カリタス小学校の考査の全体像
カリタス小学校の入試は、ペーパー・個別・集団テスト(行動観察)・運動・面接を中心に構成されます。考査は10月下旬、面接はそれに先立って行われるのが近年の形です。過去の出題を分野別に見ると、幅広く力を見られていることが分かります。
ペーパーテストの出題分野
ペーパーは合計約12問・試験時間約30分。過去の出題では、次のような分野が扱われています。
- 記憶(お話の記憶/絵・色・形・位置の記憶)・観察力
- 言語(しりとり・言葉など)
- 数量(足し算・引き算・数の分割)
- 図形(図形の合成・欠所補充)
- 推理・常識/道徳、比較
- 位置・置換、系列完成、迷路
「聞く力」と数・図形・推理の感覚がバランスよく問われます。
個別テスト
個別では、一人ひとりに課題が出され、受け答えや取り組み方、巧緻性などが見られます。指示を理解し、自分で考えて行動する力が大切です。
集団テスト(行動観察)
まねっこゲーム(6人チームで先生のまねをする)や豆つまみリレー(グループ対抗で、ルール説明を聞いて協力して競う)などが行われ、課題・自由遊び、制作・絵画、生活習慣を通じて協調性やルールを守る姿勢が見られます。
運動テスト
年によって、基礎運動・指示行動・模倣体操・リズム運動・ボール運動・跳躍運動・連続運動などが出されます(受験されたご家庭の情報では、2022年度以降は実施されていません)。指示を聞いて体を動かす力が見られます。
親子面接
面接は親子同伴で、面接担当者2名・約15分。子どもには氏名・幼稚園の友だち・お手伝い・好きな遊び・常識などが、保護者には教育観・道徳観・社会的関心・日頃の子どもとの接し方などが問われます。
カリタス小学校で実際にどんな問題が出ているか
分野の名前だけでは、当日の手ざわりまでは伝わりません。学校は設問そのものを公表していませんが、受験されたご家庭の話から、2016年度から2025年度までの10年分の出題の形はかなりはっきり見えています。ここでは上で挙げた区分ごとに、どんな課題だったのかがわかる程度に整理します。
まず進み方です。考査は1日で、願書受付順にペーパー、個別、集団の順に進みます。2021年度までは最後に運動テストがあり、拘束時間は年度によって約2時間から3時間半と幅がありましたが、2022年度以降は運動がなくなり、2時間から2時間半程度に収まっています。親子面接は考査日より前の指定日時に行われ、その中にお子さまだけの課題(ひらがなの音読とお話作り)が組み込まれているのが大きな特徴です。
もう一つの特徴が持ち物です。クレヨン、つぼのり、セロハンテープ、はさみ、新聞紙などを受験者側が持参し、集団テストの制作でそのまま使います。自分の道具を出して、使って、片づけるという一連の流れを、家庭で一通り経験させておくことが大切です。
ペーパーで問われている内容
筆記用具は鉛筆で、訂正は斜めの2本線です。話の記憶は録音音声、ほかの問題は口頭で出題される組み合わせが続いています。
- 話の記憶は10年連続で出ています。動物や子どもが登場する生活の物語を聞き、出てきた登場人物を選ぶ、誰が何を持っていたか(作ったか)を線で結ぶ、お話と同じ季節の絵を選ぶ、という3つの問い方が定番です。主人公が通った道を地図の上で線でたどる問題(2017・2019年度)や、ひとりになった動物の表情を選ぶ問題(2021年度)も出ました。お話は四季をまたぐ長めのものが多く、情景を思い描きながら聞く力が問われます。
- 数量は、おやつを人数で分けたときの1人分や余りの数だけ印をかく分割(2016・2020・2022・2024年度)、積み木の数と同じ数の果物を線で結ぶ問題(2019・2023年度)、2匹の持ち物を同じ数にするにはいくつ渡せばよいかを答える問題(2018年度)、1本に1匹ずつ対応させて足りない数を答える問題(2017・2018年度)など、幅広く出ています。
- 常識は果物や野菜に関する問いが目立ちます。種が1つの果物を選ぶ(2025年度)、果物が育つ場所を選んで結ぶ(2023年度)、野菜の切り口を選ぶ(2021年度)、土の中にできる野菜を選ぶ(2017年度)、ちくわやハムなどの加工食品の原料を結ぶ(2022年度)といった形です。季節は3列から同じ季節のものを結ぶ形(2018・2024年度)が多く、生き物の足跡や子どものときの姿を結ぶ問題、各段で仲間でないものを選ぶ仲間分けもよく出ます。
- 公衆道徳は、バスの中、駅のホーム、公園の絵でいけないことをしている人に印をつける問題が、2016年度から2019年度まで続けて出ました。
- 推理・思考は、シーソーで一番重いものを選ぶ重さ比べ(2020・2023年度)、積み木を別の方向から見た形を選ぶ四方図(2017・2018・2025年度)、2つの形を重ねた形を選ぶ重ね図形(2021年度)、同じ広さや同じ大きさの形を探す比較(2016・2017年度)、箱にかけたひもの長さを比べる問題(2022年度)が出ています。
