娘の志望校を考え始めましたが、女子校がよいのか、共学がよいのか決められません。
何を基準に考えればよいのでしょうか?
【小学校受験】まず知っておきたい「4つの形」
「女の子だから女子校がいいのかな」「男の子だから共学のほうが安心かな」というご相談を、よくいただきます。考えるときにまず知っておいていただきたいのは、私立小学校には、大きく分けて次の4つの形があることです。
- 小学校から高校まで、ずっと女子校、またはずっと男子校
- 小学校から高校まで、ずっと共学
- 小学校は共学で、中学・高校は女子校または男子校
- 小学校は女子校または男子校で、中学以降は共学
このうち、3つめと4つめの形は、意外と知られていません。たとえば、小学校は共学でも中学・高校は女子校という学校では、男の子は6年後に外の中学校を受験することになります。「小学校は共学だから安心」と思って入学すると、6年後に大きな分かれ道が待っていることがあるのです。
この記事では、特定の学校名は挙げずに、どの学校にも当てはめられる考え方をお伝えします。志望校がどの形にあたるかは、公式サイトの「学校の構成」や「一貫教育」のページで、同じ学校法人にどの学校があり、それぞれが男子校・女子校・共学のどれかを確かめてください。それだけで、6年後の分かれ道がはっきりします。
【小学校受験】判断軸1:中学・高校を性別校で過ごすか、共学で過ごすか
4つの形のどれにあたるかを確かめたら、次にご家庭で考えていただきたいのは、「中学・高校の6年間を、性別校で過ごしてほしいか、共学で過ごしてほしいか」です。
よくいただく質問に、「性別校だと、異性と関わる機会が少なくて心配です」というものがあります。性別校を選ぶご家庭は、異性の目を気にせずのびのび過ごせることや、同性だけだからこそ、リーダーや力仕事などの役割を自分たちで担う経験に重きを置かれることが多いです。
一方、共学を選ぶご家庭は、男女が一緒にいるのが自然な環境で、社会に近い形で育ってほしいと考えられることが多いです。
どちらが正しいということではなく、大切にしたいところがちがうのです。中学・高校の6年間は、お子さまが心も体もぐっと変わる時期です。「中学生になったお子さまに、どんな環境にいてほしいか」を、ご夫婦で話してみてください。
【小学校受験】判断軸2:6年後に外部受験があるかどうか
小学校から高校まで同じ性別の学校、またはずっと共学の学校であれば、一般的には内部で進学していく道があります。ただし、内部進学にも学校ごとに条件がある場合がありますので、公式サイトや説明会で確かめておきましょう。
一方、小学校は共学で中学から女子校という学校であれば、男の子は6年後に外の中学校を受験することになります。
外部受験があること自体は、悪いことではありません。ただ、入学前に知っているかどうかで、6年間の過ごし方がまったくちがってきます。知らずに入学すると、高学年になってからご家庭の負担が急に大きくなりやすいです。知ったうえで入学すれば、低学年のうちから無理のない形で準備を始められます。
たとえば、男の子のご家庭が、家から近く、教育方針にも共感できる小学校を見つけたとします。ただ、その学校は中学・高校が女子校でした。このご家庭は、ご夫婦で話し合い、「6年後に中学受験をする」と決めたうえで出願しました。こうして前提をそろえておけば、入学後も6年後の話を自然にできる状態を保てます。
外部受験があるかどうかは、「その学校を選ぶかどうか」ではなく、「どういう前提で選ぶか」を決めるための軸です。また、外部受験の可能性は、女の子にもあります。性別を問わず、6年後にどんな選択肢があるかを確かめておきましょう。
【小学校受験】判断軸3:12年後につながる系列の大学があるかどうか
3つめの軸は、系列の大学があるかどうかです。これは12年後の話です。
「系列」かどうかは、同じ学校法人かどうかで判断してください。名前が似ていても、学校法人がちがう場合があります。また、同じ学校法人であっても、大学への進学に条件がある場合や、女子だけが対象になる進路の場合もあります。学校ごとにちがいますので、公式サイトの進路のページで確かめましょう。
そのうえで考えたいのは、「12年後の大学を、いまの時点である程度決めておきたいか」です。系列の大学がある学校を選ぶご家庭は、受験の負担を減らし、小学校から高校までをじっくり過ごしてほしいと考えることが多いです。系列の大学がない学校を選ぶご家庭は、お子さまの興味が育ったところで、大学を自由に選んでほしいと考えることが多いです。
この3つめの軸は、性別校か共学かの話と一緒に考えることが大切です。たとえば、女子校で系列の女子大学がある学校を選んだ場合、12年後まで女子だけの環境が続く道になります。12年後にどんな道があるかから逆算して、6年後、そしていまの小学校を選ぶ。これが「逆算して考える」ということです。
【小学校受験】3つの軸を1枚の紙にまとめる
3つの軸は、学校ごとに1枚の紙にまとめると、比べやすくなります。気になる学校を書き出して、それぞれに次のことを書きこんでみてください。
- 中学・高校は、男子校・女子校・共学のどれか
- 外部受験があるかどうか(男の子の場合と女の子の場合に分けて)
- 系列の大学があるかどうか(ある場合は、進学の条件)
公式サイトで確かめながら書いていくと、「共学だと思っていたけれど、中学からは女子校だった」「系列の大学があると思っていたけれど、学校法人が別だった」といった気づきが出てくることがあります。
そして、その紙を見ながら、ご夫婦でこう話してみてください。
- 6年後、お子さまに、どこにいてほしいか
- 12年後、どんな道を選べる状態にしておきたいか
この2つの問いに、ご夫婦の答えがそろえば、性別校か共学かは自然に決まってきます。性別で選ぶのではなく、進路の分かれ道で選ぶ。これが、筆者がおすすめしている考え方です。
筆者がこれまで支援してきたご家庭を振り返ると、6年後と12年後の話を入学前にご夫婦でしていたご家庭は、志望理由も面接での答えもぶれにくかったと感じています。ただし、これは合格の条件ではなく、筆者自身の見方です。
【小学校受験】女子校・男子校・共学選びのよくある疑問
性別校だと、異性と関わる力が育たないのでは?
学校の外での習い事や地域の活動など、関わる場面はさまざまです。性別校を選ぶご家庭は、同性の中で役割を広げる経験を大切にしていることが多く、どちらがよいということではありません。ご家庭が何を大切にしたいかで考えましょう。
共学の小学校なら、中学・高校も共学ですか?
そうとは限りません。小学校は共学でも、中学・高校は女子校または男子校という学校もあります。公式サイトの学校の構成のページで、必ず確かめてください。
系列の大学があれば、全員そのまま進学できますか?
学校によって条件がちがいます。成績などの条件がある場合や、進学できる学部が限られる場合もあります。公式サイトの進路のページや説明会で確かめましょう。
いまの子どもの性格で選んではいけませんか?
いまのお子さまの様子も、もちろん大切な材料です。そのうえで、6年後・12年後の進路の分かれ道もあわせて考えると、入学後に「こんなはずではなかった」となりにくくなります。
説明会では、何をたずねればよいですか?
「中学へはどのような形で進学しますか」「中学から外部の学校へ進むお子さまは、どのくらいいますか」「系列の大学へ進むには、どんな条件がありますか」などが考えられます。公式サイトで読んだうえで、わからなかった点を具体的にたずねると、学校の考え方もよく伝わってきます。
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※学校ごとの最新の情報は、各校の公式サイトと募集要項でご確認ください。
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