桐朋小学校はどんな教育をしている学校なのでしょうか。
自由な校風と聞きますが、学習面はきちんと見てもらえるのか気になっています。
桐朋小学校は、教科の学習と「総合」「自治活動」を柱に、6年間かけて子どもの土台をつくる学校です。学校は「長い生涯を生きていくための『ねっこ』を育みます」という言葉で教育の目的を説明しています。自由に見える活動の一つひとつに、はっきりとしたねらいがあります。
大切なのは、以下の3点です。
・教科教育は「ゆるやかな専科-担任制」で進められています
・50年続く「総合」の時間が、遊び・表現・食育・命の教育を支えています
・自治活動と地球市民の時間が、考えて決める力を育てています
桐朋小学校の個別相談、家庭学習サポート、願書作成、面接対策を行う筆者が詳しく解説していきます。
桐朋小学校を受験される方は、ぜひ参考にしてくださいね!
【桐朋小学校】教育の土台にある考え方
関連動画:桐朋小学校について
桐朋小学校は1955年に開校した、東京都調布市若葉町の共学校です。児童数は432名、14クラス。1・2年生は24名の3クラス、3年生から6年生は36名の2クラスという編成で、低学年ほど少人数で過ごせるようになっています。
学校が掲げているのは、「長い生涯を生きていくための『ねっこ』を育みます」という考え方です。目の前のテストで点を取ることよりも、その先の何十年かを支える力を小学生のうちに育てる、という姿勢がここに表れています。
教育は大きく三つの領域で組み立てられています。教科教育、総合活動、自治活動です。これに「地球市民の時間」が加わり、6年間の学校生活を形づくっています。
授業は1コマ40分です。集中が続く長さに区切ることで、低学年でも最後まで気持ちを保ったまま学べるようにしています。時間割は1・2時間目、3・4時間目、5・6時間目という流れで進み、その間に中休みと昼食の時間が入ります。
【桐朋小学校】教科教育と「ゆるやかな専科-担任制」
桐朋小学校の教科教育は、国語・社会・算数・理科・音楽・美術・体育・外国語教育・図書の9つで構成されています。学校はこの体制を「ゆるやかな専科-担任制」への改革と説明しており、担任が幅広く子どもを見ながら、専門性の高い教員が各教科を支える形をとっています。
担任制と専科制には、それぞれ長所があります。担任が全教科を教えると子どもの状態を丸ごとつかみやすく、専科制だと教科の中身が深くなります。「ゆるやか」という言葉には、その両方を生かそうという意図が込められています。
注目したいのは、「図書」が一つの教科として並んでいることです。図書室には2万冊以上の蔵書があり、児童が自分で貸し出しと返却を行うシステムが導入されています。全クラスが週に1回の読書時間を持っており、本と向き合う時間が時間割の中に確保されています。
外国語教育は18人の少人数で
外国語教育は、18人の少人数で英語を学ぶ形をとっています。授業は基本的にすべて英語で行われ、色や動物、食べ物といった身近な言葉や、自分のことを伝える簡単な言い回しを繰り返し練習します。
学校が大切にしているのは、英語ができるようになることそのものよりも、「聞いて意味が分かった」「伝わった」という喜びです。クイズのような活動を通じて、その手ごたえを積み重ねていきます。早いうちから文法を詰め込む形ではないため、入学前に英語の先取りが必要というわけではありません。
【桐朋小学校】50年続く「総合」の時間
桐朋小学校を語るうえで欠かせないのが、50年前から続いている「総合」の時間です。学校はこの時間を四つの領域で説明しています。
- 「遊び」から学ぶ
- 劇活動を通じた「表現活動」
- みんなで育て、作り、食べる「食育」
- 自分のからだを知る「命の教育」
「遊び」が学びの領域として正面から位置づけられているのが、この学校の特徴です。遊びの中では、ルールを決める、意見が食い違ったときに折り合いをつける、うまくいかない方法を捨てて別のやり方を試す、といったことが自然に起こります。それは、教科書だけでは身につきにくい力です。
食育の場になっているのが、校内の畑です。クラスごとに小松菜、大根、人参、芋、スイカなど、さまざまな作物を育てています。種をまいてから食べるまでを自分たちの手でたどる経験は、食べ物への見方を変えます。
劇活動は、表現する力と同時に、仲間と一つのものを作り上げる経験になります。台本を覚えるだけでなく、役をどう演じるかを話し合う過程そのものが学びです。
