福岡教育大学附属福岡小学校(以下附属小)の試験内容ですが、令和6年度に大きく変更がありました。学校側が求める生徒像が変わったのではという推測もされていますが、今後も同様の傾向が続くのか確かではないため、この記事では令和5年度までの内容も併せてご紹介をいたします。
福岡教育大学附属福岡小学校試験内容の特徴
令和5年度までは、大きく分けると①ペーパー②昼食(行動観察)③集団行動④面接という流れで、1日がかりの試験でした。
一方、令和6年度は①ペーパー②行動観察(集団行動)のみで、午前中に終了したことから、突然の試験形式に保護者の間でも戸惑いの声が多かったです。
令和7年度についても、学校側が公示している入学案内には詳細の記載はないため、詳細は不明です。
入学説明会への出席が必須
入学願書は、例年11月上旬にある保護者向けの入学説明会以外では配布されません。また、公共交通機関で一定の時間内(変更の可能性があるため明記はしません)で通学可能であることが条件となるため、合格後に転居をする予定の方は「転居誓約書」を受け取る必要があります。また願書の提出は簡易書留での郵送のみ受付となっています。受付期間が短いため、ご注意ください。
保護者面接はないが気は抜けない
小学校受験と聞くと、保護者面接の対策を不安に感じる方もいらっしゃると思いますが、附属小にはありません。また、入学願書の記載事項も非常に簡素であり、志望動機を入念に準備する必要はないといえます。
一方で、当日の服装や行動は保護者も常にみられている意識を持ってください。自分に出番がないと思うと気が抜けてしまいがちですが、携帯電話の電源切り忘れや服装の乱れ等は、直接的に合否に影響しているかは分かりませんが実際に注意された方がいます。令和6年度は午前中で終了しましたが、それ以前は1日の長丁場でしたので、時節柄寒さ対策は必要です。
2次試験は抽選
附属小に限らず、国立小では新しい教育を実践するためにはより幅広い生徒を対象とする目的で、抽選が行われます。
これは1次試験とは別日に行われ、子どもではなく親がくじを引く形ですので、責任重大です。過去の実績では、男女それぞ定員の35名に対し、1次試験で50名程度まで絞られた後に抽選となるため、がんばって合格した子どもの中で一定数は不合格者が出てしまいます。
そのため、保護者の中には1次合格を子どもに伝えず、2次の結果が出てから伝える方もいるようです。
福岡教育大学附属福岡小学校 の試験内容
小学校受験の中には、かなり特殊な対策を求められる学校もありますが、附属小に関していえばあまり心配はありません。ただし、小学校受験は子どもの方が希望するよりも親が主導で検討していくご家庭がほとんどと思いますが、自分の子どもは受験に向いているのか、と心配に思う場合は、年中時点で塾の模擬試験を受けてみるのも一つの方法です。落ち着いてある程度の時間を座っていることができない、指示通りの行動ができない、というお子さんを無理に「受験仕様」にしてしまうよりも、良い所を認めてあげることも必要ではないでしょうか。
h3 ペーパー
附属小のペーパーは私立小のような難しい問題が出ることは多くありません。基本的な内容であり、おてほんや練習問題もついています。また解答の仕方もシンプルに〇をつけるものが多く、結果的に差がつきづらく、1問でも間違えると大きな痛手になります。
時間は比較的短めですので、早く正確に解く練習が求められます。
h3 集団行動
令和5年度までは比較的簡単なルールのゲームを協力して何人かのグループで行うものや、イラストやカードをみながら何人かのグループで先生から一人ずつ発言を求められるもの、があったようです。同じ答えをしてはいけないと思って黙ってしまっても合格していた子もいたという話があり、求められている基準が分かりづらい部分はありますが、子どもに対しては、はじめて会う子とも仲良くできるように、と教えておくのが重要だと思います。
h3 行動観察
