慶應義塾横浜初等部の過去問を手に入れたいのですが、どこかで売っているのでしょうか。
過去問から、どんな準備をすればよいのかを知りたいです。
慶應義塾横浜初等部は入学試験の問題を公表していないため、学校が出した「過去問題集」というものは存在しません。受験を経験されたご家庭の声や、大手塾の分析情報をもとに出題の傾向をつかんでいくことになります。
それでも、毎年くり返し問われている力ははっきりしています。傾向を知ったうえで準備を組み立てれば、対策の精度は大きく変わります。
大切なのは、以下の3点です。
・一次試験(ペーパー)と二次試験(体操・行動観察・絵画製作)は、別のものとして準備する
・保護者面接がないぶん、自己紹介書をはじめとする出願書類の重みが大きい
・傾向は「暗記するため」ではなく「初めての指示に対応する力」を育てるために使う
慶應義塾横浜初等部の個別相談、家庭学習サポート、願書作成、面接対策を行う筆者が詳しく解説していきます。
慶應義塾横浜初等部を受験される方は、ぜひ参考にしてくださいね!
【慶應義塾横浜初等部】過去問から見える出題の全体像
慶應義塾横浜初等部の入学試験は、一次試験と二次試験に分かれた二段階選抜です。公式の入学案内でも、一次試験に合格した方だけが二次試験に進む形が示されています。ここを取りちがえて「まとめて対策する」と、どちらも中途半端になりがちです。
一次試験はペーパーテストです。ここで受験者数が大きく絞られます。二次試験は体操(運動)、行動観察、絵画製作といった、実際に体を動かし手を動かす内容が中心です。つまり一次は「机の上の力」、二次は「集団のなかでの姿」を見る試験だと考えると整理しやすくなります。
そしてもうひとつ、この学校を語るうえで外せないのが保護者面接がないことです。学校の公式なQ&Aでも、保護者面接は実施しないこと、試験に関して教職員と面会することはできないことが明記されています。お子さま本人の試験と、出願時に提出する書類だけで合否が決まる仕組みです。
募集人員は男子66名、女子42名の計108名。この人数に対して、毎年1,400名前後の志願があると受験情報サイトでは報じられています。学校が公表しているわけではありませんが、非常に狭き門であることは間違いありません。倍率の考え方は倍率の記事もあわせてご覧ください。
なお、市販の過去問題集がない以上、ご家庭が手にできる情報は「受験されたご家庭の記憶」と「大手塾の分析」に限られます。そのため、細部の再現度よりも出題の型をつかむことを目的にするのが現実的です。
【慶應義塾横浜初等部】一次試験(ペーパー)の出題分野と傾向
一次試験のペーパーは、大手塾の分析情報をもとにすると、次のような分野から幅広く出されているとされます。
- 話の記憶(お話を聞いて答える)
- 数量(数える、比べる、分ける)
- 図形(重ね図形、回転、構成)
- 言語(音、しりとり、言葉の意味)
- 常識(季節、生活、生き物、マナー)
- 推理・思考(規則性、置きかえ、条件の整理)
- 観察・記憶(見たものを覚えて答える)
分野が偏っていないのが特徴です。「図形だけ得意」「記憶だけ強い」というお子さまより、どの分野もむらなく取り組めるお子さまのほうが有利になります。
形式面でもこの学校ならではの特徴があります。問題は音声と映像を使って出され、筆記具はクーピーやクレヨンといった、幼児が扱いやすいものが用意されるのが通例です。答えの書き方も「赤で丸」「青で×」のように色や記号が指定されることがあり、指示を最後まで聞き取る力がそのまま得点に直結します。
さらに、男女別に、また生年月日の順にグループを分けて実施されます。公式のQ&Aでも、生年月日順にグループを分けて実施するため早生まれが不利になることはない、と説明されています。月齢に応じて指示の出し方が変わることもあるとされ、いわゆる「難問を解けるか」よりも、その場で出された条件を正しく処理できるかが問われる試験だといえます。
試験時間は30分前後と受験情報サイトでは紹介されています。短い時間で分野が次々と切り替わるため、一問ごとに気持ちを切り替える練習が効きます。分野別のより細かい話はペーパーテストの記事で解説しています。
【慶應義塾横浜初等部】二次試験で見られていること
二次試験は、11月下旬の指定された1日に実施されます。所要時間は1時間半ほどで、体操・行動観察・絵画製作がまとめて行われる形が知られています。
体操(運動)では、先生の動きをまねる模倣体操、いくつかの動きを続けて行う連続運動、ボールを運ぶ競争、かけっこなどが取り上げられてきました。運動能力そのものより、指示を聞いてから動き出せるか、待つ場所や並び方を守れるかといった指示行動が中心に見られます。詳しくは運動体操テストの記事をご覧ください。
行動観察では、初めて会うお子さま同士でひとつの活動に取り組みます。順番を待つ、友だちに譲る、困っている子に声をかける、自分の考えを言葉で伝える。こうした場面での自然な振る舞いが見られています。保護者面接がないぶん、ここでご家庭の育て方がにじみ出ると考えてよいでしょう。行動観察の記事と集団テストの記事もあわせてどうぞ。
