子どもが運動を苦手にしていて、小学校受験の運動テストが心配です。
家ではどのように練習すればよいのでしょうか?
【小学校受験】運動テストで見られやすいこと
運動テストの内容は学校によってちがいますが、一般的には、先生が見本を見せて、お子さまが同じ動きをする形が多いです。クマ歩きやケンパ、ボールなどは、よく知られている課題の例です。志望校で何が行われるかは、募集要項や説明会で確かめてください。
ここで知っておいていただきたいのは、運動テストは、いわゆる体育のテストとは少しちがうということです。
筆者がこれまで支援してきたご家庭を振り返ると、運動が得意ではなくても、話を聞く、順番を待つ、最後までやる、ということができていたお子さまは、運動テストのあとに自信をもって帰ってきた印象があります。ただし、これは合格の条件ではなく、筆者自身の見方です。
ですから、ご家庭での練習は、課題そのものと、取り組む姿勢の両方を育てるものだと考えてください。この記事では、年中のゆいちゃんという架空のお子さまを例に、3つの課題と、見られやすい姿勢の練習方法をお伝えします。
【小学校受験】クマ歩きの家庭練習
クマ歩きは、両手と両足を床について、ひざを浮かせて歩く動きです。苦手なお子さまは、ひざが床についてしまうか、同じ側の手と足が一緒に動いてしまうことが多いです。
ゆいちゃんは、クマ歩きをすると、すぐにひざがついて、はいはいになってしまいます。このとき、お母様は次の3つの段階で練習します。
- 止まってポーズ:歩かずに、その場で「おしりを高く、ひざを浮かせて、クマさん、止まって5秒」
- 1歩だけ進む:「右手、左足」「左手、右足」と、動かす手と足を1つずつ言ってあげる
- 少しずつのばす:3歩、5歩と、進む歩数を増やしていく
声かけは、「おしり高く」と「ひざ浮かせて」の2つだけにしぼってください。いくつも言われると、お子さまはどこに気をつければよいかわからなくなります。
また、最初はカーペットやお布団の上など、手やひざが痛くない場所で練習しましょう。
【小学校受験】ケンパの家庭練習
ケンパは、片足で「ケン」、両足を開いて「パ」と、リズムに合わせて跳ぶ動きです。苦手なお子さまは、片足で立てない、リズムが合わない、床の印を見ていない、のどれかであることが多いです。
ゆいちゃんは、「ケン」のときに両足で跳んでしまいます。片足で跳ぶのが、まだ怖いのです。ここでも、3つの段階で練習します。
- 片足立ち:その場で「フラミンゴさん、3秒」。最初はお母様の手を握り、慣れたら指1本、最後は手を離す
- 床の丸:マスキングテープで丸をつくり、「ケン」の丸を1つ、「パ」の丸を2つ並べる。「1つの丸は片足、2つの丸は両足」と声に出しながら跳ぶ
- 並びを変える:「ケン、ケン、パ」「ケン、パ、ケン、パ」など、丸の並びを変える
大切なのは、決まった動きを覚えることではなく、床の丸を目で見て、そのとおりに動くことです。リズムが合わないお子さまは、お母様が「ケン」「パ」と一緒に声に出すと合いやすくなります。
一般的に、片足跳びは年中から年長にかけて安定してくるお子さまが多いと言われますが、個人差があります。
【小学校受験】ボールの家庭練習
ボールの課題は、投げる、つく、受けるなどに分かれます。ゆいちゃんは、ボールを投げると下に落ちてしまい、ボールが飛んでくると、目をつぶって顔をそむけてしまいます。ここでも、3つの段階で練習します。
- 転がす:床に座って向かい合い、「お母さんのところまで、ころころって転がしてね」
- 下から投げる:「両手で持って、下から、ぽーんって」。お母様は1メートルくらいの近い距離で受け、届いたら「お母さんのところに来たね」と言葉にする
- お皿で受ける:「両手でお皿をつくって」と伝え、まずはお皿の上にボールを置く。次に10センチほどの高さから落とし、少しずつ高さと距離をのばす
