る機会として使ってください。
どの園を選ぶときに何を見るか
志望園を考えるときの視点は3つです。1つ目は、お子様が親御様と離れる時間があるかどうか。2つ目は、離れる時間の長さと、その間に何をするのかです。同じ「お子様だけ」でも、先生と一対一で課題に取り組む形と、15人以上の集団で1時間過ごす形とでは、お子様にかかるものが違います。3つ目は、親御様の側に課題があるかどうかです。お子様が離れている間に、控え室でアンケートや調査書を記入する園があり、制限時間があってその場で書く形も見られています。親子分離のある園は、親御様にとっても準備が必要な園である場合が多い、ということです。
親子分離のない園のほうが楽だ、ということではありません。親子で過ごす時間がそのまま考査になりますので、遊び方、声のかけ方、待ち方、片づけへの切り替え方が表れやすくなります。お子様が親御様から離れることにまだ不安がある場合は、親子で活動する形の園のほうが、普段の姿を出しやすい可能性があります。一方、お子様が親御様と離れても先生のお話を聞き、挨拶や簡単なやり取りができる場合は、お子様だけの考査でも力を出しやすいでしょう。どちらが優れているかではなく、お子様がどちらの形で自然な姿を出しやすいか。この視点で選んでください。考査を受けやすそう、という理由だけで志望園を決めず、入園後の保育、ご家庭の教育方針、通園やお迎えまで含めて考えていただきたいと思います。
まとめ
これまでの受験例では、桐朋、光塩、枝光会附属、東洋英和などが、親子分離を設けずに進められてきました。学習院、豊明、若葉会、枝光会駒場、田園調布雙葉、カリタス、竹早園舎などでは、お子様が親御様と離れて課題を受ける時間が見られています。そして、成城、雙葉、青山学院、暁星、湘南白百合、枝光学園、晃華学園マリアの園、お茶の水のように、途中で切り替わる園もあります。
親御様と離れられないことが、そのまま結果につながるわけではありません。無理に離す練習を重ねるよりも、安心して送り出せる関係と、戻ってきたときに落ち着いて受け止める関わりを積み重ねてください。そのうえで、志望園の考査の形を確認し、お子様が自然な姿を出しやすい園を選んでいただきたいと思います。親御様と離れることに不安があっても、その一場面だけで、お子様の力や受験の結果を決めつけないでください。
「わが家に合った準備の進め方を知りたい」という方は、うみ塾長の個別相談や、家庭対策サポートをご活用ください。
-2.png)









