小学校受験の面接で、「いじめ」に関わるテーマが扱われることがあると聞いたのですが、それは学校でいじめがあるということなのでしょうか。
まだ入学もしていないのに、どう答えればよいのか分かりません。
小学校受験の面接では、学校で起こりうるトラブルを想定したやりとりが行われることがあります。その代表が「いじめ」に関わるテーマです。
いじめは、どの学校でも起こりえますし、どのお子さまでも当事者になりえます。ですから学校は「うちでは起きません」とは言いません。大切なのは、起きたときにご家庭がどう向き合うかです。
大切なのは、以下の3点です。
・批判ではなく、子どものためにできることの観点で語ること
・学校や先生を信頼し、協力して解決する姿勢を示すこと
・家庭でも担う部分があると伝えること
小学校受験の個別相談、家庭学習サポート、願書作成、面接対策を行う筆者が詳しく解説していきます。
面接の準備を進めている方は、ぜひ参考にしてくださいね!
小学校受験の面接で、「いじめについて」が扱われる理由
いじめは、いつでも、どこでも、誰にでも起こりうる出来事です。私立小学校だから起きない、ということはありません。
そしていじめは、対応を一つ間違えると、お子さま同士の関係だけでなく、保護者同士の関係、学校と家庭の関係まで大きく損なってしまいます。この問題に直面したとき、保護者としての姿勢がはっきり表れます。
だからこそ面接では、こうした場面を想定したやりとりが行われるのです。良識ある保護者かどうかを見るためですが、もう少し細かく分けると、次のような点が見られています。
なお、多くの場合は「お子さまが受ける側になったら」という想定で話が進みます。
いわゆるモンスターペアレントを避けるため
たとえば次のような姿勢は、いずれも一見すると筋が通っているようでいて、学校側から見ると心配な形になります。
- 解決するまで徹底的に追及する、という構え
- 相手のお子さまの家庭事情まで踏み込もうとする構え
- まず相手に謝罪させることを出発点にする構え
間違ったことを言っているわけではありません。ただ、こうした対応は他人の責任を追及する方向に向いており、お子さまの成長を支えるという観点から離れてしまいます。
お子さまにトラブルが起きたとき、親が前に出て解決してしまうご家庭は、六年間の学校生活のなかで学校と衝突しやすくなります。学校はそこを見ています。
学校で起こりうることを想定できているかを見るため
集団生活をしていれば、行きちがいやぶつかり合いは当たり前に起こります。
ところが、「この学校に入れば楽しい毎日が送れる」と漠然と考えていたり、「公立は心配だから私立なら安心」と思い込んでいたりするご家庭もあります。
そうしたご家庭は、入学後にトラブルに直面したとき、「こんな学校だと思わなかった」となりがちです。学校としては、トラブルは起こりうるという前提を持ち、そのうえで落ち着いて対応できるご家庭を迎えたいと考えています。
お子さまの成長を支える姿勢があるかを知るため
過保護なご家庭は、子どもの前に立って守ろうとします。一方、成長を支えられるご家庭は、子どもの後ろに立って背中を押します。
お子さまは、社会性が育つにつれて、相手や場面によってさまざまな顔を見せるようになります。家庭で見えている姿がすべてではありません。
そして学校でのトラブルの解決に長けているのは、日々子どもたちを見ている先生方です。その先生を信頼し、解決を一緒に進められるご家庭かどうか。ここが、いじめに関わるやりとりでいちばん見られている部分だと言ってよいでしょう。
小学校受験の面接で「いじめについて」問われるテーマ
いじめに関わるやりとりでは、保護者の考え方と、具体的な動き方の両方が扱われます。あらかじめ、どの角度から問われるのかを地図として持っておきましょう。
扱われるのは、おおむね次のような領域です。
- いじめという出来事に対する基本的な考え方
- いじめが起きないために家庭でできること
- お子さまが受ける側になったときの初動
- お子さまが打ち明けてくれないときの向き合い方
- 学校や担任の先生との関わり方
- 通信機器やインターネット上のトラブルへの備え
- 登校をしぶるようになったときの対応
いずれも、正解を暗記して臨む種類のものではありません。ご家庭の姿勢が一本通っていれば、どの角度から問われても答えは組み立てられます。
小学校受験の面接で「いじめについて」は実際にこう問われています
領域の名前だけでは、どこまで踏み込んで話せばよいのかが見えにくいところです。実際の面接では、次のような形で投げかけられています。なお、その多くはお子さまが受ける側になった場面を前提にしている点も、あわせて押さえておきましょう。
考え方そのものを尋ねられる形
もっとも短いのは、いじめという出来事をどう考えているかを、そのまま尋ねられる形です。答える範囲が広いぶん、何から話すかで保護者の姿勢がそのまま表れます。ここから話を広げられ、いじめが起きたときに親としてお子さんに何をしてあげられるかを、具体的に挙げるよう求められる流れもよくあります。