目をつぶってしまうお子さまに、いきなりボールを投げるのは避けましょう。いちばんのポイントは、「ボールを最後まで見ていてね」という声かけです。
ボールは、やわらかくて少し大きめのものを使ってください。かたくて小さいボールだと、怖さが先に立ってしまいます。
【小学校受験】運動テストで見られやすい姿勢の練習
運動テストは、自分の番のときだけではありません。見本を見ているとき、順番を待っているとき、終わって列に戻るときも、お子さまの様子が表れます。筆者の経験では、課題の練習はたくさんしていても、待つ時間の練習はしていないご家庭が多いと感じます。
ご家庭で練習していただきたい姿勢は、次の3つです。
- 見本を最後まで見る:お母様が見本を見せるときに「最後まで見てから始めてね」と伝え、途中で動き出したら、いったん止める
- 待つときの立ち方:「順番を待つときは、足をそろえて、手は横。お口は閉じて」と伝え、10秒、20秒と少し長めに待ってもらう。待てたら「待てたね」と言葉にする
- うまくできなかったときの切りかえ:失敗したら「大丈夫。最後までやって、戻っておいで」と声をかける
なかでもいちばん大切なのが、3つめの切りかえです。失敗しても、やり直しはさせません。最後までやって、戻る。この形をご家庭で何度も経験しておくと、本番でうまくいかなかったときにも、体が「最後までやって戻る」を覚えています。
【小学校受験】運動の家庭練習の入れ方
運動の練習は、1回10分ほどで十分です。週に2〜3回、遊びの中に入れてみてください。
練習の順番は、まず得意なことを1つやって、気持ちが上がったところで苦手なことを少しだけ、最後はまた得意なことで終えるのがおすすめです。「できた」で終わると、お子さまは次の練習も前向きに取り組めます。
また、ほかのお子さまと比べるのではなく、少し前のお子さまと比べてあげてください。「先週より1歩多く進めたね」と具体的にほめることが、苦手意識をやわらげる近道です。
ご両親が一緒に体を動かして楽しむ姿を見せることも、お子さまの「やってみたい」という気持ちにつながります。ときにはお父様やお母様がクマ歩きをして、お子さまに「おしり、高くなってる?」と見てもらうのもおすすめです。見る側に回ることで、正しい形をお子さま自身が意識できるようになります。
【小学校受験】運動テストについてのよくある疑問
運動が苦手だと、受験で不利になりますか?
評価の基準は公表されていないため、言い切ることはできません。運動テストでは、指示を聞く、待つ、最後までやるといった姿勢も表れやすいと筆者は感じています。課題と姿勢の両方を、ご家庭で少しずつ練習していきましょう。
どのくらいの期間、練習すればよいですか?
お子さまによってちがいます。1回10分ほどを週に2〜3回、無理のない形で続けることが大切です。できることが少しずつ増えていく様子を、一緒に喜んであげてください。
片足立ちや片足跳びがなかなかできません。
体の育ち方には個人差があります。段階を細かく分けて、手をつないだ状態から少しずつ練習してみましょう。気になることが続く場合は、乳幼児健診や小児科などの専門家に相談してみてください。
家の中に、練習できる広さがありません。
クマ歩きやケンパは、廊下や部屋の一角など、数歩分の広さがあれば始められます。ボールは、やわらかいものを使い、座って転がす練習から始めれば、家の中でも安心です。広い場所が必要な練習は、週末に公園で行うなど、使い分けてみましょう。
練習を嫌がるときは、どうすればよいですか?
無理に続けず、得意な動きや遊びから始めてみましょう。外遊びや公園の遊具の中にも、体を動かす練習になる場面はたくさんあります。
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※学校ごとの最新の情報は、各校の公式サイトと募集要項でご確認ください。
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