東京学芸大学附属大泉小学校は、日本国内でも数少ない国際バカロレア(IB)の初等教育プログラム(PYP)導入校として、探究的な学びを重視する国立小学校です。
そのため、多くの保護者様が「特別な才能が必要なのではないか」「入試問題も非常に難解なのではないか」というイメージを持たれがちです。
しかし、実際の入試問題を紐解いていくと、奇抜な難問が出題されるわけではなく、むしろ幼児期に身につけておくべき「標準的な力」をベースにしつつ、別の角度からお子様の資質を見極めようとしていることが分かります。
この学校が求めているのは、ペーパーテストで満点を取るだけの「知識詰め込み型」のお子様ではありません。
自ら考え、判断し、それを他者に伝える力を持ったお子様です。
入試倍率は例年10倍〜20倍近くと非常に高倍率で推移しており、運と実力の双方が求められる厳しい世界ですが、正しい理解と対策を行えば、ご家庭の力で十分に合格の可能性を高めることができます。
本記事では、東京学芸大学附属大泉小学校の入試の核心に迫り、合格への道筋を明らかにしていきます。
【東京学芸大学附属大泉小学校】過去問は難しい?
「東京学芸大学附属大泉小学校の過去問は難しいですか?」という質問をよくいただきますが、「ペーパー問題の難易度は標準的ですが、合格するための難易度は非常に高い」というのが真実です。
具体的に申し上げますと、東京学芸大学附属大泉小学校のペーパーテストは、都内の他の国立小学校や難関私立小学校と比較しても、決して解けないような難問は出題されません。
お話の記憶や数、図形といった基本的な単元が中心であり、幼児教室に通っているお子様であれば「簡単だった」と感じることも多いでしょう。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
問題が標準的であるということは、受験者全体の平均点が非常に高くなることを意味します。
つまり、ケアレスミスや聞き逃しが命取りとなり、わずかな失点が合否を分けるシビアな戦いになるのです。
さらに、東京学芸大学附属大泉小学校の入試で最も重要視されているのは、ペーパーの点数だけではなく、面接(口頭試問)や行動観察で見られる「対話力」と「思考力」です。
特に口頭試問の難易度は高く、単に名前や年齢を答えるだけのものではありません。
「お友達と意見が合わなかったらどうしますか?」「なぜそう思ったのですか?」といった、正解のない問いに対して、自分の言葉で論理的に説明する力が求められます。
これは、入学後の探究学習において、自ら問いを立てて解決していく姿勢が求められるためです。
したがって、東京学芸大学附属大泉小学校の入試は、ペーパーができるだけでは突破できません。
日頃から「どうして?」「あなたならどうする?」といった親子の対話を積み重ねてきたご家庭でなければ対応できない、人間としての総合力が問われる試験だと言えるでしょう。
【東京学芸大学附属大泉小学校】入試の基本情報
東京学芸大学附属大泉小学校を目指す上で、まず押さえておきたいのが入試の仕組みとスケジュールの全体像です。
国立小学校特有の「抽選」制度がありますが、近年このプロセスには受験生にとって有利な変化が見られます。
以前は試験通過後に「第3次選考(最終抽選)」があり、合格しても最後のくじ引きで涙を飲むケースがありましたが、コロナ禍以降、この第3次選考は廃止されており、試験での実力がそのまま合格に直結するようになりました。
これにより、東京学芸大学附属大泉小学校は「実力で合格を勝ち取れる学校」へとシフトしています。
2027年度入試(2026年秋実施)のスケジュールについては、例年通りであれば9月上旬に学校説明会の動画配信や募集要項の配布が始まり、10月10日に第1次選考(抽選)が行われます。
この抽選の通過率は、男女ともに約70%〜80%程度で推移しており、他の国立小学校に比べると試験に進めるチャンスは比較的高いと言えます。
その後、11月下旬(例年11月26日・27日頃)に2日間にわたる第2次選考(総合調査)が実施され、ここでペーパーや運動、行動観察、面接などが行われます。
また、通学区域に関しても重要な変更がありました。