予防と対処を続けて答えさせる形
いじめが起きないために家庭でできることを述べたうえで、それでも起きてしまったらどう対処するかまで、続けて尋ねられる形があります。前半の予防だけで話し終えてしまうと、答えが半分で止まってしまいます。また、小学生でも通話アプリなどを通じてトラブルが起きる時代であることを面接官が前置きしたうえで、そうしたトラブルを避けるために家庭で何が必要かを尋ねる形も見られます。
場面を示して対応を答えさせる形
いちばん答えにくいのが、具体的な場面を示されて、その場でどう動くかを問われる形です。お子さんからいじめられていると打ち明けられたときの対応については、解決策を三つ挙げるよう数まで指定されることがあります。けがをして帰ってきたのに事情を話してくれず、それが何度か続いているという状況を示されて、どう対応するのがよいと思うかを尋ねられる形もあります。朝、家を出る直前になって登校をしぶり、理由を聞くとお友だちのことを口にしたという場面を示され、そこでの対応を尋ねられることもあります。
こうした場面型の問いでは、学校に連絡する、担任の先生と話すという手順だけを述べても足りません。まずお子さんの話をどう聴くのか、そのうえで学校とどう協力するのか、という順番で語れているかどうかが見られています。手順の正しさよりも、どこから手をつける家庭なのかが問われている、と考えてください。
小学校受験の面接で「いじめについて」の答えの組み立て方
答えの芯は、謙虚な姿勢で、学校と協力しながら解決に向かう、という一点です。ここを外さなければ、大きく崩れることはありません。
批判的な意見を述べない
面接の場では、基本的に批判的な物言いを避けましょう。とくに、学校や他の保護者を責めるような言い方をすると、それだけで身構えられてしまいます。
あくまでも「保護者として、子どものために何ができるか」という観点で述べることです。同じ内容でも、主語を自分に置くだけで印象がまるで変わります。
子どもに寄り添う優しさと、冷静に判断できる器量を示す
トラブルに遭ったときこそ、あたたかくお子さまを見守り、冷静に対処する姿勢が求められます。感情的にならずに動けることが伝われば、それだけで大きな安心材料になります。
回答例
「まずは子どもの心のケアができるように、気持ちに寄り添いながらよく話を聞きたいと思います。その際、子どもの話をうのみにせず、常に客観的に状況を把握できるように努めたいと考えております。」
学校や先生への信頼を表す
学校や先生と協力しながら解決していく姿勢を示すことが大切です。「親としてどう動くか」を問われたときでも、独りよがりにならず、先生と手を組む形で語りましょう。
回答例
「学校での交友関係や息子の様子など、親には分からないこともたくさんあるかと存じます。学校での状況は先生がいちばんよくご存じだと思いますので、先生から様子をうかがい、対応をご相談させていただきたいと存じます。」
家庭でも解決に向けて動くことを伝える
先生を信頼するというのは、「学校のことは先生にお任せします」という意味ではありません。家庭で担える部分は、親の責任として引き受ける姿勢を添えましょう。
とくに、お子さまが打ち明けてくれない場面を想定して考えておくと、答えに深みが出ます。
回答例
「つらいことを話してくれないのは、何でも話しやすい家庭をつくれていなかった親の責任も大きいと思います。まずは子どもの気持ちに寄り添い、悩みや不安を一緒に解きほぐせるよう、親子の関わり方を見直すところから始めたいと思います。そのうえで、先生にもご相談したいと考えております。」
謙虚な姿勢で受けとめる
いじめの話題では、加害と被害という二つの立場で物事を考えてしまいがちです。ただ、受ける側になったとしても、「うちの子にも至らないところがあったのかもしれない」という視点を持てるご家庭は、学校から見てとても頼もしく映ります。
回答例
「もしかしたら、娘にも至らない点があったのかもしれません。謝るべきところは謝り、改められるところは改めていけるように、親としても精一杯支えていきたいと存じます。」
具体的な動き方まで考えておく
考え方だけでなく、実際にどう動くかを問われることもあります。お子さまの性格や学校生活の様子を思い浮かべながら、順番を決めておきましょう。
おすすめしているのは、次の3段階です。
- まず話を聞き、気持ちを受けとめる
- 事実を確かめ、担任の先生に相談する
- 家庭でできる支えを続け、経過を見守る
この順番さえ手元にあれば、想定と違う切り口で問われても、その場で組み立て直せます。
まとめ
親としての姿勢が問われるいじめのテーマは、答え方を誤ると評価を大きく損なうことがあります。何をどのように伝えるのか、あらかじめご夫婦で言葉をそろえておきましょう。
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