- 系列完成・置換は、果物や文房具が決まりよく並ぶ列の空欄に入るものを、品目ごとに決められた記号で書き込む形が2023・2024年度に続きました。ほかに、しりとりでできるだけ長くつながるように絵を結ぶ問題と、お手本と同じになるよう赤い点から青い点まで線を引く模写(いずれも2023年度)も出ています。
一問あたりの難しさよりも、はじめに読まれる指示を一度で聞き取り、切り替えながら最後まで進められるかが差になります。
個別テストで出ている課題
個別テストは、お手本の台紙に、袋に入ったプレートをぴったりはめる構成の課題が10年連続で出ています。プレートは大小の直角三角形、正方形、平行四辺形など6枚から10枚ほどで、年度によって組み合わせが変わります。大きい三角形をどこに置くかを先に決められるかで差が出ます。近年は終わったあとにプレートを袋に戻して片づけるところまで指示に含まれており、作業後の後始末も見られていると考えてよいでしょう。積み木やタングラムで、形の組み合わせを手を動かして考える経験を積んでおきたい課題です。
集団テスト・運動で出ている課題
集団テストは、持参した道具で制作をし、その作品を使ってチームでゲームをするという組み立てが近年の定番です。
- 2025年度は、ハートの台紙を切って名前を書き、ひもを通して首から下げる名前カードを作り、そのカードを下げたままグループで自己紹介をしました。続いて、割りばしで大豆を隣の紙皿へ移して机を1周する、リレー形式のチーム対抗ゲームでした。
- 2024年度は、持参した新聞紙をちぎって丸め、セロハンテープで留めてボールを2個作り、床の枠を狙って転がして得点を競うゲームでした。相談して順番を決めることも課題の一部です。
- 2023年度は、台紙の魚を切って口に輪ゴムをつけ、新聞紙を棒状に丸めてひもとクリップをつけた釣りざおを作り、チームで魚釣りをしました。さおを振り回さない、1匹釣ったら交代するといった約束が示されました。
- 2022年度は、白い紙を丸めた持ち手に赤と白の旗を貼って2本の旗を作り、指示どおりに上げ下げする旗上げゲームでした。後半はチームで相談して代表を決め、代表が指示を出しました。
- 2018年度から2020年度は、先生が手順を1つずつ実演し、そのとおりにパフェ、パンダ、お神輿を作る制作でした。切る、貼る、塗る、ひもをちょう結びにする、という工程が毎回入ります。ゲームは、なぞなぞに正解したら積み木を積んでビンゴを狙うもの、紙コップをできるだけ高く積むもの、箱から引いたボールの色に応じてブロックを積むものでした。
どの年度も、はさみで線どおりに切る、のりで机を汚さない、ひもを結ぶ、終わったら手を洗いに行く、といった生活の基本動作が課題の中に自然に組み込まれています。
運動テストがあった2016年度から2021年度には、床の棒を踏まないように左右へ両足ジャンプを続ける、机に両手をついて足を浮かせたまま保つといった持久力の課題、ケンパーや両足跳び、線から出ないようにボールを遠くへ投げる課題、ケンケンとジグザグ走とボール運びをつなげた連続運動が行われました。
ひらがなの音読は毎年の課題
ひらがなで書かれた短い文を声に出して読む課題が10年連続で出ています。2016年度から2021年度は集団テストの中で、文章カードを裏返しで配られ、名前を呼ばれたら表にして座ったまま読む形でした。2022年度以降は親子面接の個別課題に移り、呼ばれて前に出て立ったまま読みます。文は、外から帰って手を洗う、帽子をかぶって出かける、かけっこで一番になる、といった日常の場面を描いた短い1文です。一音一音をはっきり発音できること、途中で止まらずに読み切れることが見られます。
親子面接で聞かれていること
面接は、まずお子さまだけが先生の前の席に進み、ご両親は後方のいすで待つ形で始まります。お子さまへの質問と個別課題(音読と、4枚の絵を使ったお話作り)が終わると席を入れ替わり、ご両親が質問を受けます。お子さまには、名前や園の名前、園で誰と何をして遊ぶか、家でご両親と何をして遊ぶか、食事のときにどんな話をするかといった身近な話題から聞かれ、そこから理由や様子をもう一歩たずねられる形が中心です。保護者の方には、最初に自己紹介を求められるのがこの学校の特徴で、続いて学校説明会や行事に参加した印象、志望の決め手、通学時間、きょうだいの学校、近年は社会情勢やICTと子育てを結びつけた話題が聞かれています。年度ごとの話題は面接の記事で整理しています。父母で答えが食い違いやすいのは、しつけの線引きと進路の考え方です。事前にすり合わせておくと安心です。
家庭でできる対策
ペーパーは聞く・見る・考える遊びを、行動観察はお友だちとの協働経験を、生活習慣は日々のお手伝いを、面接は日頃の親子の会話を。毎日の積み重ねがそのまま力になります。