2025年度入試より通学区域が大幅に拡大され、練馬区や西東京市などの近隣だけでなく、豊島区、板橋区、文京区、新宿区、中野区、杉並区、北区、さらには埼玉県の一部の市(和光市、新座市、所沢市など)まで広範囲が指定されています。
さらに、現在は区域外に住んでいても、合格後に指定区域内に転居することを確約できれば受験が可能となっており、より多くのご家庭に門戸が開かれています。倍率は例年15倍〜20倍近くと非常に高倍率ですが、入念な準備をしたご家庭が報われる入試形式となっています。
【東京学芸大学附属大泉小学校】過去問の出題例
東京学芸大学附属大泉小学校の入試では、子どもの「知・徳・体」を総合的に見るために、多岐にわたる課題が出題されます。
まずペーパーテストでは、「お話の記憶」が頻出です。
校内放送で流れる物語を聞き、登場人物の心情や状況を問う問題が出されますが、動物が出てくる親しみやすい内容が多いのが特徴です。
また、「生活常識・道徳」の問題も特徴的で、「バスの中でのマナー」や「お友達の家で嫌いな食べ物が出たらどうするか」といった、社会性や道徳的判断を問う出題が見られます。
これは机上の学習だけでなく、ご家庭での躾がそのまま得点力に直結する分野です。
運動テストにおいて最も有名なのが「模倣ダンス」です。その年に流行したポップな曲(例えば「パプリカ」「鬼滅の刃」「YOASOBIのツバメ」など)に合わせて、先生のお手本通りに楽しく踊る課題です。
ここではダンスの技術よりも、恥ずかしがらずに元気に参加できるか、先生の動きをよく見て真似できるかという「ノリの良さ」と「集中力」が見られています。
また、行動観察ではグループでのゲーム(ボール運びや新聞紙を使った課題など)を通じて協調性が評価され、試験の待ち時間に上級生が行うレクリエーションへの参加態度もチェックされることがあります。
そして、合否の鍵を握るのが「口頭試問」と「巧緻性」です。
口頭試問では、「お友達とトラブルになったらどうしますか?」「今できないけれど挑戦していることは何ですか?」といった、自分自身で考えて答えを導き出す質問が投げかけられます。
巧緻性では、折り紙や豆運びといった作業に加え、「こぼれたケチャップをティッシュで拭き取る」といった生活密着型の課題が出たこともあります。
単に作業ができるだけでなく、汚れたティッシュを内側に丸めて捨てるなどの「後始末の美しさ」や気配りまでが見られており、まさに「生活力」そのものが問われる試験内容となっています。
【東京学芸大学附属大泉小学校】過去問は難しい?入試の特徴と対策ポイントを解説 まとめ
ここまで東京学芸大学附属大泉小学校の入試について詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この学校が求めているのは、詰め込み教育で知識を蓄えた子どもではなく、日常生活の中で自ら考え、判断し、他者と関わることができる「自立した子ども」です。
過去問のペーパー自体は標準的な難易度ですが、それをクリアした上で、口頭試問や行動観察で見られる「人間力」や「対話力」が高いレベルで要求される点が、東京学芸大学附属大泉小学校の入試の最大の特徴であり、難しさの本質です。
対策のポイントとしては、まずペーパーなどの基礎を盤石にし、ケアレスミスをなくすことが前提となります。
その上で、ご家庭での「会話」を大切にしてください。単なる業務連絡のような会話ではなく、「なぜそう思うの?」「次はどうしたらいいかな?」と、お子様の考えを引き出す問いかけを日常的に行うことが、難関とされる口頭試問への一番の対策となります。
また、巧緻性や行動観察の対策として、お手伝いを通じて道具の扱いや後片付けの習慣を身につけさせることも欠かせません。
倍率は高く狭き門ではありますが、以前のような試験後の抽選がないため、努力が結果に結びつきやすい公平な入試制度になっています。
東京学芸大学附属大泉小学校の入試対策を通じて培った「考える力」や「生活習慣」は、合否にかかわらず、お子様の将来にとってかけがえのない財産となるはずです。
ぜひ、親子で楽しみながら成長できる受験生活を送ってください。
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