令和5年度までは、お弁当を食べている様子を見られていました。保護者は近くに座ることはできず、また時間も10~15分と短かったため、できるだけ手だけで食べやすく、こぼしにくい、おにぎりやサンドイッチのようなものを用意している方が多かったようです。
h3 口頭試問
面接というよりも行動観察に近いのですが、カードやイラストをみて簡単に質問に答えたり、「小学校に入ってやりたいことは?」等のごく一般的な質問をされたり、とのことです。むしろ待ち時間で自由に絵を描いてよいと言われるのですが、その時間が長くなることがあるため、塾では自由に絵を描く練習をしているところもあるほどです。(その絵は特に採点されてはいません。単に静かに待っていられるかを見られるようです。)
h3 絵画
h2 福岡教育大学附属福岡小学校 の試験内容から考える対策
附属小の合格は家庭学習が基本で問題ないと思います。特に、附属小以外は受験せず、落ちたら公立小に行っても構わない、という場合は家庭学習のみでの受験も一つの方法です。模擬試験は会場型で塾が開催するものが年に5~6回開催されていますし、ペーパーのみであれば郵送で採点をしてくれる会社もあります。
教材についても、書店で購入できるもので十分対応が可能です。私立小のように毎年特殊な集団行動や絵画等がないため、保護者で対策がしづらい部分は多くありません。
h3 通塾のメリット・デメリット
通塾を否定するわけではありませんが、塾側としては合格実績を挙げたいため、私立小の受験を勧められることが多いです。
もちろん練習として他の小学校を受験をするだけであれば、場慣れという点で意味はありますが、やはり受けるからには合格してもらいたいですし、不合格であれば子どもが受験に対していやな印象を持ちかねません。
先に受験がある私立小向けの対策を続けていると、問題の性質も異なりますし、子どもの負担、何より親にとっては経済的な負担も大きくなります。
h3 年末年始の過ごし方
どの受験にも共通して言えますが、どうしても寒い時期なので、体調管理が非常に重要です。ただでさえ体調を崩しやすい年齢の子どもですから、仕事等の事情が許せば、入試直前は保育園を休ませる等の対策を講じる方もいるようです。
また、入試本番が近づくにつれて程よい緊張感を保つことが難しくなりますし、お正月なのに受験対策をさせるのはかわいそう、と思ってしまうこともあるでしょう。しかし、毎日少しずつでもよいので特にペーパー対策はしておいた方がよいです。
子どもは思った以上に成長を見せることもありますが、反対に少し前まで問題なくできていたことが急にできなくなることもあります。
そこでこれまで通塾していなかったけど直前対策だけを受講する方もいます。普段から塾に行っているグループができていることもありますが、これも良い面と悪い面があるので、あまり不安に思う必要はありません。当日は仮に知っているお友達がいても声をかけないようにしないといけませんし、遊び感覚が抜けないまま本番を迎えても困ります。
h3 入学後の生活を考える
附属小の入試をみていると、「学力面や人間性が優秀であるか」だけでなく「入学後に学校側の決めたルールに沿って生活できるか」という視点も重要である印象を受けます。
特に来校時の車の使用禁止、子どもだけでの登校、というルールは入学後も非常に厳しく守られています。国立小学校は学校運営上も周辺住民から基本的に協力は得られません。
在校生のみなさんに聞くと以前に比べるとだいぶ緩和されたとはいえ、保護者が学校行事の手伝いをする機会もまだ公立小に比べると多いため、親の方も「本当に国立小に通わせたいのか」を真剣に考える必要があると思います。
h2 【福岡教育大学附属福岡小学校】試験内容プロが解説まとめ
附属小の受験については、抽選があることも含め、結果に一喜一憂せず、どんな学校でも自分の子どもが楽しく過ごすことが一番だという気持ちを親が持つ必要があると思います。
冒頭でも申し上げましたが、試験形式や内容については今後も変わっていく可能性があるため、最新の情報についてはご自身で確認をお願いします。
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