※出題分野・形式は年度で変わります。最新情報は学校公式サイトや過去問でご確認ください。
カリタス小学校の試験内容に関するよくある質問
Q. ペーパーはどんな構成ですか?
A. 合計約12問・試験時間約30分です。記憶・言語・数量・図形・推理・常識など幅広い分野から出題されます。
Q. 行動観察では何をしますか?
A. まねっこゲームや豆つまみリレーなどがあり、ルールを守り、お友だちと協力できるかが見られます。
Q. 面接はどんな形式ですか?
A. 親子同伴で、面接担当者2名・約15分です。お子さまが先に質問を受け、その間ご両親は後方の席で待ち、そのあと席を交代します。子どもには好きな遊びやお手伝いなど、保護者には教育観などが問われます。
Q. 家庭でできる対策は?
A. 聞く力を育てる読み聞かせ、お友だちとの協働経験、日々の生活習慣の自立がそのまま力になります。
カリタス小学校の公式募集要項から読み取れる入試の枠組み
試験内容を考える前に、学校が公表している枠組みを正確に押さえておきましょう。2027年度の募集要項には次のように書かれています。
- 募集人員…第1学年 108名(男女・内部進学者を含む)
- 出願資格…2020年4月2日から2021年4月1日までに生まれた者
- 出願…miraicompassによるインターネット出願/受付は8月25日(火)9時00分から9月28日(月)12時00分/入学志願書の郵送は10月1日(木)必着
- 検定料…25,000円(返金されません)
- 面接…10月16日(金)または17日(土)/対象は「本人と父母」
- 適性検査…10月23日(金)
- 合格発表…10月24日(土)17時00分(合否照会サイト。電話での問い合わせはできません)
注目していただきたいのは、面接が適性検査より先に行われることです。10月16日または17日に面接、23日に適性検査という順番ですので、面接の準備を先に仕上げておく必要があります。
そしてもうひとつ大切な点があります。2027年度の募集要項には、適性検査について「詳細は未定」と記載されているだけで、出題分野・問題数・試験時間・行動観察や運動の有無は公表されていません。また面接についても、対象が本人と父母であること以外、面接官の人数・所要時間・質問内容は公表されていません。本記事で紹介している出題形式や問題数は受験情報にもとづくもので、学校が公表した内容ではない点をご理解のうえ、参考としてお使いください。
日々の学びから考える、カリタス小学校が見たい力
学校からの公表はありませんが、上で整理したとおり過去の出題の形は見えています。それに加えて、学校がどんな学びを大切にしているかから逆算して考えることも有効です。公式サイトが説明している教育の中身を見ていきましょう。
総合教育活動は、小学校で1988年から研究が続けられている取り組みです。「体験を通して学んだことは、一生忘れない」という考えのもと、発意・構想・構築・遂行・省察のサイクルを繰り返し、試行錯誤しながら子どもたちの願いから生まれた活動を深めていきます。低学年は「総合」の入門期として、学校近隣の多摩川での自然体験や、ヤギやヒツジの飼育に取り組みます。領域は動物との関わり、自然(植物)との関わり、人との出会い、表現活動、創作活動、環境、食、運動、平和の9つです。
英仏複言語教育は1年生から始まります。「理解可能なインプット」を通して言語習得を支えるという方針で、フランス語ではリズムとイントネーションを重視し、英語では異文化への好奇心を育てることに力を入れています。全学年で少人数授業が行われます。
こうした教育から見えてくるのは、知識の量よりも、自分で気づき、考え、人と関わりながら形にしていく力を大切にしている学校だということです。ペーパーの正答率を上げることだけに時間を使うのではなく、身の回りのものをよく見る習慣、自分の考えを言葉にする経験、友だちと一緒に何かを作る時間を、日常のなかに用意してあげてください。
公式のQ&Aにも、これを裏づける記載があります。「身の回りのことが自分でできることが条件となります。」という一文です。着替え、片付け、持ち物の管理といった身辺自立は、学校生活の前提として求められています。
カリタス小学校の試験内容についてよくある質問
試験当日の服装はどうすればよいですか
公式のQ&Aに明確な答えがあります。「子どもたちにはいつもと同じ気持ちで適性検査等にのぞんでほしいので、両日とも普段、幼稚園や保育園で着ている服装でご来校ください。」とのことです。よそゆきの服を新調する必要はありません。面接の日と適性検査の日の両方について書かれている点も押さえておいてください。
早生まれは不利になりますか
公式のQ&Aには「同じ試験を受けることになります。ただし、合否判定の際には考慮しています。」と書かれています。試験そのものは同じですが、判定の段階で月齢が考慮されるということです。
宗教やご家庭の事情で不利になることはありますか
公式のQ&Aには「家庭環境、宗教、国籍等に関して、制限はありません。」と明記されています。カトリックの学校ですが、信仰の有無が入学の条件になるわけではありません。
試験の様子を知る機会はありますか
公式のQ&Aでは、学校を知る機会として学校説明会と、学習発表会などの公開行事が挙げられています。年間行事によると学校説明会は6月と9月、学習発表会は2月に予定されています。適性検査の詳細が発表されるとすれば説明会の場ですので、9月の説明会には参加しておかれることをおすすめします。
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