こうした活動は、入学試験の内容とも通じています。桐朋小学校の考査は作業・言語・数量・行動の分野で行われますが、これは日々の暮らしの中で育つ力を見るものです。【桐朋小学校】受験対策まとめもあわせてご覧ください。
【桐朋小学校】自治活動と地球市民の時間
三つ目の柱が自治活動です。学校は「自治の体験を通じて、子どもたちは自信と自覚を身につけ」ると説明しており、クラスの自治活動、自然ひろば、児童会活動という形で進められています。
自治活動というと難しく聞こえますが、中身は「自分たちのことを自分たちで決める」経験の積み重ねです。朝の会も子どもと先生で運営し、クラスや曜日によって発表の時間になったり、高学年では朝の基礎学習の時間になったりします。掃除も自分たちの手で行い、4年生以上は特別教室の掃除も分担します。
こうした毎日の中で、指示を待つのではなく自分で動く姿勢が育ちます。受験を考えるご家庭にとっても、この点は重要です。学校が求めているのは、正しく指示に従える子だけではなく、自分の考えを持ち、それを人に伝えられる子だからです。
さらに、桐朋小学校には「地球市民の時間」があります。多様性を尊重し、世界の平和や持続可能な未来を考える学びで、外国語教育とも結びついています。世界のできごとを他人ごとにしない感覚を、小学生のうちから育てていく取り組みです。
【桐朋小学校】学びを支える校舎と自然環境
教育内容は、それを支える場所とセットで見ると理解しやすくなります。桐朋小学校のキャンパスは、限られた敷地を丁寧に使い切っている点に特徴があります。
- しぜんひろば:木登りやブランコができ、草地では昆虫を観察できます。池にはメダカやタニシ、ヤゴがいます
- 畑:クラスごとに作物を育て、総合の食育につながっています
- 図書室:2万冊以上の蔵書と、児童が自分で操作する貸出・返却システム
- プール:小プールは可動式の床で深さを変えられ、5年生以上が大プールを使います
- 第4体育室:授業や休み時間、放課後に使われ、始業式・終業式・卒業式も行われます
- プレイルーム:遊び場、体育の授業、劇活動、PTAの催しなど多目的に使われます
- 多目的室:総合学習、外国語の授業、自治委員会、美術の展示、劇の練習と発表、放課後の勉強室に使われます
- 相談室:スクールカウンセラーが毎週火曜と木曜に対応します
このほか、学園共用のポロニアホール(350席)や、4年生から6年生が使う八ヶ岳高原寮があります。合宿や音楽会といった行事が、学びの延長として位置づけられています。
中休みには、グラウンド、しぜんひろば、プレイルーム、体育館、教室と、子どもが自分の居場所を選んで過ごします。運動が得意な子も、生き物を眺めるのが好きな子も、それぞれの過ごし方ができる環境です。
【桐朋小学校】教育内容から見える「合うご家庭」
ここまで見てきた教育内容から、桐朋小学校がどんなご家庭と相性がよいのかが見えてきます。
合いやすいのは、結果よりも過程を面白がれるご家庭です。畑の作物がうまく育たなかったとき、劇の役が希望どおりにならなかったとき、そこで何を考えたかを一緒に味わえるかどうかが分かれ目になります。
一方で、テストの点数や順位で毎回お子さまを評価したいと考えるご家庭には、物足りなく感じられる場面があるかもしれません。桐朋小学校は、目に見える成果を早く出すことより、時間をかけて土台を育てることを選んでいる学校だからです。
学校は入学案内Q&Aで、入学考査に特別な訓練は必要なく、家庭や幼稚園・保育園での充実した日々こそがこの時期の発達にとって重要だと述べています。文字の読み書きについても、考査では求めず、入学までに自分の名前がひらがなで読めればよいとしています。この姿勢は、そのまま入学後の教育にもつながっています。
どんな子が向いているのかをより具体的に知りたい方は、桐朋小学校に受かる子の特徴を、学校生活の様子は桐朋小学校の学費・行事まとめをご覧ください。受験全体の流れは桐朋小学校受験 総合受験ガイドにまとめています。
入学前に家庭でしておきたいこと
特別な準備は必要ないとはいえ、生活の土台は整えておきたいところです。早寝早起き、身のまわりのことを自分でする、絵本を一緒に読む、外で体を動かす。こうした当たり前のことが、40分の授業に集中する力や、友だちと折り合いをつける力につながります。ご家庭での進め方に迷ったときは、小学校受験 家庭学習サポートもご活用ください。
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