慶應義塾幼稚舎の過去問を探しているのですが、書店にもネットにも見当たりません。
うちの探し方が悪いのでしょうか。それとも、そもそも無いものなのでしょうか。
探し方は間違っていません。慶應義塾幼稚舎の過去問は、そもそも世の中に存在しないのです。
学校は考査の内容を公表していませんし、そもそも問題用紙を配って解かせる形式の試験ではありません。ですから「過去問題集」という形に残しようがないのですね。
大切なのは、以下の3点です。
・幼稚舎の考査にペーパーテストはなく、過去問という形で残らない
・学校は「特別な準備は必要ありません」と公式に述べている
・それでも、当日どんな時間が流れるかを知っておくことには意味がある
慶應義塾幼稚舎の個別相談、家庭学習サポート、願書作成、面接対策を行う筆者が詳しく解説していきます。
慶應義塾幼稚舎を受験される方は、ぜひ参考にしてくださいね!
【慶應義塾幼稚舎】過去問は存在するのか
結論からお伝えすると、慶應義塾幼稚舎の過去問は公表されていません。
多くの私立小学校では、考査でペーパーの問題用紙が配られます。問題用紙は持ち帰れないことがほとんどですが、受験されたご家庭の記憶をもとに、幼児教室や出版社が「再現問題」という形でまとめていくのですね。これが世の中でいう「過去問」の正体です。
ところが幼稚舎の場合、そのペーパーテスト自体がありません。ですから再現しようにも、問題という形をしたものが存在しないのです。
書店で「慶應義塾幼稚舎の過去問」が見つからないのは、探し方の問題ではありません。作りようがない、というのが実際のところです。
学校は試験内容を発表していません
幼稚舎の公式サイトには、考査で何を行うかの具体的な記載がありません。詳しいことは、毎年秋に販売される「募集要項」で確認する形になっています。
さらに公式サイトには、次のような一文が明記されています。
「入学試験に関するご質問やご相談について、舎長および教職員は、公私にかかわらず一切お受けしません」
学校として、事前に情報を出すつもりはないという姿勢がはっきりと示されているわけですね。この点は、受験を考えるうえで最初に押さえておきたいところです。
【慶應義塾幼稚舎】入試の全体像
過去問はありませんが、日程や出願の流れは公表されています。ここは正確に把握しておきましょう。
試験日程
2027年度入学の試験は、2026年11月1日(日)から11月10日(火)のあいだに実施されます。この期間のうち、指定された1日のみの受験となります。
10日間のうちどの日に当たるかは、こちらでは選べません。日程が読めない前提で、体調管理の計画を立てておく必要があります。
募集要項の入手
募集要項は、2026年9月1日(火)から9月30日(水)まで販売されます。販売場所は幼稚舎と、慶應義塾大学三田キャンパス正門隣の三田インフォメーションプラザ1階です。価格は一部1,000円です。
注意したいのは、募集要項が男子用と女子用に分かれている点です。また幼稚舎の窓口は現金払いのみとなっています。
販売期間は1か月しかありません。この期間を逃すと出願そのものができなくなりますので、カレンダーに入れておかれることをおすすめします。
募集人数
受験情報サイトの掲載によると、募集人数は男子96名・女子48名の合計144名とされています。ただしこれは学校が公式サイトで公表している数値ではありませんので、最新の正確な人数は募集要項でご確認ください。
【慶應義塾幼稚舎】考査で行われると言われている3つのこと
ここからは、学校の公表情報ではなく、受験情報サイトや幼児教室が公開している内容をもとにお伝えします。学校が認めた情報ではない点を、あらかじめご承知おきください。
幼稚舎の考査は、大きく3つの柱で構成されていると言われています。
運動テスト
模倣体操と連続運動が中心とされています。模倣体操は、先生の動きを見てそのとおりに体を動かすもの。連続運動は、いくつかの動作を順番につないで行うものです。
ここで見られているのは、運動神経の良し悪しだけではないでしょう。指示を最後まで聞けるか、うまくできなくても最後までやりきれるか。そうした姿勢の部分が大きいと考えられます。
失敗を恐れて小さく動くお子さまより、多少うまくいかなくても力いっぱい取り組むお子さまのほうが、印象に残るはずです。
行動観察テスト
4名から6名のグループで、競争の形をとったゲームが行われるとされています。
グループでの活動ですから、ひとりで頑張るだけでは足りません。お友だちと相談できるか、順番を守れるか、負けたときにどう振る舞えるか。そういった場面が自然と生まれる作りになっているのですね。
「先を見通して考える力」が問われるという指摘もあります。ただ言われたとおりに動くのではなく、次にどうなるかを考えて動けるかどうか、ということでしょう。
絵画・制作テスト
絵を描いたり、何かを作ったりする課題が出されるとされています。
ここで大切なのは、作品の完成度そのものよりも、テスターの先生に聞かれたときに「自分が何を描いたのか」を自分の言葉で説明できることだと言われています。