絵画製作では、画用紙や紙皿、紙コップ、空き箱といった身近な素材と、はさみ・のり・セロハンテープを使って作る課題が続いています。テーマが示され、その場で考えて形にしていく流れです。作品の完成度だけでなく、「何を作ったのか」「どうしてそうしたのか」を自分の言葉で話せるかが大きなポイントになります。工作・絵画試験の記事で具体的な練習方法をまとめています。
学校別の実践的な教材も、ここに挙げた分野を前提に組み立てられていることが多いものです。逆にいえば、この4つ(ペーパー・体操・行動観察・絵画製作)から大きく外れた準備は、優先度を下げてかまいません。
【慶應義塾横浜初等部】自己紹介書と出願書類の重み
保護者面接がない慶應義塾横浜初等部では、出願時に提出する書類がその役割を担います。願書一式には、志願者や家族について記入する用紙のほか、自己紹介書、幼児調査書、健康に関する調査票などが含まれます。
なかでも自己紹介書は、ご家庭の考え方を学校に伝えられる唯一の場です。志願者本人の様子やご家庭の方針にふれながら、本校のどこに共感して志望したのかを書かせる設問が置かれてきました。年度によっては、指定された図書を読んだうえで記入する形式が取られることもあります。設問文や様式は年度によって変わりますので、必ず最新の募集要項でご確認ください。
幼児調査書は、通っている幼稚園・保育園の担任や園長が記入するものです。出願直前にお願いすると園にご負担がかかりますので、早めにご相談されることをおすすめします。なお公式のQ&Aでは、紹介状や推薦状は必要ないこと、海外での生活経験がある方は幼児調査書を英語で記入してよいことが示されています。
写真の準備も見落とされがちです。規定のサイズで写真館に依頼し、余裕をもって用意しておきましょう。願書用写真の記事で押さえるべき点をまとめています。
書類は一度出したら書き直せません。文章の組み立てに迷われたときは、願書作成サポートでご一緒に整えていくこともできます。
【慶應義塾横浜初等部】最新の日程と年度ごとの注意点
2027年度入学試験について、学校が公表している内容は次のとおりです。
- 募集人員:男子66名、女子42名の計108名
- 出願資格:2020年4月2日から2021年4月1日までに生まれた方
- 募集要項の販売:8月26日から。1部1,000円
- インターネット出願登録:8月26日から9月25日まで
- 出願書類の郵送:9月24日・25日のみ受付
- 一次試験:11月11日(水)/一次合格発表:11月16日(月)
- 二次試験:11月21日から24日のうち1日/最終合格発表:11月28日(土)
書類の郵送受付が2日間しかない点は、毎年ご相談の多いところです。インターネット登録と郵送はセットで期限を管理してください。金額や日程は変更されることがありますので、最新の情報は必ず募集要項でご確認ください。
年度による変化として押さえておきたいのは、志願者数の推移です。受験情報サイトによれば、2022年度は約1,539名、2023年度は約1,485名、2024年度は約1,429名と、いずれも1,400名を超える志願がありました。合格者は毎年108名で固定されているため、倍率はおおむね13倍から14倍台で推移していることになります。
一方で、試験の枠組みそのものは大きく変わっていません。一次のペーパー、二次の体操・行動観察・絵画製作という構成は継続しており、慌てて対策を組み替える必要はありません。
公式のQ&Aでは、通学区域や通学時間に制限がないこと、寄付金や入学予約金がないこと、慶應義塾幼稚舎との併願ができることも示されています。併願の考え方に迷われたら、入学試験の記事もご参照ください。
【慶應義塾横浜初等部】傾向を活かした家庭学習の進め方
ここからは、つかんだ傾向をどう日々の学習に落とし込むかです。
一次試験に向けては、1日20分から30分を目安に、分野を混ぜて取り組むのがおすすめです。同じ分野を続けて何枚もこなすより、話の記憶・数量・図形と切り替えていくほうが本番に近くなります。問題文はお母様が読み上げ、一度しか言わないと決めておきましょう。聞き返しに慣れてしまうと、音声で出される本番で戸惑います。
答え合わせのときは、まちがえた問題を責めないでください。「どうしてそう思ったの」と聞き、お子さまの考えの筋道をたどると、つまずいている場所が見えてきます。
二次試験に向けては、机の上ではできない準備が必要です。公園や習い事など、初めて会うお子さまと過ごす時間を意識して増やしてください。おうちでは、牛乳パックや空き箱、紙皿を捨てずに取っておき、「これで好きなものを作ってごらん」と渡すだけで十分な練習になります。
作り終えたら、必ず「何を作ったの」「どこを工夫したの」と聞いてあげてください。作品を言葉にする習慣が、そのまま二次試験の受け答えにつながります。
運動については、特別な器具はいりません。片足立ち、ケンケン、スキップ、ボールを持って走るといった基本の動きを、遊びのなかでくり返せば十分です。大切なのは「はじめ」と言われてから動き、「やめ」で止まれることです。
進め方が本当にこれでよいのか不安になったときは、家庭学習サポートでお子さまの様子に合わせた組み立てをご提案しています。どんなお子さまが評価されるのかは受かる子の特徴の記事もお読みください。
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