上手に描くことを目指すのではなく、描きたいものを持っていること。そしてそれを人に伝えられること。この2つが軸になります。
【慶應義塾幼稚舎】学校が公式に述べていること
保護者面接はありません
幼稚舎の入試について、公式サイトがはっきりと述べていることがあります。
「保護者の面接はありません」
多くの私立小学校では保護者面接が行われますので、ここは幼稚舎の大きな特徴です。当日、お父様お母様が試験官と話す場面はないということですね。
ただし、面接がないからご家庭の考えを伝えなくてよい、ということではありません。幼稚舎の出願では、願書に加えて作文の提出が求められる形式が続いています。面接で話す代わりに、書いたもので伝えることになるわけです。
書いたものは、後から言い直すことができません。その意味では、面接のある学校よりもむしろ、一文字ずつの重みが増すとも言えます。願書作成サポートでは、この「書いて伝える」部分をご一緒に組み立てています。
学校が公式に否定していること
幼稚舎の入試には、いろいろな噂がついて回ります。公式サイトのQ&Aでは、そうした噂のいくつかがはっきりと否定されています。
- 幼稚園や保育園に通っている、通っていないことによる影響はありません
- 保護者の国籍や職業、学歴による影響はありません
- 推薦状の必要はありません。受け取っていません
- 受験に当たって寄付金や入学予約金を払うことはありません
- 生まれ月による有利不利はありません
そして、準備についてはこう述べられています。
「特別な準備は必要ありません。志願者のありのままの様子を知りたいと考えています」
この一文は、幼稚舎の入試を考えるうえでいちばん重要かもしれません。学校は、作り込まれた姿ではなく、そのお子さまがふだんどう過ごしているかを見たいと言っているのです。
【慶應義塾幼稚舎】過去問がない中での準備の考え方
過去問がなく、学校も「特別な準備は必要ない」と言っている。では、何もしなくてよいのでしょうか。
そうではないと、私は考えています。準備の中身が、他校とは変わるということです。
問題を解く準備から、日々の過ごし方へ
ペーパーの問題を解く練習は、幼稚舎に関しては優先度が下がります。その代わりに効いてくるのが、ふだんの生活そのものです。
自分の考えを言葉にする習慣があるか。うまくいかないときに投げ出さずにいられるか。お友だちと遊ぶときに、自分の都合だけで動いていないか。
こうしたことは、直前の数か月で身につくものではありません。だからこそ、早い時期から意識しておく価値があります。家庭学習サポートでは、こうした毎日の積み重ねの部分を一緒に設計しています。
「知らない場所で力を出せるか」を体験しておく
考査当日は、知らない先生と、知らないお友だちと、知らない部屋で過ごすことになります。おうちで100点の力を出せるお子さまでも、この状況で同じように動けるとは限りません。
ふだんから、初めての場所に行く経験を重ねておくこと。初めて会う大人と話す機会を持っておくこと。これは過去問がなくてもできる、確かな準備です。
ご家庭の考えを言葉にしておく
保護者面接がない分、書いて伝える部分の比重が上がります。
なぜ慶應義塾なのか。ご家庭で大切にしていることは何か。お子さまのどんなところを見てほしいのか。こうしたことを、締め切り直前ではなく、早い段階から言葉にしておかれることをおすすめします。
一度書いてみると、ご夫婦のあいだで考えがそろっていない部分が見えてくることもあります。それに気づけるだけでも、大きな前進です。
【慶應義塾幼稚舎】よくある疑問
幼児教室に通わないと難しいですか
学校は幼児教室について、必要とも不要とも述べていません。ただ「特別な準備は必要ありません」という公式の言葉がある以上、通っていないから不利になるとは言えないでしょう。
大切なのは通うかどうかではなく、お子さまが集団の中で自然に過ごせる経験を持っているかどうかだと考えます。
絵が苦手なのですが、対策できますか
上手に描くことが求められているわけではありません。求められているのは、描きたいものを持ち、それを説明できることです。
ご家庭でできるのは、描いた絵について「これは何を描いたの」と聞いてあげることです。説明する練習は、画用紙の上ではなく会話の中で積み上がっていきます。
倍率はどのくらいですか
幼稚舎は倍率を公表していません。受験情報サイトが独自に算出した数字が出回ることはありますが、根拠が確かめられないものは参考程度にとどめるのが安全です。
数字を追いかけるより、目の前のお子さまがどう過ごしているかに目を向けたほうが、結果的に近道になります。
何から始めればよいでしょうか
まずは、ご家庭の状況を整理するところからです。お子さまの今の様子、ご家庭の方針、残された時間。この3つがそろって初めて、やるべきことが決まります。
どこから手をつけるか迷われている方は、オンライン個別相談でご相談ください。ご家庭ごとに、次の一歩をご一緒に決めていきます。
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